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女装剤  作者: 嬉々ゆう
73/91

第72話 「ひとみちゃん③『身体の完全な女性化』」

仁美、女を知る!


文章力が無いので、もしかしたら読み辛い部分もあるかも知れません。また「紀州弁」を意識して書いたので見苦しい所もあるとは思いますがご了承ください。あえて主観「紀州弁」を設定しました。



 ・⋯━☞夏休み終了☜━⋯・


 ・⋯━☞始業式☜━⋯・



 ••✼••体育館にて••✼••



 夏休みが終わって、ごく普通の始業式が始まり、ごく普通に何事も無く始業式が終わるはずだったのだが、何時もとは何かが雰囲気が違った。


 保健体育の男性教員が居なくなり、新しく保健体育の教員として、女性教員が増えた・・・と、生徒達は皆思った。

 だが、校長のアホげに長い長い能書きが終わると、今度は教頭の話しが始まった。

 生徒達はもう、皆んなゲンナリとしていたが、教頭の簡単な説明が終わると、その新しい女性教員だと思っていたのが、実は・・・



「ええ~~~と、何から話せばいいのか・・・」


「「「「・・・・・・・・・???」」」」


「俺・・・おっと、私の名は、『大川 仁美』です!」


「「「「ええっ?!・・・」」」」


 ワイワイガヤガヤ・・・



 生徒達みんなが驚くのも無理はない。


 保健体育の男性教員の『小川 仁美』が辞任して、新しく保健体育の教員として女性教員が来たと思っていたのに、その女性教員の名が、『大川 仁美』と言うのだ。

 同姓同名? などと思う生徒達は1人も居なかった。

 なぜならこの学校には、男子生徒から女子生徒へと変わった生徒達が数人居るからだ。

 なので生徒達が、『男性教員だったはずの大川 仁美先生が、女性になった?!』と考えるのは自然な訳なのだ。


 だが、それ以上に生徒達も他の教員達も皆んなが驚いたのは、その見た目の変貌ぶりである。


 男性教員だった頃の小川 仁美は、短髪五分刈りのムキムキな筋肉バカの男性ホルモンの塊では?と思うほどのアラサー独身野郎だったのに、今の大川 仁美は、髪はツルスベのしなやかなセミホングボブで、ウエストはキュッ!と引き締まり、お尻は形の良い丸くツン!と上がり、足は太くも細くもなく長く綺麗な脚線美で、なにより胸がはち切れんばかりの爆乳!

 紺色のレディーススーツを着こなし、背が高く、ヒールを履く足はスラッと長く、『立つ姿は芍薬』と呼ぶのにピッタリな超絶美人である。

 何も説明が無ければ、目前の長身超絶美女が誰もあの筋肉バカだったとは思わないだろう。



「・・・と言う訳でして、私はしばらく学校を休ませてもらい、カウンセリングを受ける事になりました

 万が一、男性へ戻れなかった場合を考えて・・・ですね」


「「「「ええええ~~~っ!!」」」」


 ワイワイガヤガヤザワザワ・・・



「はい! 皆さんお静かに!

 今しがた大川先生から説明がありましたように、大川先生はしばらくの間学校を休みますので、その間の保健体育の授業は、男子生徒には溝口先生、そして女子生徒には向井先生が担当する事になります!」


 ワイワイガヤガヤザワザワ・・・


 こうして、仁美が学校を休んでい間の代わりの先生だったり、その他の変更事項などの説明がされたが、仁美が女になった経緯は知らされなかった。

 てか、言えるはずがないが。



 ・・・・・・・・・

 ・・・・・・

 ・・・



 ・⋯━☞午後1時頃☜━⋯・



 ••✼••とあるレディースクリニック••✼••



 仁美は、リオリオに連れられて、とあるレディースクリニックに来ていた。

 身体の簡単な検査と、カウンセリングのためである。



「リオリオさん、すんません! お忙しいところを・・・」


「ふん! お前さんが気にする事はじゃないわえ

 ま、おそらくお前さんは、もう男には戻れんじゃろう」


「!・・・やっぱり、そうですか」



 仁美は、肩を落として両腕をダラリと落とすと、俯き遠い目をしていた。



「うむ お前さんは、『女装役剤1week』と、『女装役剤1mouth』を飲んだんじゃから、1ヶ月は男には戻れんのは確かじゃったが、お前さんは既に何度も異性との性行為を繰り返したんじゃ!

 性行為の後は身体の女性ホルモン濃度が通常の15%も数日間は高くなる!」


「んごっ?!・・・(恥)」


「ほら! お前さんのバカみたいにデカイ乳も、また一段とデカくなってるじゃろ?」


「い、いや、そ、それは・・・(恥)」


「肌もスベスベじゃし、益々女らしゅうなってからにもお!

 身体が女性へと安定してしまうのは、当たり前じゃわえ!」


「面目ない・・・(恥)」

 ぷしゅうぅうぅうぅ~~~・・・



 仁美は、頭から湯気が出るほど顔を真っ赤にして俯いた。

 恥ずかしくて穴があったら入りたいくらいだった。

 このままクリニックを飛び出して、紀の川へ飛び込みたい心境だった。


 性行為をしたと言う相手とは、もちろん和美である。

 仁美と和美は、住んでいる部屋が、お隣同士なのだ。

 しかも、仁美と和美の住むアパートには、仁美と和美しか住んでいない。 

 可愛い後輩ができたのだから、アラサー独身野郎の仁美にとっては持ちつ持たれつの仲として、結構仲が良かった。

 また、なかなか馬が合う奴で、仕事から帰ってただ寝るだけの退屈な毎日から解放されて、楽しい日々が始まったのだ。

 もちろん理由はそれだけではなく、和美には何時も世話になっていた。

 それに、命の恩人でもある。(仁美トイレにお尻突っ飲み事件)

 和美とは、今年の春に新任としてやって来て、このアパートに入居した時からの付き合いなのだが、モーニングコールのように毎朝声をかけてくれたり、部屋を片付けてくれたり、夕食を分けてくれたり、たまには部屋飲みに付き合ってくれたりと、寂しいアラサー独身野郎の相手をしてくれていた。

 とにかく、このアパートの周囲には、信号も無い一本道や、墓地や竹藪や廃墟くらいしか他には何も無い。

 歩いて40分ほどの場所にくたびれた団地があり、その近くにコンビニがある程度だ。

 和美にとっても、話し相手ができて、良かったのかも知れないが。


 だが、仁美が女になってからは一変した!


 実は仁美は、あの日(処女損失)から和美とは2度ほど交わっていたのだ。

 それは仁美が、和美を異性として好きだからではなく、あまりにも和美が迫って来るし、他にやることが無いので仕方なく・・・だった。

 和美の変貌ぶりにも驚かされたものだが。


 なにせ、アパートの裏手は墓地・・・

 また、周囲は竹藪で裏手は霊園ときたもんだから、人っけが無い!

 なので、夜の夜中に、どんだけ騒ごうとも、どんだけハッスルしようとも、どんだけ声を出そうとも、誰も居ないのだから近所迷惑にもならないし、やりたい放題の好き放題!

 

 けっして仁美は、抱かれたいほど和美が好きってな訳では無いのだ。たぶん・・・

 いや、誤解してほしくないのだが、人となりとしては好きだが、けっして恋愛感情で好きな訳ではないのだ。たぶん・・・

 しつこく迫られて、なんとなく受け入れた2度目からの性行為が、とにかく良かったのだった・・・

 絶頂を向けえた時の性的美的苦痛の良さときたら、何度仁美を失神させたことか。

 そんな仁美を見て、和美も益々ハッスル!ハッスル!!

 あまりにも気持ちよかったので、癖になった?という訳だったりする。

 やっぱりバカである。



「まったく、バカじゃなお前達わ?」


「しゅいましぇん・・・(恥)」

 ぷしゅしゅうぅうぅうぅ~~~・・・


 

 仁美の顔は、益々赤くなって死にたくなった。




 ・⋯━☞2週間後☜━⋯・



 ••✼••アパート••✼••


 ••✼••仁美の部屋••✼••



「どうじゃ? もう決心はついたか?」



 その日、仁美の部屋にはリオリオが来ていた。

 仁美が女装役剤を飲んで、ちょうど28日目になる日だ。

 もう既に、仁美はとっくに初潮を迎えている。

 リオリオから貰った『避妊魔法薬』を飲んでいたので、和美と交わっていても、妊娠はしていない。

 今の仁美の身体は、完全に女性として安定していたのだ。

 結局仁美は、本当に男には戻れなかったのだ。

 それはつまり、仁美は女として生きていくしかない事を意味する。



「決心もなにも、俺はもう男には戻れないんすよね?」


「まあ、そういう事じゃな!」


「ふっ・・・」


「なんじゃ? 我を忘れて取り乱すか、泣きわめくかと思ってたんじゃが?」


「いえ、もうずっと前から諦めてたってゆうか、覚悟は決めてましたよ?」


「おや、そうかい? なら、何も言うまい」


「ふふっ・・・」



 仁美は、男に戻れなくても、別段悲しくもないし、残念にも思わなかった。

 今まで女として暮らせるように色々勉強させられたり、カウンセリングを受けたりしていたし、むしろここまで世話を焼いてもらって、今更男に戻ってしまったなら逆にどうしようか?とさえ思っていた。



「よし! なら、もう私の役目は終わりじゃな!」


「え? リオリオさんは、もう俺とは逢わないって事ですか?」


「そんなことはない 私が必要とあれば、私から逢いに来るわな」


「ほっ・・・そうですか!」


「ああ、それと・・・これを渡しておく」


「?・・・これは?」


「『女装役剤100year』じゃ!」


「女装役剤?! なんでこんな物を?

 ってか、100yearって、なにそれ?!」


「その名の通り、100年間女に変身する魔法薬じゃわえ」


「はあっ?! 100年間って、こんなの飲んだらもう男に戻れやんのも同然やないすか!」


「そうじゃ! じゃがこれは私が作ったモノではなくてな、大魔女セーラという魔女が作ったモノで、どんな病気も怪我も瞬時に治せるスグレモノじゃ!」


「どんな病気も怪我も治せる? すごっ!!

 ・・・でも、なんで?」


「これから、必要になるからじゃよ」


「必要に・・・なる・・・???」



 なんだろうか?

『これから必要になる』・・・?

 仁美は、リオリオが何を言っているか解らなかった。

 でもリオリオが必要になると言うのだから、大切に持っておく事にしようと思った。



「そして、もう1つ」


「次はなんですか? って、それって!!・・・(焦)」



 仁美には、リオリオが差し出す小瓶に見覚えがあった。

 しかも、12本も入った箱詰めである。

 それは・・・



「『避妊魔法薬』じゃよ」


「ひにゃい?!」


「どうせ、まだまだ必要なんじゃろ?」


「!!・・・ええと・・・その・・・こ、こんなにも?(恥)」


「いいから、持っておけ!」


「!!・・・は、はい・・・(恥)」


「何を恥じらいでおるんじゃ? お前さんは、大人なんじゃから、こんなものも社会的都合に必要になるのも極々当たり前の事じゃろがえ!

 何も私の前でまで、恥ずかしがる事はないじゃろう?」


「そ・・・そ、そう、そうなんですか? ああ、いや・・・

 そ、そうです・・・よね・・・

 はい! 有難く頂戴いたします・・・(照)」



 仁美は、『避妊魔法薬』を有難く頂いておいた。

 しかも、ワンダースも?!

 それほどに、コレのお世話になると言うこと?!

 もう、身体全体が熱っぽくなるほど恥ずかしかったが、リオリオの言う様に、確かに自分は大人なんだから、なにも恥ずかしがる事じゃないと、心の中で自分に言い聞かせた。



「そして・・・」


「まだ、あるんですか?!」


「ほら! それがあると便利じゃろ?」


「これは・・・マジック・バッグ?」


「そうじゃ! 最大収納容量は80トン!

 しかも、バッグ内では時間経過無しじゃから、収納物の温度の変化も、経年劣化もない、スグレモノじゃ!

 じゃが、生き物は入らんぞ?

 生き物以外なら、大きさや重さに関係なく、最大80トンまでなら何でも入る! 大事に使え!」


「はちじゅっとん?! すんごおっ!!

 はあい! ありがとうございます!!」


「あ、そうそう! 『所有者設定』も、忘れずにな!」


「所有者設定?」


「ああ、そうか・・・所有者設定を知らんか

 そのマジック・バッグの所有者をお前さんに設定する事を言ってるんじゃよ

 設定方法は簡単じゃ!

 ただ手に触れて、『私の物』と話すだけで良いんじゃ」


「ほおお~~~!!」


「所有者設定さえしておけば、たとえ何処かに置き忘れたり、盗まれたりしても、『リターン』と合言葉(じゅもん)話すだけで、所有者の手元に瞬時に戻って来る!

 それにな、開発者と所有者にしか使えなくなる!

 また、中身を確認したいときは、バッグに手を触れた状態で、『チェック』と合言葉(じゅもん)話すと、AR表示されて中身が詳細に確認できるからな」


「なるほど! それは、便利っすね!」(←よく解ってない)


「うむ」


「・・・で、えーあーる表情とは?」


「おお、すまんな 説明が足りんかったか

 AR表情とは、Augmented(アグメンテッド) Reality(リアリティ)拡張現実と言ってな、現実世界にデジタル表示し、現実を拡張するって意味らしいが、つまりは、魔法でアニメやゲームのようなコンソールパネルを表示させて、そのパネル上にバッグ内の収納内容が表示され、いちいち中身を出さずして確認できるって訳じゃ!

 どうじゃ? 便利じゃろう?」


「すごぉっ! まるでゲームの世界みたいやな!!」



 更になんと! リオリオからマジック・バッグまで貰った!

 マジック・バッグとは、見た目よりも多くの物が入る魔法のカバンであり、収納している物は時間経過せず、冷たい物は冷たいまま、暖かい物は暖かいまま保存できて、生物(なまもの)は収納している間は経年劣化せず腐らないという、超便利な魔導具である。

 だが、生き物は入らないようだ。

 収納容量は、水だけなら約80トン!

 つまり、1㎥の水が80個入る容量だという訳だ。

 すごい!! 大型トレーラーが積んでいる最大級のコンテナーくらい入るってわけだ!

 しかも! 『所有者設定』を施しておけば、何処かに置き忘れたり、たとえ盗まれたりしても、『リターン』の合言葉(じゅもん)だけで、手元に瞬時に戻って来るようになっているのだそうだ。

 また、開発者と所有者にしか使えないのだそうだ。

 そして更に便利なのは、いちいち中身を出して確認しなくても、『チェック』の合言葉(じゅもん)で、AR表示して中身を確認できるのだそうだ。

 これは、本当に有り難い!


 しかし、仁美は知らなかった。

 マジック・バッグの中には、既に『女装役剤1year』が49本、『女装役剤10year』が49本、『女装役剤100year』が49本、『男装役剤1year』が99本も。

 そして、紫色の石でできた指輪が一つ入っていた事を。

 しかもこの女装役剤は、リオリオの改良開発したモノではなく、大魔女セーラが開発した、云わば『本物の女装役剤』であり、どんな怪我も病気も瞬時に完治するというモノ!

 なんなんだ?! このバカげた数は?!

 だが大魔女セーラが開発氏たという女装役剤は、あまりにも数が多く、どうせならこれから育つであろう若い魔法使い達に使ってほしいというリオリオの気持ちのあらわれである。


 それと、指輪は何なのだろう?

 リオリオが入れてくれていた物だ。

 きっと、何か不思議なチカラがあるに違ない。

 そんな物 が最初から入れられていた意図とは?

 

 そして、ミサンガのような物があった。

 それについては、まったく用途が解らなかった。

 でも、後に大きく役に立つ物となる。



「じゃあな! 健やかにあれ!」


「はい! 今までお世話になりました!

 ありがとうございました!!」


「うむ・・・」


 シュパァン!・・・


「消えた・・・まったく相変わらず神出鬼没やな」

 


 こうして仁美は、リオリオからの教育期間は終わった。

 自分としては、まだまだであり完璧な女性とは言い難いが、今の自分なら女性として上手くやっていけるだろうと思う。

 ただ、困った事もあり・・・




 ・⋯━☞ハナキン夜☜━⋯・



 ••✼••アパート••✼••


 ••✼••仁美の部屋••✼••



 ピロピロピロ~~~♪ ピッ!


「はあい? なんや、ショウか? どないしたん?」



 また、ショウから電話があった。

 コイツは、仁美を女にした張本人の1人である。

 これまでも、奴からは何度も飲みの誘いの電話があったが、ずっと断っていた。

 仁美を女にした奴だ。2人きりになるのは、どう考えたってヤバいだろう。

 だから、シッカリ断っていた。



《よお! 生きとるか?》


「おお、ちゃんと、生きとるよ~~~

 で? 今日は何の用なんや? 飲みには行かんぞ!」


《おいおい、俺が言う前に拒否すんなよ

 お前が男に戻れんようになったって聞いたから、こうやって心配して電話をかけちゃってんのやないか?》


「誰のせいじゃ! 誰の!! ホンマにぃ~~~(怒)」


《だから、すまんって~~~そんなに怒んなよ、ひとみちゃん(焦)

 責任・・・そうじゃ! 責任を取りたいんや!》


「怒るやろ普通!! ひとみちゃん言うな!

 なにが責任じゃ!

 責任言うんやったら、俺を男に戻す方法を持って来い!!

 なんやったら、お前も女にしちゃろか?」


《あははっ! それは勘弁してくれ! 俺は、男として女を抱く方がええわ!》


「んむむむむ・・・(怒)

 とにかく、もうお前とは絶対に飲みには行かん!

 飲みに誘いの電話やったら、もう二度と電話かけてくんなよ!

 わかったか!? ほな、切るぞ!」


《わかった! わかった! ほなな・・・》


 ブツッ・・・


「はん! 他人事や思てからに・・・(怒)(怒)(怒)」



 ショウも、なぜ仁美にこんなにも断られるのかも理解しているはずだ。

 ショウには、ガチガチな下心があるからだ。

 バレバレである。

 もし、ショウと飲みに行って酔い潰されて、お持ち帰りされてしまったら、それこそ奴の思う壷だ。

『責任を取りたい』という気持ちは有り難いとは思うが、そんな責任の取り方なんて、絶対に互いによろしくない。

 絶対に互いに不幸になるのは必然だ。

 それに、誰でとも簡単に寝る尻軽女だとは思われたくない。

 和美とは、あくまでも日頃のお礼なのだ。

 けっして、和美を異性として好きな訳でもないし、エッチが好きなわけでもない。たぶん・・・



「いや・・・エッチは好きなんかな?

 嫌いじゃない? それって、やっぱり好き?

 性交体位には、『四十八手』あると聞くしな・・・

 まだまだコンプリートには、程遠い?

 あと幾つあるんやろか? 和美は知ってるんやろか?

 ちと、ネットで調べて、今度、和美に試してもらって・・・

 って、いやいやいや! いかんいかんいかあん!!

 何を考えてんじゃ俺わあ━━━っ!!

 思い出すと濡れてくるやんか・・・(汗)

 って、ヤバい! ヤバい! 俺って淫乱かよ?!」



 仁美は、独りブツブツ言いながら、顔を真っ赤にする。



「うわんむうううう~~~~~~~(照)」


 ゴロゴロゴロゴロ・・・



 仁美は、顔を両手で伏せて、万年床の上でゴロゴロとのたうち回った。

 

 そうしていると、今度は和美が仁美の部屋にやって来た。



 コンコン!


《仁美さぁ~~~ん!》


「おおー! 和美か! 鍵開いとるぞ~~~!」


 カチャ!・・・パタン!


「さっきは、なんですか? 突然、大声なんか出して・・・」


「あは・・・まあ、なんや・・・また、飲みに誘いの電話や」


「!!・・・また、行くんですか?」


「行かへんよ! アイツは俺の身体狙いなんは解ってるから」


「!・・・・・・行っちゃダメですよ?」


「だから、行かへんって! ってか、お前も勘違いすんなよ?」


「はい? 何がですか! 藪から棒に?」


「何ってお前・・・俺と、その・・・和美お前とは、恋仲とはちゃうんやからな?」


「・・・」


「俺は和美には世話になってるから・・・

 それに命の恩人やし、それとまあ、申し訳ない事をしたから!

 だから、その、なんや・・・お礼と詫びも兼ねて・・・な?」


「僕・・・結構、本気なんですけど」


「はあっ?! やめやめやめえい!!

 俺は男なんか大っ嫌いなんやからな!

 いくら女になってしもたからって、男と付き合うやなんて考えられへんし、結婚やなんて尚更や!」


「そう・・・ですか」


「和美の気持ちは判ってるよ でも、無理! すまんな・・・」


「ふっ・・・はいはい! 今は、そう言う事にしておきましょう」


「なんじゃそりゃ? そう言う事ってお前・・・」



 どうも和美には、心底気に入られてしまったらしい。

 こんな男女の何処が良いのか?

 料理はできない、掃除洗濯超適当、部屋は片付けられない。

 それでも和美は、仁美が良いと言う。

 『愛している』とさえも言われた。

 でも、無理なものは無理!

 普通の男と女なら、ここまでの仲になれば『付き合っている』って事になるのだろうが、仁美は男とは付き合う気にはなれない。

 ましてや男と結婚なんて、全然考えられない。

 まあ、この先どうなるかは、今の仁美にも分からないが。




 ・⋯━☞土曜の朝☜━⋯・



 コンコン!


《仁美さぁ~~~ん! 起きてますか~~~!》


「すう・・・すう・・・ふぅん・・・むにゃむにゃ」



 土曜の朝の6時半。

 仁美はまだ寝ていた。

 掛け布団を蹴飛ばして、大の字になって、大口を開けて、ヨダレまで垂らして。

 しかも、スウェットは上着だけで、下はショーツだけの姿。

 だらしないったら、ありゃしない。


 和美が何時ものように仁美を起こしに来たのだが、まだ仁美が寝ている事を知ると、勝手に部屋に入り、仁美を揺すって起こそうとする。



 カチャ!・・・パタン!・・・トットットッ・・・


「ありゃあ・・・こんな格好して、だらしないったらもお(汗)」


「かあ~~~すう~~~かあ~~~すう~~~」


「仁美さん! 仁美さんってば! 朝ですよ!」

 

 ゆっさゆっさ・・・


「はんみゃ?! ふえ?・・・誰?」


「誰って、和美ですよ! 起きてください!」


「はにゃ? かずみちゃん? 何処の、かずみちゃん?」


「なぁに寝ぼけてるんですか?! ったくもぉ・・・」



 一瞬、目を開いたが、すぐに目を瞑ってしまった。

 まだ寝ぼけている仁美。

 瞼を(うっす)らと開けた寝ぼけ(まなこ)で、身体をクネクネさせる仁美は、思わずかぶり付き襲いたくなるほどに艶めかしく色っぽかった。

 そして仁美は、無防備にも大股を開き両膝を立てるものだから、和美の象さんは大魔王に変貌っ!

 和美は堪らず自分の大魔王を両手でギュッ!と抑えて、仁美の無防備にもはしたなく明けっ広げられた部分を凝視しながら生唾を呑む。



「ううわ・・・お、美味しそう♡ ゴクリッ・・・

 って、ダメだ! ダメだ! こんな・・・

 こんな無防備な仁美さんに、朝っぱらから・・・(汗)」



 和美は、しばらくは、魔王城の中の大魔王をなんとか沈めようと試みるか、唐突に仁美が自慰行為を始めたので、大魔王は臨戦態勢に!



「ん・・・うん・・・はぁあぁ・・・」


「え?・・・ええっ?!・・・ひ、仁美さん?」



 なんと仁美は、わざとなのか、それとも無意識なのか、いきなり自慰行為を始めたのだ!

 ショーツの上から、自分の指て秘部をなぞる。

 次第に仁美のショーツは濡れてきて、仁美の秘部がハッキリと透けて見えてくる。

 やがて仁美は、直接ショーツの中へ手を入れて、更に激しく自分を慰め始める。

 和美は、Hビデオすらまともに観たことが無いものだから、自慰行為をするそんな仁美を、ただただ凝視!

 そして次第に仁美は性的美的苦痛が増してきたのか、秘部を自慰する指の力と動きに激しさを増していく。

 和美はもう、顔全体が心臓になったかのように、心臓の鼓動の音が煩いくらいに、頭と耳に響く!

 もう、和美の興奮度は遂にカンスト!



「んん・・・あぁはぁん・・・ああん・・・ううん・・・」


「ひ・・・仁美さん・・・仁美さぁん!」


 ガバッ!・・・



 とうとう和美の理性の糸はプツリ!と切れた!!

 もう、こうなってしまっては、どうしようもない!

 結局は自制を抑え切れなかった和美は、仁美のショーツを乱暴に脱がして、仁美の両太ももを両腕で抱えると、両手の指で仁美の秘部を開いて、仁美の股間に顔を埋めて秘部にかぶり付く!



「ひゃあはっ・・・ううん・・・あぁん・・・いい・・・」


「はぅ・・・仁美さん・・・」


 ぴちゃ⋯じゅじゅる⋯


「ううん!・・・いいっ!・・・もっと・・・もっとぉ~~~」


「ぷあはっ! 仁美さん! 仁美さぁん!」


 ぶじゅるるる⋯じゅるる⋯ちゅるる⋯


「ぷはっ! も、もう、こうなれば楽しませてもらいます!

 男の前で無防備になる仁美さんが悪いんですからね!」



 和美はそう言うと、どうせなら仁美が起きるまで楽しんでやるとばかりに、無我夢中で仁美の秘部を舌と指で愛撫し続けた。

 仁美は、和美の頭を両手で抑えながら、両太ももで和美の頭を挟み込むが、和美はまた強引に仁美の股を広げて、仁美の秘部を愛撫し続ける!

 仁美は感度が良すぎるようで、もう性的美的苦痛が絶頂に到達しつつあるのか、もがき苦しむかのように、和美から逃げ出そうとしながら、身体をエビのようにビクン!ビクン!と大きく痙攣させる。

 仁美は、このままイきたいのか、イきたくないのか、和美の頭を強く押し退けようとする。

 それでも和美は、そんな仁美に構うことなく、仁美の秘部にかぶり付きながら、指で仁美の中を指でこねくり回して愛撫を続けた。

 次第に、仁美の中に入れる指を増やしていく。

 2本、3本と・・・和美の指は仁美の中で暴れ回る!

 そして、いよいよクライマックス!

 大魔王のご登場!って時だった!

 仁美は眠りながらも、釣り上げられたばかりの活きの良い魚のように跳ね上がりながらイってしまった!

 さらに! 和美は、イったばかりの性的美的苦痛の余韻にもがいている仁美に構うことなく、また仁美の股間に顔を埋めて仁美の秘部を愛撫し続ける!

 仁美は、何度も何度も、イってしまった。

 終いには潮吹きまで・・・



「きゃあはあっ!⋯あううっ! ⋯あうううっ!」


 プシュシュ~~~!


「あうううっ!・・・あっ⋯あっ⋯ああっ・・・

 んん・・・はぁはっ・・・いいの・・・いいのぉ・・・」


「はあ・・・マジですか?! これでも起きないとは・・・(呆)

 無防備にも、程があるでしょ!

 もし、飢えた野蛮なお男達が居たら、輪姦せれて、闇に売られてしまいますよ?

 やっぱり仁美さんの傍には、僕が付いてないと・・・」



 もうあれから20分以上にもなるのに、和美は散々仁美の秘部を愛撫し続けたが、それでも仁美は起きなかった。

 

 いや、実は仁美は、和美の前で自慰行為をした時には既に目が覚めていた。

 だが、抵抗せずに和美にされるがままに、和美の愛撫を楽しんでいたのだ。

 仁美は、和美の前でわざと自慰行為をして、和美を誘っていたのだ。

 そうとは知らずに可哀想な和美である。

 和美の大魔王は、今でもこんなにもギンギンに痛いくらいにいきり立っているのに・・・

 和美は、このまま仁美の許可を得ずまま、大魔王の気が治まるまで、仁美の中でムチャチャに暴れ回ってやろうかとも思ったが、流石にやめておいた。

 逆に和美は、無防備すぎる仁美が心配になったのだった。


 だが仁美は、和美が自分の中に入って来るのを待っていた。

 ところが和美は、その行為を止めてしまったものだから、仁美は心の中で和美に向かって『甲斐性なし!!』と何度も責めていたのだった。


 まだ仁美が起きないと思った和美は、仕方なく仁美にショーツを穿かせて、捲れ上がったスウェットから、無防備に淫らにさらけ出された、はち切れそうな豊乳を鷲掴み!!



「仁美さん!! いい加減に起きてください!!」


 むぎゅうっ!!


「きゃあっ!! いやっ!! なっ、なに?!」


「ほら! いい加減に起きないと、襲っちゃいますよ?

 もう、ご馳走になりましたけど・・・」


 ガバッ!!


「ぴゃあはあっ!! はいはい! 起きます! 起きました!」


「仁美さん、またブラ着け忘れていたでょう?

 寝る時は、ちゃんとナイトブラを着けないと、型崩れしますよ!」


「あっ! はい! すみません! これから気を付けます!」


「ふふふ・・・」



 やっと起きた仁美は、のそのそと万年床から起き上がると、寝巻き代わりのスウェットの裾から手を突っ込んで、大きなあくびをしながら腹をボリボリと掻きむしる。

 この時も仁美は和美に向かって、小声で『甲斐性なし』とブツブツ言い続けていた。


『せっかく、避妊魔法薬飲んで待ってたのに・・・』


 仁美の気持ちは、和美には届かなかったのだった。

 そして、シーツがビチョビチョに濡れていたので、慌ててシーツをグルグル巻にして、洗濯機へ押し込んだ!

 きっと、『オネショ』をしてしまったみたいで、恥ずかしかったのだろう。

 そんな仁美見ていた和美は、クスッと笑って何も気付かないフリをした。

 なぜなら、シーツを濡れせてしまったのは、和美なのだから。

 しかし、濡れた敷布団はどうするのか?

 そこは、突っ込まないでおいた。


 その日のうちに、ベランダに洗ったシーツと、世界地図が描かれた敷布団が干されていたのは、言うまでもない。

 ベランダの向こうは墓地だけだ。

 世界地図を内側にして干せば問題ないだろうと、なぜか仁美は得意げだった。



 そして仁美はトイレに行ったあと、顔を洗って、和美が用意してくれたトーストにコーヒーだけの朝食をとる。

 まったく、毎朝毎朝、有り難いことだ。

 


『もし俺が男で、和美が女だったら、惚れていたかも? 』



 そして、昼過ぎにもなると・・・


 なんだか分からないが、今はなぜだか妙に調子が良い。

 胸の張りが痛いくらいにパンパンで、なぜだか肌も髪もツルスベだ。

 これは、いったい・・・???

 やはり女性の身体というものは、性的美的苦痛の絶頂を迎えると、体内の女性ホルモン濃度が上がるからだろう。

 仁美は、『今度こそは上手くやる!』と意気込むのだった。



「俺が男で、和美が女やったら、良かったのにな?」


「はっ?! やめてくださいよお!!」


「ってか、和美も女になってみるか? 女装役剤あるぞ!」


「はあい?! 正気ですか?! ふざけないでください!!」


「あははっ! 冗談! 冗談! そんなに怒んよ(汗)」


「ほんとにもぉ~~~・・・」



 仁美は・・・


『和美がもし女装役剤を飲んだら、どんな女になるんやろう?』


 なんとなく、そう考えしまった。

 もし仁美が今持っている女装役剤が、『女装役剤1day』だったなら、是非とも和美に試してみたいと思った。

 だが、仁美が今持っている女装役剤は、リオリオが改良開発したものではなく、大魔女セーラという魔女が開発したもの。

 効果も違って、どんな怪我も病気も瞬時に完治し、女性へと変身するのも100年と聞く。

 どんな怪我も病気も瞬時に完治するのは魅力だが、男に戻れなくなると言うのは、使い所があるようで無い。


 しかし!

 その女装役剤を使う事になる事態が発生してしまった!


リオリオの意図する事はなんだろうか?

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