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20話 アドバイス

ついに20話になりました!


よろしければ、ブクマと感想をよろしくお願いいたします!

 引き続き、アディアの家から離れた森の奥にある開けた場所にて。


「―――さて、そろそろ続きだ。今度はさっきの隣にある的を狙うぞ」


 魔王がそう言って銃を構えると、アディアからのアドバイスが入る。


「ちょっと待って魔王、構える時はもう少し肩の力を抜いた方がいいわよ。その方が反動を吸収しやすくなるはずだから」

「こ、こうか?」

「う~ん、ちょっと違うかな?」


 魔王は教えられた通りにやってみるも、何かが違うとアディアが直接身体に触って指導する。


「手はこうして……胸と腰は……うん、これでいいわ。やってみて」

「あ、ああ……」


 教えられたアドバイスに従い、魔王は再び構えて引き金を引く!


 パァン! ガキィィーーーン!!


「どうだ!?」

「いいんじゃない。ちゃんと的の真ん中に当たってるみたいだし」

「そ、そうか、アドバイスを感謝するぞ!」


 成果を喜ぶ魔王は、逸る気持ちを抑え切れずに次の的を狙う。


 パァン!

「よし! また真ん中に当たったぞ!!」


 連続して真ん中を撃ち抜くと、隣で見ていたアディアが感心したように声をかける。


「続けて当てるなんてすごいわね。何かコツみたいなものでも掴んだ?」


 この問いに対して魔王は?


「コツか……おそらくそれは、余が“狙う”という感覚に慣れてるせいだと思うぞ」

「感覚に……慣れてる?」


 アディアは不思議そうに首を傾けて訊ねるも。


「元々余は、絶大なる魔力のおかげでありとあらゆる攻撃魔法を使えていた身だ。よって、それらの魔法を確実に相手へ当てるためには必然的に“狙う感覚”が必要になる」

「えっと……つまり魔法で狙って当てるという感覚と、銃で狙って当てる感覚が似てるってこと?」

「その解釈で間違いないな」

「ふーん。それって、魔法が使えない私にわからない理屈ね」

「だろうな。センスがない愚か者には一生かかっても理解できるはずがない」

「……その言い方、バカにしてる?」


 魔王の調子に乗った発言に気分を害したアディア。仕返しに少しだけ懲らしめたくなった彼女はある企みを思いつく。


「ね、ねぇ……そんなに自信があるなら私とゲームをしない?」

「ゲームだと?」

「ええそうよ。動く的に当てるだけの単純なね」

「動く的? 鳥でも撃って数を競うのか?」

「いいえ、動く的は“私”がやるわ」

「貴様が的にだと!? バカを言うな! そんなのは危険過ぎるぞ!!」


 ひどく驚く魔王に、アディアは意外そうな顔をする。


「もしかして心配してくれるの?」

「なっ! そ、そうではない! 余はただ……」

「大丈夫よ。使うのは模擬弾で、まとも当たってもせいぜい凄く痛いくらいだから」

「そ、そうか、それなら安心……ハッ!」

「やっぱり心配してた?」

「う、うるさい! やるならとっと始めるぞ!」

「ハイハイ……じゃあさっそく―――」


 その後、銃の弾丸を模擬弾に変えて準備完了。


「ゲームを始める前に断っておくけど、当然ながら私は黙って的になるつもりはないからね」

「それは当然だろ。余とて無抵抗の相手に銃を向けても意味を成さないからな」

「っで、説明の前に一応確認だけど……模擬弾の装填はできてるわよね?」

「ああ、六発ともちゃんと入れてある」

「よろしい。では説明を続けるわ。ルールはその六発の内一発でも私に当てればアナタの勝ち。逆に一発も当てられずに全て撃ち尽くしたら私の勝ち……いいわね?」

「了解した」

「それともう一つ追加だけど、一つ賭けをしない?」

「賭け? 言っておくが、余は金なんて持ってないからな」

「そうじゃないわ。勝った方が負けた方にデコピンをするってのはどうかしら?」

「デコピン? 確か頭の悪い人間の子供が気に入らないヤツの額を指ではじいて遊ぶ……だったか?」

「少し誤解した表現だけどそれで合ってるわ。やってみる?」

「ふむ、賭けの景品としては下らんが面白そうだな。いいだろう、了承した」

「決まりね。じゃあゲーム開始よ!」

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