第71話 「ひとみちゃん②『女として』」
仁美ちゃん貞操の危機です!
文章力が無いので、もしかしたら読み辛い部分もあるかも知れません。また「紀州弁」を意識して書いたので見苦しい所もあるとは思いますがご了承ください。あえて主観「紀州弁」を設定しました。
「当然です! 仁美さんは、後先考えないで行動し過ぎです!
和歌山の方言で言う、『アッポケ』と言うべきですか?」
「ちょっ! 言い方っ!!」
「僕がまだ起きていたから、良かったものの・・・」
「面目ない・・・(泣)」
しかし、和美は東京から来た人である。
和美は、和歌山弁にも慣れてきて若干和歌山弁っぽい方言が出る事もあるが、基本は標準語に近い。
関西人とは『標準語?』で叱られると、妙にガツンと来るものだ。
なので、仁美は標準語で叱られると、かなり堪える。
例えば・・・
『お前はアホかー!』
と、言われるよりも・・・
『あなた、バカじゃないの?』
と、言われる方が凹む・・・(汗)
この後も仁美は、和美にしこたま怒られ続けたのだった・・・
・⋯━☞そして2日後の朝☜━⋯・
トントントン!・・・
《仁美さーん! 起きてますか━━━?》
「んっ?!・・・なんや? 和美か?」
・⋯━━☆★☆━━⋯・
隣の部屋に住む、新任の男性教員、『新谷 和美』が、何時ものように朝に起こしてくれる。
だが、仁美はもう起きていた。
ってか、ぜんっっっぜん眠れなかった・・・(悲)
なにせ、女の身体になってからと言うもの、決定的に違う感覚がある。
本来なら、股間にあったはずモノが無く、胸に無かったモノがあるのだから。
何時もなら、内側の足の付け根に、自分のモノが当たる感覚と、そして股間のモノに内股が触れる感覚が無いのだ!
普段はまったく気にしないのに、『そこに無い』と思うと余計に意識と言うか神経がそこへ行ってしまう。
こんな、なんとも頼りなくて心細くて、まったく存在感を感じないのがやるせない・・・
そのまた逆に、スウェットの内側から大きなモノが外へ押し出すように、胸に強烈な圧迫感と圧倒的な存在感!
身体を起こすと、ズシッ!と肺まで下へ引っ張られるような、今まで感じなかった場所に重力を感じる感覚がどうにも慣れない。
だが、性的な心境の変化の方は逆だった。
女になって初めて風呂に入ったあの夜、耳の中に心臓があるかのように、バクバクと前身の血管が脈打つほどに、自分の裸を見て興奮してしまった。
それと、『濡れる』という事を体験した。
男で言うところの『先走り』だろうか?
『女でイクと、どんなんやろう?』
だが流石に、自慰行為までは怖くてできなかった。
だが、女になって、もう2日目の朝・・・。
それまでは、ふと思えば洗面所で自分の裸を見て興奮していたのに、2日も見続けると流石に慣れた。
今更、自分の裸を見たって興奮もしなければ、ムラムラともこない。
それは、『自分』であるからで、『他人』ではないからだろうか?
自分の身体が女の身体なのを否定したいところもあるのだが、なんともこれが自分の身体だのだと自覚し馴染み慣れつつあるのが、どうにも如何ともし難い。
なので、気を紛らわすために、今日は朝早くから何時ものように身体を鍛えようと、タンクトップとガラパンだけで、500グラムのダンベルを両手に1つずつ持って腹筋運動!
すると、隣の部屋の和美が何時ものようにやって来る。
・⋯━━☆★☆━━⋯・
トントントン!・・・
《仁美さあ━━━んっ! 朝ですよ~~~》
「はあ~~~いっ!
鍵開いてるから、勝手に入って来てくれ━━━っ!」
《あ、はい・・・》
カチャ・・・・・・パタン!
「仁美さっ・・・はわあっ?!」
バタバタッ⋯バン!!
和美は、下着姿の仁美を見て、驚いた拍子に咄嗟に後ろへ飛び跳ね、すっ転びそうな勢いで玄関のドアに背中を強打っ!
でも仁美は、そんな和美を見ても平然としていた。
「あん? どないした? 躓いたか? ふん! ふん! ふん!」
「ななな、なん、なん、何してるんですかあ!!??」
「ななな⋯って、なにどもってんの?
何してるって、何時ものトレーニングやないか?
ほら、ふん! ふん! ふん! ふん!・・・」
「とにかく、そのトレーニングとやらを、今すぐやめてください!」
「チェッ!・・・ああ~~~もお! はいはい
・・・で? なんでっか?」
「なんでっかって、仁美さんが昨夜、『ポォティト・チップス東京もんじゃ焼き味』が食べたいって言うから、ちょうど今しがた実家から届いたので、持ってきてあげたんじゃないですか」
「あ! ああ~ん! そうだったわねぇ~♪ サンキュー!」
「・・・(汗)」
仁美は、和美が実家から『ポォティト・チップス東京もんじゃ焼き味』が届くと聞き、食べてみたいから届いたら1袋欲しいと言っていたのだった。
それが、今しがた届いたのだと言う。
仁美は、ポテトが嬉しいのと、和美をからかってみたいのとで、わざと悩ましいボーズを決める。
「・・・仁美さん、わざとしてませんか?」
「ぁあら! わかっちゃったあ~~~ん?」
「ううんむむむむ・・・(怒)」
そう。 実は仁美は女性としては、わざと、はしたない格好をして和美をからかって楽しんでいた。
よく年上の女性ってば、年下の男の子が可愛くてからかう事があると言う。
それって、もしかしてこんな感じなのだろうか?
実際、6歳も年下だと、和美が可愛く見えてしまう。
これって、庇護欲だろうか?
それとも、母性本能だろうか?
「ちょっ・・・ちょっと!」
「うん? なに?」
「なんでもいいですけど、はやく服を着てください!」
「はあん? ちゃんと着てるやないか?
和美ぃ~お前、人を裸で居てるみたいに言うなよ」
「僕が言ってるのは『服』の事です!
仁美さんの今の格好は、『下着姿』ですってばあ!!」
「チェッ! ああもう、うっさいなぁ・・・
和美は、俺のお母さんか?」
「ああもぉ・・・って(恥)」
和美は、真っ赤になって俯いていた。
今の仁美は、見た目はクールビューティーな超ナイスバディーな爆乳女性なのだが、私生活は『干物女』であると言える。
そんな仁美が、和美には可愛く見えてしまう。
そして何処か、照れながらも嬉しそうにも見えた。
仁美と和美は、プライベートでは、『仁美さん、和美』と呼び合う仲になっていた。
仁美は、渋々何時ものスウェット姿になる。
「はぁあ・・・これ、胸がキッツイんよなぁ~」
「・・・ブラは着けてないんですか?」
「ブラ? んなもん、ある訳ないやろ?
第一必要ないやろ? 俺、今夜には男に戻るんやから」
「!・・・そうですか」
「・・・うん?」
仁美は、なんだか残念そうな和美を見て首を傾げた。
まさか、和美が仁美に対して異性として恋心を持ってしまっただなんて思いもしない。
しかし、和美は今の女の仁美より数センチ背が高い。
おそらく、仁美が男の時とはあまり誤差は無かったようだが、でもちょっと仁美の方が背が高かった。
仁美は、なんとなく聞いてみた。
「和美って、背ぇ何センチある?」
「せ? ああ、身長ですか? 185センチですけど」
「ほほお・・・なるほど 確かに・・・」
「・・・なんですか?」
仁美は、自分の目線から見て、自分の今の身長は、177~178センチくらいだろうと思った。
仁美の実際の身長は、178センチである。
互いに向き合って立つ目線では、少し見上げるくらいか。
「な、なんですか? そんなに見詰めて・・・(恥)」
「ん? いや? ちょっとな」
「・・・???」
仁美はただ、女になった今の自分の身長がどれくらいあるのか確認したかっただけ。
だが和美は、仁美に見詰められてドキドキものだ。
なにせ今の仁美は、ビジュアルは超絶の爆乳美人である。
身体も艶かしいコーラ瓶体型の、ボン!キュ!ボン!
特に胸は上着が張り裂けそうほどにパンパンで、ウエストはキュ!と引き締まり、尻は形の良い丸くツン!と上がり、足は太くも細くもなく、そして長くとても綺麗な脚線美だ。
これも、男の時に身体を鍛えていたからか?
それに、女性特有の甘く凄く良い匂いがする。
和美は、今この場で仁美を押し倒したい衝動にかられるが、必死に自分の性的欲望を理性で抑え付ける。
だが今の和美の中では、性的欲望と理性とがギリギリの所で釣り合った綱引き状態だった。
和美は、そんな仁美の、胸、腰、足を見て生唾を飲む。
そんなムラムラする気持ちを必死に抑える理性とは裏腹に身体は正直なもので、和美の股間がムクムクと膨らんでくる。
和美は慌てて、背を向けて腰を引き前かがみになった。
仁美は、そんな和美のソレを見逃さなかった。
「ん? おい、どしたん?」
「あ、え、い、いえ! なんでもありません!」
「・・・! ふふん なぁるほど! そかそか!」
「・・・?」
「ほらっ!」
ギュムッ!!
「ぐわあっ! 何を?! やめっ!!」
この時仁美は、今の和美がどんな状態なのか理解していた。
そりゃあ身体は女でも心は男だ。
ついさっきまで半裸状態だった女を前にして、どんな気持ちになるかなんて、今の仁美にだって嫌でも解る。
だから仁美にも、今の和美の気持ちが解らない訳ではない。
しかしそうなると、仁美はまた和美をからかいたくなる。
仁美は元来イタズラ好きな、おちょけた性格な奴である。
よせばいいのに、和美の天を衝くようにイキったモノに気付いていた仁美は、和美を後ろから羽交い締めするように抱き付いて、右手で和美のモノを力一杯掴んだのだ!
だがその時、仁美は驚いた!
500mlのペットボトルか?!と思うほどに太く長くて硬かった!
『なんじゃコレェ?! おいおい! 指が回らんぞ!!
こんなデカイの見た事も聞いた事もないぞ!!
まるで500mlのペットボトルやんけっ! しかも硬っ!!』
まさに! 和美の魔王城の中(パンツの中)には、大魔王が居たのだ!
だが仁美は、嫌がる和美に構うことなく、和美の下半身で仁王立ちする大魔王に向かって、無謀にもけしかける!
それが、いけなかった・・・
「ちょっ・・・ちょっとお! やめっ!!」
「これは、何なぁ~~うぅ~~ん? なんかガッチガチやぞ?
ほほお? コレはなかなか、ご立派なモノをお持ちで♪」
「こっ・・・このおっ!!」
バッ!
「ふあ?!・・・」
和美は、仁美の腕を力ずくで払い除けると、振り返って仁美を万年床へ押し倒したのだ!
一瞬の出来事だった!
ブワッ!と景色が流れたかと思ったら天井が見えた!
とても鮮やかな和美の大内刈だった!
ブワッ!!
「きゃあっ!!」
ドスッ!
「きゃふっ!・・・・・・え?」
そして和美は仁美の上に跨ぐようにのしかかり、仁美の両頬を両手で挟むように押さえ付けると、無理やり仁美の唇を奪ったのだ!
「仁美さん!!」
ブチュ!!
「ふんむっ?!・・・ううう~~~!!!!」
仁美は、和美に押し倒されて強引にキスをされ、何が何だか解らないうちに、あっという間にズボンとガラパンを脱がされ・・・
「やっ! ちょっと! や、やめっ!! か、和美いっ!!」
「~~~!!」
仁美は力一杯抵抗するが、いくら男の時に身体を鍛えていたとはいえ、今の仁美は女である。
もし和美が大魔王ならば、今の仁美は騎士志願したばかりの、所詮はまだレベルの低い見習い女騎士。
レベル99の大魔王に敵うはずなどなかったのだ。
気が付いたら、和美の大魔王は、仁美の中で大暴れしていた!
「ぎゃあはっ!! 痛いっ! 痛いっ! 抜いてっ!!」
「仁美さん! 仁美さあん!! 仁美さぁあぁあぁん!!
んんっ!⋯んんっ!⋯んんっ!⋯んんっ!⋯」
パン! パン! パン! パン! パン!・・・
「きゃあはっ! きゃうっ! ぎゃはっ! はきゃあっ!」
「んんっ!⋯んんっ!⋯も⋯もう止まりません!!」
パン! パン! パン! パン! パン!・・・
「あうっ!⋯あうっ!⋯あうっ!⋯あうっ!⋯いやぁ⋯」
パン! パン! パン! パン! パン!・・・
和美の大魔王は、戦意を失い抵抗しなくなった見習い女騎士仁美には容赦無かった。
何度も何度も狂ったかのように執拗に仁美を手篭めにした!
何が起きているのか理解できず、仁美の意識は遠く・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・
ふと気が付くと、仁美はただ呆然と天井を見詰めていた。
「ごめんなさい! 本当に、ごめんなさい!!」
「うう・・・んん・・・」
横を見ると、和美は畳に額を押し付けて必死に土下座をして謝っていた。
なんだか、身体中が痛い。頭がグワングワンする。
仁美は服を淫らに脱がされた状態で、スウェットのズボンもガラパンも脱ぎ捨てられていた。
自分で脱いだ覚えはない。
仁美の肩や脇には爪痕があり、乳房にも爪痕や歯型が残されているのを見れば、執拗に和美にいたぶられたのを物語る。
そして、腰も股関節も痛かった。
いったい、どんな体勢で何回戦攻め続けられたのか?
なにより1番痛かったのはアソコだった。
まるで、アソコの中に何かパイプのような物が入ったまんまの状態のような感覚が残る。
これは・・・やはり・・・・・・
あまりの衝撃的な事だったので、和美に行為をされている間は仁美はパニックを起こし、中盤からはほとんど放心状態だった。
なので仁美は、和美に押し倒された後に、和美が自分の上にのしかかって来て和美に犯されたのは理解しているが、その後の事はまったく覚えていない・・・と言うより、酷く実感が無かった。
だが、今の自分の状態、身体中の痛み、必死に謝る和美、やはり行為は終わった後・・・
この状況を考えれば、嫌でも解るってもんだ。
「ごめんなさい! ごめんなさい! ごめんなさい!」
「うう・・・あ・・・いてて・・・ど、どうなって・・・
天井がグニャグニャって、波打ってる・・・」
仁美は、和美に食われてしまったのだった・・・。
仁美は女としての性行為は初めてである。当たり前である。
一昨日の夜、女になったばかりなのだから。
実は、和美も初めてだった。DTだったのだ。
なので、完全に仁美の中に果ててしまったのだった。
だが和美は萎えることなく、その後も抜かずに何度も何度も・・・
和美のDT卒業の相手が仁美だったのは、幸か不幸か・・・
だが、我を忘れるほどに何度も仁美を愛し続けたのだから、和美は幸せだったに違いない。
我に返るまでは・・・
しばらく和美が謝る状況が読めないままだったが、記憶を思い起こしていくと、どうやら自分は和美に本当に犯されたらしいと理解する。
・⋯━☞約10分後☜━⋯・
「はあ・・・なんで、こうなった・・・いや、俺が悪いんか」
「ごっ、ごめんなさい! ごめんなさい! ごめんなさい!!」
「あ、ああ、まあまあ、待て待て! 落ち着けっ!」
「で、でもっ!・・・で、では、責任を取らせてください!!」
「責任を取る? あははっ! アホ言えっ!
まさか、俺と結婚とかって、冗談でも言うなよ?」
「そ、そんな!・・・でも!」
「和美が悪い訳じゃないよ! 俺が悪かったんよ」
「え?! でっ、でも・・・」
「うん・・・ちょいと度が過ぎたな すまん
イタズラにも程があるわな? あはは・・・
そりゃあ、こうなるのは当然・・・か 自業自得やわな
酷いことをして、申し訳ない・・・」
「へ?・・・なん、なんで仁美さんが謝るんですか?!
ぼ、僕は仁美さんを犯し・・・」
「ああ、妊娠を心配してんのか? それやったら大丈夫やぞ?
俺は今夜には男に戻るんやからな! 何も問題ない!」
「な、何を言ってるんですか!!
僕が言いたいのは、そんな事ではなくてですねえ!!」
「まあ、待て! 落ち着け! まあ、その・・・とにかく!
今日の事は忘れろ! いや、忘れてくれ!」
「え?・・・・・・忘れろ? ええっ?! そんなあ!!
忘れろだなんて・・・!!」
「俺が悪いんや! な? 俺が悪かったんやからな・・・」
「なんで・・・なんで・・・こんなに好きなのに・・・」
「あははっ! こんな俺が好きってか? 正気かお前?
まあ、それより・・・な? 悪いのは俺なんやから・・・
頼む! 頼むから、忘れてくれ・・・俺も忘れるから・・・」
「!!!・・・・・・・・・くうっ!!」
バタバタバタバタバタッ!
「んなっ?! かっ、和美?! お、おい!!」
バタバタバタバタバタ・・・カチャ・・・バタァン!!
「!!・・・・・・・・・」
和美は、歯を食いしばり悔しそうに顔をしかめると、脱ぎ捨てていた上着を掴み、尻に火がついたかのように、部屋を飛び出して行った。
一人、部屋に取り残された仁美は、万年床のシーツに付いた『赤い斑点』を、ただじぃ~~~っと見詰めていた。
仁美。女になって2日目にて、『処女損失』。
・⋯━☞2日後の休み明け☜━⋯・
••✼••川北中学校職員室••✼••
そして、その2日後の休み明け。
仁美は学校の職員室にて、和美が理由を言わずに一方的に『一身上の都合により退職します!』と言い放って、『退職願』を出したとの報告を受けたのだった。
仁美は酷く後悔した。
和美を自分のイタズラのせいで、教員を辞める事に追いやってしまった事を。
そして、女装役剤を飲んで2日後の夜に結局は男に戻れず、今も女のまんまである事。
仁美は、この原因は、異性(和美)と性行為をしてしまった事だと思っていた。
この時の仁美には、『もう男には戻れないかも知れない』と漠然とした不安に苛まれていたが、今はそれどころじゃない!
他の教職員達は、仁美が女になってしまった事を一番に驚いていたが、仁美はそれどころじゃなかった。
仁美は、女になった訳を詳しく話す事をそっちのけて、仁美の話しばかりをする。
「誰ですか?!」
「俺っ! 俺です! 大川です!
数日前に女装役剤を飲んでしまって、女に変身してしまったんです!!」
「「「えええええっ?! 大川先生があっ!!??」」」
「えええ~~~これが大川先生?」
「うっわぁ~~~美人~~~!」
「う、嘘? マジ? 信じられへん・・・」
「そんな事より! 新谷先生は! ど、何処ですか?!」
「あ、はい 朝1番に早く来て、職員室にはちょっと顔を出した後、すぐに校長室へ行ったそうなんやけど、その後は見なくなって・・・」
「え?・・・」
「はい うんうん! そうそう!
そして私らも今しがた、教頭先生から新谷先生が辞めるって聞いて、んでみんなビックリしてえ・・・」
「そ、それで? 新谷先生はっ?!」
「たぶん、帰った?・・・と思いますよ?」
「そんな!・・・くっ!・・・」
バタバタッ・・・
仁美は、そんな和美の話を聞くと、また慌てて出て行こうとする。
「ちょっと待ってください!
大川先生! なんで女の人になってしもたんですか?!」
「そうそう! じょそう・・・なんとかって?」
「はあっ?! そんなん後にしてください!!」
「「「えっ?!」」」
バタバタバタバタバタッ・・・
「「「・・・・・・(汗)」」」
そう言って仁美は、学校を出て行ってしまった。
「私、知ってる!!」
「「ええっ?! なに?!」」
「女装剤ってゆってね? 男を女に変身させる魔法の薬があるんやって!」
「「ええええ~~~!!」」
「じゃ、じゃあ、大川先生は、そのじょそーざいを飲んで女の人になってもたん?!」
「うん! たぶんね・・・」
「「へえ~~~・・・(汗)」」
「でも、すんごい綺麗やったね? 大川先生・・・」
「うん! 綺麗で可愛かった・・・」
「ひとみちゃん先生?」
「「はあ?」」
この3人の女性教員達は、完璧に他人事だった。
そして・・・
仁美の向かったのは、アパートの和美の部屋である。
••✼••アパート和美宅前••✼••
ブルルルルルル・・・キッ! ゴトン!
仁美は、スクーターでアパートまで帰って来ると、ヘルメットをスクーターのミラーに引っ掛けて、和美の部屋へと急ぐ!
そして、和美の部屋のドアノブに手をかけると、鍵が開いていたので、ドアを開けて部屋の中へ飛び込んだ!
すると・・・
「和美!! 良かった! まだ居った!」
「仁美・・・先生・・・どうして?」
「どうしてって、お前・・・
なんで先生辞めるんなよ!! 俺か!! 俺のせいなんやろ?!」
「違いますよ! 僕がいけなかったんです!
僕さえ、あの時シッカリ気持ちを抑えてさえいれば・・・」
「だから、それはそうじゃないってえ!!
俺がお前を、からかったから・・・けしかけたから・・・
ちょっと・・・いや、イタズラが度が過ぎたから!
だから・・・お前が責任感じて辞める事はないんじゃよ!」
「で、でも! 本当なら懲戒解雇処分ものですよ!」
「うっ!・・・あ、ああ、うん、まあ、そうやな・・・(汗)
そうかも知れん! で、でもやなあ・・・」
「それに! 僕は仁美さんの気持ちも考えずに、自分の欲望のためだけに突っ走ってしまいたした!」
「欲望って・・・まあ、そうなるんかな・・・(汗)」
「だから! だから僕は責任を取って・・・」
「・・・なあ? 責任ってなんなよ?」
「?!・・・はい?」
「責任責任って言うけどよ?
和美が先生辞める事で、昨夜の俺と和美との⋯が、無かった事になるんか?」
「!・・・それは」
「責任って、辞める事だけが責任の取り方なんか?」
「え?!・・・だって、それは・・・その・・・」
「ああもおっ!! 段々腹立って来たぁ!!」
「ええっ?!」
「じゃあ何かえ? お前は、『やり逃』するって訳かえ?」
「やり逃だなんてえっ!! そんな・・・そんな・・・
そんな言い方は、やめてください・・・」
「責任ってゆーんやったら、俺を一生養えやっ!!」
「はあい?!・・・な、なんて? 今、なんて?」
「まあ、俺がまさか男に抱かれて処女失うやなんて思いもせんかったけど、だからって別に悲しいやなんて俺は思ってへんし、正直俺は相手がお前で良かったと思ってるぞ?」
「へえっ?!・・・・・・そ、それはどう言う・・・???」
「あっ!・・・いやその・・・えっと・・・なんな・・・(汗)」
『何を口走ってんじゃ俺はあ~~~!!
これやったらまるで俺が和美の事が好きみたいやないか?!』
仁美は、自分で言いながらパニクった!
でも本当に、処女を奪われた相手が和美で良かったと思ってる。
『犯されたとは言え、見知らぬ変な奴に犯されるよりはマシ?
処女失ったけど、相手が和美で良かった? 好き?
いやいや、そういう事ではないが、異性として好きなのではなくて、人として好き?
可愛い後輩やから? 単純に年下の男の子が好き?
いやいやいやいや! そうじゃないやろ!!
この気持ちを言葉で表すのは難しけど、とにかく和美に抱かれた事は嫌ではなかったのは本当の気持ちや!
ほとんど覚えてへんけど・・・』
「ええと・・・なんて言うたらええんかなあ?
正直なところ、和美お前を男として好きって訳じゃなくてな?
どう説明すればええんか解らんけど、とにかく和美に抱かれても嫌じゃなかったから!!」
「?!・・・・・・・・・やめてくださいよ!」
「え?・・・」
「そんな風に言われたら、仁美さんの事が諦められなくなるじゃないですかあ!」
「そん!・・・そんな・・・そ、それって?」
「だから! 仁美さんの事が好きで堪らないんですよお~~~!!
愛してしまったんですう!!」
「ひゃい?! あ、あ、あい、あい、愛して・・・???
ななななっ⋯何を言うて?!・・・って、そう言われると嬉しいけど・・・
って、そうじゃなくて! ああんもお! なんて言えば?」
「だったら、僕と付き合ってくださあ━━━いっ!!」
「ふあん?!・・・・・・・・・・・・・・・・・・無理!」
「かぁあぁあぁあぁあぁあぁ~~~~~~ん!!」
「あははっ・・・すまん(汗)」
『だって、しゃあないやんか。
男に、『好きだ!愛してる!付き合って!』と言われて、
『きゃあ~~~!好きだって愛してるって言われちゃった!やだどうしよう~~~?!嬉しい~~~!』
なんて、なる訳がない。
だってだって、俺は身体は女でも心は男やし?
もうすぐ男に戻るんやし? 戻るわよな?』
「だっ・・・だって、ほら!
お、俺はもうすぐ男に戻る訳やん?
せやから、男のお前とは付き合えん・・・ってゆーか(汗)」
「男に戻る・・・でもそれ、本当なんですか?」
「にゃあ!? は? え? 本当とは?」
「ですから、仁美さんが男に戻るって事ですよ!」
「男にもどる事が本当かって・・・?」
「・・・はい!」
「・・・もしかして和美は、俺は男には戻らへんと思ってんのか?」
「・・・・・・はあい!」
「なん?! なんで?! そ、そ、そ、それは・・・
い、い、いったい、ど、どういう、どういう根拠で?」
「だって仁美さん・・・変だと思いませんか?
男に戻るって言ってた日から、もう2日も過ぎてるのに、未だに仁美さんは女の人のまんまじゃないですか?」
「!!!????・・・」
『これは、痛い!! 非常に痛い!!
今1番の不安要素をどストライクに突かれて、ギャフン!状態だ!』
そうなのだ。
仁美が飲んだ『女装役剤』とは、1日だけ女に変身する魔法薬だったはずだった。
ただ、2本飲んでしまったために、2日間女に変身するだけだったはずなのだが、もうあれから4日になるのに、未だに男に戻る様子も無ければ気配もない。
なので、仁美はあまりに不安になったので、女装役剤を持って来ていた奴ら、ショウともう1人の馬鹿野郎に電話をしたのだが、2人とも『女装役剤1day』だって言い張るのだ。
だが、仁美が実際に飲んだのは、『女装役剤1week』と、『女装役剤1mouth』なのである。
つまりは、『1週間女に変身する薬』と、『3週間女に変身する薬』を飲んでしまったので、単純に合計4週間も女に変身する事になるのだ。
従って、仁美は1ヶ月間も、女のまんまなのである。
だが仁美は、そんな事など知る由もなく、和美と性行為をしてしまった事が、男に戻るはずの日に戻れなかった原因なのでは?と考えている。
仁美が、そんな和美の質問に答えられないで居ると・・・
シュパァン!
「うをあ?!「わあっ!!」
「よう! お二人さん!」
「「誰っ?!」」
「私は、大魔法使いのリオリオという者じゃよ」
「「大魔法使い?!」」
「一応、ベテラン魔女でもあるんじゃぞ?」
「「ベテラン魔女?!」」
仁美と和美の目の前に、突然現れたのは、『大魔法使いリオリオ』と名乗る、とても綺麗な女性だった。
訳が解らない仁美と和美に構う事ななく、リオリオはどんどん話を進めていく。
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・
「・・・てな訳でな?
私がお前さんを・・・ええと名前は、大川 仁美やったっけ?」
「は、はい・・・」
「・・・」
「女として何不自由なく生きていけるようにサポートしてやるから、何も心配はせんでもええぞえ?」
「「・・・はあ」」
リオリオは、今の仁美の身体は、男に戻れるか否かのとても不安定な状態だと言う。
そして仁美が飲んだ『女装役剤』も、『女装役剤1week』と、『女装役剤1mouth』だったのだと言う。
仁美は、開いた口が塞がらなかった。
そして更に、このまま1ヶ月間女のまんまだと、初潮がくる可能性があり、もし初潮を迎えてしまうと、仁美はもう男には二度と戻れなくなるとも言われたのだ。
仁美は、ショックで全身の力が抜けて、その場に崩れるように女の子座りで座り込んでしまった。
和美は、状況が掴めず、ただただオロオロするばかり。
だが和美の表情は、どこか嬉しそうにも見えた。
だがリオリオは、そんな仁美と和美に構う事なく続けて話す。
「だから私が、お前さんを女として生きていけるように、これからしばらく世話を焼いてやると言ってるんじゃ!」
「そんな・・・アホな・・・有り得へん・・・」
「仁美・・・先生・・・」
「しかしまあ、こうなっては仕方ないやろ?
おそらく、お前さんはもう、男へは戻れまい」
「「!!・・・」」
「じゃからのお? お前さんが飲んだ女装役剤は、私が開発したものじゃ
今回の事は、お前さんの不注意というか、自業自得というべきじゃが、お前さんだけが悪い訳じゃないじゃろうが、私も少しは責任を感じとる
じゃから、お前さんが今後、女性として何も問題なく生きていけるように、少しばかりサポートさせてもらうぞえ」
「「・・・」」
仁美は、ただただショックで、何も考えられなかった。
和美は、嬉しいやら不安やらで、複雑な心境だった。
そして一旦、和美はまた学校へ向かい、校長に退職届の返却を求めたら、あっさりと返却してもらえた。
校長も、和美に深く話は聞かなかったが、和美の晴れ晴れとした表情を見て、何も言わずに微笑みながら頷いたのだった。
それからと言うもの、仁美は大忙しだった。
数日間リオリオに連れ回されて、戸籍の性別の変更や、学校や、各種身分を証明するものの性別の変更や手続きやでてんやわんやだ。
なにせ、転移魔法でパッパッと移動するものだから、まるでテレビのチャンネルをコロコロ変えるようで、頭がまったく付いて行けない!
それらが一通り終わると、今度は仁美の女性としての必要な物の調達。
リオリオは慣れたものだったが、仁美はもうパニック寸前!
服や下着姿や生理用品などなど。
数日間かけて、病院、家庭裁判所、市役所、年金事務所、そして店から店へと、転移転移転移! もう訳が解らない!
ちょっと仁美が不満などを言うと、速攻でゲンコツを食らうものだから、仁美はリオリオに言われるがままとなっていた。
そして、ようやく一段落したら、今度は仕事が終わったら、カウンセリングの雨嵐!
でも仁美は、元々保健体育の先生をやっていたので、ある程度は女性の身体についての知識はあるものの、これからは女性教師として、学校では女子生徒達に教える立場となる。
もう目が回るほどの、勉強勉強の雨嵐だ!
もちろん、仁美も女と生きるために、学ぶ事が多くて大変だった。
だが、いくら女として自覚しろと言われても、公共のトイレや入浴施設に連れられた時には参った。
自分の裸は見慣れていても、他人様の女性の裸となると訳が違う。
見るのも見られるのも、恥ずかしくて堪らない。
『堂々としろ!』
と、リオリオさんは言うが、こればかりは如何ともし難い。
••✼••スペシャル銭湯気楽••✼••
••✼••女湯脱衣場••✼••
「はわわわわわわわわ~~~・・・(恥)」
「こらっ! 何を突っ立ってんじゃ?
はよぉ、付いて来んかい!!」
グイッ!
「やっ?! ちょっ、まっ・・・(汗)」
リオリオは、仁美の手を取り強引に『女湯』へ連れて行く。
そして仁美の前にしても、恥ずかしげもなく、ポンポン服を脱いで真っ裸になってしまう。
仁美は、恥ずかしくて恥ずかしくて、ただ立ちすくんでいた。
この時、思わず『はわわわ・・・』なんて声を出してしまったが、和美があの時にも同じような『はわわわ・・・』なんて言ってたのを思い出した。
『なるほど・・・アイツは、こんな心境やったんか・・・』
今更ながら、和美の気持ちに気付いて、申し訳なく思った。
「そら! はよお来いって!」
グイッ!
「にゃあっ!!・・・」
「なぁにが、『にゃあ』じゃ? お前は、猫か?」
「そ、そ、そうじゃなくって、ちょっとま、待って・・・(恥)」
「今のお前は女の子じゃ!! 堂々としておればええんじゃよ!」
「おん、女の子って・・・(焦)」
確かに、今の仁美なら、『女の子』と呼ぶ表現が似合うかも知れない。
そんな事より、仁美は恥ずかしさからか、顔だけでなく、前身までほんのりピンク色に染まっていた。
恥ずかしさがカンストで、血圧が上がったせいだろうか?
『うっわぁ~~~やっばい! やっばい!
心臓が今にも口から飛び出しそうや!
もし今、脅かされたら、失神するかも?』
仁美が、服を脱いで真っ裸なリオリオの横でオドオドしていると、痺れを切らしたリオリオが、強引に仁美の服を脱がせ始める。
「ほらあ! はよお脱げっ!!」
バッ!!
「ひみゃあ!!・・・」
「なんちゅ~声出しとんじゃえ!?
今更、男を知らない生娘じゃあるまいし?」
「いやああああああ~~~言わないでぇ~~~(死)」
「クスッ(笑)」
『生娘ではない』と言われて恥ずかしくて頭を抱え座り込んで叫んでしまった。
くっ!⋯殺せっ! だった・・・
なぜ、リオリオは仁美がもう生娘ではない事を知っているのだろうか?
魔女だからなのだろうか?
今更、何を隠したって、全てバレバレのような気がする。
この人、只者じゃない?!
魔女って、何でも解ってまうんか?
「なんでもいいが、はようせんかい!
せっかく客の少ない時間帯をわざわざ選んでやったのに!
今から、こんな程度で躓いとったら、この先も女として、うまくやっていけんぞ!」
「あう、わう、わかった! わかりますしたまあ!」
「ぷぷっ!」
パサパサ・・・
恥ずかしさと緊張のあまり、変な言葉になってしまった。
仁美は、観念して服を脱ぎ始めるのだった。
リオリオは、女として何事も『女側』を選ばなければならなくなるからと、何でも慣れなきゃいけないから、今のうちにできる限り体験させたいのだと言う。
確かに、天涯孤独の男一匹狼・・・いや、雌一匹狼?
今後、何が起きるか解らない。
アパートのお風呂が壊れたら、銭湯に行く事になる。
外出中や学校でも、用を足すなら女子トイレに入る事になる。
服や下着を買うなら、レディース・コーナーへ行く事になる。
その他いろいろ、考えられる事は全てリオリオに任せていたが、市中引き回しの刑に処された仁美だった。
もしかしたら、本当に女として生きる事になるかも?
漠然とした不安に苛まれる仁美であった。
そして和美は?




