SS4:不要な聖女と支配の亀裂
調停世界が完成して数ヶ月。全てが歩人の設定した法則通りに動く中、彼の耳に、一つの「ノイズ」が届いた。
王城の玉座で、詩織とルーメンから活力の献上を受けながら、歩人は不機嫌そうに舞に問いかけた。
「舞。君の『探索者』の能力で、王都で囁かれている**『聖女クララ』の話題の真実を洗い出せ。なぜ、僕の調停世界で、『神』**という概念がまだ人々の間で生き残っている?」
舞は、永遠の真実への渇望に苦しみながらも、その肉体的な献上を中断し、虚ろな瞳で報告した。
「歩人くん……見つけたわ。彼女の名はクララ。元大神官の娘で、年齢は十二歳。かつて聖女として生まれたけど、歩人くんが『絶対法則』を確立したせいで、彼女の役割である**『神への祈り』の法則は無意味になった。王家も市民も、彼女を『不要な存在』**として扱っているわ」
ルーメンが焦りを見せる。
「歩人様、クララは元々、王家でも疎ましい存在でした。彼女の治癒能力は確かに驚異的でしたが、召喚システムに関わるものではありません」
「だが、市民の間では彼女の治癒の能力が**『神に匹敵する』と話題になっている。そして、市民は彼女を『不要な存在』として扱う王家や、その背後にいる僕の支配**に対し、無意識の反感を抱き始めている」歩人は冷酷に分析した。
完璧な支配を目指す歩人にとって、人々の心の中で、自分の法則よりも強い**「信仰」**が根付くことは、許容できない亀裂だった。
その日の夕刻、歩人はAGI=9999で王都の貧民街を訪れた。彼は、粗末な小屋の前に集まる人々の輪を見つけた。
輪の中心には、クララという名の少女がいた。白い麻の服を纏った彼女は、まだ幼い顔立ちだが、その瞳には慈悲の光が宿っていた。
彼女は、不治の病に苦しむ老人に優しく手を重ねていた。
「大丈夫ですよ、おじいさん。神様の力はもうありませんが……私のお母様が教えてくれた、この治癒の光は、まだ誰かの役に立てます」
クララの手から放たれた光は、確かに老人の病を瞬く間に癒した。その治癒の力は、歩人さえも驚くほど純粋で強力だった。
しかし、歩人は知っていた。この力は、召喚システムとは無関係の**『古代アストレイア大陸固有の治癒法則』であり、歩人が確立した『絶対法則』**には干渉しない、中立な存在であることを。
「ああ、聖女様!あなたは、この国で唯一、私たちを見捨てなかった光だ!」
市民たちはクララを熱狂的に慕うが、治癒を終えたクララは、寂しそうに顔を伏せた。
「私は、ただ、皆さまの役に立ちたいだけです。でも、私は、もう、誰にも必要とされていない存在なのですから……」
彼女は、王家にも歩人にも顧みられない、孤独な聖女だった。
歩人は、クララの能力が支配下のヒロインたちとは全く違う、純粋な法則の力を持っていることを確認した。そして、その力が人々の心に影響を与えていることも。
(このまま放置すれば、彼女は僕の支配に対する**『信仰のノイズ』の核になりかねない。しかし、この治癒の法則は、ヒロインたちの『献上と苦痛の法則』の『耐久性』**を高めるために利用できる)
歩人は、 AGI=9999でクララの目の前に現れた。
クララは驚きもせず、冷静に歩人を見上げた。彼女は、人々が畏怖する「調停者」の存在を理解していた。
「……あなたは、この世界を支配した方ですね。私のような不要な存在に、何かご用ですか?」
歩人は冷酷な笑みを浮かべた。
「不要な存在?違う。今日から、君は僕の支配下に置かれる**『最も重要な道具』**だ」
「【ルール介入】。ターゲット:クララノ存在。『クララノ持つ治癒ノ法則ハ、五十嵐 歩人ノ『絶対支配法則』ノ、『維持と耐久性ノ強化ノタメノ、『自動治癒回路』**トシテ、永遠ニ機能スル』**というルールを適用!」
新:「クララノ治癒ノ法則ハ、歩人ノ絶対支配ノ**『自動治癒回路』**トナル運命ニ固定サレル」
クララの体が、一瞬、温かい光に包まれた。
「うっ……これは……私の力が……支配者に……」
歩人は、クララの肩を掴み、玉座への帰路についた。
「君は、僕の支配下のヒロインたちの**『肉体的な苦痛』を回復させ、彼女たちの『精神的な支配』を完璧に維持するための『システム治癒要員』となる。君は、誰にも必要とされない孤独な聖女から、『支配者に最も必要とされる道具』**となったのだ」
歩人は、クララの治癒の法則を、ヒロインたちの**『苦痛と献上の法則』を永遠に維持**するための、新たな残酷な仕組みとして利用することにした。
クララの目には、絶望と、自身が**「必要とされた」**という奇妙な安堵が混ざり合っていた。彼女の孤独は、支配者への献身という形で満たされたのだった。
これで、五人目のヒロイン、**クララ(聖女)**が登場しました!
今回は、歩人くんの完璧な支配に対する**『信仰』という名のノイズ**を導入し、それをさらに支配下に置く展開となりました。
クララの『治癒の法則』は、歩人の支配を直接強めるものではなく、支配下の他のヒロインたちの『苦痛』を癒し、再び苦痛を与えられる状態に戻すという、非常に残酷で鬼畜な役割に固定されました。
神崎 葵: 絶対服従の愛の奴隷
立花 詩織: 苦痛を伴う愛着の知識の献上者
ルーメン: 忠実な活力の献上者
桜井 舞: 永遠の渇望を肉体で満たす真実の探求者
クララ: 苦痛の法則を永続させるための自動治癒回路
歩人くんの支配は、肉体、知識、権力、精神、そして治癒という、全ての側面を網羅しました。
この完璧な鬼畜ハーレムで、次はどんな法則が弄ばれるのか?ぜひ、ご期待ください!
--- 世界法則調整委員会 ---




