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32話 奇襲に至る経緯と結果

「それじゃあ、彼等が小屋の中に入って来たらどうするつもりなの?」

「それはだな、このテーブルを盾にして迎え打てばいいんだ」

「テーブルを盾にねぇ……それって、大丈夫なの?」

「というと?」

「肝心のテーブルだけど、盾にするには面積的にどう考えても人一人が隠れるのが限界。とてもじゃないけど、子供のアナタでも私と一緒だとはみ出しちゃうわ」


 このもっともな疑問に、魔王は毅然と答える。


「隠れるのは余一人だけだ」

「え?」

「貴様が隠れる場所は天井裏だ。隙を見つけてヤツ等に奇襲を仕掛けるためにな」

「奇襲を!? ちょっと待って! さすがの私でも、あの二人を相手に同時にそれをやるのは無理があるわ!」


 アディアはこの作戦が無謀だと訴えるが、魔王は腰のホルスターから銃を抜いて続ける。


「安心しろ、片方はコイツを使って無力化するつもりだ。」

「……自信はあるの?」

「無論だ。これでも貴様とやり合って以降、かなり腕を上げてるんだ」

「ど、努力してるのね」

「当然……っで話を戻すが、余が無力化するのは魔法使いの方だからな」

「ザクノバを?」

「貴様が戦ったのは優秀な武闘家らしいからな。そういった類の者だと本能というか、優れた反射神経が働いて弾を躱されかねない」

「あ~確かにその理屈なら魔法使いが狙いやすいってわけね。いいわ、その作戦でいきましょ!」


 その後、ロゴスとザクノバが家の中へ侵入するまでに時間は進み……


「―――さて、ここからは慎重にいかんとな」


 あらかじめ横向き立てていたテーブルの陰に隠れて二人の様子を窺う魔王。しばらくすると、ザクノバから先制の魔法が撃ち込まれる!


「くらえ! ファイヤー・アロー!!」


 魔法によって生み出される数本の炎の矢は、テーブルに突き刺さり激しく燃え上がる!


「炎で炙り出すつもりか……ならばそうなる前に反撃してやる!」


 燃え盛るテーブル越しに銃を構え、揺らめく炎の隙間から狙いをつけて引き金を引く!


 パァン!

「し、しまった! オレの杖が!!」


 弾は見事にザクノバの杖へ命中し、無力化に成功させる。


「ふぅ、まずはこれで一安心……」


 する間もなく、テーブルが突然真上に飛ぶ!


「あっ!」


 一瞬にして盾がなくなり、無防備な姿を晒す魔王。一方それをやったロゴスは彼の存在に一瞬気を取られるが、すぐに目的のアディアへ意識を戻す!


「ア、アヤツはどこに!?」


 慌てて周囲を見回しているとそこへ……


「私はここよ!!」

 バキッ!

「!?」


 天井板をブチ破るアディアが、大槌を振るって奇襲を仕掛ける!!


「ハッ! そんなところから現れよったか!!」


 何故か嬉しそうな顔で反応するロゴス。彼は体勢を崩しながらも、大槌の一撃を強力な蹴りで受け止める!


「せやっ!!」


 いや! 受け止めるどころか、逆に蹴りの威力で襲いかかるアディアの身体を大槌ごと吹き飛ばして天井へ叩きつけた!!


「がはっ!」


 ダメージを受ける彼女はそのまま床に落下し、そのまま気を失う。


「ふぅ、どうやら今回はワシの技が勝ったようじゃな」


 誇らしげな顔で倒れた彼女を見下ろすロゴス。その眼光には、見る者を凍りつかせる圧倒的な迫力が滲み出ていた。

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