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玄武国物語 「私と王様」  作者: 瑞佳
第1章 私と王様
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金のブレスレットと私




アレからリューリンちゃんに家の案内をして貰い、トイレと風呂の場所を脳に確り叩きこむ。今の状況に陥り始めてトイレの重要性を知った私


○糞がどれだけ精神的ダメージを人間に影響を与える事か!


だって、した物がそのまま、悪臭を放ってそこに存在し続けるなんって有り得ない!!


汚物は水と共に流れて行くのが常識の現代


小学校の検便だって母親に頼んだ私


泣き落としが効かない母に弟の保育園のお迎え3ヶ月と引き換えにして貰ったくらい


それ位嫌なのよ~~


昔は汲み取り式なるトイレが存在していたらしく、便を溜める大きなタンクと便器の穴がモロ繋がっており下を見下ろすと家族の汚物がもろ見えだったらしい


それを知った時の衝撃は言葉では表せない


現代に産まれた事をどれだけ感謝したか!


古代でも川に丸太を組み立てそこで用を足して天然の水洗トイレが存在していたのに


恵まれ過ぎた現代の私には○糞なんて許容できない行為!!


でも○糞を経験してしまった私


おかげで?トイレの便座が冷たいなんて許せないし、臭うなんて以ての外だった私が、この世界では便座と水洗である事だけで神に感謝してしまう


人間変われば変わるものだ


しかも此処の浴槽は憧れの檜風呂!!


しかも微かに香る硫黄の匂い


天然温泉!!


まるで高級旅館


これだけで、あの強姦魔にされた事を洗いながせる事が出来てしまう安い私


しかも今目の前で振舞われている豪華な料理の数々


少し残念なのはアルコールが無い事だけど、これで文句を言ったら罰が当たる。


言葉を覚えるとしたら真っ先にお酒と心に決める。


お酒こそわが人生の最大の友


平凡な人生の鬱憤を晴らしてくれる良き友だ。もちろん人間の友達も大事だが言葉の通じないこの世界で友を作るなどかなり先の話だよね


強姦魔とは言葉が通じるらしいから奴に教えて貰うのが手っ取り早い


見てくれが極上過ぎてあまりお近づきになりたくないのが本音


しかも自分のあんな姿やこんな姿まで見られた相手……


自力で覚えるか悩ましいところ……どうしよ?


『 ミユキ様、お口に合いませんか? 』


私が箸を止め考え込んでいると心配げに何か問いかけてくれる。



「リューリンちゃんありがとう」


取敢えずニッコリと笑いお礼を言っておくとリューリンちゃんもニッコリと微笑む


直感的にこの子は良い子だとわかる。


くそ~~ 可愛いじゃん~~!!


そこへルインさんが戻ってくる。


しかもかなりご機嫌な様子で、まるで咲き誇る薔薇が舞っているよう


『 ミユキ様 陛下からの贈り物をお持ちしました 』


何かを話しながら、私の右手をとり懐から出したきた金のブレスレットを手首に嵌めてくれる。凄い! 金? 純金? ずしりと重い感触


アクセサリーはあまり着けないので本物か判断できないけど、細かい文様が刻まれ高価なものに思える。


「こんな高価なも貰っても良いんですか!?」


「ええ、それは陛下からミユキ様への贈り物ですから遠慮なくお受け取りください」


「陛下から? 陛下って!!!」


エッ!!!!!!!!


今ルインさんと普通に会話した?????????


「陛下って何方です?」


恐る恐る、確かめる為に問いかけてみる。


「この玄武国の王であらせます」


「そうであらせますか??」


思わず変な言葉になってしまたけど、おおーー 言葉が分かる!?


「ルインさん!! 何故突然言葉が通じようになったんですか!?」


「今、ミユキ様が右手にお着けなさった腕輪のお陰ですよ」


「この金のブレスレットが!! 凄い翻訳機!? こんな小型の高性能な翻訳機があるなんて結構文明が進んでいる??」


「翻訳機とはよく意味が分かりませんが、その金の腕輪には陛下が施した術によってミユキ様が此方の言葉を理解して話せるようにしたのです」


「えっ! 私って今日本語喋ってないの???」


「はい、ちゃんと此方の言葉をおしゃべりなってますよ」


自分では日本語を喋ってるし、ルインさんも日本語にしか聞こえない


いや……既にこれは異世界トリップのセオリー


考えてはいけない


「有難うございますルインさん。言葉が通じなかったのですっごく助かります!」


「いえ、これは陛 「 ルインさん本当に有難うございます」… 」


あえて厄介な名称は無視しするためにも矢継ぎ早に質問をする。


「それより……ルインさんは日本なんて国知りませんよね?」


「日本? この世界は四神国と海洋国しかありません」


分かっていても落ち込んでしまう……


「信じて貰えないでしょうが私は違う世界から落ちて来たんです。本当なんです!」


頭が可笑しい子と思われそうだけど、今の私の現状を理解して欲しいくて打ち明けるが、ルインさんの反応は予想と違っていた。


「ミユキ様が異界の方と言うのは分かっていました。でもどうやってこの世界に落ちてこられたんですか?」


ええっ!分かっていたの。 それなら話は早いしかも。しかも落ちた理由をよくぞ聞いてくれました。


ここぞとばかりに話し始める。



「聞いて下さいルインさん!! 私がこんな目にあったのは全て金髪美少年の所為です! 仕事から帰って部屋で寛いでいると私の座っている所にポッカリと穴が開いたんです。信じられます床に突然穴が開くなんて、私は成す術もなく真っ暗な穴に落ちてしまったんです。せめて50cm横に座っていれば落ちなかったのに、50cmが私の運命を変えてしまった……そして私が落ちる瞬間金髪美少年とすれ違ったんですけどそいつなんて言ったと思います??」


「はぁ……何と仰ったのです」


「人を穴に落として置いて『あれれ? ゴメンね~人がいるとは思っていなかったから穴を開けた』 ですよ! 全然悪いと思っていない軽い口調で、そもそも悪いと思ったんなら落下する私に手を差し伸べて引きあげるくらいしそうなのにサッサと私の部屋に上がり込んで私は落ちて行くしかなかったんです。酷いでしょう!! 絶対あのガキは確信的に私の下に穴を開けたんじゃないかと思うんです。ルインさんもそう思いませんか!!」


「金髪の美しい少年?」


「はい、一瞬のすれ違いですけどあの顔は生涯忘れません! 目の覚めるような金の髪に金の瞳の少年で、最初は天使かと思ったけどあいつは悪魔です!!」


「まさか天帝様?!」


「そうです天帝と名乗るふざけたガキなんですけど……えっ? お知り合いですか?」


あの悪魔はこの世界の人間だったの! だから私がこの世界に落ちたのかっと納得する。


「天帝様の名を知ってるのですか!!」


「それが酷いんですよ! 私が落ちたのは変な岩山だったんですけど仕方なくそこで一晩寝て過ごしたんですけど、朝目を覚ますと非常持ち出し袋が置いてあったんです!」


「非常持ち出し袋ですか??」


「地震や災害があった時に役立つグッズの入った袋なんですけど、その中に手紙が入っていて差出人に天帝って名前が書いてありました。信じられます!一度戻って来て置いて私を元の世界に戻すどころか、私の部屋を借りるってどういう事です!! 私はあの岩山に一人取り残されて大変な目に遭うし、山から自力で降りようとすれば風に吹かれて落ちちゃうし!助かったと思えば女神様だと思った金髪碧眼野郎にレイプされ、もう何が何だか……うっう……」


段々感情が高まって来てしまい、涙ぐんでしまい、そしてタイミング良くルインさんが私の手をとる。


「お辛い目に一杯遭われて来たのですね……でもこれからは私が確りミユキ様のお世話をさせて貰いますから安心してお任せ下さい」


「ルインさん! 甘えて良いんでしょうか?」


「はい」


優しく頷く姿はまるで観音様のように後光が差している。


「有難うございます~~~ ビェ~ンエンエン~」


この世界に来てから泣いてばかりいるなと思いながらも久しぶりに人に甘えて泣かせてもららった私


そして泣きながら子供のように寝てしまったのを知ったのは翌朝目が覚めてからだった。









ミユキ様の話により天帝様が関わっていようとは思いもよらなかった。


天帝様が故意にミユキ様をこの世界に落としたかは疑問だが、一度は戻られたのは助ける意志があっての事だと思うが敢てミユキ様をこの世界に残された気がする。


もしや陛下の伴侶とし適した者と判断されたのだろうか?


私の腕に泣き疲れて眠るミユキ様


見た目は大人しそうだが、良く喋るお方のようで色々予想を裏切る。


「ミユキ様の寝床は整えてあるか」


「はい、直ぐにお休み出来るようにしてあります」


「宜しい、ミユキ様は当分この離れでお暮らしになりますから失礼があってはなりません。確りお仕えしなさい」


「はい ルイングゥイ様」


リューリンは人間ながら良く気の効く娘、下手に亀族の娘など世話役にしては危険だ


用意した寝室にミユキ様を横たえさせて母屋に戻り妻にミユキ様の事を説明しなければならない。 離れに少女を住まわしいらぬ誤解をされては堪らないし、陛下を嫌っているらしいのでミユキ様のお心を何とか陛下に向けて貰える助けをして貰わばねば……


女同士の方が良かろう


しかし陛下をそれまでどう扱うか


ぐうたら寝ていてくれた方が事を運びやすのだが、ミユキ様への執着は凄まじく暴走すれば誰にも止められない。


ミユキ様を何時までも私の屋敷に留めるといらぬ嫉妬も買いそうなので、早く離宮の建設を始めた方がよさそうだ。


後宮には今だ三人の側室様が留まっており、ミユキ様が危険な目に遭うのは分かり切っているので最初っから諦めている。


あのお三方にミユキ様の存在が漏れるのは時間の問題なので何かが起こらない内に安全を計らなければ、人間のミユキ様は脆く脆弱な体、ミユキ様が傷付けば陛下が荒れ狂いどんな被害がでるかも想像がつかない。伴侶になれば陛下の力で守られれば安心なのだが…まだまだ先だろう


何れも亀族の有力者の姫ばかりで当分死にそうもないので、一層の事始末した方が簡単


だがそれでは親達が黙ってはいないだろう。


何れも国の重職につく者ばかりで全く面倒だ


ミユキ様が普通の少女なら陛下に一目ぼれして実に簡単な話なのだが


伴侶になれば誰も文句を言えない


妻なら何とかしてくれないかと綴るような思いで、ミユキ様をリューリンに任せ母屋へと急ぐのだった。












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