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25話 かつての仲間の登場

 魔王が巨大熊と激闘を繰り広げていた頃。アディアは別の場所にて自身の鍛練に励んでいた。


 ザババババァァーーーー!!

「はあぁぁぁぁぁぁーーーー!!」


 五十メートルもある高さから雪崩の如く流れ落ちる滝を前にして精神統一をするアディア。やがて何かしらの力が満たされたのを感じると、水の流れに逆い自慢の大槌をアッパーの要領で豪快に振り上げる!!


「せやっ!」

 ズバッーーーーーー!!


 気合一閃の一振によって発生する凄まじいパワーから生み出された圧は、まるで龍が天に駆け昇るが如く滝の中心を逆から真っ二つに裂いて裏側の岩肌まで(あらわ)にする!!


「あ~、最近はサボっていたからこんなもんか……」


 ただこれだけの大技を振るった本人は不服そうな口ぶり。察するに彼女の力には、まだまだ先があることがみてとれた。


「ふぅ。トレーニングは終わりにして、そろそろ帰るとするかな」


 慣れた手つきで大槌を肩に担いで帰路に着く……その矢先だ!


「久しぶりじゃなぁぁぁーーーー!! アディアァァァァァァーーーー!!!」


 突如滝の頂上から響く親しげな大声。見上げた先には見覚えがある人影があった。


「ロゴス! どうして、アナタここに!?」


 かつての仲間の登場に警戒するアディアは思わず身構える!


「ここからじゃ、ちと話し辛いみたいじゃのぉぉぉーーーー!! そっちにいくから少し待っとれぇぇぇーーーー!!」


 さすがに五十メートルもある高さからの会話は不便だと考えるロゴス。その障害を解消すべく、彼何もない空間へ足を踏み出す。


「ほりゃ!」


 当然、彼の身体は重力に従い落下するが、それに少しも焦る様子がなく、地面に激突する寸前でクルリと一回転して華麗な着地を決めてのけた。


「相変わらずの身のこなしね、ロゴス」

「フォフォフォ、当然じゃ。この歳になっても鍛練は積んどるからのぉ」

「ハイハイ、アナタが見かけによらず真面目なのは知ってるわ。それでわざわざこんな辺鄙(へんぴ)場所にまで訪ねて来たのは? まさか私と世間話をしに来た……じゃないでしょ?」

「そうじゃな。色々と説明がまどろっこしいので、単刀直入に言わせてもらってもよいかのぉ?」

「……御勝手に」


 アディアがそう了承した瞬間、ロゴスのひょうひょうとしていた表情が一転して悪鬼に変わる。


「……お主には死んでもらいたいんじゃ!」


 かつての仲間から向けられる明確な殺意。だがそれは、アディアにとってはある程度予想できたものであったので……


「悪いけどそれは無理よ」

「ほぅ、何故じゃ?」

「私がアナタを殺すからよ。今ここでね!」


 自らも殺意を向け返し、目の前の“敵”を叩き潰そうと大槌を上段に持ち上げて戦う姿勢を示す。


「ふぅ、やはりこうなるか……」


 戦いは避けられない。そう考えたロゴスが構えを見せようとした刹那!?


「死ねぇい!」


 爆発的なスピードで踏み込み、アディアの顔面めがけて強力な(こぶし)を打ち放つ!!

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