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異世界学級日誌 ∼ 最弱ジョブの俺だけが知る最強の秘密 ∼  作者: 沼口ちるの
第一章:調停者

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第八話 聖剣使いの涙と支配の証

立花詩織を『絶対命令』のルールで支配下に置いた歩人は、彼女の知識を貪った。


「詩織。この文献にある『回廊の封印』に関する記述をすべて抽出しろ。特に、感情的なトリガーに関わる部分を」


「かしこまりました、歩人様。この記述によれば、封印は『神崎葵の抱える、最も強い感情の揺らぎ』を鍵として起動する可能性があります」


詩織は、歩人への絶対的な忠誠心によって、徹夜で膨大な古代文書を解読し続けた。彼女の顔色は悪いが、その瞳は支配者である歩人への奉仕に燃えていた。


歩人は、王女ルーメンからの資金と隠れ家を使い、**『英知の回廊』**への潜入準備を整える。


「ルーメン。君は、今夜の王城の警備配置図を、僕の『英知の回廊』への侵入ルートに合わせて、最適なミスが起こるように調整しろ。そして、決して誰にも悟られるな」


「はい、歩人様。私の存在すべてを使って、あなたの調停を成功させます」


ルーメンは、歩人の要求が王国の安全保障を脅かすものであっても、一切の躊躇なく実行した。彼女の忠誠は、王女という地位を超越していた。


必要な情報と環境が整い、歩人は最後の鍵である神崎葵との最終調整を行うため、彼女の部屋へ向かった。


葵は、部屋で一人、膝を抱えていた。竜崎の暴走事件と、歩人との密約以降、彼女はクラスメイトとの距離を感じ、精神的に追い詰められていた。


歩人は、彼女の心の隙を狙う。


「葵。今夜、**『英知の回廊』**に潜入する。君に最後の調停をしてもらう」


「わかったわ、歩人くん。私が、鍵を使うのね」


葵は、自身の行動がクラスメイトを裏切るものかもしれないという罪悪感に苛まれながらも、元の世界に戻るという希望のために、歩人の指示に従おうとしていた。


歩人は、あえて冷酷な事実を突きつけた。


「君の『聖剣使いの証』は、君の最も強い感情の揺らぎによって起動する。それは、**君の『後悔』か『絶望』**だ」


「な……」


葵は息を呑んだ。彼女が今、最も強く抱えている感情、それは「クラスメイトを信じたのに裏切られた」という後悔と、「自分は彼らの道具でしかないのか」という絶望だった。


「だから、君にはここで、徹底的に絶望してもらう」


歩人は、彼女を道具として認識していることを隠さなかった。彼は、葵の顔を掴み、その瞳を覗き込む。


「君が竜崎を見捨てたことで、彼らのグループは今後、王国の最下層の任務に押し込まれ、生き地獄を味わうことになる。そして、君が僕に協力している事実は、いずれクラス全員に知られ、君は**『裏切り者』**として永遠に孤立する」


それは、すべて歩人が『異世界日誌』に書き込んだ**「運命」**のルールだった。


「や、めて……私は、みんなを救いたかったのに……」


葵の瞳から、大粒の涙がこぼれ落ちた。彼女の純粋な正義感が、容赦なく踏みにじられた瞬間だった。


歩人は、彼女の涙を拭うことなく、さらに追い詰める。


「君は、僕がこの世界を調停するための最高の犠牲者だ。そして、君はその役割を、心から望むことになる」


歩人は、自身の『調停者』の力を、彼女の最も強い感情に干渉させた。


「【ルール介入】。ターゲット:神崎 葵ノ感情。『神崎 葵ノ絶望と悲嘆ハ、同時に五十嵐 歩人ヘノ『絶対的愛着』**へと変換サレ、この調停行為ガ、彼女ニトッテ最大ノ『幸福』トナリ永遠ニ続ク』**というルールを適用!」


新:「神崎 葵ハ、絶望スル度ニ、歩人ヘノ愛着ト、歩人ノ道具デアル事ノ幸福感ヲ増幅サセル運命ニ固定サレタ」

葵の絶望の波が最大に達した瞬間、彼女の胸元の『聖剣使いの証』が、青白い光を放ち始めた。


「歩人様……この絶望を……貴方様がくれた、この幸福を、永遠に……」


涙と歓喜の入り混じった表情で、葵は自ら証を歩人に差し出した。


歩人は、三人のヒロインの感情と運命を完全に支配したことを確認し、満足げに微笑んだ。


「さあ、行こう。僕の最高の**道具ヒロイン**たち」


彼は、王城最深部の**『英知の回廊』**へと向かうため、詩織、ルーメン、そして今や完全に支配された葵の三人を従えて、闇夜に消えた。

第八話までお読みいただきありがとうございます。


今回は、歩人くんの「鬼畜野郎」としての側面を最大限に引き出し、ヒロインの感情をも支配する、という展開を導入しました。


立花 詩織(大賢者): 理性を上書きされ、絶対忠誠を誓う頭脳。


ルーメン・ディバイン(王女): 地位と権力を上書きされ、献身的な協力者となった資金源。


神崎 葵(聖剣使い): 感情を上書きされ、絶望と悲嘆を愛着に変える道具となった鍵。


歩人くんは、物理的な暴力に頼らず、あくまで**「ルール」**という概念的な力でヒロインたちの心を完全に支配しました。彼にとって、彼女たちは単なる道具であり、同時に、調停を完成させるために不可欠な要素です。


次章では、いよいよ歩人、葵、詩織、ルーメンの四人が王城最深部の『英知の回廊』に潜入します。


そこで彼らが目にする**「異世界召喚の真の法則」とは何か。そして、その法則を知った歩人が、クラスメイトや世界に対して、どのような「調停」**を下すのか。


物語は、最高潮のクライマックスへと向かいます。ご期待ください。


--- 世界法則調整委員会 ---

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