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女装剤  作者: 嬉々ゆう
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第40話 「天使のお仕事7」ゴーレム対戦

ちょいと急ぎすぎた晴蘭。

いきなり、ビッグ・フォレスト・ベアは、度が過ぎたようだ。



文章力が無いので、もしかしたら読み辛い部分もあるかも知れません。また「紀州弁」を意識して書いたので見苦しい所もあるとは思いますがご了承ください。あえて主観「紀州弁」を設定しました。





••✼••晴蘭の自宅自室••✼••



 俺は、復活代の借金について良子さんに聞いてみた。



「良子さん! 借金って、もう完済してたの知ってたんですか?」


「おおよ、知っておったぞ」


「んげっ! んじゃあ、なんで教えてくれやんかったんですか」


「そらぁなあ、神官との約束じゃからな」


「約束じゃからなって、あーた!

 俺、そんなん知らんと、ずっとタダ働きしてたんですか?」


「まあ、そう怒るな

 セーラがそれだけできる()だったって訳じゃ

 誇らしい事じゃぞ?」


「え、まあ、うん そーなんやけどね?」



 晴蘭は、まんまと言いくるめられた。

 相変わらずの、なにゆー天然単純娘である。


 だが、晴蘭もみんなに黙っている事がある。

 晴蘭は、復活した時に、ステータスを弄って、「魔女っ娘」になった事を。

 幸いまだパれていない。

 日本へ戻ると、身体も元のまんまだし、ステータスさえ見られなきゃバレる事は無い。

 逆に晴蘭も、良子に魔女っ娘になった事を知られている事を知らない。

 また良子も、晴蘭が魔女っ娘になった事をみんなに話していない。

 それに、ムトンランティアでは、俺はずっと教会から出られなかったので、みんなと会っていないし。

 でももう、教会から外に出られる。

 街の中までだが。


 今日も、当たり前に学校へ行き、帰ったら宿題をして、お風呂に入って、 明日の学校の用意をして、布団に入って「異世界ゴーグル」を装着!



・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・

・・・・・・



••✼••ムトンランティア••✼••



 いつものように、ムトンランティアへ戻り、いつものように教会の自室のベッドの上で目を覚ます。


 だが、今日はいつもとは違った。



「はっ! あれ? 」


「セーラさん」


「ふぇ?! ナタリー?

 どうしたんですか? リヨンも」


「あの・・・・・・」


「・・・・・・」



 なんだ? どーした?!

 こんな真っ暗な夜中に俺の部屋に忍び込んでくるなんて、いったいどう言う了見だ?

 もしかして、夜這い?

 んな訳ないか(汗)

 でもエラく真剣なご様子。

 ちと、怖いくらいに凝視してくる。

 なんなんよーー?! 怖いってえ!!



「あ、あの、なに・・・・・・かな?」


「「私達にもっと魔法を教えてください!」」


「はえっ?! ま、まほー???」


「「魔法をもっと知りたいんです!!」」


「しっ、しぃー!! 静かに!! みんな起きるよ!」


「「!!・・・・・・はい(汗)」」


「はぁ・・・

 いつかこんな日が来るかも知れないとは思っていたけど・・・」


「「・・・・・・」」



 なんと!

 俺に魔法を教えて欲しいと言うのだ。

 俺は教会の天使達に、回復魔法中級まで教えた。

 でも、攻撃魔法は一切教えてはいない。

 なぜなら彼女達は教会の天使なのであり、傷付いた人達を助ける人達である。


 なので、攻撃魔法だなんて天使や聖女としては論外だからだ。

 

 でも、いつかはそんな天使達から、回復以外の魔法を教えて欲しいと来るのではないか?とは予測していた。


 が、その予測が当たってしまった。


 でも俺は、覚悟はしていた。

 何を教えるかも、考えていた。

 しゃーない!

 たぶん、何度断ったとしたも、彼女達は諦めないだろう。

 なぜならリヨンとナタリーは、数年前に街に襲撃したワイバーンの群れに家族を殺されているからだ。

 天涯孤独な2人はゆくあてもなく街中を彷徨っているときに教会のお世話になるようになり、そして今に至る。

 そんな彼女らは、この教会で暮らすようになって、衣食住は保証されている。

 でも、俺がこないだ襲われたように、悪漢や魔物に襲われたら、回復魔法だけでは自分の身を守る術は無い。


 そこで天使達には、「個別魔法起動呪文(こべつまほうきどうじゅもん)」を教える事にした。


 なぜ、個別魔法起動呪文を?

 この世界にも「精霊」は存在する。

 そして間違いなく、「精霊の倫理」も存在する。

 それはつまり、「精霊の倫理に反する行為」3回以上を行うと「魔法使いとして相応しくない」と判断せれて、ペナルティを科せられるのだ。

 地球の精霊と同様に、「魔法使いとしての記憶、能力」を消されてしまうのだ。


 そうならない為にも、「個別魔法起動呪文」なのだ。


 例えば炎系攻撃魔法を「ファイヤーボール」発動するときには、


「ファイヤーボール」


 と、個別魔法起動呪文を口にする事によって、「敵対する者に対して攻撃する」という意思を持たせるためだ。

 「炎の精霊」としたが、実際には精霊に属性など無い。

 どの属性の魔法を発動させるか?をイメージさせるためのワードに過ぎない。

 これにより、「うっかり攻撃魔法が暴発する」ような事を防ぐ意味もあるのだ。

 なので、「自分や守るべきものに対して危害を加えようとする者」が存在して、その相手に魔法を発動させる意思があり「個別魔法起動呪文」を唱える事によって、初めて魔法が発動するのだ。

 そうする事によって、敵対する者が無ければ攻撃魔法は発動できないという事になるのだ。

 所謂「トリガー的な」ものであり、個別魔法起動呪文を、ただ言葉として話すだけでは発動しないという事になる。

 安全装置みたいなものだな。

 この攻撃魔法の発動方は、晴蘭が日本で精霊と意思疎通して研究開発していたものだった。

 なので今では、精霊も個別魔法起動呪文の詠唱としてよりも、合言葉(じゅもん)として、認識されているものだ。


 こんな具合で、リヨンとナタリーに攻撃魔法を教える事にした。




••✼••冒険者ギルド訓練場••✼••



 俺達は、冒険者ギルドの訓練場に居た。


 そこで先ずは、防御魔法を教える事にした。

 虹音姉ちゃんが開発した、「シールド」と「バリア」を教える事にする。

 「シールド」とは、魔力で作られた丸く平たく一方向に張るものであり、どんな攻撃も防げる。

 そして「バリア」。

 バリアは、自分の身体の周りを包み込む様にボール状に全方向に張るものだ。



「先ず、私がやってみるね!」

 精霊が実演してみる。


「「はい!」」


「シールド!!」


 フォン! ブゥ~~~ン・・・・


「「おおおお~~~!」」



 精霊が「シールド」と唱えた瞬間に、晴蘭の伸ばした掌の前に丸く平たい魔力の板が張られた!

 手を前に出したのは、シールドを張る場所を支持しただけであり、本来は手の動作に関係なく、訓練次第で意識した場所に張ることができる。



「そして次がバリア!」


 ブォン!ブゥゥゥゥゥゥ~~~ン・・・


「「おおおおおお~~~!!」」



 バリアはまるで、ガラス玉の中に入ってるようだった。

 


「じゃあ、私に攻撃してみて!」


「「え?・・・」」


「大丈夫だから!」


「「・・・・・・はい!」」



 リヨンとナタリーは、一斉に精霊に向かって木剣を振り下ろす!



 ガィン!ガキィン!


「「!!・・・・・・」」


「何これ?!」


「硬い!!」


「ふふん! でしよう? もっと攻撃してもいいよ!」


「「はい!!」」


「ってえ━━━い!!」


「いやあ━━━!!」


 ガィン! ガァン! バキィン! ガン!



 金属とも違う、石とも違う、硬い何かに鉄の棒を打ち付けるような音がする。

 見た目は、ガラス玉なのに、恐ろしく硬い!

 まったく攻撃は通さなかった。

 この防御魔法は、魔法攻撃も物理的攻撃も完全に防ぐことができる。

 だが、空気と空気中の水分と太陽光程度の光や常温的な温度は通すので、窒息することは無いし、防寒防熱機能もあり、日焼けすることもない。

 まあ、晴蘭は魔女っ娘なので日焼けなどしないが。

 見た目とは裏腹に、弾丸や爆風なども防ぎ、閃光による火傷も防ぐ様に設定されているので、核爆発さえ防げる世界最強の防御魔法ともいえる。 (なんでもあり)

 なので、水に浮くので溺れる心配もない。

 

 すんばらすぃ!!

 流石は、開発者の虹音姉ちゃん!!

 

 一日目は、シールドとバリアを完璧に張れるまで訓練した。


 そして次の日は、攻撃魔法だ。



「じゃあ、教えた通りにやってみて!」


「では、炎からでいいですか?」


「うん!」


「はい!・・・・・・はぁ━━━」


「・・・・・・頑張って!」



 今回、冒険者ギルドの訓練場の的は、モンスターの姿形をしたオブジェを設置させている。

 冒険者ギルドに掛け合い、設置してもらったものだ。

 的の形は、ギルド職員のセンスに任せた。

 今設置されてある的は、「襲い掛かる姿勢のゴブリン」だ。



「ファイヤー・ボール!」


 ボシュ! パァーン!


「「「「おおおお~~~!」」」」



 なんと、ぶっつけ本番で成功!

 とはいえ、少し火傷してハリセンで引っ叩く程度の威力だが、成功は成功だ!

 あとは、効果的に発動できるようにイメージを明確にするだけだ。



「やった! 出来ました!」


「うんうん! 上手くできたね!」


「わぁ~~~すごおい!!」

 パチパチパチパチパチパチ!!


「今の感覚を良く覚えておいてね!

 次からは、もっと威力を上げるようにイメージして!

 そしたら、段々と威力は増してくるから!」


「はい!! せんせい!」


「せんせいって・・・・・・にゃはは(照)」



 先生ってか?

 照れまんがな!

 ま!どんどん行ってみー!


 こうして、リヨンとナタリーは、2日目にして、炎系攻撃魔法のファイヤー・ボールが発動てきるようになったのだった。

 最終的には、空のドラム缶を10数メートル吹っ飛ばす威力にまでなった!

 正直、驚いた。

 一番イメージしやすく習得しやすい炎系とはいえ、たった一日で出来るようになるなんて、リヨンもナタリーも、この世界の人にしては、すごい魔法適正だと思う。


 次の日からも、攻撃魔法の訓練は続いた。


 そしてちょうど1週間で、地水火風4属性の魔法を習得。

 魔法系統も、ボール、アロー、ウォールを習得。

 最後に、補助魔法だ。

 この時リヨンとナタリーのために、新しく補助魔法を開発した。

 理解しやすいように、考えたのが始まりだった。

 味方の攻撃力アップに、「パワーアップ」。

 味方の防御力アップに、「ディフェンスアップ」。

 味方のスピードアップに、「スピードアップ」。

 味方の体力アップに、「フィジカルアップ」。

 敵の攻撃力ダウンに、「パワーダウン」。

 敵の防御力ダウンに、「ディフェンスダウン」。

 味方のスピードダウンに、「スピードアダウン」。

 味方の体力ダウンに、「フィジカルダウン」。


 うう~~~ん! 実に解りやすい!

 やはり合言葉(じゅもん)は単純な方が良い。


 また、魔力5を消費して、味方の攻撃力、防御力、スピード、体力の全てを上げる、「オール・アップ」。

 魔力5を消費して、敵の攻撃力、防御力、スピード、体力の全てを下げる、「オール・ダウン」。

 

 うう~~~ん!

 めっさ解りやすい!

 simple is best!

 ええやないのぉ~~~♪


 でも、基本教会の天使なので、補助職としての色が濃いかも知れないが。

 これだけ出来れば、魔法使いとしても、補助としても、立派にやって行けるはず。


 ここまで出来る様になれば、できれば実戦をさせたいところだが、なにせ教会の天使は、特別な理由がなければ街の外には出られない。

 そこで、俺が今まで倒した経験のあるモンスターで、魔石を埋め込んだ土粘土から、レベル120のラピスラズリ級モンスターの、「ビッグ・フォレスト・ベア」を模したゴーレムを生成し、リヨンとナタリーに対戦させてみた。



「これから、ビッグ・フォレスト・ベアを模したゴーレムを作る!」


「「え?」」


「ビッグ・フォレスト・ベアだって?!」

 ギルド職員


「うん レベルは120くらいに設定して、ほい!」


 ボゥン!


「グオオオ━━━!!」



 晴蘭は、魔石と土から創造魔法で、簡単に、ビッグ・フォレスト・ベア・ゴーレムを作ってしまった!



「「きゃあ━━━!!」」


「うをわあああ━━━!!」


「ちょーっと! みんな落ち着いて!

 これ、私が魔石から作ったゴーレムだから!」


「「「ゴーレムぅ?!」」」


「そう! 動きはクマ爪攻撃、噛みつき、体当たり、かな?

 んで、案外火に弱いのと、自分より身体のデカい奴には弱いのねん」


「ちょっと待って!

 なんでそんな詳しい情報を知ってるの?」

 ギルド職員


「え? だって、前に何匹も倒したし?」


「「「ええっ! 倒したあ?!」」」


「倒してたつっても、一撃だったけどね」


「「「いちげきぃ?!」」」


「え? え? なんでそんな驚いてんの?

 ただの魔熊ですよ?」


「ただのって、どうやって倒してんですか?」

 ギルド職員


「えー? ただ、狙撃魔法で1発?」


「「「!!~~~」」」



 みんな、驚きのあまりに絶句!

 もちろん、晴蘭の言葉を完全に信じてはいないが、目の前にビッグ・フォレスト・ベアのゴーレムが立っているのを見ると、信じざるを得ない。

 ゴーレムとは、自分が倒したか、自分より弱い生き物しか作れないからだ。

 それはつまり、晴蘭は単純に、ビッグ・フォレスト・ベアよりも強いって事。

 冒険者等級はアメジスト級なのに、二段階上のラピスラズリ級モンスターを一撃で倒せるなんて、固定概念ではあり得ないことだった。



「はいはい!

 こらからゴーレムが2人に攻撃するから!」


「「ええっ?!」」


「正気ですか!!

 教会の天使達に、あのゴーレムに勝てる訳がないじゃないですか!!」


「煩いなあ!

 ちょっとそこ、訓練の邪魔だから黙っててくれる?」


「何を言ってるんですか! 今すぐやめさせて・・・」


「ほら行けえ!!」


「グゥワオオオオー!!」


「「きゃああああ━━━!」」



 ゴーレムは、両腕を上げて天使達に襲い掛かる!!

 もちろん、ゴーレムを操作しているのは晴蘭だ。



「ほらほら! 逃げてばかりじゃダメですよー!」


「ぎゃあああ~~~!!「いやああああ~~~!!」



 リヨンとナタリーは、ただただゴーレムから逃げ回るだけだった。

 そりゃあ、逃げるわな。

 初めてエンカウントしたのが、ゴーレムとはいえ、巨大なクマのモンスターなのだから。

 晴蘭が作り操作しているけど。


 結局、5分以上も2人は逃げ回り、攻撃魔法1つ放つ事はなかった。

 すると、ギルド職員が手の空いた冒険者達を連れて来てしまう。

 晴蘭は、仕方なくゴーレムを停止させた。



「うわ! 本当にモンスターのクマがいる!」


「なんでこんなところに?」


「みんな離れて!」


「なんですか、あなた達は?!」


「さあ、君も離れるんだ!」


「わ! ちょっと!」



 晴蘭は、冒険者達にその場から移動させられてしまった!

 当然、ゴーレムは動かない。

 相変わらずリヨンとナタリーは、パニック状態。

 ギルド職員に呼ばれて駆けつけた冒険者達 は、ゴーレムに攻撃するが、ゴーレムはピタッ!と動きを止めたまま微動だにせず。

 そんなゴーレムを不思議に思う冒険者達。



「どうした? なぜ動かない!」


「だから、それは私が作ったゴーレムなんだってばあ!!」


「キミが作った?!」


「ゴーレム?!」


「だから、さっきから言ってるでしょ!」


「「「えええええ~~~!!!」」」


「ええーって! あんたらねぇ(怒)」



 突然動きを止めてから、まったく動かなくなったゴーレムを見て、本物のモンスターではないと、やっと信じてくれた冒険者ギルド関係者達。

 魔法使いや魔術師が作ったゴーレムが動くなんて事は、この世界では よくある話ではあるのだが、どれも「昔話しやおとぎ話」的な存在であり、「都市伝説的な位置付け」でもあり、実際には存在しないと考えられていた。

 それほどに、晴蘭の魔法は凄いって事なのだ。

 逆に物理は、からっきしだ。

 そこらの女の子よりも弱いくらいだ。

 いくらアバターを年相応の肉体年齢にしたとはいえ、ステータスの変化は雀の涙だ。

 それに、何を思ったのか、母親に負けなくない気持ちから、胸を母親と同じサイズに設定したのが、悪目立ちしている。

 その胸のせいか、魔力が多いのは、胸に魔力袋があり、そこに膨大な魔力を溜めているのでは?などと、なんともアッポケな噂が広まるほど。


 ああ〜もぉー失敗したあ!!


 だが、今更だ。

 やってしまったのは、もう戻せない。

 冒険者ギルドでも初登録時は、晴蘭は年齢にしては身体が小さいと言われていたが、今ではこの身体が本体だと思われている。

 変身系の魔法薬の効果かなにかだろうと思われていたようだったので、「悪漢から身を守るために、身体を小さくする魔法薬を飲んでいたが、効果が切れたのだ」と、苦しい言い訳をしたが、なぜか通ってしまっている。

 ま、そうとしか説明が付かないからな。

 この世界で一度死んで、復活する前にステータスを弄った!だなんて言えないし。


 更に今では、「魔女っ娘聖女セーラ」として広まっている。

 ちょっとした、有名人だ。

 

 それはそうとして、晴蘭はもう一度、リヨンとナタリーにゴーレムを使っての訓練を再開した。

 今度は前回のように、大型モンスターはやめて、小型のモンスターから始める事にした。

 ま、晴蘭も初っ端からやり過ぎたと反省したわけだ。



「じゃあ今度は、小さめのモンスターのゴーレムを作るから、今度こそ攻撃魔法を発動してくださいね!」


「「はっ、はい!!」」



 晴蘭は、ビッグ・フォレスト・ベアの姿をしたゴーレムを一旦魔石と土に戻し、今度はゴブリン・メイジを作った!

 普通のゴブリンは、裸で腰蓑(こしみの)だけを身に付けた姿で、片手の武器を持つが、ゴブリン・メイジは、魔法の杖を持ち、攻撃魔法を放つ。

 だがコイツは、ゴーレムだ。

 魔石を使用しているので、魔力が足りず魔法までは発動できないので、物理オンリーだ。

 魔石には、3~5の魔力があり、ゴーレムを動かすには、1魔力で約10分ほど動かせるが、魔法を発動させると、魔力がバンバン消費するので、使えない。



「さあ! せめて魔石の魔力が無くなるまでに、やっつけてね!」


「「はい! 頑張ります!!」」


「じゃあ、攻撃するよ!」


「「!!・・・」」


「グギャア!」


「「ひぃいぃいぃっ(汗)」」

 やっぱり逃げ出すリヨンとナタリー。


「おぃ・・・ゴブリンでさえ、これかえ?」



 最初は怯えるばかりだったリヨンとナタリーは、数分経つと少し慣れてきたのか、やっと魔法を発動!

 2人で、5回攻撃してやっと倒せた!

 ゴブリン・メイジのゴーレムは、土色に変色すると、ひび割れして粉々に崩れて消えてしまった。

 この時リヨンとナタリーは、レベルが1上がった!



「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・・・・」


「こ、怖かった・・・・・・」


「怖かったって・・・ゴブリン相手に・・・」


「だって・・・」


「初めて見たんだもの・・・」


「・・・あの、さっきのゴブリンのレベルは5で、クリスタル級の最低ランクですよ

 貴女達よりも、ずっと弱いんですよ?」


「「!?・・・」」


「本来の2人なら、力を合わせたらジェイド級のモンスターを倒せるはずなんです!」


「「・・・・・・」」


「魔法は修得しただけでは意味がありません!

 ちゃんと使えなくては、ペーパードライバーと同じです!」


「「ペーパー?」」


「ああ、今のは気にしないで・・・わかった?」


「「はい・・・・・・」」


「本気で強くなりたいのなら、もっと気合いを入れて頑張ってください!」


「「・・・・・・はい!」」



 こうしてリヨンとナタリーは、今日だけでアメジスト級のゴーレムまで倒せるようになった。

 とはいえ、晴蘭が操作するゴーレム相手である。

 本物のモンスター相手だと、こうはいかない。

 ゴーレムのように、決まったパターンで攻撃してくるわけではない。

 本物のモンスターなら、予想に反して攻撃してくるものだ。



 そして・・・

 「魔石からゴーレムを生成し、冒険者でもない、教会の天使達とゴーレムを戦わせた」という事が噂になってしまった。

 また、やりにくくならなきゃいいが・・・




最初は、のつこつした教会天使達。

でも、調子よく強くなっているようです。


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