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24話 魔王VS熊 決着

「さぁどうした畜生? お前が欲しがるエサは、すぐ目の前だぞ!」


 巨大な熊相手に銃を納めた状態で挑発し、さらに可能な限りの至近距離にまで近づく魔王。その姿はどう見ても、命知らずの危険な光景にしか映らなかった。


「ガウゥゥゥ……」


 一方の熊は目の前にあるエサを大量のヨダレを垂らして凝視、一向に動く気配を見せない。


「おかしい……何故、ヤツは攻撃をしてこない? 間合いは十分なはずだぞ?」


 思惑になかなか乗らない相手に首を傾げる魔王。ならばと直接打って出るこてに!


「でやぁ!!」


 前に踏み込んでからの渾身の横蹴りが、熊の土手っ腹へまともに決まるも……


「き、効かない!」


 普段ならいざ知らず、今の彼は子供の身体。当然ながらそんな攻撃は非力過ぎて無意味だ。


「いや、まだまだぁぁぁーーーー!」


 だが、折れない魔王はここから怒涛の攻めを見せる!


「うおおおぉぉぉーーーー!!」


 殴る!蹴る!頭突き! さらには適当に拾った大ぶりの枝や石による形振(なりふ)りかまわない凶器攻撃……っが、やはり熊にはまるで通じず微動だにしない。


「ハァ、ハァ……ダメか……」


 肩で息を切らす魔王に、無慈悲な左右の爪が挟み撃ちで迫る!


「し、しまっ……」


 “しまった!”そう口にするよりも早く、反射的に頭を前のめりに屈めて回避した次の瞬間、たまたま目の前にあった熊の急所……胯間を思い切り蹴り上げる!


「ブガアアアァァァァーーーーーー!!!」


 子供の力でもさすがにこれは効いたか、熊は地面に転げ回って悶絶!


「ハハハ、いい様だな!」


 嘲笑う魔王。しかし熊はやがて回復してゆっくりと立ち上がる。


「ウゥゥゥ……」


 小さく漏れる唸り声にからは、明確な怒りの意を感じさせる。


「ふん、ようやく立ったか。なら、また蹴られない内にとっとかかって来るんだな!」


 手招きする魔王に、熊は狂ったように負傷した爪が生えた左前足を振るう!


「グオオオォォォォォォーーーーーー!!!」


 命を狩り取って尚、お釣りが来る程の威力がある一撃……だが!


「待ってたぞ! この瞬間(とき)を!!」


 魔王この危機を恐れるどころか好機(チャンス)と捉え、素早く腰のホルスターから銃を抜いて眼前に迫る爪へめがけて二発の弾丸を撃つ!


 ギィン!ギキィィィーーーーン!!


 一発目で爪に亀裂が入り、続く二発目がその亀裂にダメージを与えて砕けた爪の先端が宙に舞う!


「これで終わりだ!」


 最後の三発目は、落ちる葉っぱを撃ち抜くタイミングで爪を狙い……パァン!


 勢いよく弾き飛ばされる()()は、熊の眉間へ深く突き刺さる!!


「グギャアアアアァァァァーーーーーーーー!!!」


 断末魔を叫び、噴水の如く大量の血液を吹き出す光景はどこをどう見ても決着を告げるに相応しいものになる。


「や、やれやれ……なんとかギリギリで倒せたな……」


 力なく倒れる熊を見届けて安堵する魔王。余程に消耗していたのか、崩れるようにその場へ座り込んでしまう。


「ハァ、ハァ……銃があったとはいえ、こんな身体でよくやれたものだ」


 不利な状況下で得た勝利の余韻に浸るを魔王。その後、少し休んで幾分かの余裕が出てきたら……


「そういえば、昼飯のメニューをまだ考えてなかったな」


 今度は食事当番だったことを思い出して頭を悩ませる。


「う~む、昼飯昼飯……あっ!」


 ここで彼は、目の前の光景を見てふと気づく。


「フッ、何も考える必要はない。ここにおあつらえ向きの熊肉(食材)があるじゃないか!」

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