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女装剤  作者: 嬉々ゆう
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第38話 「天使のお仕事5」大衆浴場

大浴槽を作る!

晴蘭の快適空間構想は、上手くいくのか?


文章力が無いので、もしかしたら読み辛い部分もあるかも知れません。また「紀州弁」を意識して書いたので見苦しい所もあるとは思いますがご了承ください。あえて主観「紀州弁」を設定しました。





••✼••ネチコイ教会••✼••



 教会の敷地内には、無駄に空いた、野球が平気でできるほどの、だだっ広いスペースがある。

 こそに、大衆浴場みたいなのを造って、貧民達や、お金の無い平民達も利用できるようにすれば、この街も人々も少しは清潔感が増すかも?


 服を綺麗にする、「お洗濯箱」を設置。

 お洗濯とは言うが、ただ服を浄化するだけの箱。

 上から汚れた服を入れると、浄化されて綺麗になった服が下から出てくるもいうもの。


 なにせ、特に貧民達にとっては服自体が高いため、夏でも冬服を着ている者も多い。

 年に一度、新しい服が買える者は恵まれていると言える。

 なので、その日暮らしの貧民達の着る服は、常に汚れているし、継ぎ接ぎだらけの服が多い。

 第一、日本の様に、店に既製品の新品の大人用子供用サイズに分けられた服なんてものは少ない。

 ほとんどが、サイズを測り一から作るのだ。

 貧民達が着ている服は、金持ちや商人達の古着がほとんど。

 子供には、大人サイズを小さく繕ったり、袖口や裾口をロールアップしたり、ボタンを付けたりする。


 教会でも、貴族や金持ちのお下がり品や廃棄品を、白野菜や甘い実などを1~3個で、または労働での対価として交換したりしていた。

 教会としても、タダで服を提供なんて事はしない。

 命よりも金や物の方が重い世界。

 なかなかハードでビターな世界だ。


 では、自分で作れば?


 と思うだろうが、そもそもこの世界では、一から物を作るのは、めちゃくちゃ金がかかる。

 また、そんな技術を持つ貧民や平民は希少。

 それも、何とかしたい。


 そこで考えたのは、教会敷地内の空いたスペースに大衆浴場を造り、残りは、「白野菜の畑」を作ろうと思う。

 白野菜は、一度植えてしまえば、収穫しても根っこさえ残っていたら次から次とまた育ってくるので、手入れをしなければならない。

 なので、畑仕事を貧民達にしてもらおう!


 甘い木は、実をつけるくらいに育てぱ、冬以外は取っても取っても、後から後から実が生る不思議な木だ。

 一家に1本の甘い木があれば十二分に賄える。

 有り余る程だが、あって損は無い。

 足りないのは人手だ。

 貧民達の仕事にちょうど良い。

 なので、教会をぐるりと囲むように植えたなら、防風林代わりにもなる。

 これで、果樹園にもなるし、防風林にもなるし、甘い実はアホほど採れるしで、まさに一石三鳥。


 服でも道具でも作れる白野菜は、なんでも作れるのだから、空いたスペースを全て白野菜の畑にしてやった!

 数多く有れば有るほど良い。

 お金の代わりにもなるし、錬金術さえ使えたなら、服や道具を作る材料にもなる。

 ただ、食えない事はないが、非常に不味い。

 だから、薬や料理には向いてない。


 幸い、白野菜も甘い実も、収穫しても数年は腐らないので、小さな倉庫の中に、「異空間収納袋」に備蓄として保管できる。

 これにて飢饉の心配は無い。

 白野菜は物を、甘い実は料理や薬が作れる。

 錬金術さえ覚えたなら・・・ね。


 なので、天使達は、貧民達に錬金術も教えている。

 元々は、晴蘭が教えたのだが、これがまた評判が良い。

 錬金術レベル1が使えるようになれば、誰でも白野菜から、簡単な道具などが作れる。

 とは言え、何が作れるかは「イメージ力」が大きく関わるので人それぞれであり、試してみなければ分からないが。

 レベル1で、小さなナイフや食器や、畑道具くらいなら作れるだろう。

 レベル2で、簡単な服が作れる。

 レベル3で、簡単な魔道具が作れる。


 甘い実があれば、ポーションとまではいかないが、たとえ魔法使いの素質は無くても「傷薬や栄養ドリンク」程度なら作れる。

 錬金術レベル1で、簡単な傷薬や栄養ドリンクや状態異常回復薬。

 レベル2で、簡単な少し品質の良い傷薬や飲み薬。

 レベル3で、ロー・ポーションが作れる。

 しっかりと勉強して魔法使いになれば、レベル1でもロー・ポーションが作れるが、流石に晴蘭以外が教えるには難しいだろう。


 錬金術を習う気があるのなら、レベル3を目指してもらう。

 この世界でいう、魔術師や魔導師だな。


 そんな白野菜の畑や甘い実のなる甘い木が沢山あれば、またその畑や甘い木の管理や世話を貧民達がしてくれたなら、毎日少しずつ白野菜や甘い実を報酬として配ったって良いと思う。


 流石に貧民達全員にまでは回らないだろうが。

 なので、手伝ってくれた者にだけね。

 何もしない者に配るほど、甘くは無い。

 

 んで、お風呂は、朝早くはキツいので、午後2時から深夜11時くらいまで入れるようにすればいいかな?

 朝は、シャワーだけにした。

 そして掃除は、朝から昼までに済ませばOKでしょ。

 先ずは、石と砂と白野菜で作ったブロックを積み上げて塀を作り、ブロックの間に、コンクリートのように固まる粘土状なものを白野菜から作ったもので目詰めして接着、コーティング。

 屋根や瓦は、冒険者に依頼して持ってきてもらった廃材などと白野菜で生成。

 あとは、この街の大工さんに任せた。


 うう~ん・・・

 一見、どデカい倉庫にしか見えないけど、そこは妥協。


 浴場内に排水溝を作り、外に溜池を設置して、スライム達を放流。

 んで綺麗になった水を川に流すようにした。

 そして、掛け湯専用の浴槽と、20人並んで身体が洗える洗い場。

 大浴槽も、20人くらい悠々と入れる大きさに。

 いや、泳げるなコレ・・・広っ!

 水は、浴槽用の水を川から水路を引いてきて、スライム入のため池に。

 そこから水汲み魔導水車を設置。

 屋根の上に貯水タンクを、水用とお湯用を設置して、そのタンクに水が溜まるように魔導ポンプも設置。

 お湯は、少し熱めの45℃に設定。

 浴槽と、各洗い場に水とお湯のパイプを壁の中や床下に這わして、シャワーも設置。

 様々な大きさの魔晶石を、たくさん使ってしまったが、まあええか。どうせタダだったし。

 そんな設備を、男女別に作った。

 

 ここまで出来て、いざ試運転!



「このコックを左に回すと、赤い方がお湯で、青い方が水が出る仕組みね!

 熱さは自分好みに調整、止める時は右に回して!」


「「はぁ~~~すごいですね!」」


「あはは! どや?」


「「わぁ~~~!」」

 パチパチパチパチパチパチ!!


「でへへ♪」



 浴槽と洗い場の浴槽へのお湯投入!

 うん! 問題ない。


 シャワーを出してみる。

 うん! 完璧!!


 ボディーソープ、シャンプー、コンディショナーなどは、ラベンダーと甘い実から精製。

 ラベンダーと桃に似たの香りの、良い石鹸♪


 入場料は、大人200Tia、子供100Tia。

 お金が無い場合は、大人は白野菜なら5個、甘い実なら5個。

 子供は白野菜なら3個、甘い実なら3個。


 スポンジ・タオルは、白野菜から作り、浴場入口の番台で買えるシステム。


 ボディーソープ、シャンプー、コンディショナー、それぞれ300mlを1本100Tiaで販売。

 白野菜なら、それぞれ1つ1個。

 甘い実なら、それぞれ1個。


 白野菜から作った、パンツ、シャツ、男女色別の浴衣は、1セット500Tiaで販売。

 白野菜なら1セット5個、甘い実なら1セット5個。


 入浴後の飲み物として、甘い実ジュース1本100Tiaで、白野菜なら1個、甘い実なら1個。


 ってな具合に設定した。



「「すごいすごい! わぁ~~~!」」

 パチパチパチパチパチパチ!!


「でへへ♪」



 この2人の天使達、リヨンとナタリーは、一々大袈裟なくらいに感動して称えてくれるので、とても気分がいい。

 この世界には無い物ばかり作り出しているので、そりゃあ驚くわな。

 

 試運転の結果、特に問題は無かったので、教会内の人達に入ってもらってみた!



「これは、素晴らしいですね!

 毎日入りたいくらいです!」


「いえいえ、毎日入るものですよ?」


「そうですね! 毎日入る事にしましょう!

 他の天使達も、とても気に入ったようですし、セーラさんも入ってきてはどうてすか?」


「そうですね! では、お言葉に甘えて・・・」


「・・・・・・? あの、セーラさん?」


「はい?」


「女性は、向こうですよ?」


「あっ! そーでしたあ!!」


 パタベタパタペタ!



 晴蘭は、服を脱ごうとしたが、自分が今男湯に居る事を忘れていて、神官さんに指摘されて慌てて女湯へ向かった。

 

 あはは・・・ヤバいヤバい!


 取り敢えず、考えていたものは造った!

 いよいよ、明日には営業スタートだ!!




できた!

また、できてしまった!!

大浴槽!!

他にもいろいろ試したり作りたい物は沢山あるけど、取り敢えずは、思い描いた物は作れた晴蘭。

でも、新しくできた物は、始めてみないと、どうなるか分からない。

何事も、やってみなきゃ分からない。

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