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女装剤  作者: 嬉々ゆう
26/91

第25話 「きびしい世界」

新しく、「虹音」が仲間になる!

しかし虹音は、思いの外、超やり手だった。

晴蘭達が作った「諸刃の剣となるかも知れない魔法使いの服セット」の封印の旅にでる事になった晴蘭達。

次々と舞い込む災いに、晴蘭達はどう立ち向かうのか。



文章力が無いので、もしかしたら読み辛い部分もあるかも知れません。また「紀州弁」を意識して書いたので見苦しい所もあるとは思いますがご了承ください。あえて主観「紀州弁」を設定しました。

 



 ••✼••トスター冒険者ギルド••✼••



 俺達は虹音姉ちゃんと合流して、早速冒険者ギルドへやって来た。

 もちろん、虹音姉ちゃんも冒険者になるためだ。


 って事は、またあのノービス冒険者クエストを受けるのか?

 こりゃあ、大変だ。

 規則上、俺達は手助けはできないし。


 とにかく、ノービス冒険者クエストの詳細と攻略方法を教えて、宿屋の部屋を取ろう。





 ••✼••宿屋の部屋••✼••



「虹音姉ちゃん 部屋空いてて良かったなあ!」


「うぅうぅうぅ~~~ん♡ セーラちゃんと同じ部屋で良かったぁ~~~ん♡」


「うふうふ♡ でへへへへ♡」


「「・・・・・・」」



 運良く、大部屋が空いていたので、チェックイン。

 晴蘭と虹音は同室になって大喜びでイチャってた。

 海音と千春は、そんな2人を見てクシャミを我慢したような表情で呆れていた。



「・・・まあ、今日はまだ早いが、残りの時間は好きにせい 私は、自分の部屋へもどるからな なにかあればすぐに呼べ」


「「はーい」」



 良子も、流石にそんな虹音には引いてしまい、居辛くなって部屋を出てった。


 そして、夕方頃まで虹音は1人で露店を散策すると言う。

 晴蘭も付いて行くと言ったが、なぜか1人で行ってみたいと言って宿を出て行ったが、夕食の時間には帰って来た。


 夕食を済ませ、湯屋でサッパリしたら部屋に戻り、夜の9時頃には眠りについた。




 ••✼••翌朝••✼••



「セーラちゃん! セーラちゃん起きて!」


「ん?! ん~~~もう朝ぁ?」


「おい 晴蘭! 姉ちゃんはどーした?」


「へっ?! 虹音姉ちゃん? あれ?」



 虹音が居ない!!

 晴蘭達は、慌てて良子の部屋へ行って、良子にも虹音の行くへを聞いたが知らないと言う。

 晴蘭達は、焦った!

 こんな異世界で迷子になったら、スマホも無いのに探しようがない!

 朝ごはんも食べずに、虹音を探し回って、最後に冒険者ギルドへ行ってみると、なんと虹音がそこに居た!




 ••✼••冒険者ギルド••✼••



「虹音姉ちゃん!!」


「あっ! セーラちゃーん! やっほー♪」


「「「ん?!・・・・・・」」」



 虹音が、手に持ち振り回しているのは、クリスタル級冒険者の証であるプレートだった。



「虹音姉ちゃん・・・それは?」


「うん! 私もクリスタル級冒険者になりましたー!」


「「「ええええ━━━?!」」」


「な、なんと!! たったの一晩で、あのノービス冒険者クエストを完遂したのか?!」


「うーん! 簡単やったよ!」


「「「いやいやいやいやいや!!」」」



 晴蘭達は、3人揃って顔の前で手を振った!


 有り得ない!!

 なーんで、そーなる?!

 俺達が1ヶ月近くも頑張って、やっとの思いで獲得したクリスタル級冒険者の資格なのに、なーんーでー?!


 その後、虹音から話を聞かせてもらった。



「えっと、色々たくさん集める物あったよね?」


「うんうん! すんごい数の!」


「まさか不正?」


「せーへんよ!! あんなもん、魔力測定魔法の応用で、いっくらでも一瞬で作れるやん!」


「「「えええええ━━━?!」」」


「ば、はかな・・・」


「じゃ、じゃあ、マンドラゴラは?」


「セーラちゃんから聞いた場所で、『御用だ!』で、チョチョイのチョイってね!」


「「「はぁああああ━━━?!」」」


「ううむ・・・コヤツもまた規格外じゃな(汗)」



 なんとなんと!!

 虹音は、昨日の夕方には、冒険者登録のための試験を受けて合格し、ノービス冒険者となり、たったの一晩で、ノービス冒険者クエストを本当に完遂していたのだった。

 聞いた話では・・・



 朝5時30分頃に冒険者ギルドに行く。


 ①冒険者ギルド周囲の溝掃除及び草刈り。


 半径10m以内の任意のものを手を触れずに収納できる土嚢袋どのうぶくろを開発。

 んで側溝の泥やゴミや雑草などを取り込んだ。

 取り込んだ物は土嚢袋の中で魔法で攪拌かくはんし、発酵させ腐葉土に変換後に、普通の土嚢袋に詰め込み排出し整理整頓。

 所要時間、魔導具の構想に30分、魔導具開発5分、作業20分。


 ②冒険者が持ち込んだモンスターの解体。


 朝一から冒険者ギルドの解体作業場で、収納したモンスターの体を、毛皮や皮、肉、骨、爪や角、体液、その他に解体する収納魔導具を開発。

 同時に開発した永久保存用のタッパーにそれぞれ収納。

 そして作業終了後にギルドに提出。

 所要時間、魔導具構想に30分、魔導具開発5分と5分、解体分別作業15分。


 ③薬草などのハーブ採集とお使い。


 ラベンダー300株、ギネ300株、ブキツワ300株、マンドラゴラ5株、ゴンダイ300本、ジンニン300本、ガジャイモ300個、ガボチャ300個、スタレ300個、ゴンボウ300本、アプルル300個、イヂコ300個、ナナバ300本。


 それらを森の外の広い場所を使って、それぞれの畑を魔法で作って収穫搬送提出。

 魔力測定魔法を応用しての技量だった。所領時間1時間。


 朝8時30分過ぎに冒険者ギルドに戻る。




「ってな感じ?」


「「「はあ━━━・・・・・・」」」



 天才だった。

 いくら魔法だとは言え、常識や既成概念や既有概念や物理的法則などを完全に無視したとしても、凄すぎる!

 もう一度やれと言われて俺と海音と千春との3人でやったとしても、1日以内でも絶対に無理!!

 魔導具の質もレベルも違いすぎる!


 どうやって、複雑な効果を発揮する魔導具を作ったのかと聞いたら、パソコンのプログラミング構想で使われる「フローチャート図」を羊皮紙に描き、精霊に理解させただけと言う。


 は? なにそれ? オラ知らねー


 俺みたいに、ただ数多く付与するだけとは訳が違う!

 虹音は、楽をしようと考えると、めちゃ凄い人なんだと理解した!


 晴蘭は思った。

 虹音は、きっと将来は大魔女になるだろうと。


 しかし、ちと目立ち過ぎたかも知れない。

 突然現れた、町娘の格好をした金髪碧眼真性百合(きんぱつへきがんしんせいゆり)()が、たったの数時間でノービス冒険者クエストを完遂してしまったのだから、そりゃあ嫌でも目立つわな。

 今後の新人さんに、申し訳ない事にならなきゃいいが。


 でも、まったく例外が無い訳では無いらしい。

 過去にも、今とは違うクエストだが、1日で完遂した者が居たらしい。

 その者は、2人の男性魔法使いだったらしい。

 今では、どこで活動しているのかは解らないとのこと。

 冒険者家業を続けていれば記録が残るらしいから、きっとどこかの冒険者ギルドで、出会う事があるかも知れない。

 今のところは、どこに居るのかは不明とのこと。


 でも今は、そんな奴らの事などはどうでも良い。

 とにかく早く、後先考えずに作ってしまった、装備した者は、勇者にも賢者にも魔王にもなれると言われてしまった「魔法使いの服セット」の封印が先だ。

 


「先ずは、冒険者になれた事を祝おう おめでとう」


「「「おめでとう!」」」


「ありがとう!」


「早速じゃが、件の・・・な?」


「はい! いつでも出れます!」


「わかった なら、行くぞえ」


「「「「はい!」」」」



 晴蘭達は、いよいよ本格的に「魔法使いの服セット」の封印の旅に出る事になった。



「よし では今日から馬車を利用するかの」


「「「え? 馬車?」」」


「あれ? 良子さん 馬車は使わへんのとちゃうんですか?」

 虹音が聞く。


「うむ 今のところ、不審な奴らの動きは無い それに、魔法の絨毯を多様するのも目立ち過ぎる じゃから『旅の親子』に扮装して、『行商の家族』を装うんじゃ」


「「「「おおおお~~~」」」」



 設定としてはこうだ。

 良子は、男装してお父さん役

 虹音は、お母さん役。

 そして晴蘭、海音、虹音は男の子として変装するのだとか。

 女の子ばかりだと、それだけでも襲われやすいとのことでの考えだ。


 なるほど。確かにそうかも知れない。


 この世界では、「女の子」というだけで、拉致誘拐されて貴族に売られたり、最悪奴隷として扱われる場合も多々あるとか。

 

 怖い・・・


 もちろん、男の子でも子供であれば売られる可能性はあるのだが、優先順位からしてまだマシだと言う。


 まだマシかぇ・・・

 どうなってるんだ、この世界は。


 この世界では、貴族令嬢でも誘拐される事もあるらしい。

 上級貴族令嬢が、下級貴族令嬢に妬まれて、闇の者に依頼して誘拐され、その後どうなったのか不明ってこともあるらしい。

 平民や貧民なら尚更だ。

 トスターのような大きな街なら目立つが、小さな村などではよく聞く話だとか。

 確かに、魔法使いの男の子を演じた方が良さげな気もするな。


 俺は、魔法薬で髪を短髪にし、青いオーバーオールを着た少年に扮した。


 海音も、魔法薬で髪を短髪にし、ピンクのオーバーオールだ。


 千春は、魔法薬で髪を短髪にして、如何にも商人の子供らしく、シャツの上にベストを羽織り、ロンパンを穿いて、編み靴を穿いていた。


 良子は、変装魔法で少しブタったオジサン風を装っている。

 如何にも行商のオジサン風だ。流石は魔女! 変身魔法に長けている。

 それでも身体は完全に男にはなれないらしい。


 虹音は・・・いかんな。美人なお母さんっていうより、お姉さんだな。

 ただでさえ、金髪碧眼真性百合(きんぱつへきがんしんせいゆり)()コーラ瓶体型ボン!キュッ!ボン!超イケてる美少女(晴蘭評価目線)なのに、尚更盗賊の野郎共に襲われるんじゃね?みたいな(汗) 


 そしてなんと!!

 良子が開発したと言う、「外見的に男の子に変身するブレスレット」を、晴蘭と海音と千春に持たせる。

 それを右手に着けると、あら不思議!男の子に見えるではありませんか!!



「ひゃっほぉーい! 男だぜ! どう? お・と・こ! 象さん復活だずぇい!」

 胸を張り、なぜか得意げの晴蘭


「ふふん! せやったら俺の方が男らしいぜ! お・と・こ! どよ?」

 腕を組み、-ニヤける海音。


「・・・・・・なんか複雑」

 股間に手を当て困惑する千春。


「わぁ~~~♡」

 BL魂がうずうずする虹音。


「言っておくが、それはあくまでも、『外見的に男に変身』する魔導具じゃからな! 身体の中身は女の子のまんまじゃ」


「「「 へっ?!・・・ 」」」

 鳩が豆鉄砲を食らったかの様な顔の晴蘭と海音と千春。


「それに、その変身魔導具の魔力を超える様な、『過剰な魔操作』をすると、効果が無効化されるからな!」


「「 えっ!?・・・ 」」

 ガッカリする晴蘭と海音。


「ほっ・・・」

 ホッとする千春。


「なるほど」

 腕を組み唇に手を触れながら納得する虹音。



 良子の開発したと言う「男の子に変身するブレスレット」とは、直接身体にかける魔法ではなく、魔導具を通して間接的に変化を与える魔法であり、脱着により所有者の意思でいつでも使える魔法である。

 なので、一々良子が晴蘭達に魔法を施さなくても良いのだ。


 ただし、変化を与える魔力を超える魔力操作などの魔力を浴びると、効果が薄れてしまうらしい。

 でも、生きた肉体に外見的な変化を与える魔法は、とても高度な魔法なのである。

 良子ほどの魔法に長けた魔女でも、コレが精一杯だそうだ。

 そのせいか晴蘭と海音は、完全に以前の男の姿ではなく、どこか女の子っぽさが残る。

 千春も同様に、女の子に見間違われる可能性がある低度だ。

 完全に男に変身するのではないので、仕方ないのだ。

 

 そして1つ、この変身魔導具には大きな弱点がある。

 丸玉4mmの魔晶石を使用しているのだが、「魔力自己回復能力」よりも消費魔力が上回るため、連続的に10時間ほどしか持たないらしい。

 つまり、連続的に10時間しか、男に変身できないと言う訳だ。

 魔力を使い切り変身が解けたら、外して魔力の回復を待たなければならないのだ。

 なんだ、365日年中無休じゃないのか。ザンネン。


 そしてまた、良子によると、この世界のどこかに、女が男に完全に変身する「男装剤(だんそうざい)」と呼ばれる魔法薬があるらしい。

 ただ、一度、「女装剤」を飲んで女になった者には効果が無いらしい。これまたザンネン・・・

 生まれつきの女に限り効果があり、また、男装剤で男に変身した者には、一度だけ「女装剤」の効果が現れるらしい。

 その後は、もう二度と男装剤の効果は無いとのこと。

 なんだか不思議だが、「女装剤と男装剤」には、そんな仕様があるらしい。



 変装ができたら、今度は荷物だ。


 行商家族らしく、自家用の馬車を用意した。

 中古の馬車を魔法で改装して、多くの荷物を積めるようにし、2頭引きとした。

 馬は、先日盗賊が乗っていたのを捕まえてきたとか。


 いつの間に?! 流石は魔女!! としか言えない。

 ここまで手際が良すぎると、実は俺達は、良子さんの手のひらの上で踊らされているだけなのでは?と勘ぐってしまう。


 しかしそれより、この世界へ初インしたときに、どうしてもっとステータスの初期設定で良く見なかったのか?

 ちゃんと見ていたなら、性別の変更は出来なくても、身体のパーツやら、身長の変更も出来はず。

 とは言え、今更後の祭りだ。文句を言ってもしゃーない。

 

 それと、もう1つのパターンがあるらしい。

 そのまんま「冒険者家族」だ。


 俺は、剣士を希望したが、全員から却下された。

 そりゃそうか。

 こんな()まこい身体なのに、しかもSTRの低すぎる俺達は短剣も振り回せないのに、剣士って論外だな(汗)

 そこで、拳闘士はどうかと。

 でもやっぱり、接近戦しか出来ないので、却下された。

 結局は、魔法使いに納まった。


 しかし、次から次へと、よくもこう簡単に何でも用意できるものだな。

 流石は魔女だってところか?


 とにかく、出発だあ!


 馬車の御者は良子がする。

 俺達は後ろの荷台で、魔術師の服に付与魔法を施していた。


 それにしても、馬車の荷台ってば、地面からの伝わる衝撃を吸収する「サスペンション」たる物が無いので、硬い木製の車輪が直接ボディーフレームに組み込まれてるもんだから、ガタンゴトン!と揺れる度に尻が痛くて敵わない。

 前もって良子から言われていたので、座布団も用意してあるが、ぜんぜん間に合ってない。



「良子さん! 良子さーん!」

 堪らずさけぶ晴蘭。


「なんだい騒々しいね!」


「ちょっと止まってください!」


「はあ?」

 手網を引く良子。


 ヒヒヒィ~~~ン! ガタン!



 馬車は、思いの外ゆっくりと止まった。



「どうしたんじゃ?」


「ちょっと、試したい事があるんで、30分ほど待ってくれますぅ?」


「・・・・・・わかった」



 良子は、首をかしげながらも承諾した。

 そして晴蘭は、海音と千春に馬車の荷台を魔法で浮き上がらせて、虹音と一緒に「白野菜」と呼ばれる根菜と鉄鉱石を鞄から取り出し、創造魔法を施した!


 「白野菜」とは、この世界に存在するするカブに似た、ハート型の葉を3枚付けるソフトボール大の白い「根菜」で、主に物作りの素材として使われる。

 収穫しても根さ残っていれば10日後にはもう生えているような、非常に繁殖力の高い魔導野菜(まどうやさい)である。

 魔力補充のために食べる魔女や魔法使い達もいるが、不味い。

 そのまま食べられない訳では無いが、そのまま食べると非常に不味い!とにかく不味い!思わず吐き出してしまうほどに不味い。料理に使うと怒られるほどに不味いのだ。

 なので、食べ物などに使われる事はほとんどなく、魔導具作りによく使われる野菜だ。

 

 魔法薬や魔導料理などには、「甘い木」と呼ばれる林檎の木に似た木になる、桃色の林檎に似た硬さで桃の味のする「甘い実」呼ばれる木の実が良く使われる。

 女装剤やポーションの代表的な材料のひとつでもある。

 そのまま食べて良し。

 魔導料理に使っても良し。

 魔法薬に使っても良しの便利な果物だ。

 魔力が豊富に含まれるので、動物やモンスターも好んで食べる。

 見渡せば、街道沿いにも、とこにでも、チラホラと立っている。


 晴蘭は、白野菜を300個ほどと、鍛冶屋から大量に購入した鉄鉱石を使用して、馬車の積荷のサスペンションを造ってしまった。

 これにて乗り心地は、格段に良くなった!



「お前達、いつの間にそんな技術と知識を?」

 良子が晴蘭達に聞く。


「え? 「異世界ネット」で日本のインターネットに繋いで調べた!」

 晴蘭がさも当たり前かのように言う。


「はあ?! なんじゃとお?! 誰がそんな魔導具作ったんじゃ?!」


「「・・・俺が作りました(汗)」」

 晴蘭と海音が恐る恐る手を挙げて言う。


「ぬわぁにぃいぃいぃ~~~?! バッカもぉ━━━ん!!」


「にゃあ!「きゃわん!」

 ポポン!



 また良子に叱られて晴蘭と海音は、またまたケモ耳に変身してしまった!

 それと、変身ブレスレットの効果も無くなり、女の子に戻ってしまった。


 でも、馬車も乗り心地も良くなったので、良子はそれ以上怒らなかった。

 しかし、「異世界ネット」は、使用はなるべく控えるように注意された。

 もし異世界人とバレたりしたら、それこそ大変な事になりかねない。


 その後、晴蘭と海音と千春は、ちょっとした事で変身ブレスレットの効果が無くなり変身が解けてしまうのは具合が悪いので、変身ブレスレットに魔力を込めて、魔力の許容量を増やした。

 良子に隠れて、こっそりと。

 これで、そうそう無茶をしても、変身が解ける事はない。

 でも、「ケモ耳」に変身する魔法は、晴蘭達魔法使いにはどうしようもない。

 魔法をかけた本人の魔女の良子に、なんとかしてもらうしかない。

 なんとかしてはくれないだろうが。



「おーい! ポンコツ3人娘達よ!」


「「「はーい」」」

 当たり前かの様に返事をする晴蘭と海音と千春。


「ぷっ! ポンコツってw」

 吹き出す虹音。


「付与するのは、ダブルまでじゃからな! くれぐれも、やり過ぎるなよ!」


「「「はぁ~~~い(汗)」」」


「あはは!」



 念を押されてしまった。


 まあ、心配するのも無理は無い。

 付与のやり過ぎで、現在こんな旅に出る羽目になったのだから。


 俺達は、魔術師の服セットに、付与をした。


 ★魔術師の服(DEF+50%、HP回復(1/5秒))

 ★魔術師の帽子(INTセーブ+15%、魅了耐性)

 ★魔術師のマント(魔法攻撃耐性+75%、呪い耐性+99%)

 ★魔術師の靴(移動速度+25%、テレポーテーション(10m))

 ★魔術師の杖(攻撃速度+25%、MATセーブ75%)

 補助として。

 ★魔術師の指輪(魅了耐性+75%、隷属耐性+99%)


 と、こうなった。


 この時、ステータスに、「魔法攻撃力(MAT)」が追加された。

 MATとは、Magic Attackであり、高いほどに魔法での攻撃力がアップする。

 従って晴蘭の付与したのは、「セーブ」であり、逆に魔法攻撃力を下げる効果があるので、セーブ75%ならば、4分の1になる訳だ。



「ふむ まだやり過ぎるな気もするが、まあ良いじゃろう」


「「「いえ━━━い!」」」


「へぇ~~~なかなかやるねえ」


「はっはぁ~~~ん! そう?」


「うん! さぁっすがセーラちゃん!」


「でっへっへっへ♡」


「「・・・・・・il||li」」



 海音は、姉がまた羽目を外さないかと心配した。

 千春は、晴蘭と虹音のイチャぶりをこの後も見せられるのかと憂鬱だった。

 良子は、ポンコツ3人娘達から、ポンコツ4人娘達になったのでは?と不安だった。

 

 さあ、出発だ!(2回目)

 まだ、何処へとは決まっていない。

 良子の言うには、強力なモンスターの居る場所が良いという。

 つまり、強力なモンスターに、封印物を守らせるのだと言う。

 なるほど。

 でも、余計に冒険者が集まりそうな気もするが。

 まあ、まだ未踏のダンジョンとかなら、何が隠されているか分からないんだから、いっか。


 でも、「強力なモンスター」に・・・とは言うが、どの低度の強さのモンスターに守らせるのだろう?

 それを良子さんに聞いたら、なんと・・・



「「「「ええっ!! モンスターを生み出すぅ?!」」」」


「そうじゃ! もちろん、自分で生み出すわけじゃないぞえ?」


「え?え? じゃあ、どやって?」


「もしかして、精霊に頼むんすか?」


「いんや、妖精に頼むんじゃ!」


「「「「妖精っ?!」」」」


「そうじゃ! その地に自然に生まれた妖精に掛け合って、ダンジョンを造ってもらい、そしてそのダンジョンのコアとなってもらい、封印物を守ってもらうんじゃ!」


「「「「 !!・・・ 」」」」



 なんと! 妖精にダンジョンを造ってもらい、しかもダンジョンのコアになってもらう?


 ダンジョン・コアとは、ダンジョンの中心に有り、「核」となる部分であり、管理人でもある。「妖精」がダンジョン・コアとなるのが普通。

 だが、あまりにも長い年月をダンジョン・コアとして居たなら、その妖精は自我を失い、ただのダンジョンやモンスターの製造マシーンと化してしまうらしい。

 果たして妖精が、そんな身勝手な都合の良い話に乗っかるかな? あんな地下奥深くに、たった1人で? なんの報酬も無く?

 俺だったら、面倒を押し付けるな!ってブチ切れるわ。



「なにそれ? なんか可哀想・・・」

 千春が言う。


「「ホンマに・・・」」

 晴蘭と海音の寂しげな表情。


「良子さん、ホンマに妖精さんに頼むん?」


「なんじゃお前ら? 妖精の事を気にしているのか? まあ、それが普通の反応じゃな 優しいのお前らは」


「「「「あはは・・・」」」」


「じゃがのぉ、そうするしかないんじゃ 私達がずっと管理する訳にもいかんじゃろ?」


「「「「・・・」」」」



 俺はなんとなく、妖精になった気持ちになって想像していた。


 ダンジョンの奥深くに、いつ誰が来るか来ないか分からないのに、来た時の事を考えて、迷路にしたり、罠を仕掛けたり、モンスターを配置したり、最後のラスボスとして討たれるかも知れない。

 めちゃくちゃ寂しくて悲しい最期だ。

 それを考えると悲しくなってきて、なんだか泣けてきた。



「・・・・・・すんすん」


「え? セーラちゃん泣いてんの?」

 虹音が聞く。


「うそ?! セーラちゃん、どうしたん?」

 千春も聞く。


「コイツ、妖精が可哀想って・・・」

 海音が晴蘭の気持ちを言う。


「・・・・・・」

 どうしたものかと、悩む良子。



 みんな、妖精がそんな事の為に使われてる事に対して思う事があり、言葉が出なくて黙り込んでしまった。


 それでも馬車は、トスター領とネチコイ領に続く街道を進む。

 そしてこの街道の途中に、1つ目の封印物の管理を任せるつもりの妖精が居るとか。



「あのなあセーラよ ダンジョン・コアとなってしもうた妖精は、もう魔晶石そのものじゃ! 既に妖精の姿などしとらん つまり、モンスター製造マシーンと化した魔晶石じゃ それでも、放置するかえ?」


「!・・・・・・」



 確かに、妖精としての心も姿も無くし、ダンジョン・コアと化した魔晶石なら、もう壊してしまうしかない。

 でも、それまでの妖精だったのに、ダンジョン・コアと化し、魔晶石へ変貌してしまうそのプロセスがあまりにも悲しすぎるのだ。


 良子も、考えるところはある。

 でも、仕方がない事なのだ。


 

 良子は、ボォーっとしながら馬を操っていたら、完全に横倒しになってしまった馬車が見えたのだが、どうも様子がおかしい。

 嫌な予感しかしない。



「お前達!」


「「「「 ?!・・・ 」」」」



 晴蘭達は、良子の声のトーンから、何かが起きた!と感じた。



「海音! 戦闘態勢!」


「おぅよ!」


「虹音さん!」


「うん! 解ってる!」



 モンスターだった!

 タイガーオーガだ!!

 タイガーオーガとは、タイガーでもなく、オーガでもないのだが、二足歩行で、タイガーに似た虎柄模様が身体にあるからだ。

 どちらかと言うと、オーガに似た姿をしている。

 全身全体的にダークグリーンで黒の虎柄の毛皮に覆われ、身体全体的にずんぐりと丸みを帯び少し背が曲がり、頭はトロールに似て身体に対して小さめで、身体付きはオーガに似ているが超人ルクハのように筋肉質、二足歩行で武器を持ち、動きはそれほど早くはないが、腕力はかなり強く、満タンのドラム缶(200kg)低度の物なら、片手で簡単に持ち上げ放り投げる力を持つ。

 人間があの腕に捕まったりなどしたら、ひとたまりもないだろう。

 簡単にひねり潰されてしまうはず。

 黒目が目立つほど大きく、夜でも目が効くので夜に襲われる場合もあるとか。

 使う武器は棍棒などの鈍器が主だ。

 人や動物や小型のモンスターを襲い食う。

 モンスターの核となるコアを食う事で、更に強力なモンスターへと成長するという。

 直立すると体高2~3mにもなる。

 平均ラピスラズリ級で、稀にオパール級の奴もいる。

 今エンカウントしたのは、ラピスラズリ級の体高約2.5mのタイガーオーガ4体だ!


 そして、倒れた馬車の近くには、護衛騎士らしき骸が数人倒れていた。

 「骸」と表現したのは、もう死んでいると見たからだ。

 殆どが、胴の部分が変な方向へ曲がっていた。

 周囲には、その護衛騎士のものと思われる血の海だった。

 首が胴から離れている者さえある。

 誰がどう見たって、生きていないと判断するだろう。

 乱れた長い髪からして、みんな女性かも知れない。

 その中に1人だけ、メイド風の服装の女性の哀れな姿の遺体も倒れていた。

 



「んなっ!・・・なんじゃアイツ?」

 晴蘭の知らないモンスターである。


「タイガーオーガじゃよ!」


「「「「タイガーオーガぁ?!」」」」


「なるほど! 確かに虎柄じょわ」

 海音が妙に納得。


「奴らは、生き物ならなんても食うぞ! 人でも動物でも小型の魔物すら食う! きっと馬車の積荷を狙ったんじゃろ 人の姿は見えんな、恐らく逃げたんじゃな しかし荷台にもまだ人が残ってるかも知れん!」


「俺、行きます!」

 晴蘭が出る!


「あ! セーラちゃん わたしも行く!」

 千春が続く。


「私も!」

 虹音も続く。


「俺も出らいでかえ!」

 海音も出る!


「無闇に近づくな! 遠くから狙え!」


「「「「はい!!」」」」



||*||:||*||:||*||:||*||:||*||*||:||*||:||

*||:||*||:||*||:||*||:||*||*||:||*||:||*

      ▽

      ▽

      ▽

【【タイガーオーガが4体現れた!】】



★晴蘭と海音と千春は戦闘態勢に入った瞬間!魔法が切れて女の子に戻ってしまった!


★晴蘭の先制攻撃!


ショットガン!

「あったれー!」

 パシューン! バスッ!

「グヲワッ!」


☆タイガーオーガの頭にヒット! 


「ありゃ? 頭ふっ飛んだ!」

「すっご!首チョンパ!」

「うわ~セーラちゃんやっるう!」

「はっはぁ!♪」

「うぅんサイコー♡」

「でへへ♡」

「・・・・」


☆タイガーオーガを1体倒した!

☆他のタイガーオーガが晴蘭達に気付いた!


「来るぞ!!」

 海音が危険察知!


☆タイガーオーガの投石攻撃!

タイガーオーガが岩をつかんで投げた!

 ブォン!

★虹音のシールドバリア!

「シールド!!」

 虹音はシールドを張った!

 ズガン!

★攻撃を防いだ!


「こっえぇえぇ~~」

「あービックリした!」

「サンキュー虹音姉ちゃん!」

「まっかせて!」

「ふはははは!当たらなければどうと言うことはない!」

「いやいや、当たってるし! バリアしたけど」

「「・・・・・・」」


☆タイガーオーガ2体の投石攻撃!

 ブォン!ブォン!

★虹音のシールドバリア!

「みんな危ない!シールド!」

 虹音はシールドを張った!

 ズガガン!

「やっば!!「危なっ!「きゃあ!」

★攻撃を防いだ!


「みんなだいじょぶ?!」

「「「はい!」」」

「こいっつう!!「もー怒ったあ!!「んもー!!」


★晴蘭と海音も千春の魔法攻撃!


「ショットガン!「串刺し!「スターダスト!」


★晴蘭のショットガン!

★海音の串刺し!

★千春のスターダスト!

 ズタァーン!

 グサグサグサグサ!

 シュババアー!

★3体のタイガーオーガは倒れた!

★晴蘭達は戦いに勝利した!


「いえーい!」

「おっしゃあ!」

「やったあ!」

「やったねー!」


★それぞれ250ポイントの経験値を獲得!


★晴蘭はレベルが上がった!

★晴蘭はINTが1上がった!

★晴蘭はMPが1上がった!

★晴蘭はMATが1上がった!


★海音はレベルが上がった!

★海音はINTが1上がった!

★海音はMPが1上がった!

★海音はMATが1上がった!


★千春はレベルが上がった!

★千春はINTが1上がった!

★千春はMPが1上がった!

★千春はMATが1上がった!


★虹音はレベルが上がった!

★虹音はINTが1上がった!

★虹音はMPが1上がった!

★虹音はMATが1上がった!


★タイガーオーガのコアを4つ獲得!

★タイガーオーガの毛皮を3つ獲得!

★大きな魔石を1個を獲得!

★小さな魔石を2個を獲得!

★小さな魔晶石を1個を獲得!

★オーガの棍棒2個を獲得!

★14000Tiaを獲得!

      △

      △

      △

||*||:||*||:||*||:||*||:||*||*||:||*||:||

*||:||*||:||*||:||*||:||*||*||:||*||:||*



「良子さん! やっつけたでー!!」


「「「いえ━━━い!」」」


 {{{こんバッカもお━━━ん!!}}}


「にゃあ!「きゃわ!「だひょおん!」

 ポポポン!

「ひゃあ!」



 なぜか怒られてしまった晴蘭達。

 そのショックで、晴蘭と海音と千春はケモ耳に変身してしまったのだった。

 虹音は、晴蘭達がケモ耳に変身したのは驚いたが、それ以上に良子の怒気の方が驚いた!



「セーラぁっ!」


「あにゃあい!」

 ビシッ!(直立不動!)


「なんなんじゃ!? 確かお前が付与をした魔術師の杖は、MATセーブ78%じゃったはずじゃなあ?」


「あいにゃい!」

 一応これでも返事。


「なのに、どーしてあんな威力になんるじゃあ?!」


「あにゃお・・・それわぁ~~~~わかんにゃい?」


 {{{{ぶわあ━━━かもお━━━ん!!}}}}


「ふぎゃあ!」ポン!

「「「ひっ!」」」



 また怒られて、更に晴蘭の鼻が猫の鼻に変わってしまった!

 どうやら晴蘭は特に、ケモ耳に適正があるのかも知れない。

 この後も、こっぴどく叱られた。。。


 そして、しばらく経って・・・



「良子さん! セーラちゃんのケモ耳は、どれくらい持つんですか?」


「もつ? 普通、どれくらいで元に戻るか?と聞くもんじゃが?」


「ええ~~~ん? こんなめっちゃ可愛いのに、また本に戻ちゃうんですか? あ、元のセーラちゃんも可愛いんやで? でも、ケモ耳ケモ鼻のセーラちゃんも、めっちゃ可愛い~~~ん♡」


「はぁ━━━・・・・・・(汗)」


「「「・・・・・・」」」



 晴蘭のケモ耳ケモ鼻は、それはそれは可愛かった。

 困った顔しているはずなのに、口がケモ口なので、口角が上がってて笑っているように見えてしまうのだ

 それは、千春も海音も、そして良子さえも。



「うにゃ~~~~~(泣)」


「うっ!・・・・・・あぁもぉ、仕方ないのぉ」


「良かったねぇ~セーラちゃあん 良子さん許してくれるって!」


「おいこら! 誰も許すとは・・・」


「うにゃ~「うにゃ~~~(泣)」

 晴蘭と一緒に猫泣きな虹音。


「うぐっ!・・・ああ~もぉ~わかった! 許す! 許すから、そんな顔をしないでおくれ!」


「「「やったあー!」」」


「んにゃあ?」



 良子もケモ耳の晴蘭には弱かった。

 この日から、「ケモ耳の晴蘭」を、「ケモセラ」と呼ぶようになった。



 その後、倒された馬車を確認すると、その馬車は「カーネ二ィ・ネチコイ子爵」の令息、「メススキー」の乗っていた馬車だったそうだ。

 良子が確認したのだが、「ネチコイ子爵のクソ令息」として有名人らしい。

 奴は、襲って来たタイガーオーガから1人で逃げて、街道沿いの森蔭に隠れて、護衛騎士とお付のメイドを見殺しにした。


 しかも、コイツ・・・・

 ドが付くほどの、ド助平!!


 見捨てた護衛騎士もメイドも、みんな女性だった。

 そんな女性達に守られていたのに、見殺しにした?

 貴族のくせに! 平民に食わせてもらってるくせに! 平民の裾にぶら下がってぬくぬくと暮らしてるくせに!

 こんな奴、守る価値ない。


 ソイツが、俺達を見てニヤニヤしながら近付いて来た。



「おぉ~~~やおやおやぁ? これはこれはまた可愛いねぇ?」


「「「「・・・・・・」」」」

 全身の身の毛がよだつ晴蘭達。


「ボクが可愛がってあげるから、一緒に来ない? うう~~~ん?」


「「「「・・・・・・・・・・・・」」」」



 アホかお前? カスか? ゴミやな?

 女護衛騎士さんも、メイドさんも、お前が殺したも同然じゃボケがァ!


      ゆ・る・さ・ん!!


     【女の敵は俺の敵!】


 

 俺は、「1馬力」の移動魔法を発動させて脚力をアップさせて、奴の股間目掛けて・・・


「ひっさぁ━━━っつ! ウルトラ・スーパー・アトミック・スペシャル・ダイナマイト・ゴールデン・ボール・キ━━━ック!!」


 ズンッ!


「ぎやうっ!!・・・・・・」

 股間を抑えて倒れるクソ令息。


 ドサッ!


「はぁ━━━・・・・・・」

 倒れたクソ令息の前で仁王立ちの晴蘭。


「セーラちゃん・・・」


「ふはっ 晴蘭、やるな?」


「ナイス! セーラちゃん♡」


「でへへ♡ ど~~~も!」



 晴蘭は、アホ貴族の令息のゴールデン・ボールにダイナマイト・キックをお見舞いしてやった!

 いい気味だ。

 女を欲求の捌け口やら、道具としてしか見てない奴らなんか、人として価値無し!!

 すぐさま、汚れた靴を浄化魔法で浄化した!

 うぅうぅうぅ~~~気持ち悪い!

 浄化はした。

 それなのに足が腐りそうだ!

 それは、生理的な気分の問題だ。



「ああもぉ・・・また、面倒な事をしでかしてからに・・・・・・」


「あはは・・・(汗)」

 やってもた感で頭をかく晴蘭。



 その後、良子が、アホボケクソ令息に「忘却魔法」をかけて、タイガーオーガの骸と一緒に並べてやった。

 女護衛騎士達や、メイドさんの遺体は、別の場所に安置した。

 なんと哀れな・・・


 良子は、羊皮紙で手紙のような何かを書いて、それを折り鶴を折り、どこかへ飛ばしていた。

 きっと、ネチコイ子爵への手紙だと言う。

 後で、事後処理に来るはずだ。



 そして、その場を後にした。


 この時、思った。


『この、剣と魔法のファンタスティックな異世界ムトンランティアは、日本よりきびしい世界』・・・だと。



虹音姉ちゃん、大魔法使いの素質あり?

頼りになる仲間が増えたのは良いが、どうやらこの世界は、日本よりも厳しい世界だと認識する晴蘭。

思いがけず、封印のするしかない物を作ってしまった。

その封印の旅は、果たして無事に終える事はできるのだろうか。


みたいな感じですね。

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