31話 双方の作戦
ロゴスとザクノバが家の外に待ち構える一方、アディアと魔王は彼等を排除するための作戦を話し合っていた。
「逆にこちらから打って出るのはどうだ?」
「危険過ぎるわ。どうせ待ち伏せしてるだろうし」
「なら、あの小窓からは?」
「ダメよ。前に遊びで試したら胸がつかえて往生したから」
「そ、そうか……ならば、こういうのはどうだろうか? まずはこちらから玄関の扉をわざと開いてヤツ等を家の中へ誘き寄せる」
「誘き寄せる? 簡単に言うけど、そんなの上手くいく?」
疑問を促す質問に、魔王は自信持って答える。
「いくだろな。腕に自信がある者程、あからさま過ぎる罠には案外乗りたがるものだ。
それにヤツ等はかつての余と戦った強者。自分の力を過信して無鉄砲な行動を取りたがるに違いない」
「な、なるほど、けっこう考えてるのね」
アディアは感心して頷く。
「それじゃ次よ。彼等が中に入って来てからはどうするつもりなの?」
「それはだな―――」
場面変わって、アディアの家へ侵入したザクノバとロゴスは?
「―――なぁジイさん。中に入ったまではいいが、こっから先の作戦はどうするつもりだ?」
「さぁ? “出たとこ勝負”以外は特に考えてはおらんよ」
「はぁ!?」
ロゴスの無計画極まりない返答に呆れるザクノバ。仕方なく今後の流れを自分で考えよう……っと思った矢先、リビングの中央に人一人がどうにか隠れられそうなテーブルが不自然に横向きで立てかけているのに気づいた。
「オイオイ、まさかアレで隠れてるとは言わないよな? もしそうだとしたら、舐め過ぎるにも程があるぜアディア!!」
目の前の策を下らないと一蹴する彼は、ここぞとばかりに魔法を撃ち放つ!
「くらえ! ファイヤー・アロー!!」
ザクッ!ザクッ!!
テーブルに突き刺さる数本の炎の矢が激しく燃え上がる!!
「ハハハ! 丸焼きになりたくなかったら、さっさと出てくるんだな!!」
そう言う間にもテーブルは燃え続け、ついには完全に炎で包まれてしまう!
「まだ我慢するか……潔く楽になった方が身のためなのによ……」
パァン!!
「何っ!?」
勝利を確信しかけたその時。突然テーブルの方から飛んで来た何かがザクノバを襲う!
「い、今のは一体!?」
想定外の反撃に怯むも、直ぐ様自身に何事もなかったのを確認して再び魔法で攻撃を……ビキッ!
「しまった、杖が!!」
なんと飛んで来た何かは、彼の持つ杖を的確に破壊していた!
「くそっ! これじゃ満足に魔法が使えねぇぞ!!」
まさかの緊急事態に焦るザクノバ。それを横で見ていたロゴスは、彼を落ち着かせるために肩へそっと手を置く。
「ジ、ジイさん?」
「お主は既にアディアの居場所を突き止めるという仕事を果たしておる。ここから先はワシの仕事ということじゃ」
「ジイさん……」
「見ておれ友よ。あのテーブルの向こうに潜む敵が、ワシの力によって葬られるところをな!」
ロゴスは力強く伝えると、高速度で燃え盛るテーブルへ駆け寄って真上に蹴り飛ばした!
「さぁ、姿を見せろアディ……なっ!?」
しかし想像していた彼女の姿はそこにはなく、代わりにあったのは……
「子供じゃと!?」
一瞬混乱するも、すぐに気を取り直して彼女を探す!
「ア、アディアはどこに!?」
焦って周囲を見回しているとそこへ……
「私はここよ!!」
バキッ!
「!?」
天井板をブチ破って現れたアディアが、大槌を振るって奇襲を仕掛ける!!
気づけば30話を超えてました。物語はまだまだ続くので、応援よろしくお願いいたします!




