第30話 「ちびっ娘ギャングは英雄クラス?」
怒りの晴蘭パワー爆発?!
でも見た目は、ちびっ娘なので、よくナメられます。
文章力が無いので、もしかしたら読み辛い部分もあるかも知れません。また「紀州弁」を意識して書いたので見苦しい所もあるとは思いますがご了承ください。あえて主観「紀州弁」を設定しました。
••✼••ネチコイの郊外••✼••
俺達は、ネチコイの街を出て、オークとボアが出没すると言う、田園地帯に来た。
ここは、ネチコイ子爵が管理している畑群であり、殆どの畑で主に魔法薬の材料などを育てているとか。
畑の中では、早乙女達が仕事をしていて、そんな畑を守るためなのか、他の冒険者達がチラホラと警備している感じだ。
俺達の狩り場は、この畑を狙ってやって来るモンスターの住処って訳だ。ここではない。
やはり、魔法薬の素材の中で畑で作る作物と言えば、白野菜だろう。
人の様に味覚感覚が発達していると、正直白野菜なんて不味くて食えたものではないのだが、動物やモンスターにとっては、魔力豊富な栄養源だ。
そりゃあ、こんだけあれば食いに来るわな。
「なるほど ここが白野菜の畑か んで、向こうが田んぼか」
手で日差しを隠しカッコつけて言う晴蘭。
「うん でも、ジャガイモとかキャベツも田んぼで出来るんやな?」
腕を組みカッコつけて言う海音。
「そーやでえ! 枝豆とかもやで」
得意げに言う千春。
「確か、キャベツ、ブロッコリー、ニンジン、エダマメ、タマネギ、サトイモ、ジャガイモとかもやね って、この世界にも同じ野菜があるんか知らんけど」
サラッと言う虹音。
「「「おおおお~~!」」」
虹音を感心する晴蘭と海音と千春。
流石っ虹音姉ちゃん!!
すんげぇー! カッコイイ~! 美人~! 好きだ~~~! 愛してる~~~!
晴蘭は昭和の少女漫画の目のようなキラキラした瞳で虹音を見ていた。
その後俺達は、畑を警備する冒険者達や、早乙女達に話を聞いてみた。
「こんにちは~~~」
警備の冒険者に声をかける晴蘭。
「「「こんにちは~~~」」」
続いて声をかける海音と千春と虹音。
「ああ、こんにちは! お! 君達は、アメジスト級の冒険者か! もしかして、オークやボアの討伐に来たのかい?」
「「「「はい!」」」」
「へぇ~じゃあ、もしかして君達が、『ビッグ・フォレスト・ベア』とか大型モンスターを倒したって言う、噂のチビッ娘ギャングかい!」
「「「え゛っ・・・・・・(汗)」」」
ドキッ!とする晴蘭と海音と千春。
「あら?」
何の事が解らない虹音。
なんじゃそりゃあ━━━!!
『チビッ娘ギャング』ってなに?
そんな風に言われてんの俺ら?!
二つ名ってゆーより、悪口だよねそれ?
ショックぅ~~~(泣)
「あの・・・それって、ホントに俺・・・私達のことですか?」
恐る恐る聞いてみる海音。
「ああ、噂になってるよ! ビッグ・フォレスト・ベアとか、ビッグ・ブラッディ・ボアとかをボコスカ狩ってくる、恐ろしく強いチビッ娘魔法使い達が居るってね!」
「「「「んなっ?!」」」
ショックで白目になる晴蘭と海音と千春。
「あはは・・・・・・」
流石に呆れる虹音。
「見れば特徴がピッタリだからな!」
「「「とくちょーっ?!」」」
青ざめる晴蘭と海音と千春。
「・・・・・・」
もはや、驚かない虹音。
「金髪碧眼美少女戦士に、黒髪インテリ美少女天使に、黒目黒髪毒舌小悪魔幼女!」
「「・・・・・・!!」」
放心する海音と千春。
「・・・・・・・・・・・・」
ショックのあまりに立っていられず、虹音に背中越しにもたれ掛かる晴蘭。
「あらあら! ははぁ~~~ん」
晴蘭を支えながら納得する虹音。
「後ろに居るのは、金髪碧眼美少女戦士のお姉さんかい?」
「「「!!・・・・・・」」」
なぜ解った?!の表情の晴蘭と海音と千春。
「あはは・・・そうですぅ(汗)」
「なるほどね! きっとアンタも、規格外な魔法使いなんだろう?」
「「「・・・・・・」」」
「ええまあ、そこそこに」
ちょっと待て!
「黒目黒髪の毒舌小悪魔幼女」ってなんだ?!
なんで俺だけ、「毒舌小悪魔幼女」なんだ???
じゃあ、1番悪目立ちしてるのは、俺?
その後の警備冒険者の話が、まったく頭に入らなかった。
このネチコイへ来るまで、男の子に変身して変装してたのも全く意味がなかった。
もう既にバレバレだった。
良子さーん! 助けてよぉ~~~
その時から晴蘭と海音と千春には、不穏な称号が増えたのだった。。。
晴蘭のステータス
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☆★✯*☪*✰★✰*☪*✯★☆
・⋯━☞STATUS☜━⋯・
☆★✯*☪*✰★✰*☪*✯★☆
名前 セーラ
性別 女
年齢 13
種族 女性魔法使い
職業 転生幼女
・⋯━━☆★☆━━⋯・
LV 28
HP 125
MP 586
STR 3
ATK 4
DEF 3
INT 45
MAT 58
SPD 6
EXP 10852
・⋯━━☆★☆━━⋯・
魔法特性
【全属性攻撃魔法】
【全属性防御魔法】
・⋯━━☆★☆━━⋯・
習得魔法
【創造魔法】
・⋯━━☆★☆━━⋯・
習得スキル
【魔力制御】【魔力操作】【鑑定】【魔力量計測】【索敵】【魔導インターネット】【魔法薬精製】【1馬力】【女装役剤精製】【男装役剤精製】【空間拡張キューブ型収納魔法】【空間拡張魔法】【異空間収納魔法】【クリーン】
・⋯━━☆★☆━━⋯・
必殺技
【ショットガン】【かんしゃく玉】【マシンガン】【爆発魔法】
・⋯━━☆★☆━━⋯・
称号
【紀州百合っ娘予備軍】
【破壊幼女】
【金髪碧眼真性百合っ娘虹音大好きっ娘】
【黒目黒髪毒舌小悪魔幼女】
【チビッ娘ギャング】
・⋯━━☆★☆━━⋯・
資格
【アメジスト級冒険者】
☆★✯*☪*✰★✰*☪*✯★☆
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海音のステータス
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◇:*:♤:*:ஐ={✿}=ஐ:*:♤:*:◇
・⋯━☞STATUS☜━⋯・
◇:*:♤:*:ஐ={✿}=ஐ:*:♤:*:◇
名前 ミント
性別 女
年齢 13
種族 女性魔法使い
職業 魔法少女見習い
・⋯━━☆★☆━━⋯・
LV 28
HP 328
MP 3
55
STR 5
ATK 5
DEF 5
INT 38
MAT 42
SPD 6
EXP 10595
・⋯━━☆★☆━━⋯・
魔法特性
【全属性攻撃魔法】
【全属性防御魔法】
・⋯━━☆★☆━━⋯・
習得魔法
【創造魔法】
・⋯━━☆★☆━━⋯・
習得スキル
【魔力制御】【魔力操作】【鑑定】【魔力量計測】【御用だ!】【1馬力】【空間拡張キューブ型収納魔法】【空間拡張魔法】【クリーン】
・⋯━━☆★☆━━⋯・
必殺技
【エア・バレット】【串刺し】
・⋯━━☆★☆━━⋯・
称号
【金髪碧眼真性百合っ娘の妹】
【金髪碧眼美少女戦士】
【チビッ娘ギャング】
・⋯━━☆★☆━━⋯・
資格
【アメジスト級冒険者】
◇:*:♤:*:ஐ={✿}=ஐ:*:♤:*:◇
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千春のステータス
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✩‧₊˚ʚ♡ɞ☞♡☜ʚ✞ɞ* ੈ✩‧₊˚✩
・⋯━☞STATUS☜━⋯・
✩‧₊˚ʚ♡ɞ☞♡☜ʚ✞ɞ* ੈ✩‧₊˚✩
名前 チャル
性別 女
年齢 13
種族 女性魔法使じょせいまほうつかい
職業 魔法少女まほうしょうじょ
・⋯━━☆★☆━━⋯・
LV 27
HP 218
MP 138
STR 4
ATK 5
DEF 4
INT 35
MAT 38
SPD 6
EXP 1002
・⋯━━☆★☆━━⋯・
魔法特性
【全属性攻撃魔法】
【全属性防御魔法】
・⋯━━☆★☆━━⋯・
習得魔法
【創造魔法】
・⋯━━☆★☆━━⋯・
習得スキル
【魔力制御】【魔力操作】【鑑定】【魔力量計測】【1馬力】【空間拡張魔法】【クリーン】
・⋯━━☆★☆━━⋯・
必殺技
【茨のムチ】【スターダスト】
・⋯━━☆★☆━━⋯・
称号
【セーラちゃん大好きっ娘】
【お世話少女】
【黒髪インテリ美少女天使】
【チビッ娘ギャング】
・⋯━━☆★☆━━⋯・
資格
【アメジスト級冒険者】
✩‧₊˚ʚ♡ɞ☞♡☜ʚ✞ɞ* ੈ✩‧₊˚✩
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虹音のステータス
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·͜·️ꕤ︎︎·͜·☆·͜·♡ꕤ︎︎♡·͜·☆·͜·ꕤ︎︎·͜·
✧˖°⌖꙳✧すてぇたす✧꙳⌖°˖✧
·͜·️ꕤ︎︎·͜·☆·͜·♡ꕤ︎︎♡·͜·☆·͜·ꕤ︎︎·͜·
名前 ナナト
♂︎♀︎ ♀︎
年齢 16
種族 女性魔法使い
職業 楽観主義JK
+:-:+:-:+:-:+:-:+:-:+:-+
LV 32
体力 185
魔力 486
力 5
攻撃力 5
防御力 7
知力 68
法力 62
素早さ 8
EXP 14481
+:-:+:-:+:-:+:-:+:-:+:-:+
魔法特性
【全属性攻撃魔法】
【全属性防御魔法】
+:-:+:-:+:-:+:-:+:-:+:-:+
習得魔法
【創造魔法】【フィリフケィション】
+:-:+:-:+:-:+:-:+:-:+:-:+
習得スキル
【鑑定】【魔力量計測】【魔力制御】【魔力操作】【索敵】【魔導インターネット】【御用だ!】【セーラちゃん感知】【1馬力】【空飛ぶ箒】【魅了】【空間拡張キューブ型収納魔法】【空間拡張魔法】【クリーン】
+:-:+:-:+:-:+:-:+:-:+:-:+
必殺技
【風船みたいに膨らませてボーン!】【魅了で仲間割れ】【コメット】
+:-:+:-:+:-:+:-:+:-:+:-:+
♡称号️♡
【金髪碧眼真性百合っ娘】
【晴蘭好きっ娘】
【BL 予備軍】
【金髪碧眼美少女戦士の姉】
+:-:+:-:+:-:+:-:+:-:+:-:+
資格
【原動機付自転車】【クリスタル級冒険者】
·͜·️ꕤ︎︎·͜·☆·͜·♡ꕤ︎︎♡·͜·☆·͜·ꕤ︎︎·͜·
⚫♡️♡♡️♡✿♡♡️♡♡⚫
その後、何とか気を取り直して、早乙女達からも話を聞くと、この近辺はオーク系よりもボア系がよく出没するらしい。
特に、ホーン・ボアとか。あの不味いやつ。
ホーン・ボアとは、ホーン・オークに似た四足歩行のモンスターで、成獣で体高2m、体長3mとオークより若干小さいものの、身体全体的に引き締まっていて固く、攻撃力も強い。
だが、ホーン・オークの様に武器を持つ事が少なく、蹄や牙などで攻撃してくる事が多く、特に噛み付く事があるので、接近戦では注意が必要。
「ビッグ・ブラッディ・ボア」と呼ばれている。
なるほど。ボア系か。
あまり金にはならない系だな。
不味いし。硬いし。臭いし。
ところが、虹音のずっと後ろに、奴、難癖少年が居たのが見えた。
「え? なに? 誰あの子?」
後ろを振り向く虹音。
「「???」」
振り向く海音と千春。
「アイツ・・・・・・なんなんよ?」
難癖少年が居ることに気付く晴蘭。
があぁあぁあぁあぁ~~~ん!!
せっかく気を取り直してのええ雰囲気が台無し!!
なんなんじゃアイツわぁ~~~!!
虹音は、晴蘭の表情が少女漫画の笑顔から、くしゃみを我慢するような表情に変わったので、何事かと驚いた。
すると晴蘭は、スっと手を伸ばし、虹音の後ろを指差した。
晴蘭が指差し、みんなが振り返ると、難癖少年はサッ!と木の陰に身を隠した。
付いて来てる・・・・・・あのアホ!
なにアイツ?!
なんでそこに居る!!
しかも、奴が居るのは、さっき早乙女達から聞いた、ボア達がやって来るって言う森ではないか?
いつボアがやって来るか分からないのに、危ないぞ!
さっきは食ったけど、今度は食われても知らんぞ!!
と、心配していたら案の定!
難癖少年の後ろに、二足歩行のジャイアント・フォレスト・ボアが!
「あ! ヤバい!!」
晴蘭が指を差して叫ぶ!
「え? おあっ! あのアホ! 面倒ばっかりかけくさってからに!」
海音も難癖少年の後ろにジャイアント・フォレスト・ボアが居る事に気付く!
「「!!」」
晴蘭達が自分を指差して騒いでいるが、後ろにジャイアント・フォレスト・ボアが居ることに気付かない難癖少年!
アカン! 100m近く離れているから、走ってたんじゃ間に合わない!
晴蘭は咄嗟に、ショットガンで狙撃!
タァ━━━ン!
「グォアッ!!」
ジャイアント・フォレスト・ボアの胸に命中!
「へっ? うわあー!!」
後ろを振り向き慌てる難癖少年。
ドスン!
少年のすぐ横に倒れるボア。
「ぎゃああああー!」
運悪く、倒れたジャイアント・フォレスト・ボアの蹄か難癖少年の足に当たり、脚に大怪我をする難癖少年。
難癖少年は、ジャイアント・フォレスト・ボアが狙撃された後に、自分が襲われそうになっていた事に気付く。
驚きひっくり返り、慌てて後退る。
晴蘭のショットガンは、ジャイアント・フォレスト・ボアの胸のど真ん中を貫くが、まだ倒しきれなかったようで、まだ難癖少年を襲うとしている。
「あっかあん!! 間に合わん!!」
「晴蘭! 何とかせぇー!」
「んな事言われても」
「いやあ! あかあん!」
もうダメだ!
と、そう思ったとき!!
「フィリフケィション!!」
「んなっ!「はっ?!「えっ?!」
虹音が晴蘭達の後ろから何かを叫んだかと思ったら、難癖少年を今襲おうとしていたジャイアント・フォレスト・ボアが、天使の柱に包まれたの様に見えた!
するとジャイアント・フォレスト・ボアは、様々な色の水彩絵の具が水に解けるかの様に掻き消えたのだった。
「なんっ・・・なんじゃアレわっ!?」
晴蘭が愕然とする。
「・・・・・・!!」
言葉を失う海音。
「すっ・・・すごい!!」
圧倒的な魔力量に驚く千春。
「ふぅ・・・間に合ったね!」
両手を前に突き出した姿勢で言う虹音。
虹音が放った魔法「フィリフケィション」とは、普通は「アンデット系モンスター」などに対する浄化魔法であるが、元々この世界のモンスターとは、「悪(陰)の意識が籠った魔力が具現化」したものであり、浄化魔法がバッチリ効くのだ。
難癖少年の傍へ駆け寄る晴蘭達。
すると難癖少年は、足に大きな怪我をしていた。
膝から脹脛まで、バッサリと切れてるし、骨は複雑骨折の結構な大怪我だ。
ローポーションや並のポーションでは、完全に治らない程の大怪我だった。
まったく、どうしたものか。
完全に治すには、ハイポーション以上の回復薬が必要だろう。
俺達は、回復魔法が使えるので、基本魔法薬は持ってはいなかった。
でも、魔法職とはいえ、俺達は回復系職ではないので、下手に回復魔法なんて人に使ったら、魔法使いなのに回復魔法が使えるとバレてしまう。
もし、そんな事になったら、また目を付けられる羽目になる。
この世界の魔法使い達には、「回復魔法が使える魔法使い」という概念が無いので、回復魔法を覚えようともしない。
回復魔法を使のは、「治癒士」などの回復職という認識だ。
たとえ剣士だとしても、魔力さえあれば、やる気になれば、覚えられるはずのに。
回復魔法以外で回復となれは、「回復魔法陣」の上で回復を待つか、回復魔法薬を飲むしかない。
ハイポーション以上の回復魔法薬なら、問題ないのだが、持ってない。
女装剤と女装役剤と男装役剤しか・・・
晴蘭達は、難癖少年の傍へ駆け寄る。
タッタッタッタッ!
「おい! だいじょぶか? あっ!!」
晴蘭が難癖少年に声を掛ける。
「ううう・・・・・・ううう・・・・・・」
足を抑えながら蹲る難癖少年。
「・・・・・・こら、重症やな」
海音がそう呟く。
「そらあ、大きいモンスターに襲われたんやもん こうなるのも無理ないわよ」
と、そう呟く千春。
「大丈夫? 他に怪我してない?」
難癖少年に優しく声を掛ける虹音。
「痛い・・・ううう・・・こ・・・・」
「「「こ?」」」
首を傾げる晴蘭と海音と千春。
「怖かったあ!」
ガバッ!
「きゃあ!」
「「「ぬっ?!」」」
難癖少年は何を思ったのか、突然虹音に飛び付き抱き付いた!
虹音は、驚いて両手を上げる!
難癖少年は、まるでユーカリの木にしがみ付くコアラの様だった。
それを見た晴蘭と海音と千春の怒気ゲージは一気にカンスト!!
「ゴラァ! なにさらしとんじゃワルルレェ!!」
「ゴルルアッ! 姉ちゃんから離れろやっ!」
「なにやってんのアンタぁ! 虹音さんから離れなさいっ!!」
「なっ? ちょっと! なにこの子?」
「ぬぅをおおおおおお~~~!」
虹音の胸に顔を埋めて意味不明な声を発する!
「いやあははは! こちょばい!」
「「「くぁw背drftgyふじこlp;@:「」~~~!!」」」
そして数分後・・・・・・
難癖少年の頭はタンコブだらけだった。
力尽きたかの様にへたり込む難癖少年。
そしていつしか、晴蘭と海音は、虹音を取り合って喧嘩になっていた。
「くらぁ! おんしゃあ! 俺の虹音姉ちゃんに、なにしとんじゃえ!」
「こらこらー! いつの間に俺の姉ちゃんがお前のもんになったんじゃ!?」
「最初っから俺の虹音姉ちゃんじゃ!!」
「俺の実の姉ちゃんちやろがぇ!!」
「ちょーっと! 2人ともいい加減にして!」
「喧嘩をやめえぇ~2人をとめてぇ~私ぃ~のためぇにぃ~あらそぉ~わない~で~~~♪」
「虹音さん・・・・・・(汗)」
虹音は、どこか嬉しそうだった。
自分の可愛がる娘達が、自分を取り合うのに、ウットリしていた。
ぷあぁはっ! なんや海音の奴!
ホンマは虹音姉ちゃんの事、大好きなくせに!
ってか、今はそれは置いといてー
「なんなんなお前? なんで付いて来た? まだ俺らに何か言いたい事でもあるんかえ?」
「うっ・・・うるさい! 生意気だ女のくせに!!」
「はあ? ったぁ━━━くもぉ━━━! だから、なんなんなお前わっ? 朝から、男のくせにとか、女のくせにとか、いったいどっちにモンク言いた訳ぇ? 俺に言わせたら、ボア程度の魔物を倒せやんお前が、ボアを倒せる俺らに難癖付けるお前の方が生意気やぞ! あ゛あ゛ん?」
「んだとこのチビッ娘めぇ! 俺様はレベル21のアメジスト級冒険者、ネチソトのセルボ様だぞ!」
「はぁん? ねちそとのせるぼさまぁ? なーんじゃそりゃ?」
「ネチソトってのは、ネチコイ街の外街って意味だ! 俺は、ネチソトを占めるラピスラズリ級冒険者カルタスの息子だぞ!」
「知らんがな! んなもん!」
「「「・・・・・・」」」
ははぁーん! なるほど 読めた!
この、難癖少年の名は、「セルボ」というらしい。
んで、ネチコイ街の外壁周りに住み着く貧民街の長である「カルタス」とかいう奴の息子ってわけか。
だから、「俺はネチコイ外街を占める長の息子だから、言うことを聞かないと酷い目に遭うぞ!」と言いたいわけだな。
ここ、ネチコイ領は王都トスターの街ほど大きくはないが、田園などの農業で栄える街で、子爵領屋敷を中心に、貴族街、繁華街、ギルド街、そして外壁外に貧民街があり、その貧民街を占める奴が居て、ソイツが「カルタス」という奴らしい。
何も情報が無いので、それ以上何も分からないが、セルボの言い方からして、そこそこの力を持つ冒険者のようだ。
んな訳だから、カルタスの息子セルボ様の断り無しに勝手に動くな!とでも言いたいのだろう。
だが、外街には、セルボよりも強い冒険者は山ほど居る。
ただ、セルボの父親カルタスには敵わないらしく、みんなカルタスには従っているようだ。
そこへ、他所から来た俺達がやって来て、あっさりとアメジスト級に昇進したのが面白くないようだ。
実力じゃ!じーつーりょーくぅー!
「なんでもええけど、お前、はよ手当てせんと、出血多量で死ぬぞ?」
晴蘭がセルボに言う。
「へっ? うわあー! いってぇ~~~!!」
「「「今頃?」」」
「あらあらあら」
セルボは、興奮してアドレナリンが出ていたせいか、足に大怪我をしている事に今まで気付かなかったようだ。
複雑骨折なうえに、骨が見えるほどに切り裂かれている。
生身の骨って、ピンク色なんだなーなんて思って見てた。
慣れとは怖いものだ。
モンスターの解体のお陰か、この手の耐性が付いたようだ。
でも、こうしている間にも、血がどっどく出てる。
ホンマに死ぬぞ?と思った。
「お前、どーすんの?」
腕を組み言う海音。
「ええ? なにがあ?! それより、早く何とかしてくれよお!」
「自分で勝手にやられといて、なんで俺らに言う? 俺ら無関係やろが! だいたい偉そうなんじゃよお前! なんで俺が何の縁もゆかりも無い奴の言うこと聞かなアカンのじゃ? お前、何様のつもりじゃ!」
切れかけの海音。
「なんだとー!」
「ポーションに代わる魔法薬は持ってるけど、あ前には使えやんな?」
セルボを見下ろして言う晴蘭。
「えええ? なんでだよお!!」
「そりゃあまあ、俺は冒険者やから? 怪我をした冒険者を見付けたら助ける義務はあるよ? でも、仮にポーション使ったとしても、お前にポーション代払えやんやろ?」
サメの様な冷酷な目で言う晴蘭。
「そんなあ!!」
「セーラちゃん・・・(汗)」
流石に引く千春。
「そーやな? もう、助からんかもな?」
冷めた事を言う海音。
「薬、持ってないもんねえ?」
冷静な虹音。
「じょ、上段だろ? 助けてくれよお!」
「知らん! 自業自得やろ! たとえ薬があったとしても、さっきも言うたように、お前薬代を払えるんかえ?」
念を押すようにいう晴蘭。
「うっ・・・・・・」
セルボも、ポーションは高価だと知っているようだ。
この世界のポーションの相場は、ローポーションで~10000Tia。
ポーションで~30000Tia。
ハイポーションで~100000Tiaもする。
なので、低レベルの冒険者達は、精製レベルの低いゴミポーションをよく利用する。
「ゴミポーション」とは、とても商人が手を出さないほどの劣悪なモノであり、効果も低く、味も不味く、下手をすると吐いてしまうほどの代物だ。
でも、無いよりマシってわけで、初心者冒険者達は多様するのだ。
そんな劣悪なゴミポーションでも、1本2000Tiaもする。
ただ、今回のセルボの怪我でも治せるかは疑問だが。
何にしても、冒険者は怪我を治してもらったら、それ相応の対価を借金をしてでも払わなければならない。
回復魔法であっても、パーティー以外では、ポーション代と同等の対価が必要だ。
パーティーで回復職が引っ張りだこなのは、この理由が大きい。
これは、冒険者規則の1つだ。
中には、対価を求めない回復職の人も居るらしいが、かなり稀だ。
「・・・・・・払えやんのやろ?」
「・・・・・・う、うん」
「しゃーないな! 取り敢えず、止血はしちゃる でも、このまま止血だけで治ったとしても、もう前みたいに普通に歩けるようにはならんぞ?」
「えっ? そんな! いだぃ・・・・・・」
「はぁ・・・・・・どーするぅ?」
「どーするったって」
困る海音。
「う~~~ん」
考え込む千春。
「セーラちゃん、試しにアレ使ってみたら?」
そう提案する虹音。
「アレって? あ! ああ、アレね!」
気が付いた晴蘭。
虹音姉ちゃんが言う「アレ」とは、俺が作った女装剤の下位互換的なアレ、「女装役剤」の事だと。
そう言えば、精霊からの意思疎通では、「効き目はハイポーション並で、女性化は24時間」だった。
でも、実際にはまだ試していない。
なはははは! ここに良い実験台があるでわないかえ?!
むふふふふふふふ・・・・・・
「なあ、セルボやったっけ?」
「な、なんだよ?」
「俺今、ある魔法使い(自分の事)が実験的に作った魔法薬があるやけど、無料でソレ試してみーへん?」
「へっ? 無料? タダなのか?」
「そう! お試しやからタダ!」
「・・・・・・そ、ソレって、だ、大丈夫なのか?」
「うん! 一応は回復薬の一種やよ? ハイポーション並の効果がある! ただ、『副作用』で1日女に変身してしまうんやけど」
「はあ? 女に変身するぅ? なんなんだよソレっ?!」
「だいじょぶ!だいじょぶ! 女に変身しても、1日経ったら、ちゃんと元に戻るから!」
「!!・・・・・・」
「「・・・・・・(汗)」」
くしゃみを我慢する表情の海音と千春。
「~~~♪」
セルボがどんな女の子に変身するのかしか興味が無い虹音。
「ええんか? 今の様子からして、神経もやられてて痛みも麻痺してるみたいやけど、このままやったら、血が出過ぎてホンマに死ぬぞ?」
「ひっ?!・・・・・・わ、わたかった! のむ! 飲むからた、助けてくれ!」
「! 決まりやな?」
まるで『妖怪うわん』の様な笑顔の晴蘭。
「「はぁ・・・・・・」」
ただただ呆れる海音と千春。
「うふふふふふふふ」
もう、興味しかない虹音。
ポン! ぐびっ・・・・・・
セルボは、小瓶を受け取ると、コルク線を抜き、女装役剤を飲んだ。
その次の瞬間!
セルボの身体は淡く青白く光り、傷付いた足はみるみる元のキレイな足に戻り、身体全体的に一回り小さくなり、セルボは本当に女の子に変身してしまった!
「な・・・なんだこれ? え? こ、声が・・・」
「おおおっ! 実験は成功じゃ!」
ガッツポーズの晴蘭。
「「わおおおおー!!」」
抱き合って驚く海音と千春。
「わあっ! 可愛い!」
両手を胸の前で合評させて喜ぶ虹音。
「はわ・・・はわわわわわ・・・・・・」
立ち上がり、困惑するセルボ。
「ほら、もう帰んな!」
「え? あ、うん・・・・・・」
トボトボ・・・・・・
セルボは、頭をかきながら、トボトボと歩き帰って行った。
昼を過ぎた頃だった。
その後俺達は、ボア系のモンスターが出没するという森の中へ入った。
索敵スキルを発動させると、ひい、ふう、みい、よお・・・・・・いっぱい!
屯ってる訳ではないが、お互いに干渉しない為か、ある程度の距離に近付くと離れるという風に、バラバラに行動しているようだ。
ってな訳で、俺は海音と千春と虹音に、索敵魔法スキルを教えた。
千春は少し手間取ったが、みんな結構アッサリと覚えられた。
その後千春から、解体魔法スキルを教わった。
やっばり、晴蘭が一番のつこつしたが、なんとかみんな覚えられた。
晴蘭達は、1番近い奴から、狩ることにした。
しかし、いったい何体居るんじゃこれ?
正直、数えるのが面倒だった。
それくらい、沢山の居た。
こうなったら、4手に分かれて、効率よく行くか!って事になり、4人それぞれが狩るようにした。
もう、ゲーム感覚だった。
めちゃ簡単なヴァンサバ系ゲームの様だった。
1体倒すと、その近くのモンスターが寄ってくるみたいなパターンが続いた。
木を交わしながら歩き、真正面に来たときに、属性ボール系攻撃魔法で狙撃!
しかも、倒したモンスターを収納して、体制を整える暇があるほどの、簡単なものだった。
そして、1時間足らずで全滅!
俺は38体、海音は32体、千春は30体、虹音は53体の、全部で153体だった。
索敵にも反応なし。完璧たった。
ちと、やり過ぎたか・・・・・・
なにせ狩りよりも、血抜き、解体分別、不要部の廃棄の方が大手間だった。
それらがやっと終わった頃には、もう日が沈みかけていた。
そして、この日はもうギルドへ寄るのはよそうって事になり、次の日にする事にして、この日は宿屋で休んだ。
••✼••冒険者ギルド••✼••
次の日の朝、冒険者ギルドにて。
ボア系の素材と化した物を解体場に卸すと、まー当然ながら驚かれた。
目立ちたくないと言いながら、目立つ事ばかりする晴蘭。
そこに、まったく自覚がないのが難儀である。
でも結果、506万6200Tiaになった。
これで晴蘭も、良子にギルドの壁などの修繕費の借金100万Tiaを返せた。
とはいえ、まだまだ借金は残ってるわけで。
ずっと、良子からの借金を、帳簿などに付けてた訳ではないので、借金があと幾ら残ってるのか解らないけど。。。
そして、買い物の後、ある実験をする事にした。
魔法薬で、どんな効果のあるのもを作れるのかを研究したかったのだ。
それに、商業ギルドで正式に商品登録できたなら、結構な稼ぎになると思ったからだ。
最初の3年間は、著作権でコピー品の出回りを取り締まれるとか?
そのためにも、人に知られたくないのもあり、密かに作れる場所が必要だった。
そこで、冒険者ギルド横の訓練所の更に隣には、冒険者パーティーなどがよく利用する「プライベート・ルーム」がある。
一昔の日本のカラオケBOXのような小部屋だった。
最大8人入る部屋として設定されているらしく、長方形のテーブルを囲むように、8脚の椅子が並べられている。
んで、事務所と通信魔導具で通話ができて、軽食なんかも注文できる。
部屋代は無料だが、何か1つでも注文するのが使用条件だ。
ってな訳で、実質タダではない。
【使用中】と表示されている時は防音魔法が施されており、他所のパーティー間とのプライバシーは守られる。
俺達は、オーレン・ジュースを注文した。
まんま、オレンジ・ジュースだなコレ。
そこで、「魔法薬の実験」を行った。
「先ずは、あったらええな~って思う魔法薬を、ピックアップしていこ!」
仕切りたがり屋の晴蘭が言う。
「ん~~~あったらええな?」
あまり興味が無い海音。
「髪とか肌とかネイルの色を変えるの欲しい!」
女の子らしい物を欲しがる千春。
「セーラちゃんの猫耳が戻らない魔法薬なんかはどう?」
ニヤニヤしながら言う虹音。
「やめてぇ!!」
「ちぇ~~~」
そんなこんなで、結局千春が提案した、「身体の各部の色を変化させる魔法薬」をいくつか作って、予定していた部屋の使用時間の2時間が終わってしまった。
そして、部屋を出た時たった。
「おいっ!」
「お?」
「「「?!・・・・・・」」」
「お前! あの薬は、もう無いのか?!」
「なんなんよ藪から棒に」
セルボだった。
当然ながら、もう元の姿に戻っていたが、ちゃんと足も治ってるようだったので安心したが、セルボの雰囲気からして、何か嫌な予感がした。
ふと見ると、ニヒルな顔した恰幅の良い冒険者らしき男が、セルボの後ろに立っていた。
・・・・・・まさかこの男が?
「よお! 君達が、昨日コイツに女に変身する魔法薬を飲ませたチビッ娘達か?」
「「「?!・・・・・・」」」
「・・・そうですが何か?」
ビビった。。。
どうやらその冒険者は、セルボの父親の「カルタス」のようだ。
右の眉から右頬にかけて大きな切り傷があり、いかにも荒くれ者って感じのラガーマンみたいなデカ男だ。
だがその表情は緩みまくっていて、セルボを逃がさないように肩を掴むようにして、俺達に向かって気色悪い笑顔を向ける。
はは~~~ん・・・・・・読めた!
俺は、冒険者カルタスは、息子のセルボが女の子に変身してのが気に入ったのでは?と思った。
だから、また女装役剤を譲って欲しいと、交渉にやって来たのだと考えた。
「突然、すまんな! 別に怒ってんじゃねえんだ! コイツが、ジャイアント・フォレスト・ボアにやられた怪我を、例の魔法薬で治してくれたんだろう? だが、その魔法薬には副作用で女に変身する効果があったって言うじゃないか? いやあ驚いたさあ! コイツが、女の子になって帰って来るもんだからなあ! 初めは信じられなかったが、数時間前にコイツが今の姿に戻ったのを見て信じたさあ! そこでだな、なんとかもう一度、例のあの魔法薬を飲ませてやってくれないかと思ってだな? こうしてやって来たんだが~」
「あはは・・・・・・(汗)」
「「「・・・・・・(汗)」」」
大当たりだった。
その後もカルタスの話しを聞いたが、実はカルタスは子供に女の子が欲しかったらしく、でも奥さんが今は居ないとのことで、半分諦めかけていたところに、セルボが女の子になって帰って来たもんだから、驚きとともに大喜びだったようだ。
ん? 今は奥さんは居ない?
今はって、どーゆーこと?
なんか含みのある言い方だったが、それはこの際良いとして、また女装役剤をくれと言われても、そうそう「はいどうぞ」って渡せるものではない。
もし、ずっと女の子にしたいなら、女装剤の方が良いに決まってるが、どうやら常に息子を女の子したいようでもないようだし。
カルタスは、男の子も女の子も欲しかったと言う。
面倒臭い奴やな。
それに、セルボ自身も、女の子になりたいわけではなく、父親のカルタスが、自分か女の子になったら、めちゃ優しくなったとかで、たまになら女の子になっても良いかなという、身勝手な理由だった。
知らんわ!
実は晴蘭は、精霊との交渉で、女装役剤の効果をもっと長くできないかと試した結果、1日の他に、1年間、10年間、100年間と、魔力の込める量によって変身できる期間の長さを調整できるようだった。
まあ、長ければ長いものほど、作るのに大変ではあるが。
もっと細かな調整はできないものかと調整を精霊と交渉したが、どうやら無理そうだった。
寿命の概念の無い精霊には、ちと難しいのかも知れない。
でも、100年間の効果がある女装役剤は、普通の人ならもう一生の効果と言っても良いのでは?
もう本物の女装剤と何の遜色も無い?
でも、根本的に違う効果がある。
本来の女装剤は、普通の人が飲むと、「魔法使い」と同じ身体になるところだ。
晴蘭が作った女装役剤には、そんな効果も力も無い。
ただ、ハイポーションに近い回復効果と、一時的に女性に変身する効果だけだ。
だからこそ、「女装剤」ではなく、「女装役剤」と名付けたのだから。
そして晴蘭は、女装役剤の効果が確認できたので、各々にグレードと価格を設定してある。
1日女の子に変身する女装役剤を、「女装役剤」。5万Tia。
1年間女の子に変身する女装役剤を、「女装役剤1year」。10万Tia。
10年間女の子に変身する女装役剤を、「女装役剤10year」。50万Tia。
100年間女の子に変身する女装役剤を、「女装役剤100year」。100万Tia。
と、名前を付け、価格設定した。
安直だが、我ながら実に解りやすいと思う。
今後も、より完璧な効果を目指し、また女装剤の解毒剤の完成を目指して、研究を続けるつもりだ。
絶対に諦めない!
「コレの事か?」
晴蘭は女装役剤をマジック・バッグから取り出した。
「そうだ! それだ! それを寄越せ!」
「寄越せぇ? アホちゃう! タダでやれる訳ないやろ? 人から物を頂くときは、それ相応の対価が必要なくらい、アンタも大人なんやから解るやろ?」
「なんだ? 俺から金を取る気か?」
凄んでタダで女装役剤を取り上げようとするカルタス。
「当たり前やろ! これ1本作んのに、どんだけ大変か知らんくせに!」
確かに大変だが、それほど苦もなく作れる晴蘭。
「「「・・・・・・(汗)」」」
「おいおい、女のガチんちょの癖に、この俺様から金を取ろうなんて、いい度胸してんじゃねえか? ここは大人しく黙って魔法薬を出した方が身のためだぜ、お嬢ちゃん?」
父親カルタスの身の陰に隠れてるセルボ。
「ふん! 何でも力ずつで手に入れようとするクソ父親も大概やけど、その父親の後ろに隠れてやんと何も言えやんっちゃ~情けないなお前?」
煽る晴蘭。
「なんだと、このチビ女!」
「そのまんま言うただけやけど?」
「ほほお? なかなか威勢がいいなお嬢ちゃん? ほどほどにしていないと・・・」
力ずくで女装役剤を奪い取ろうと、晴蘭の頭を掴み力を入れるカルタス。
「痛いなぁ! 嬢ちゃん言うな その汚い手ぇ放せっ!」
「ふっ いい度胸をしたお嬢ちゃんだぜ! 言って解らないなら、身体で解らせるしかないようだなあ? あん? お嬢ちゃんよぉ?」
「嬢ちゃん言うなあ━━━!!」
ブチ切れて、爆発魔法を放つ晴蘭。
ズハァン!
「ぐおっはっ!!「んなっ?!」
ドズン! パラパラパラパラ・・・・・・
「・・・・・・!!」
晴蘭の爆発魔法で吹っ飛び、壁を突き破って飛んでったカルタス。
「「「ああああ~~~やってもたぁ~~~」」」
頭を抱える海音と千春と虹音。
「ふん! たかがラピスラズリ級の分際で、俺らに歯向かうやなんて、なんちゅー命知らずなんや?」
「な、な、なんだ? 何をした?!」
「ただ、ちょっと魔法を放っただけで、もう吹っ飛んでしもたな? よわっ!!」
「お、お、おやじー!! 覚えろよー!」
タッタッタッタッタ!
半泣きで、父親カルタスを安否を確認をしに駆けて行くセルボ。
「あははっ! 絵に描いたような木っ端らしい捨て台詞やな!」
「晴蘭、やり過ぎ」
「へえ?」
「そうよ、セーラちゃん! めっ!」
ペチン!
晴蘭の額を軽く叩く千春。
「てっ! ええー?」
「セーラちゃん、今のはちょっと、やり過ぎたかもね?」
晴蘭の頭を撫でながら言う虹音。
「虹音姉ちゃんまで? そーかなあ? 俺の女装役剤を力ずくで奪い取ろうとしたうえに、俺に危害を加えようとしたんやで? 精霊の倫理にも反せへんから、ええんとちゃうん?」
「「「はぁ━━━・・・・・・」」」
その後、冒険者ギルド職員と話し合い、聞き取り調査と、現場検証の結果、晴蘭はお咎めなしだった。
が、晴蘭はまた、壁の修繕費として100万Tiaを支払う羽目になった。
「くっそぉおおお━━━!! あのカルタスとかいうアホンダルルアぁ!! 今度 会うたら、ボゴボコのギッタンギッタンのケチョンケチョンにしちゃる!!」
「「「アカンてぇ━━━!!」」」
「はい すまみせん・・・」
魔法職としてなら、「英雄クラス」の自覚の無い晴蘭だった。。。
目立ちたくないのに、ますます目立ってしまう晴蘭でした。




