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異世界学級日誌 ∼ 最弱ジョブの俺だけが知る最強の秘密 ∼  作者: 沼口ちるの
if調停者死す

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If(もしも)の物語 II:救済の拒絶と新たな狂気

五十嵐 歩人が倒され、世界法則が初期化されてから数時間後。聖痕の祭壇跡地で、天道 隼人は血を流しながらも、ヒロインたちを優しく見つめていた。


歩人の支配から解放されたヒロインたちは、深い混乱と虚脱感の中にいた。歩人の死によって、彼女たちの魂は**「憎悪」**という名の自由を得たが、その憎悪のエネルギーを注ぐ対象を失ったのだ。


天道は、神罰の剣を収め、安堵の表情を見せた。


「これで終わりだ。君たちはもう、あの冒涜的な支配者から解放された。これからは、君たちの自由な意思で、この世界を再構築できる。僕が、君たちを元の世界へ帰そう」


天道の言葉は、純粋な「救済」と「善意」に満ちていた。しかし、その言葉は、ヒロインたちの魂の深部に響かなかった。


神崎 葵が、虚ろな目を見開いた。


「自由な意思……?帰る……元の世界に……?」


彼女の魂には、歩人への憎悪が残っている。だが、同時に、歩人の支配が彼女に与えた**「必要とされた充足感」、そして「究極の快感と愛着の法則」**の記憶が、深く焼き付いていた。


「私は……歩人に、絶対服従することに、私の存在の真実を見つけたはずなのに……」葵は、解放された今の虚無感が、支配下の苦痛よりも恐ろしいことに気づいた。


次に動いたのは、元女王のルーメンだった。彼女は、王族のプライドを取り戻したが、同時に、歩人の道具として完璧に機能していた時の**「使命感」**を失っていた。


「天道隼人。貴方の言う『救済』は、我々にとって**『無価値な存在に戻ること』を意味する。調停者は、私に『王国の全てを捧げる義務』**という、最も重要な役割を与えてくれた。自由な意思で、何をすればいい?私は、献上する対象を失った」


立花 詩織は、冷たい目で天道を分析した。


「貴方の法則は、極めて非効率的です。歩人様は、私の知識を、苦痛と快感を伴う最高の法則として利用した。貴方は、私の知識を、ただの『データ』としてしか扱えない。貴方の『救済』には、私の知性を最大限に活用できる**『支配法則』**がない」


五十嵐 茜は、兄の死を目の当たりにしたショックと、「血縁の愛の奴隷」という支配法則がもたらした狂信的な愛の残滓に苦しんでいた。


「お兄様を殺した貴方が、私を救う?お兄様の支配こそ、私の孤独を埋める唯一の愛だったのに!貴方は、私の唯一の愛を奪った!」


ヒロインたちの瞳には、**「支配」によって歪められた「愛と使命感」が、「自由」という名の「虚無」**を拒否する感情となって現れていた。


そして、桜井 舞が、冷酷な結論を導き出した。


「天道くん。貴方、勘違いしているわ。私たちの**『物語』は、『支配』によって完成したの。貴方は、最高の支配者を殺して、物語をバッドエンド**にしたのよ」


舞は、歩人の残した『異世界日誌』を拾い上げ、天道に向かって突きつけた。


「歩人くんが死んだ今、この世界を再び**『面白い法則』で満たせるのは、貴方しかいない。歩人くんは、私に『永遠の真実を求める渇望』**を与えた。その渇望を埋めるためには、歩人くん以上の法則をこの世界に構築する必要がある!」


舞の瞳には、かつて歩人へ向けていた**「真実の渇望」が、今度は天道隼人**へと向けられていた。


「天道隼人。貴方が私たちを救済したいなら、貴方は**『歩人を超える、新たな絶対支配者』**となる必要がある。でなければ、私たちは、貴方を殺し、再び歩人と同じ法則をこの世界に構築するわ」


天道は、愕然とした。彼の純粋な「救済」は、支配によって魂の深部まで汚染されたヒロインたちには届かなかったのだ。ヒロインたちは、**「自由な愛」よりも「支配下の使命感」**を求めていた。


天道は、自身の信念と、ヒロインたちの狂気に満ちた要求の板挟みになり、新たな**「支配者」となるか、それとも「救済者」**としてヒロインたちに討たれるか、という、究極の選択を迫られるのだった。

If作品の第二話、いかがでしたでしょうか!正義がすべてではないのがこの世の中ってことですね…


今回は、歩人くんが倒された後の**「ヒロインたちの魂の汚染」がテーマです。彼女たちは「自由」を得ましたが、支配下に置かれたことで植え付けられた「歪んだ愛と使命感」が、健全な「救済」**を拒否するという、新たな悲劇的な展開となりました。


天道隼人は、ヒロインたちに**「歩人を超える支配者になるか、それとも討たれるか」**という、究極の二択を迫られます。


この後、天道隼人がヒロインたちの歪んだ要求を受け入れ、**「歩人とは異なる形の支配者」**となるのか、あるいは、ヒロインたちに討たれ、世界が再び法則の混沌に戻るのか、物語はさらなる悲劇的な展開を迎えることになります。


このIfの物語は以上となります!ありがとうございました!


--- 世界法則調整委員会 --

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