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女装剤  作者: 嬉々ゆう
79/91

第78話 「ひとみちゃん⑨『家族みたいやね』」

お好み焼き食べたい!

思い立ったら、スグ行動!!


文章力が無いので、もしかしたら読み辛い部分もあるかも知れません。また「紀州弁」を意識して書いたので見苦しい所もあるとは思いますがご了承ください。あえて主観「紀州弁」を設定しました。



 ・⋯━☞土曜日☜━⋯・


 ••✼••アパート仁美の部屋••✼••




 土曜日。

 突然、思い出したかのように、仁美が言う。




「お好み焼き食いたぁ~~~い!」


「うん たまには、いいですねえ?」


「おっ? そうやろう! そうやろう!」


「やっぱり和歌山と言えば、関西風ですか?」


「うんや? そうでもないみたいやな!

 俺は関西風が好きやけど、俺の両親は広島風が好きやったみたいやわ!」


「なるほど! お好み焼きと言えど、好みがあるんですね

 それで? この辺だと、お好み焼き屋さんって、何処にあるんですか?」


「ううむ・・・この夏までは、お好み焼き、焼きそば、たこ焼き、それぞれ300円!って、めちゃ安な個人小っちゃなお店があったんやけどな?

 やってたのは、おじいちゃんと、おばあちゃん2人やったんやけど、もう歳やし跡継ぎも居らへんからって、辞めてしもたんよ」


「なんと!! それは、勿体ないですねえ~

 今どき300円だなんて、なかなかありませんよ?」


「そおーなんよ! 焼き方は関西風の、味もオーソドックスな昔ながらの素朴な味でね!

 看板も無く、提灯1つぶら下げただけの目立たへん店やったわ

 めちゃくちゃ好きやったのになあ・・・(泣)」


「なるほど・・・

 では、僕達で作りましょう!

 その、オーソドックスな昔ながらの素朴な味のお好み焼きとやらを!」


「おおっ! いいねえ? ほんならお好み焼きパーティーやあ!

 マコもひぃちゃんも誘って、皆んなで材料の買い出しに行かへんか?」


「うふふ いいですねぇ?

 たまには、いいんじゃないんですか?

 マコさんも、今は管理人しかしていませんから、土日はきっと暇を持て余していると思いますよ?」


「うんうん! そう! どうせ暇やろうしね?

 丁度、車も買ったみたいやし?

 車とか家とかって、使わな傷むもんやからな!

 だから、使ってあげやなアカンのよ!!」


「そうですね!」



 仁美と和美はマコに対して、2人してとても失礼な事を言っている事に気付いているのだろうか?

 和美も、かなり仁美に汚染されてしまったようである。

 なにはともあれ、こうしてお好み焼きパーティーをするために、久しぶりに揃って買い物に出掛ける事に決めた。

 何時もなら和美1人で行く買い物だ。

 その訳は、仁美が勝手に欲しい物を次から次へと買い物かごへ入れてしまうからだった。

 だから和美は、買い物には仁美は付いて来るなと言われていた。

 なぜなら仁美は、肉と肉に肉や肉も肉のとにかく肉で好きで肉ばかり入れるからだ。

 肉好きなのは分かるが、偏りすぎである。


 仁美は、マコの部屋に行くと、マコと、ひぃちゃんに、本ノ木のスーパー松減へ、『お好み焼き』の材料を買いに行こうと話すと、2人は大喜びで、マコは嬉々として車を出してくれた。

『4人で、お好み焼きパーティーをしよう!』って事になったと言うと、2人ともまたまた大喜びだった。

 

 実はなんとなんと!  先程にも仁美と和美の話にも出たが、マコは、車を持っていた!

 元々、普通自動車の免許は持っていたのだそう。

 これまで車は持っていなかったのだが、このアパートからの買い物などのお出掛けになると、ちょいと不便なので、中古の普通車を購入したんだと。

 まあ、マコはお金はあるので車1台購入するくらいは特に不思議ではないが、マコが免許を持っていたのには驚きと羨みで嫉妬した仁美だった。




 ••✼••市内粉川加汰線移動中•✼••



 ブウウウウウウ~~~ン・・・


「ふぅん・・・なかなか、ええ車やん?」


「そうですか? ありがとうございます」



 マコの車は、トヨータのシルバー色のビッツ。

 小型車だけど、一応普通車なので、4人なら平気でゆったり乗れる。

 マコが運転手で、運転免許を持つ和美が助手席て、仁美は後部座席の左側に座り、ひぃちゃんは後部座席の右側に、チャイルドシートで座っている。

 

 そして、ひぃちゃんは、角と尻尾と翼を引っ込める事ができるようになり、今では普通の人間の女の子にしか見えない。


 しかし!!

 仁美は、劣等感を感じていた。

 和美もマコも、自動車免許を持っているし、和美は自動二輪の免許も持っている。

 さらにマコは、自家用車を持っている。

 そして和美は、自動二輪車を持っている。

 仁美は、原動機付自転車だけだ。

 この中で1番年上なのに、原チャリだけと言うのは情けなくなるのだった。



「マコ、運転できるんやね?」


「ふふふ だって、免許持ってますからね」


「車の免許を持っていないのは、仁美さんだけですね?」


「うっさいなあ! 言われると思たわ!

 そのうち、絶対に車の免許取っちゃる!

 それも! 限定解除のヤツ!!」


「大型ですか?!」


「はあ?」


「仁美さん、大型は普通免許取得から3年以上じゃないと取得できませんよ?」


「ちゃうわあっ!! ミッションじゃよ! ミッション!」


「はいはい MT車、つまりマニュアル・トランスミッション車ですね?」


「とらん・・・ふん! 和美・・・俺をバカにしてる?

 それくらい、知ってますしぃ~~~」



 実は仁美は、MT車とは、『マニュアル・シフト車』の略だと思っていた。

 だが、マニュアル・シフトでは、MSになってしまう。

 もちろん、この時の仁美は、知ったかぶりである。

 


「いやあ、バカになんかしてませんよぉ!」


「ホンマかぇ?」


「でも仁美さん? 今どきMT車なんて、そうそう乗る機会なんて無いんじゃないんですか?

 工事関係者なら、需要があるでしょうけど」


「そうかも知れへんけど・・・

 どうせ取るんやったら、車はMT車と、自動二輪も取りたいわな!」


「僕、持ってますよ?」


「言われなくても、知ってますぅ~~~

 和美さんよお! それ、俺に対しての嫌味ですかイジワルですか皮肉ですかぁ~~~?」


「きゃははははは!」


「ひぃちゃん、笑わんといて?

 仁美ちゃん、ひぃちゃんに笑われると悲しい・・・(泣)」


「「あはははははははっ!!」」


「ちょっ! 笑うなあっ!! ぷんぷん!(怒)」


「でも、MT車だけあれば十分でしょう?

 仁美さんには、原付があるですから

 なぜ、自動二輪まで欲しいんですか?」


「そりゃあ~お前、和美は普通自動車と普通自動二輪持ってるやろ?

 なんか悔しいやん?

 だから俺は、車はMT者取っちゃるんや!」


「「どうして?」」


「和美は、AT車やから!

 MT者の方が難しそうやし、『限定解除』っつぅのがカッコええやろ?

 はら! なんか、チューンした隊長専用機みたいで♪」


「「ぷぷぅ~~~あははははははっ!」」


「んなっ?!」


「なんなんです? ソレぇ~~~(笑)」


「あはははっ! 子供ですか?(笑)」


「きゃははははっ!」


「ちょおっ! みんな、笑いすぎぃっ!!

 AT限定解除って、なんかカッコええやん!!

 なんせ、車のMT免許に、自動二輪の免許持ってるゆーたら、男のステータスやんかよぉっ!」


「「仁美さんは、女の子ですよ!」」


「んなっ?! そっ・・・そお━━━やけどよぉ~~~!!」


「仁美さん、また自分は女だって事、忘れていたでしょう?」


「そんな、他の女性すら羨む身体をしているのにぃ?」


「ひゃあ?! なん、なん、なにを!!

 なんちゅー事を言うんよお前わあ!!

 わっ、わす、忘れて、忘れてなんかいませんわあっ!!」


「「あははははははっ!!」」


「きゃははははははははははっ!!」


「わあ━━━らあ━━━う━━━なあ━━━っ!!」


「仁美さんって、本当に面白い人ですね?」


「はっ・・・はうっ・・・ヘあうっ・・・(恥)」


「仁美さん、とっても可愛いです♡」


「うっさいっ! ばあ━━━かっ! 和美の方が可愛いくせに!

 ぶぅ~~~!! ぶぅ~~~!!(怒)」


「「あははははははっ!!」」


「きゃははははははははっ!!」



 なんちゃ他愛のない会話だが、ひぃちゃんには楽しい時間を過ごせたようで仁美達も嬉しかった。

 実のところ仁美は、ひぃちゃんを連れ出したかった。

 この世にホムンクルスとして生まれてからというもの、ずっと部屋の中で過ごしてきた。

 こうして、車まで出して遠出するのは、ひぃちゃんにとっては初めての事である。

 ひぃちゃんは、キャピキャピと楽しげにはしゃいでいる。

 仁美は、ひぃちゃんが可愛くて仕方がないのだ。


 だがこの時、仁美の精神的な起伏が激しかったせいか、『変身ミサンガ』の魔力を過剰に消費してしまい、変身ミサンガは変身効果を無くしてしまった。

 そのせいで仁美の身体は、肉体年齢16歳くらいに戻ってしまっていた。

 この頃の仁美は、魔法使いとして一応は成長していたので、身体も魔法使いの肉体年齢相応に若年化していたのだ。

 魔法使いの28歳とは、まだまだ子供なのである。

 こうなると精神も身体に合わせてしまうのか、仁美の言動を見ると精神も若年化しているように見える。

 男だった頃の仁美の、全身筋肉ムキムキ日サロ黒光り汗臭さアラサー独身野郎の面影など、今の仁美には、コレっぽっちも無かった。



 ••✼••スーパー松減••✼••



 マコは、スーパー松減の広い駐車場の空いている場所で、1番店側に近い場所を探すが、まだ朝だと言うのにスーパー松減の駐車場は、既に3分の1は埋め尽くされていた。



 パタン!


「ほぁ~~~相変わらず、すんごい車の数やな!」


「そうですね 栄の谷の松減もすごい車の数ですよね?」


「そうそう! 店舗が新しく改装されてから、駐車場も2箇所に増えたのに、夕方になったら2箇所の駐車場も車でいっぱいやで!」


「へえ~~~そうなんですか?」


「「うんうん」」



 そうなのだ。

 このスーパー松減の商品は、和歌山の大手スーパーのオーコワよりも安い!

 スーパーオーコワが富裕層向きとしたなら、スーパー松減は庶民向きと言うところか。

 仁美は、男の頃はよく、栄の谷の松減によく通った。

 同じ松減とはいえ、店舗によって扱う商品も若干違うものである。

 例えば、食パンだ。

 毎朝食べる食パンは、いつも週に8つは買っていた。

 本ノ木店の松減よりも、栄の谷店の松減の方が、同じ商品でも10~20円くらい高いような気がするが、仁美の大好きな、安くてほんのり甘くバター風味の食パンは、栄の谷店にしか売られていない。

 なので仁美は、本来なら栄の谷店へよく買い物へ行く。

 だが今回は、本ノ木店である。

 理由は、全体的に本ノ木店の方が少しだけ安いからである。

 また、商品よっては、その逆もありきだが。

 少しでも安く買い物して、ひぃちゃんにもお菓子などを買ってあげたいから。



 パチン!


「はぁい! ひぃちゃん、降りますよぉ~~~」


「わぁ~~~い! お買い物~~~お買い物~~~♪」


「「~~~(笑)」」



 仁美は、チャイルドシートのロックを外し、ひぃちゃんを車から下ろしてあげる。

 ひぃちゃんは車から降りると、クイッ!と見上げてニコッ!と笑ってくれる。


 ・・・可愛い♡


 仁美は堪らず、ひぃちゃんを抱き上げ、頬ずりをする。

 そして、ひぃちゃんのほっぺに、何度もキスをした。



「んもぉ~~~ひぃちゃん可愛い~~~♡」


 チュッ! チュッ! チュッ! チュッ! 


「仁美ちゃん、こちょばゆい~~~♪」


「「~~~♡(笑)」」


「こらっ! お前は、なんて可愛いんじゃ! うぅん?」


 チュッ!


「こらっ! お前は、なんて可愛いんじゃ! うぅん?」


 チュッ!


「こらっ! お前は、なんて可愛いんじゃ! うぅん?」


 チュッ!


「きゃはははっ! 仁美ちゃん、こちょばゆぃ~~~!」


 チュッ! チュッ! チュッ! チュッ!


 

 そんな仁美を、すぐ横で和美とマコが、ジト目で呆れながら見ていた。



「さっきから、何をやってるんですか?」


「うん?」


「一応、ひぃちゃんのママは、私なんですけど?」


「え? ああ、うん・・・ですよねぇ~~~(恥)」



 仁美は、顔を赤くして、ひぃちゃんを下ろした。

 そして、ひぃちゃんと手を繋いで、トボトボと店内へ向かって歩き出す。

 すると、ひぃちゃんが、まだ抱っこをせがんでくる。



「仁美ちゃん、抱っこぉ~~~」


「え? でも・・・チラッ」


「・・・コクリッ」


「・・・!」



 ひぃちゃんに、抱っこをせがまれて、思わずマコの同意を得ようと、マコをチラッと見ると、マコは少し呆れながらも頷いてくれた。

 仁美は、嬉しくてパアッ!と表情が明るくなると、ニッコニコの笑顔で、ひぃちゃんを抱き上げて店の中へと向かった。



「仁美さん! そんなに急がなくても!」


「ひぃちゃんは、普通の5歳児と同じくらいの体重がありますよ?

 抱っこしながら買い物なんて、大丈夫なんですか?」


「ふふん! 平気! 平気! 鍛えてるよってにな!」


「「・・・(汗)」」



 そう言って仁美は、ひぃちゃんを抱っこしたまんま、店内を先にサッサと行ってしまった。

 今の仁美は、変身ミサンガの効果が切れているので、肉体年齢は16歳くらいである。

 ひぃちゃんが小さい子供とはいえ、今の仁美では、身長165センチほどのJKが、保育園児を抱っこするようなものだ。

 いくら仁美は身体を鍛えているとはいえ、今の仁美の身体は女の子である。

 和美とマコが、仁美を心配するのは当たり前だ。

 和美とマコは、肩をすくめて呆れて苦笑しながらも、仁美の後を付いて行くのだった。




 ••✼••スーパー松減店内••✼••



「山芋? なんで山芋も買うんですか?」


「なんでって・・・そう言えば、なんでやろ?」


「「はぁい?」」


「だって、お好み焼きって普通、山芋入れへん?

 ってか、山芋を入れる意味は知らへんけど・・・」


「「お好み焼きって、山芋いれるんですか?!」」


「あるるぇえ? 入れへんかったっけ???」


「あははっ! お好み焼きに山芋を入れると、フワッと焼き上がるんですよね」


『『『?!・・・・・・誰?』』』



 お好み焼きに山芋を入れるものだと思っていた仁美だが、ただなぜ山芋を入れるかまでは、理由は知らなかった。

 そんな話しを3人でしていたら、見知らぬオバサンが割り込むように、そう言って教えてくれた。



「なるほど! そうなんですね!!」


「あれ? アンタ、そんな事も知らんとお好み焼きに山芋入れる言うてたん?

 あははははははっ!」


「「「・・・あはは(汗)」」」


「あと、天カス入れても、歯ごたえが面白くていいかも!」


「「「なるほどぉ!!」」」


「ふふ 可愛いお嬢ちゃんやね! 姉妹かな?」


「え?・・・」


「「・・・(汗)」」



 そのオバサンは、仁美とひぃちゃんの顔を見て、姉妹かと聞いてきた。

 でも、ひぃちゃんには、仁美の遺伝子があるのだから、姉妹とも母娘とも言えるのかも?

 血の繋がりがあると言えるのでは?

 母娘だと歳が近すぎるし、姉妹なら自然なのだろうが。

 だが、ひぃちゃんはホムンクルスである。

 まさか、だからと言って『ホムンクルスです!』なんで言えないし・・・

 仁美達が返答に困っていると、オバサンはなんとなく察してくれたのか・・・



「ほなね!」


「「「はあ~~~い」」」


「バイバイ~~~」



 オバサンは、そう言って自分の買い物に戻った。

 何処となく、不思議な雰囲気を醸し出した人だった。

 


「・・・なんか、気を使われた?」


「俺らが人に言えない仲やからか?」


「「・・・うん」」


「・・・かな(汗)」



 実は、さっき話しかけてきたオバサンは、実年齢1000歳越えの大魔法使いだったのである。

 大魔女リオリオほどの実力者ではないが。

 なので、ひぃちゃんがホムンクルスなのも、当然バレバレだったのだ。

 魔法使いなので、日頃感じるはずのない魔力を察知すると、職業柄?詮索してみたくなるものだ。

 仁美達と、もちろん、ひぃちゃんのステータスも見られてしまっていた。

 なので、ひぃちゃんの種族が『魔族 (ホムンクルス)』となっている事を、もう知られてしまったのは言うまでもない。


 仁美も、【鑑定スキル】でオバサンのステータスを見て硬直した!

 職業は大魔法使い、レベルは600越え、魔力は1000超えの、何よりも年齢が1045歳?!

 


『なにあのオバサン!! 平安時代から生きてんの?!

 ひぃちゃんのこと、絶対バレバレやろ!!』



 だが、そんなオバサンも、ひぃちゃんが警戒するような存在ではないと知って、去って行ったのであった。

 それほど、ホムンクルスとは扱い方を間違えると、とてもヤバい存在であることは、大魔法使いのオバサンにも理解していたからである。

 ただ、あのオバサンが、何処の派の大魔法使いなのかは解らない。

 仁美は、レベルや魔力にばかり目が行って、名前を見るのを忘れていた。

 でも、和歌山市に住む魔法使いなら、また何時かきっと会える日が来るだろう。


 仁美達は、気を取り直して買い物に戻る。

 仁美は、お好み焼き粉、卵、千切りキャベツ、山芋、天カス、豚バラ、鶏もも肉、焼き鳥、唐揚げ、ベーコン、ホタテ、イカ、エビ、カニカマ、油揚げ、鰹節、青のり、魚肉ソーセージ、チーズ、カルパス、マヨネーズなどを、何も考えてないのか?と思うほどにポイポイとカゴの中へ入れる。



「ねえ、仁美さん?」


「うん? なんやあ?」


「チーズとか、カルパスとかって、なんだかピザみたいですね?

 でも、鶏もも肉とか、焼鳥とか、唐揚げとか、若鶏の照り焼きとかって、普通お好み焼きに入れます?」


「確かに・・・なんか、かぶってるし」


「ホントだぁ! 仁美ちゃん、これもこれもこれもこれも鶏肉だよ?!」


「え? だって、お好み焼きやろ?」


「・・・うん まあね?」


「・・・そうですよ?

 仁美さんが、言い出しっぺじゃないですか」


「うん! せやから、お好み焼きやから、お好みで何でも好きな物を入れて構わへんのとちゃうん?

 チーズとか、カルパスとか、豚バラとか、ベーコンとか、鶏もも肉とか、焼き鳥とか、唐揚げとか、若鶏の照り焼きとか・・・」


「「これ全部、お好み焼きに入れるの?!」」


「ハモるな!! って、アカンの?」


「「油っこいものばっかりですね!」」


「ハモるなって!! 食べたい物選んでたら、こうなったんやよ!」


「「偏りすぎです!!」」


「だから、ハモるなって!!」


「きゃははははっ!!」



 確かに仁美の選んだ具は油っこいものばかり。

 しかも、鶏肉が多い。

 なにせ仁美は、鶏肉料理が大好きなのである。

 だからと言って流石にこれは、和美とマコの言うように偏りすぎである。

 それでも仁美は、引き下がらなかった!



「アカン! これだけは外せやん!!」


「でも、鶏肉ばかりですよ?」


「そうですよ! どれか1つにしましょうよ?」


「いややっ! 全部入れたいの! 全部食べたいの!

 好きな物全部お好み焼きに入れて食べるのが俺の夢やったんよ!」


「・・・仁美さん、落ち着いて(汗)」


「はぁ・・・まったく、子供ですか?」


「・・・仁美ちゃん、わがまま(汗)」


「ほおら! ひぃちゃんにも言われていますよ?

 せめて、鶏肉は1種類に絞りましょうよ?」


「・・・ほな、唐揚げだけにする」


「わかりました」


「うんうん」


「ほんなら、代わりに豚足入れて?」


「「却下!!」」


「ええええ~~~!! ええやあん!! ケチぃ!!」


「お好み焼きに豚足を入れるなんて、聞いた事ないですよ!」


「うん・・・唐揚げもね」


「悪かったなあ! わかったよ! 豚足はやめる!

 ほんなら、ホルモンとかは?」


「なんですかソレは?! それなら、焼肉にしてくださいよ!

 いくら、お好み焼きだらかって、唐揚げも豚足もホルモンなんて、普通は入れませんからね!

 そんなの、お好み焼きなんかじゃないですっ!!

 仁美さんのトッピングセンスおかしいです!!」


「なんなよ! 失礼やなあ! おかしい言うな!

 お好み焼きやろ? んなもん文字通り、お好みでええやん!」


「なんか、仁美さんのお好み焼き、胸焼けしそう・・・」


「そうですよ! もっと野菜を入れましょう!」


「野菜ぃ~~~? キャベツをアホほど入れるのに?」


「キャベツは千切りですから、見た目ほど量はありませんよ?」


「うんうん! そうですよ?」


「ううむ・・・あっ! ほいじゃあ、せめて牛脂とかは?」


「だからなんで、油っこいものばかりなんですかあ!」


「って言うか、それ油の塊です」


「好きなんやから、しゃーないやろう!!

 だいたいお前ら、牛脂をバカにすんなよお!?

 牛脂ってのわなあ、ビタミンA、D、E、Kなどの身体に欠かせやん栄養素が豊富なんやぞお!!

 それに、牛脂食べたら、お肌がピチピチになるんやぞ!!」


「なんですか! その無駄な知識?!」


「無駄言うなっ!! 無駄ってえ!!」


「無駄でしょう?! 牛脂なんて毎日食べられるわけでもないのにぃ!」


「俺は別に、牛脂やったら毎日食べてもええぞ?」


「「やめなさい!!」」


「ハモるなってばっ! だから牛脂ってゆーのわなあ~

 美味! 栄養! 美容!

 この三拍子が揃ってて、ビタミンもあるから筋トレにもええんやぞ!!

 男のステータスとして・・・」


「「仁美さんは、女の子ですってばあ!」」


「?!・・・ううむ・・・(困)」


「牛脂の何処が男のステータスと関係あるんですか!」


「だから、筋トレにも牛脂が良くてやなあ・・・」


「いや・・・やめた方がいいですよ?

 筋トレしても、ブタになる方が確実かも?」


「ぶっ・・・ブタ言うな! ブタってえ!!」


「うん ブタになる前に、病気になるかも?」


「えええ~~~ん!? んじゃ、プロテインは?」


「「ダメぇ!!」」


「えええええ~~~ん!!!」


「僕は筋肉ムキムキになんてなりたくないです!」


「え? なんで? ムキムキに憧れたりせぇへんのん?」


「だから嫌ですってばぁ! 憧れる訳がないでしょう?

 あんな昆虫みたいな身体になんかなりたくないですし、仁美さんにも昆虫みたいな胸になって欲しくないですう!!」


「昆虫って、ひどおっ!! 言い方あっ!!

 全国のムキムキさんに、謝れっ!!

 それとせめて、覆面ライダーの胸ってゆってくれ!!」


「嫌ですう! 仁美さんは、今の爆乳のままがいいんですう!」


「爆乳うっ?! お、おまっ! 人前で!!

 な、な、なん、なんちゅうこと言うじゃ!!

 お、お、おん、女、女同士でもセクハラやぞ!!」


「ブハッ!! ククククククッ・・・(笑)」


「こらっ! 何を笑ってんのなマコ!!」


「きゃははははっ!!」


「いやあ! ひぃちゃんまで笑わないでぇ(泣)」


「とにかく、さっき決めたでしょ! 入れるのは唐揚げだけです!」


「ええええん! せめて、牛スジ・・・」


「「いい加減にしてぇ!!」」


「ああんもおっ! わかったから、ハモるのやめて!!」


「きゃははははっ!!」


「「「「あははは! きゃははは! クスクスクス・・・」」」」



 仁美達が、こんな変な事を大声で言い争っていたものだから、他のお客さん達にも笑われてしまった・・・

 だがこの日、牛脂が何時もより、よく売れたそうな。



「そう言えば、ホットプレートは和美が持ってたわな?」


「あ、はい! 和歌山に来るときに一緒に持ってきました」


「へえ~~~1人でも持ってたんや?」


「え?・・・それはもう、もちろん!

 独りでも使うかも知れないじゃないですか?」


「うむ まあな? でも、それって・・・寒くない?」


「いえいえ! 夏でも使いますよ?」


「いや、そうじゃなくて!

 独り暮らしでホットプレート使うのって、寂しくて寒くない?」


「ほっといてください!! 独りでも寒くありません!!」


「ホットプレートだけに?」


「何をつまらない駄洒落を言ってるんですか!!

 お尻を、ひっぱたきますよ!!」


「ごめんさない!!」


「あはははははははっ!!」


「きゃははははははっ!!」


「「・・・(汗)」」



 今の仁美と和美は、寂しくないから寒くはかなった。



「でも俺、今は和美が()るから、寒くないぞ?」


「!・・・僕も、仁美さんが居るから、寒くないです」


「あはっ! なんか、家族みたいですね!」


「家族! 家族~~~!」


「あはは・・・(照)」


「ふふふ・・・(照)」



 今の仁美と和美は、とっても暖かかった。

 本当に、まるで家族みたいやね。



仁美の取っての男のステータスは、歪んでます。

今は、とっても暖かい仁美と和美だった。

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