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女装剤  作者: 嬉々ゆう
82/91

第81話 「ひとみちゃん⑫首なしサワサとコスプレ」

女性デュラハン・サワサ登場!


文章力が無いので、もしかしたら読み辛い部分もあるかも知れません。また「紀州弁」を意識して書いたので見苦しい所もあるとは思いますがご了承ください。あえて主観「紀州弁」を設定しました。



 ・⋯━☞日曜日朝6時☜━⋯・


 ••✼••アパートマコの部屋••✼••



 コンコンコン!


「はあ~~~い!」


 トットットットッ・・・カチャ!


「どちら様で・・・あ! 貴女は・・・デュラハン?!」


「え? あ、はい 私はデュラハンです

 あの・・・このアパートは、魔法使いばかりが住むと聞いたのですが・・・」


「あ、ええまあ、確かにそうですけど・・・それが何か?」



 なんと! 昨日、仁美の両親のお墓参りの時に見た、あのデュラハンが、マコの部屋に訪ねて来たのだった。

 しかも、女性のデュラハンである。当然、魔族である。

 普通デュラハンと言えば、男性の騎士で馬に乗って、右手に武器を持ち、左手に自分の首を持つというイメージなのだが、どうやらそれは人の勝手なイメージなだけのようだ。

 だがこの女性のデュラハンは、首は確かに離れているが、髪はマコのように三つ編みのツインテールで、手には持ってはおらず、その首はまるで風船のように宙に浮いている。

 しかも、女性騎士ではなく、見た目は日本では珍しいアルプスの女性が着るような可愛らしい民族衣装だ。

 あの霊園で住んでいたとはいえ、めちゃくちゃ場違いだ。



「貴女は、昨日霊園で私達を見ていた人ですよね?」


「あ、はい! 実は貴方達がとても楽しそうだったので、霊園に住む他の魔族達に聞いたら、実はみんな魔法使いだと言うので、もしかしたら私もこのアパートに住まわせてもらえるかも?と思いまして・・・

 それに、1人魔族のお子さんが居ますよね?

 それで、私は・・・だ、ダメですか?」



『1人魔族のお子さん』

 とは、きっと、ひぃちゃんの事だろう。



「いいですよ?」


「本当ですか?! ありがとうございます!!」


「とりあえず、中へどうぞ!」


「あ、はい お邪魔します」



 マコは、突然やって来た魔族のデュラハンの女性を部屋に招き入れた。




 ••✼••アパートマコの部屋••✼••



「どうぞ 即席ですけど・・・」


「あ、ありがとうございます」



 マコは、小さなテーブルに向かい合うように座り、デュラハンにお茶を出してあげた。



「ズズズッ・・・ああ~~~

 こんな暖かいお茶なんて、何十年ぶりでしようか?」


「あはは・・・そうですか」



『暖かいお茶が何十年ぶり? 以前は人と暮らしてたのかな?』

 と、マコはそう思った。



「この度は、私のような魔族を受け入れていただき、本当にありがとうございます!」


「いえいえ! ですがそれにはまず、入居に関して条件がありまして」


「条件? それは・・・」


「はい ちゃんと家賃を払ってくれるのでしたら、ウチのアパートは人族や魔族などの種族に関係なく入居は可能ですよ

 あと、『女性であること』ですかね!

 もうお気付きだとは思いますが、このアパートには女性しか住んでおりません

 万が一にも、トラブルを避けたいですからね!

 それと、出来る事なら魔族とは人に知られない方が・・・良いのは良いのですが」


「あ、はあい! ご安心ください!

 見ての通り、私は女性です!

 それに家賃なら、ちゃんと払えるアテがあります!

 もちろん、それなりに蓄えもあります!

 頭も、ちゃんとくっ付ける事はできますから!」


「なるほど・・・(汗)」



 実はこのデュラハンは、今日まで住む家が無かったとは言え、ホテルやビジホなどを利用して、衣装作りに専念していた。

 また、日本では結構有名なSNSのユーザーでもあり、作った衣装をネット販売をして荒稼ぎをしていたので、億万長者なのである。



「そうなんですね・・・あはは(汗)

 そして、その払える具体的なアテとは?」


「はい! 私はデュラハンではありまずが、こう見えても衣装作りが得意でして、ネットで販売すれば、私の作った服の売上から十分に家賃の支払いはできると考えております!」


「ネットまで知ってるんですね? なるほど・・・

 それで、衣装というのは、具体的にどんな衣装を作れるのでしょうか?」


「はい! ご希望であれば、どんな服でも作れる自信があります!」


 ガタン!


「どんな服でも?!」


「?!・・・あ、はい(汗)」



 その言葉を聞いたマコは咄嗟に立ち上がり、テーブルに手を着いて前のめりになって叫んでいた!



「そ、それは、人がコスプレなどで着るような奇抜な服でも?」


「コスプレ? あ、はい もちろん、作れますが・・・」


「素晴らしい!! ぜひ、このアパートに住んでください!」


「!!・・・は、はい! よろしくお願いします!!」



 と、こうしてアッサリと、デュラハンの女性の入居が決まってしまった。

 このデュラハンの女性の名前は、竹林(タケバヤシ) 爽沙(サワサ)というらしい。

 苗字は、竹林近くの霊園に住んでいたからだろうか?

 などと思ったマコだったが、実はその通りとのこと。

 元々は、ヨーロッパから流れてきて日本に住み着いたデュラハンの夫婦の子供らしく、今は独り立ちして和歌山に来てから、このアパートの裏手の霊園に住み着いてもう60年ほどになるらしい。

 つまり、このアパートが建った頃から居るという事になる。

 年齢は、魔族としてはまだ若く、120歳くらいなんだそうだが、実年齢は、ちゃんと数えてないそうで、よく分からないらしい。

 このアパートが建った頃には、この近くにも民家がチラホラと経ってはいたそうだが、なんでも40年ほど前から『首なしお化けが出る!』と噂になり、近くの民家も、このアパートでも、住民が次々と減っていったそうな。

 

『幽霊騒ぎって、サワサのせいでは?』


 と、そう思ったマコだったが、それは黙っておいた。



「あはは・・・とにかく、私どもは貴方を受け入れます!」


「はあい!! ありがとうございます!!」



 こうして、デュラハンのサワサが、1階の2号室に住むことになった。



 ・⋯━☞朝6時7時頃☜━⋯・


 ••✼••アパート仁美の部屋••✼••



 コンコン!


《仁美さあ~~~ん!》


「ん! マコか? はいよー! 開いてるよー!」


 カチャ!・・・


「ほら、入って入って!」


「あ、はい お邪魔します・・・」


 ・・・パタン!


「うん?! これはまた、個性的な人が来たもんやなあ?」


「はい! 実は、今しがた急に決まった事なんですが、今日から1階の2号室に住む事になった、竹林(タケバヤシ) 爽沙(サワサ)さんです!」


「ほお? 1階の2号室に?」


「はい! 竹林 爽沙です! 魔族のデュラハンです!

 よろしくお願いします!」


「ほおお~~~魔族のデュラハン?

 ・・・・・・・・・えっ? デュラハン?」


「そうです この方、デュラハンなんですよ?」


「・・・・・・へ?」


「あ、ほら! このとおり!」


 スポン!


「?!・・・」



 サワサは、そう言って頭をスポン!と引っこ抜いた!



「はうわっ・・・はわわ・・・(焦)」


 パターン!


「仁美さあん?!」


「えええっ?!」



 仁美は、また卒倒してしまった。




 ・⋯━☞約10分後☜━⋯・



 仁美の部屋に、アパートの住民が全員集まっていた。



「んもお! 部屋狭いのに~~~(怒)」


「しょうがないじゃないですかあ~~~」


「まあ、こんな小っちゃなちゃぶ台に大人が5人も囲めば狭いわなあ(汗)」


「すみません・・・(汗)」


「ああ、サワサさんは謝る事じゃないですよ?」


「そうそう! 仁美さん、とりあえず子供になってください」


「なんじゃそりゃ?!」


「ほら! ミサンガ外して!」


「あっ! ちょっと!!」


 スポッ!・・・ポン!


「ぷわはっ! あんもお! なんで俺だけ?」



 和美が仁美の腕からミサンガを無理やりすっぽ抜き、仁美の身体が肉体年齢16歳の女の子に戻ってしまう。

 続いて和美もミサンガを外し、肉体年齢14歳の女の子の身体に戻る。

 確かに、2人の大人が子供になることで、ちょっとだけ座りやすくはなった。

 ホノカはまだ魔法使いになったばかりなので、ミサンガを使うほどにまで身体が魔法使いに馴染んではいない。



「ほら! もうちょっと、そっちへ寄って!」


「ああもう! はいはい!

 ひぃちゃんちゃんは、俺の膝の上にね」


「はあい!」


「よっこいしょ!」



 仁美は、ひぃちゃんを自分の膝の上に乗せた。

 これでなんとか、さっきよりも幾分か座りやすくはなった。



「そっか・・・デュラハンやったんや?

 まあ、お化けとちゃうんやったら、怖くないわな」


「あはは・・・すみません(汗)」


「いやいや! でも、こうして頭がくっ付いていたら、普通の人にしか見えませんね?」


「あはは・・・ありがとうございます(汗)」


「まあ、そういう訳で、今日からサワサさんが、このアパートに住むようになったので、みなさん仲良くしてあげてくださいね」


「「「はあ━━━い!」」」


 ポロッ・・・(転げ落ちるサワサの頭)


「おっと!」


「「「「!!!!・・・・・・(汗)」」」」


「あはは・・・失礼しました(汗)」



 サワサの首が、クルリと回ってポロッと落ちた。

 流石にサワサの首が不意に落ちる絵面は、皆んなゾッとした。

 なにはともあれ・・・

 サワサは、またまたアッサリと皆に受け入れられた。



「早速だけど!」


「「「「?!・・・」」」」


「サワサさん、私のコス衣装作ってくれない?」


「「え?・・・」」


「あ、はい! いいですよ?

 それで、どのような衣装なんです?」


「これですっ!!」


 バッ!!


「「「「んなっ?!・・・」」」」



 マコは突然、サワサにコス衣装を作って欲しいと言う。

 そう言って、アニメ雑誌の表紙に描かれている美少女キャラを見せる。

 そしてそのコス衣装とは、もう放送が終わって数年にもなるのに、未だに映画やゲームでも超絶な人気を誇る魔法少女アニメ、『自意識過剰!?自称♡魔法少女フルーティー☆アン』だった。

 その、3人の魔法少女達、『アン』と、『ドゥ』と、『トロワ』の3人目の『トロワ』の衣装が着たいのだそうだ。

 この3人の魔法少女は、スイーツをモチーフにした衣装を着ている。

『アン』は、イチゴをモチーフとした、全体的に赤とピンクのコスチュームで、イチゴの髪留めでツインテールにしている。

『ドゥ』は、全体的に緑と黄緑のコスチュームで、メロンの髪留めでツインテールにしている。

 そしてマコの好きなキャラの『トロワ』は、全体的に黄色と黄緑のコスチュームで、パインの髪留めでツインテールにしている。

 このアニメキャラは、フルーツをイメージした衣装なのだ・・・が、このイチゴに、メロンに、パインとは、厳密には野菜である。

 お店では『果物』と同じブースで売られてはいるが、『果実的野菜』として表記されている場合もあるとか。

 この3人のコスチュームの奇抜なビジュアルといい、フルーツをモチーフとしたキャラだが実はイチゴもメロンもパインは野菜といい、色々とツッコミどころは満載だが、なぜだかとにかく人気がすごい!

 仁美も知るほどの、大人から子供まで人気で知名度のあるアニメだ。

 仁美もあまり詳しくは無いが、名前くらいなら知っていた。

 チラッとアニメも観た事ならあるが、正直なところマコの気持ちが解らない。

 なぜなら仁美は、『自意識過剰!?自称♡魔法少女フルーティー☆アン』に登場する、所謂『悪役のラスボス』の『野菜の国のベルドーレ第2王女』の方が好きだった。

 正義のヒロインの小っちゃな3人組よりも、背が高くてスタイルが良く、ムチをバシバシぶん回しながら強力な攻撃魔法をバンバン放つ、一見『SMの女王様』みたいなビジュアルだが最高にカッコ良かった。(仁美的主観)

 だが、そんな事は恥ずかしくて言えない仁美だった。



「ふぅ~~~ん・・・ま、好きなものは人それぞれやわな?」


「何ですかソレ~~~?

 大人なのにアニメキャラが好きなのをバカにしてるんですか?」


「いやいや! ちゃうちゃう!!

 そんな風に思ってなんかないよ! 気に触ったらすまん!」


「うううう~~~(照)」



 マコは、アニメ雑誌を胸に抱いて顔を真っ赤にしていた。

 この時皆んなは、仁美はマコがアニメのキャラになりたいと言うのを偏見な目で見ていると思っていた。

 仁美も、皆んなからそんな風には思われていると気付いていた。

 これは・・・いかん!!

 そう思った仁美は、慌ててマコをフォローする。



「俺やったら、悪役の幹部の3番隊ブロッコリン隊長の方が可愛いと思うけどな!」


「「「えっ?!・・・」」」


「ひ、仁美さん! 自魔女アン知ってるんですか?!」



 マコの言う、『自魔女アン』とは、『自意識過剰!?自称♡魔法少女フルーティー☆アン』を略した呼び名である。

 



「びまじょあん? お、おお! し、知ってるよお?

 3人の女の子の魔法使いが、悪の敵と戦うヤツやろ?

 確か~~~えっと~~~野菜の国を乗っ取り、次はフルーツの国まで乗っ取ろうとする悪の王女の軍と戦うヤツやろ?」


「「「おおおお~~~っ!!」」」


「仁美さん! 『美魔女アン』ではなく、『自魔女アン』ですよ!」


「ん?! お、おお! しっ、知ってるよお?(汗)」(知ったかぶり)


「そうそう! 仁美さんがまさか自魔女アンを知ってるだなんて思わなかったあ!」


「踊ろきました!!」


「ま、まあな! 俺が1番好きなんは、やっぱアレやな!

 ボディコンスタイルの黒と赤のビキニアーマー着たナイスバディーの『ベルドーレ第2女王』なんか、サイコーにカッコええやぃてよお!!」


「「「ソレ、ラスボス!!」」」


「そっ・・・そうなんか? よ、よお知らんけどよ(汗)」


「ぷぷぷうっ! 何を言ってるんですか?

 ちゃんと名前もシッカリ覚えてるじゃないですか!

 確かに仁美さんが好みそうなキャラですもんね!

 黒目黒髪だし、背が高いし・・・って、そう言えば仁美さんにクリソツかも!!」


「うええっ?!」


「ぁあああっ! ホンマやあ!!」


「ああああっ!! 確かにっ!!

 魔法少女にばかり目が行ってて、気付かなかった!」


「仁美さあん! 私と一緒に『合わせ』しましょうよ!

 和美さんと、ホノカさんと、私とで3人の魔法少女するので、仁美さんはベルドーレ王女をしませんか?!」


「はあっ?!」


「おおっ! いいじゃない?!」


「いいですねえ! 面白そうじゃないですかあ!!

 ベルドーレは巨乳だから、ピッタリですよ!!」


「うっ、うっさい!

 お、おう、おう、俺を、お前らの世界に引きずり込むな!!」



 だが、和美とマコとホノカの押しは強く、どうやら自魔女アンのコスプレを仁美はさせられそうである。

 そして、次の週の土曜日には、サワサの作ったコス衣装は既に完成しており、マコの部屋で着合わせが行われた。




 ・⋯━☞次の週の土曜日☜━⋯・


 ••✼••アパート・マコの部屋••✼••



「・・・なあ?」


「なに?「なんですか?「なんです?」


「・・・コレ、ホンマに着やなアカンの?」


「当たり前じゃないですかあ!

 せっかくサワサさんが作ってくれたんですよ?」


「そうそう! それに1度着てみて、着替え玉に登録しなきゃいけないんですから、さっさと着てくださいね!」


「私が手伝ってあげよっか?」


「・・・ええよ! 自分で着るから」


「そう?」


 パタパタ・・・シュルシュル・・・バサッバサッ!


「あうう・・・・・・・・・(恥)」



 サワサの作った仁美のためのコス衣装は、ボディーラインを綺麗に見せたいそうなので、下着は一切着けないのだそうだ。


 マジか・・・くっ! 殺せっ!!


 今更、このメンツの前で裸になるのは恥ずかしくなんてないが、仁美が着るのは『ベルドーレ第2王女』のコス衣装である。

 あの、まるでSM女王のような・・・

 ハイレグ、ヘソ出し、肩出し、下乳出しな、あまりにも肌の露出度が多いのが特徴的なデザインで、マントで隠してチラ見せするの姿勢がまるで裸のようで、凄くセクシーで妖艶なキャラクターなのだが、流石に恥ずかしい。

 これだと、素っ裸よりも余計にいやらしい・・・


 和美達は、ウキウキしながらコス衣装に着替えている。

 ってか和美よ! お前さんは、そんなキャラだったのか?!

 和美もマコも、ミサンガを外していて中学生くらいに見えるので、少し成長した魔法少女のようで思いの外似合っている。

 また、ホノカもこの頃になると、身体が魔法使いに少し馴染んできたせいか、ミサンガはまだ持ってはいないが、中学高学年くらいに見える。

 1番背が低いアンのマコ。 次に背が低いのがトロワの和美。

 そして1番背が高いのがホノカが成りきるドゥで、丁度キャラ設定的にも合っていた。

 そして仁美は、ミサンガを着けると肉体年齢20歳の身長178cmの巨乳で悩ましい体型のボン!・キュッ・ボン!な訳で、ベルドーレ第2王女がまさにピッタリであった!




 ・⋯━☞着替え終了☜━⋯・



「「「きゃあああああああああ~~~!!」」」


「あううう~~~(恥)」


「仁美さん! 凄く似合ってますよ!!

 凄いです! 凄いです! 凄いですよお!!」


「似合ってるレベルじゃないですよ!

 ベルドーレ第2王女そのもよですよ!!」


「仁美マジすごっ!! モノホンやん!!」


「ああうううう~~~・・・くっ! 殺せぇっ!!」


「「「あはははははははははっ!!」」」


「うううううう~~~(泣)」



 和美とマコとホノカは、改めて驚愕した!

 サワサは、感動して涙まで流していた。

 ベルドーレのコス衣装を着た仁美は、右手にムチを持ち、左手に巨大な中華包丁を持つ悪役キャラそのもの!

 (なぜ中華包丁?ってツッコミはなしね)

 そして決まり文句は、『女王様とお呼び!』である。

 まさに、SMである。

 マジで仁美は、ベルドーレ第2王女のコスプレをするために生まれてきた!と言っても過言ではない程に似合っていた!

 いや、今の仁美は、皆んなの言うように、まるでアニメの世界から実写版として画面から飛び出したかのような、ベルドーレ第2王女本人そのものだった!

 もし、自魔女アンが実写化するなら、絶対に仁美を起用して欲しいと思うくらいだった!



「あううう~~~もう! なんでもええけど、さっさと写真撮って終わらせてくれえっ!!」


「「「「ええええ~~~勿体ない!!」」」」


「ハモるなあ!!」


「きゃははははははははっ! 仁美ちゃんカッコいい!!」


「そ、そう?(照)」


「うん!」


「あああ~~~んもおおおお~~~!!

 ひぃちゃん可愛い~~~ん♡ チュ! チュ! チュ!」


「仁美ちゃん! こちょばゆい~~~」


「「「「・・・・・・・・・・・・(汗)」」」」



 こんな時でも、ひぃちゃんには甘い仁美であった。

 仁美は、エモノを投げ捨て、ひぃちゃんを抱き上げ、何度もひぃちゃんのホッペにキスをする。

 そして、仁美達のコスプレ撮影会が始まり、1時間半にわたってポージングの雨嵐!

 サワサは、自前の一眼レフカメラで、撮る!撮る!!撮る!!!

 


「いいですねぇ~~~!」


 パシャ!


「あ、コッチ目線お願いしまあ~~~す!」


 パシャパシャ!!


「ってか、サワサさん一眼レフ持ってたんですね?」


「はあい! プロ仕様も持ってますよ!

 それと、スマホも持ってますよお?」


「「「「ええっ?!」」」」


「マジか!!」


「はあい! ツイートαでは、フォロワーは20万人いますよ!」


「「「「えええええええ~~~?!」」」」


「にっ⋯にじゅっ⋯まん? え? って、はあ?!

 僕なんか、やっと1500人程度なのにぃ~~~!!」


「落ち着け和美・・・(汗)」



『ツイートα』とは、世界での利用者数が数億人を超えると言われる匿名登録制の短文と画像や動画も投稿できるSNSである。

 サワサはもう5年も前から始めており、ほとんどがコスプレ衣装の画像を投稿していて、なかなか人気のあるユーザーだった。

 もともと人気ユーザーだけあって、仁美達のコスプレ姿をアップロードした途端に大反響!

 この日だけでも、一気にフォロワーがまた2千人増えた!

 やはり、特に反応が良かったのが、仁美のベルドーレ第2王女のコス姿だった!

 初めは恥ずかしさで死にそうだった仁美だったが、不特定多数からの好反応に身体の芯から震えるほどの快感を覚え、どうやら病みつきになってしまったようだった。



「どうよ仁美! ノリノリやん!!」


「え?・・・」


「そうですよ~~~初めは嫌だ嫌だと言っていたのに」


「どうですか? 楽しめましたか?」


「うん! めっさ最高っ!!

 うう~~~ん! 痺れちゃう~~~ん♡」


「「「「あはははははっ!!」」」」



 この日から仁美達は、週末になるとコスプレをするようになっていた。


コスプレ!!

意外とハマってしまう仁美であった・・・

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