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玄武国物語 「私と王様」  作者: 瑞佳
第3章 弟襲来 
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異世界トリップ四日目その一






「こぉら――――― 健斗 何時まで寝てるの!!」


今朝は姉ちゃんの大声で起される


どうせならマッキーさんの可愛い声で起して貰いたかったのに……現実はそう上手くはいかない


異世界トリップのセオリーは一体何処に行ったんだー??


『 ケント様起きて~ マッキー寂し~ 』


とラノベでは起してくれるはず!!


俺って所詮はわき役か……悲しいけどこれが現実か


悲ししすぎてもう一度寝たい


何しろはっきり言って寝足りない


「ふぁ~~~~ お早う~姉ちゃん」


夜中に起こされてお義兄さんの眩しい顔を見たせいか朝方まで中々寝付けなかったのだ。


「お早うじゃないでしょ。 もうお昼近くなのよ」


「ゴメン… お義兄――― 夜中に目が覚めて寝れなかったんだ」


「おにい?」


仕舞った!


「急におにぎりが食べたくなったんだ! おにぎり!」


やべーー 夜中にお義兄さんが来た事を話せば詮索される所だった


姉ちゃんの場合 腐女子的に一夜の過ちなんて言いそうで怖い


それっぽい展開も無きにしも非ずだったし


しかし姉ちゃんは色気より食い気


「おにぎり! 私も久しぶりに食べたいかも……でも此処のお米ってパサパサで今一なのよね」


「そう言えばそうだったな… 今度戻ったらコシヒカリ持ってこようか」


「えっ! 自由に行き来が出来るの??」


「お義兄さんが瞑道を開けてくれれば大丈夫」


「それだけ!? でもあの狭間の真っ暗な空間を人間の健斗が一人で迷わずに帰るの?!」


「大丈夫なんだな~これが。 この金の指環がナビしてくれて向こうの姉ちゃんの部屋に繋がるんだ」


そう言って左手に嵌る金の指環を見せてやる。


「へー 便利ね……なんか見た事がある指環だけど…契約の指環?」


しかし姉ちゃんは訝しそうに金の指環を見る。


「契約の指環? 何か知らないけどコレは翻訳機になってるんだ、それにナビ機能が付いただけの指環だよ」


「そうよね……人間の健斗が持っていても意味ない筈だし」


何やら納得したように言う


「それより、戻る時は私も連れて行って! 一度戻りたかったの」


「駄目。 向こうの姉ちゃんは姉ちゃんだけで日本に帰ったらとんでもない事になるから絶対に連れて帰るなって言われてるんだ」


姉ちゃんは頬を膨らませ怒りだす


「どうしてーー」


「世界が崩壊するんだと」


「何それ?? 」


「姉ちゃんはお義兄さんと命が繋がっているから神圧がどうとかこうとか言ってたぜ」


俺には詳しく説明出来ない


「そう言えば前にもあの性格破綻者が言ってたかもー やっぱりチョンマゲに頼むしかないのね」


性格破綻者… 昨日から結構な言われような向こうの姉ちゃん


「向こうの姉ちゃんてそんなに性格悪くないと思うけど? 確かにSだけど」


「猫を被ってるだけよ」


そう言いきるこっちの姉ちゃん


だけど俺には色々と親身になってくれるし特に最近機嫌が良く会えばにこやかで兄ちゃんのお嫁さんが妊娠したのを知ると親よりお嫁さんに気を遣い世話を焼いている。


お嫁さんの名前は沙智子さんと言い施設で育った天涯孤独の人のせいか兄ちゃんが定期健診に行けない時など代わりに付き添いをしたり、今からベビーベッドや色々貢いでいる。


初めは沙智子さんに惚れちゃったのかと思ったけどそうでもないらしいし、沙智子さんも本当の姉(本当は沙智子さんの方が義姉だが歳は二歳下なので)のように慕っているので姉ちゃんを不気味に思っている兄ちゃんも静観している様だ


本当はこの世界の一番偉い神様らしいけど日本に何しに来てるんだ????


う~ん 謎だったが誰も分からないようだ。









それから姉ちゃんと二人でお昼を食べるけどマッキーさんには会えず終いで何でも姫様の衣装を揃えているらしい。


どうやら姉ちゃんは本気で姫様を着せ替え人形にするようだ


姫様は結構我儘だから忍耐力が持つだろうか?


姉ちゃんに誘われて一緒に見る事にしたが


「どうせならマッキーさんにもして貰おう!」


そう提案する。


何しろマッキーさんの侍女の衣装は地味なので、どうせなら華やかに装った姿を見てみたいしそれをカメラにとって保存だ!


「駄目 マッキーは恥ずかしがりやだしフーランも煩いのよね…」


フーランさんか


見るからにフーランさんの方が上司ぽいし規律に厳しそうだよな


「残念… 写真に撮りたかったのに」


「えっ! カメラ持って来てんの!?」


突然姉ちゃんが食らいついて来る。


「ああ 姉ちゃんの王妃様姿とお義兄さんを両親に見せようと思って最新のデジタルビデオカメラを買ったんだ」


「それを貸して! 桜花姫を撮って頂戴」


嬉々とする姉ちゃん


姫様も綺麗で可愛いがロリコンじゃないし俺的にうま味がない 


「う…ん バッテリーがそんなに無いしな」


予備としてバッテリーとメモリーカードも一つずつ用意したが


「マッキーをそれとなく撮らしてあげるから」


おお~ それはナイスな提案!!


「カメラマンは俺に任してくれ!」


現金な奴だと自分でも思うがマッキーさんを撮れるかと思うと今から興奮


どうせなら水着姿希望だが無理だろうな


だがマッキーさんは最高画質サイズで撮ろう


そして引き伸ばし巨大ポスターにしようと心に決めるのだった。


姫様ににも絶望的な恋だと言われたが好きなものは好きなんだ


そう簡単には諦められないし、それなりのアプローチはして男らしく告白して玉砕したい


それまでは夢見るバカな男でいるさ


ところが姫様の着せ替えごっこが客間で始まるが閉め出しを食らってしまう


何故ならフーランさんが亀族の嫁入り前の姫の支度を男に見せるなど言語同断だとやんわりと部屋を追い出されてしまいマッキーさんとも顔をチラリと見ただけ


その代わり姉ちゃんにカメラを渡しマッキーさんを撮って貰うよう頼んで来たが


心配だ~


姉ちゃんは携帯のカメラしか撮った事が無いから


チャンと撮れるかどうか


ピントを合わせれば誰でも綺麗に撮れるがアングルとか構図とかその辺はアバウトだからな…否、この際ピンとだけあってれば恩の字だ。マッキーさんの生写真が手に入るだけ良しとしよう


暇になったので気分転換に湖を一周する事にする。


此処へ来てから姉ちゃんのペースで食べてるから絶対に太るし、メタボな俺なんて益々マッキーさんに相手なんかされないだろう


体形には気お付けないと一気にデブに逆戻り


一応フーランさんにお伺いを立てると湖一帯は結界が張られ安全らしいが門の守衛を一人付けると言われ面倒なので直ぐ断ろうと思ったが問答無用で押し付けられる。


「弟君様に何かあれば王妃様が悲しまれます」


別に何も無いと思うんだが


「俺これでも体を鍛えてるんで大丈夫です」


しかし


「なりません。何かあれば全て警備の者の責任が負う事になりますのでご了承をお願いします」


「それなら止めておきます」


人に迷惑かけてまでする事でもなく部屋でストレッチでもしようかと思い直すが


「既に門の守衛には連絡しましたし玄関に待機させておりますのでご遠慮なさらずお出かけ下さい」


ええっ!! 何時の間に??


仕事早すぎ!


「そうですか…有難うございます」


ううっ断れなかった


すごすごと長い廊下を歩きながら護衛されながら散歩かよと気が重い


王妃様の弟も存外面倒くさい立場


もっと自由気ままな異世界ライフを想像してたのに


「現実は甘くないんだな はぁ…」


溜息をつきながら玄関に着くと大きな人影が見えて来ると同時に相手も俺に気付いた様で行き成り土下座をして来るので思わず引く俺


なっな何なんだ~~~??


小市民な俺には有り得ないシチュエーション


俺って全然凄くないんだけどお姉ちゃんの七光りは凄まじい効果だ


人間性が変わりそうで怖い


取敢えず近づいて土下座を止めて貰う


「あの~ 立って貰うと有り難いんですけど」


「いいえ 王妃様の弟君様にお見せする顔などありません」


???


何ですかそれ??


そう言えば声に聞き覚えがある。


「もしかして俺が無理やり門を通った時の守衛さん?」


「はい その節はこの若輩の助命を嘆願頂き有難うございました。我一族全てが弟君様に命を投げ打ってでもお仕えする一存です」


ヒィ――エ――――――!!


マジですか~~~~???


どちらかと言うと俺達(姫様が九割)が悪いんですけど~~~


どういう思考回路なんだ??


一歩間違えばキ印に思えるのは俺だけか


なんか重いす~~~


「そんなに堅苦しく考えないで気さくに対応してくれる方が嬉しいんだけど」


一応提案して見るが


「滅相もありません。 たかが一兵士でしか無い私が直接話す事さえ恐れ多いです」


「 …… 」


うっう……話がかみ合わない


泣きたくなってしまうが 俺よめげるな


「でもそのままじゃあ護衛出来ないんで取敢えず立って歩きましょう」


このままじゃ立ち往生だ


門番さんもその点に気付いた様ですっくりと体上がると有に20cm以上は高い巨体を俺は見上げる。


うわぁぁーーー すげぇ――――!!


昨日は馬上から見てたから視線が見降ろしていたし鍛え上げられた体は凄まじい迫力


おおー ケンシ○ウ様だ!!


藍色の髪をきっちり後で縛り銀の目は優しげな美丈夫


くっそーーーー 


これなら女の子にモテモテなんだろうな、羨ましいぜ!


神様は不公平だ 俺のような平凡男子にこの人のような立派な体躯があればマッチョ好きな女の子にもてただろに~~


と嘆いてもこいつ自体が神様なんだからどうしようもない


その神様を跪かせている俺って分不相応だと女の子に言われるのが落ち


『 なに~身の程知らずな平凡 何様の心算り!! 』


ああ~空耳が聞こえる……


ハッ!!


もしかしてそれを狙ってる!


そうだ! そうに違いない!


俺に態と跪いて女の子に俺を最低呼ばわりさせて昨日の腹いせをしてるに違いない←妄想もしくは僻み(ひが)


これだから美形は許せないんだ!


心で悪態を付きながら冷静に判断すれば周囲には俺とこの人しかいないので、ケンシ○ウに悪気もないのは分かっている。


美形に跪かれ動揺してしまっただけ


此れから護衛して貰うにしても名前も知らないのは気不味いよな


「ところで名前を聞いてもいいですか? 因みに俺は橘健斗、 健斗って呼んで下さい」

そう言った途端 再び土下座し始める。


ガバッ!


ビック!


大男が行き成り動きだすと思わずビクついてしまうのは決してビビりからじゃないぞー


「申し訳ありません! 名も告げず御無礼申し上げました。 我名はビーターグゥイ 我命に代えましても弟君様をお守りする所存です」


大袈裟すぎて引きっぱなしな俺


この世界に来てからこんな対応ばかりで疲れる


姫様の尊大な態度の方が気楽に感じられるから不思議だよな~


跪くビーターさんに


「取敢えず案内お願いしますビーターさん」


内心溜息をつきつつニッコリ笑いかけるのだった。








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