第29話 「異世界BBQ?!」
やっとモンスターを狩れる冒険者に!
本格的に虹音も加わり、冒険のスタート!
でも、変な奴が絡んでくる。
晴蘭達の活動の邪魔にならなければ良いが。
文章力が無いので、もしかしたら読み辛い部分もあるかも知れません。また「紀州弁」を意識して書いたので見苦しい所もあるとは思いますがご了承ください。あえて主観「紀州弁」を設定しました。
••✼••冒険者ギルド••✼••
「こちらが、今回の報酬となります」
「ほお? 結構な額になったの!」
薬草865株。毒薬草233株。マンドレイク12株。全部で14万3100Tiaになった。
これで、4人5日分の宿代と飯代を確保できた。
「「おおー!」」
喜ぶ晴蘭と海音。
「頑張ったもんね!」
ガッツポーズの千春。
「邪魔が入ったけどね」
苦笑気味な虹音。
「・・・・・・」
まだ居る難癖少年。
「「「「・・・・・・」」」」
くしゃみを我慢したような表情で難癖少年を見るポンコツ4人娘達。
「ああもぉ・・・・・・」
また面倒な事になりそうだと悲観する良子。
晴蘭達に難癖付けて絡んで来た少年が、まだ晴蘭達の後ろに居た。
晴蘭達が女の子だとバレてからは、少年の晴蘭達を見る目が変わったが、どうも嫌な予感しかしない。
それはともかく、今日からアメジスト級冒険者!
まだ、低レベルではあるけれど、堂々とモンスターを討伐できる。
もちろん討伐できるのはアメジスト級のレベル49までのモンスター。
4人以上でバーティー内に1人以上の回復職が居たなら、ひとつ上のジェイド級のモンスター討伐依頼を受けられる場合もあるのだ。
俺達は、良子と一緒にアメジスト級かジェイド級のモンスター討伐依頼を探しに掲示板を見る。
アメジスト級、ゴブリン、小動物系。
でも、4人以上バーティーで1人以上の回復職が居たなら、もう1つ上のジェイド級のレベル99までのモンスターまで討伐依頼を受けられる。
ジェイド級、中型系類モンスターである。
ゴブリン・リーダー、コボルド、オーク、ワーウルフ、ホーンボア、シックスアームベアなど。
しかし、良子の魔法は凄いなあ!
今更だけど。
着替え玉と変身を掛け合わせたもの。
女装剤のように、完全に異性に変身は出来ないものの、外見的に異性に変身出来るなんてマジ凄い!
でも、身長までは変わらないのか・・・
背の低い男か。
バカにされるわな、そりゃあ。
それはそうと、アメジスト級のモンスター討伐依頼クエストを探すんだった。
やっぱり、常時依頼クエストの、牙ネズミとか、牙ウサギとかかな?
小物とはいえ、繁殖力が高くめちゃ増えるし、カピバラくらいの大きさがあるし、食肉にもなる。
知らずに宿屋の食堂で食べてたけど、中々美味い。
巨大牙ウサギは大型犬くらい大きく、その毛皮は、貴族の好む毛皮のコートなんかにもなるとか。
牙は矢の鏃などに使われる。
でも、あまり良い稼ぎにはならないみたい。
牙ネズミ、牙ウサギ、どちらも1匹100Tiaにしかならないし、薬草採集の方が金になりそうだし、マジック・バッグが無けりゃ、要領良く出来ない。
あまり人気の無いクエストだ。
市民権を持たない、街の外壁の外に住み着く貧民達の仕事としての感覚だ。
これは、俺達が取っちゃダメなだな。
「コッコ鳥」はどうかな。
コッコ鳥は、地球の鶏を2~3倍の大きさにしたような、まあデカい鶏だな。
肉も美味いし、羽は矢の羽になるし、足は魔術の材料になるし、トサカは珍味になるとか。
卵は、言わずと知れた高級食材だ。
1羽300Tia程度だが、綺麗に倒すのが難しい。
下手に傷付けたら、いくらでも値が下がる。
う~~~ん却下。
オーク!
異世界名物!異世界あるある!のオーク肉の豚トロ・ステーキは有名だな。
二足歩行の生き物の肉を食うなんて、正直生理的に食べ辛いもんだが、それを度外視したら結構美味い。
トンカツがこの世界に無いがザンネンだ。
でも、デカい棍棒などの武器を持つので注意だ。
あと、ホーンボアかな。
日本でよく見る猪に、角の生えた猪みたいな感じだな。
やっばし猪なだけたって、猪突猛進!
しかも角を突き出すように突っ走って来るので、攻撃が命中しても、そのまんまの勢いですっ飛んで来るので注意。
日本で虹音姉ちゃんから教わった、マジック・シールドで対応。
たとえ自動車でも防げるからだいじょぶ!
「オークとかボア系にするぅ?」
晴蘭がみんなに聞く。
「ええなあ!」
二つ返事の海音。
「美味しそう」
食べる事にむちぅの千春。
「ばーべーきゅう! ばーべーきゅう!」
嬉しそうな虹音。
「あれ? 虹音姉ちゃんBBQしたい?」
「うん! セーラちゃん、にゃんにゃんしよ!」
「ちがぁ━━━う!」
「ぷっ! ごめんごめん! 本気の冗談の本気やから!」
「どっちぃ?!」
「落ち着けお前ら」
呆れる海音。
「なるほど」
ホームズみたいに納得する千春。
「なにがぁ?!」
「あーわかったわかったぁ! オークにしよらよ!」
「「「さんせ~~~い!」」」
ってな訳で、オークを狩る事になった。
そんな俺達の話を聞いていた難癖少年は、信じられないと言った様子だった。
そりゃあ、アメジスト級の女の子だけでオークを狩るだなんて、普通は有り得ない。
なにせ、この世界のオークも、異世界あるある!の女性の敵な存在であり、女性冒険者はまず近付かない。
でも晴蘭達にとっちゃ、そんな事など知ったこっちゃない。
美味い肉が食えたらそれでいいのだ!
晴蘭達にとってオークとは、異世界あるある!ではなく、異世界名物の肉なのだ!
「んじゃ、オーク狩りに、れっつらごー!」
晴蘭が指揮を取りGO!
「「「おお━━━っ!!」」」
「・・・・・・マジかよ」
物陰で訝しがる難癖少年。
晴蘭は早速「オーク討伐依頼書」を取って、受付けに渡す。
「えっと・・・本当にオーク討伐に行くつもりなの?」
「おぅいぇーっす!」
自信満々の晴蘭。
「「「ふふふふふふふふふふふふ」」」
サメの様な目を向ける海音と千春と虹音。
「ひっ!! わ、分かりました! 受領します!」
普段はポーカーフェイサーの受付嬢も、サメのような目に流石に恐怖を覚えたようだ。
こうして晴蘭達は、オーク討伐クエストを受けた!
晴蘭達は、難癖少年が居た事に気付いてはいたが、完全に完璧に徹底的にコンプリートに無視した。
着いて来る気なら来ればいい。
でも、怖い目に遭っても知らないぞってなもんだ。
それより、なぜオーク討伐クエストが残っているのか。
オークは食肉として需要があるにも関わらず、報酬が少ないのだ。
なぜなら、商業ギルドに「オーク専門討伐隊」、略して「オーク専隊」があるほどで、オーク肉は一般的な「ありふれた肉」なわけだ。
冒険者ギルドでも一応は「オーク討伐クエスト」を掲示てはいるが、あまり受ける者は居ないそうだ。
なんだ、つまらん。
どうせなら、ガッポリ設けたい!
とはいえ、できたら虹音姉ちゃんに異世界BBQを堪能させてあげたい!
って、俺達も異世界BBQは未体験だけど。
オークもボアも、森の中を住処にし、草原や人里に出て来ては、作物や家畜や人を襲うと言う。
かと言って、オークもボアも、人を襲ったりはするが、人を食う事はしないらしい。
人だけが、オークやボアを食うのか。
やっぱし人間恐ろしい~人間何でも食う~
オークとボアとの見分け方は、どちらも牙が生えるが、オーク系の牙は曲がっているが、ボア系の牙は真っ直ぐなんだそうだ。
あとは、見た目かな。
オーク系は、身体全体的に丸みを帯び、白と黒と白黒の3種が居る。
白オークは肉が柔らかく脂身が多く、黒オークは肉が固めで脂身が少ないのだとか。
白黒は希少種で、味か濃く脂身が適度にあり、高級肉として人気だとか。
ボア系は、頭が三角っぽく身体全体的に筋肉質で地球の猪のような茶色で、ウリ坊みたいな背中に黒い筋が入ってるらしい。
味は深く濃厚なので好きな人も多いのだとか。
どちらも二足歩行だそうだ。
ただ、ホーン・オーク、ホーン・ボアは、地球の豚や猪に似てはいるが、カバくらいデカく四足歩行だそうだ。
どちらも額に割と大きな角が生えている。
脂身も多いが、赤身も多く、人気はそこそこあるのだが、若干獣臭いらしい。
そのまま焼いて食べるときは、服に臭いが付くのを覚悟しなきゃいけない。
ややこしい。まいっか。見たら分かるっしょ。
ってな訳で、オーク系、ボア系かな?
ボアは、オークよりかは若干高級になるらしい。
ま、どっちもエンカウントしたら、どっちも狩ればえっか!
「ほんじゃあ! オークあーんどボアの狩りへしゅっばぁーつ!」
右手を挙げてGO!の晴蘭。
「「「おお━━━っ!!」」」
同じく右手を挙げる海音と千春と虹音。
「あ! その前に、宿屋チェックイン忘れずに!」
人差し指を立てる晴蘭。
「出かけるときは、忘れーずに!」
Why?の姿勢の海音。
「忘れたときは、出かけーずに!」
人差し指を立ててウインクする千春。
「あははははは! みんなおもしろーい!」
嬉々として喜ぶ虹音。
「・・・・・・」
物陰の難癖少年。
俺達は、オークあーんどボア狩りへ出た。
そして森ん中で、ホーン・ボアを狩って、その場でさばいて、BBQして食った!
晴蘭が日本から持って来た「焼肉のタレ」が無ければ、とても食えたものじゃなかった。
んでさらに、日本から持って来た炭酸ジュースで無理やり流し込み飲み込む!
でも、ホーン・ボア1頭とはいえ、たんまり残った肉はどないしょ?って思うくらい不味い。
仕方ない!マジック・バッグの肥やしにするか。
だがこの世界では、とても美味い肉として重宝されているとか?
どないなってんねん!この世界の人の味覚感覚は?
それとも、日本の食材の美味さに、俺達の舌が肥えてるのか?
もし、ホーン・オークの肉でトンカツ作ったら、あまりの美味さに失神するのでは?
今度暇な時に作って、この世界の人に食べさせてやりたい!
しかしホーン・ボアの肉は油っぽくて、硬くて、ケモノ臭くて、オエッてなった。
でもまあこれで、いっこベンキョーになった。
『ホーン・ボアは、不味い』
・・・・・・と。
そこで晴蘭は、ちと試してみたくなった。
この世界の人には、どうなんだろう?
「おーい! そこの難癖少年よー!」
「はっ?! うわ! ば、バレてた?!」
「それで隠れたつもりか? バレバレでんがな!」
「「「くすくすくす・・・・」」」
笑うしかない海音と千春と虹音。
「な、なんだ!! 俺は何も悪い事はしていないぞ!!」
「誰も、そんなこと言うてへんやろ? ほら、肉食ってみるかえ?」
「へっ?! い、いいのか?」
「うん! どーせ食べきれんからね」
「・・・・・・そうか」
難癖少年は、恐る恐る近付く。
そこへ晴蘭が、焼いたホーン・ボアの肉に焼肉のタレをぶっかけて皿に分けて、箸は使えなさそうだからフォークとを難癖少年に差し出す。
難癖少年は、怪訝な表情だったが、一口たべて急変した!
食う!食う!食う!とにかく被りつくように食う!
「うまっ! これ美味いなあ!」
「・・・・・・マジで?」
「「「えええ━━━・・・・・・」」」
信じられなかった。
晴蘭達にしては、これほど不味い肉は食べた事がないくらいに本当に不味いし臭い。
やはり、この世界の人の味覚感覚は、日本人の味覚感覚とは、まったく違うようだ。
それならと、残りのボア肉を難癖少年に持たせてやった。
んで、散々食い散らかしたくせに、難癖少年はお礼も言わずに・・・・・・
「これで、お前達を許したわけじゃないぞ!! 今度会ったら覚悟しておけ!」
タッタッタッタッタッ・・・・・・
「なんじゃアレ?」
「さあ?」
「へんな子?」
「お礼も言わへんどころか、捨て台詞ってなに?」
「「「う~~~ん・・・・・・」」」
いったい、俺達が何をしたって言うんだ?
まったく、変な奴だわ。
それと、ボア系肉は、もう二度と食べないと誓ったのだった。。。
異世界BBQ!
異世界に行ったら、絶対にやってみたい!