第23話 「恐怖!金髪碧眼真性百合っ娘真っ裸女子! そして見付けてしまった多数の女装剤!!」
ムトンランティアへやって来た理由がまったく別物に?!
今後は、やらかしユニークアイテムを封印する旅に出ることになってしまった晴蘭達。
そんなユニークアイテムだけではなく、晴蘭達も狙われていることを知り、日本から助っ人を呼ぶこに事なるが・・・
そして、実家で見付けてはいけない物?を見付けてしまったのだった。
文章力が無いので、もしかしたら読み辛い部分もあるかも知れません。また「紀州弁」を意識して書いたので見苦しい所もあるとは思いますがご了承ください。あえて主観「紀州弁」を設定しました。
••✼••日本の晴蘭の実家••✼••
俺は、一旦ムトンランティアをログアウトして、家に帰って来た。
ガラガラガラ・・・
「ただいまー」
パタパタパタパタッ!
「晴蘭! 晴蘭ー!」
「あ、おかん、ただい」
ガバッ!
いきなり抱きしめる母親。
「きゃあ!」
「晴蘭ー! 大丈夫やった?」
晴蘭を抱きしめながら聞く母親。
「な、なに? どーしたんいきなり?」
「良子さんから聞いた」
「はっ!・・・そうか」
どうやら既に母親は、全てを知っているようだ。
良子さんは、俺達よりも頻繁に日本へ戻っていて、何度も母親と色々話し合っていたようだ。
すると・・・
バタバタバタバタバタッ!
「うおっ?!」
「セーラちゃ━━━ん!!」
ドガシッ!!
いきなり抱きしめる虹音。
「んぎゃはっ!!」
「あ、虹音ちゃん、いらっしゃい!」
母親と晴蘭を挟み込むように抱きしめる虹音。
「こんにちは、楓さん!」
「ぐるじぃ~~~」
どうやら、虹音も何もかも知っているようだった。
まさかとは思ったが、案の定、虹音もムトンランティアへ来ると言い出した。
えーんーどうしよう?
なんて思っていたら、今度は・・・
「こんにちは」
「えっ?! 良子さん?!」
「あ、先生、どーもー」
「へっ?!」
「あ、良子さん、こんにちは」
「うむ 早速じゃが、入れてもらえるかな?」
「どうぞどうぞ!」
「うむ 邪魔をするぞえ」
「お邪魔しまーす」
「へ?! え? え?」
なんだか解らないうちに、皆が家に上がり込んで来た。
すると今度は、海音と千春まで、家にやって来た。
「こんにちは「こんにちはー!」
「はーい! いらっしゃい海音ちゃん! んで、貴女が千春ちゃんね?」
「はい! 初めまして! 飯田 千春と言います」
「はいはい 全部、良子さんから聞いてるから ほらほら入って入って!」
「「お邪魔しまーす!」」
「ええー?! どーなってんの?」
結局、俺の家に、良子さんと、海音と、虹音姉ちゃんと、千春がやって来たのだった。
••✼••白鳥家茶の間••✼••
「すまんな、突然押し寄せて」
相変わらず厳しさを醸し出す良子。
「どーも〜」
何処でも誰にでもフランクな千春。
「やっほー!」
同じくフランクな虹音。
「どうも」
マイベースな海音。
「はい こんちには 皆さん、ようこそいらっしゃいました! 私が、晴蘭の母親の白鳥 楓です よろしくお願いいたしますね!」
「おかん!」
「だいじょぶよ! もう、この人達は全部で知ってるから!」
「!・・・そうか」
俺は、学校では、「好湾 晴蘭」と名乗っていた。
でも、もう今では本名を隠す必要は無さそうだ。
このメンバーでは。
「では早速じゃが、今ムトンランティアでは、このポンコツ3人娘達が、ちぃとばかり・・・いや、かなり危ぶい状況になっておる」
「「「・・・・・・(汗)」」」
「このポンコツ3人娘達が作った、いや作ってしまった、とんでもない魔導具が、今ムトンランティアで『諸刃の剣』となる存在となっておる」
「「「 !!・・・ 」」」
「へぇ~~セーラちゃん、そんな物を作っちゃったんかぁ」
虹音が言う。
「あ、うん、ごめんなさい」
「「・・・・・・」」
「まあ、これも仕方ない事じゃ 私も付いていながら、目が届かなかった 改めて謝罪する 大変申し訳なかった」
「「「ええっ?!」」」
「そんな! 俺が1番悪いんよ! 良子さんが謝る事じゃないやん!」
「そーよ! それに、セーラちゃんばっかり悪くない! 私も一緒になって・・・」
「俺も・・・・・・」
「まあ、落ち着け 話しはこれからじゃ」
「「「はい・・・・・・」」」
俺達は、それから2時間ほど話し合った。
結論として、俺達ポンコツ3人娘達と、今回から虹音も加えて、ムトンランティアへ月曜日~金曜日は毎日3時間、土日は連続12時間行く事になった。
それくらい頻繁に行っておかないと、例の魔導具を管理できないのと、封印するまでは気を許せない事に重点を置いての事だった。
それほどに、晴蘭達が作った「魔法使いの服セット」は、とてもやばい代物なのだとか。
もちろん、母親の楓は承諾。
海音と虹音の両親も承諾済みとのこと。
千春の両親にも、既に良子が承諾を得ていると言う。
手際が良いこってす。
俺達ポンコツ3人娘達が、ムトンランティアでドタバタしている時も、ちょくちょく日本へ戻って来ては、色々と手を回してくれていたようだ。
手を煩わせて申し訳ない。
そして、その例のものを俺は今も持っている。
「実は、コレなんやけどね?」
「「おおお~~~」」
楓と虹音が唸る。
俺は、ムトンランティアで作った例の魔導具、「魔法使いの服セット」を皆に見せた。
なぜか俺だけが、異世界間を持って移動できるのだ。
基本は、ムトンランティアの商店で、良子さんに買ってもらった「魔法使いの服セット」だが、それを自分好みにデザインをちょっと変更してある。
魔法使いの服は、ボタンをトグルボタンに変更し、腰紐を太いオレンジ色のベルトに変更。
エナン帽は、元々真っ直ぐに立っていたが(新品は立っている)、魔法使いの帽子らしく折り曲げている。
魔法使いのマントは、特に変更なし。
魔法使いの靴は、膝下まで編み靴だったが、足の甲までに網紐を残して、上は折り曲げている。
魔法使いの杖は、5つの丸玉12mmの魔石がかしめられていたが、全て魔晶石に変更している。
「わぁ! 可愛いやん!」
虹音が言う。
「ふぅん うんうん 可愛いね!」
楓が言う。
「青いのが俺のんで、ピンクが海音のんで、紫がチャルのんなんよ!」
「「へぇ~~~」」
楓と虹音が手に取って見る。
楓と虹音は、鑑定スキルで、魔導具の詳細な付与魔法を確認する。
「・・・・・・これは確かにやばいモンですね!」
「そうじゃろう?」
「うんうん! 確かに凄いんやけど、マジやばやね!」
「そうなんじゃ」
「「「・・・・・・(汗)」」」
その時、ふと思った。
「ねえ、良子さん」
「なんじゃ?」
「これ、コッチの世界に隠してたら、ええんとちゃうん?」
「「「「「ええっ?!」」」」」
「バカを言うな! もしこの世界の連中に、この存在を知られたら、どうなるか解ったもんじゃないんじゃぞ? そんな事になれば、今度はこの世界も危なくなる!」
「!・・・確かに」
「なぜか、お前だけが、持物と一緒に転移できる事が解ったんじゃが、そんな能力を持つ者が他に誰かが居るかも知れん 今回は特別じゃ! ムトンランティアで起きた事は、ムトンランティアで解決しなければならん! 絶対にコチラへ災いを持ち込んではいかんぞえ?」
「災いて・・・」
「「・・・解りました」」
そうなのだ。
なぜか、俺だけが持ち物と一緒に日本とムトンランティアを行き来できるのだ。
その理由は、良子さんでも解らないらしい。
「そしてじゃ、今後はムトンランティアへ行くときは、晴蘭の家からにする」
「「「ええっ?!」」」
「当たり前じゃろ! 学校の開かずの間で、いつまでも転移はしておられん いつ誰に見られてもおかしくないんじゃ だったら、人の目から離れた晴蘭の家が一番都合が良い」
「なるほど・・・」
そうなのだ。
晴蘭の家は、和歌山と大阪を結ぶ峠の登り口近くにあり、人気の無い場所に建っている。
昔はよく、走り屋達がブイブイ言わせていた有名な峠ではあるが、今はトンネルが出来て、その峠も車は通れなくなっている。
トンネルが出来てからというもの、昔より若干交通量は増えたとはいえ、それでも人里離れた場所なので、それほど人目に付かない場所と言えば、晴蘭の家が一番適当だろう。
「チャルは、私が送迎してやろう」
「はい、わかりました ありがとうございます!」
「んや 構わん そして虹音にも、コレを渡しておく」
「わあ! ありがとう!」
「「えっ?!」」
良子が虹音に渡したのは、ムトンランティアへ転移できる「異世界ゴーグル」だった。
いやいやいやいや!! まてまてまて!
虹音姉ちゃんも来るのか?!
それ、俺達よりもヤバくない?
何作るか分からないよ?
「ポンコツ3人娘達の心配も解る」
「「 ?!・・・ 」」
あれれ? バレてた?
俺達の心配してたのがバレてた?
虹音は、ニッコニコしている。
なぜか千春も、なんだか嬉しそうだ。
なにせ千春は、虹音に憧れていた。
千春にとって虹音は、憧れの「金髪碧眼美少女のお姉様」なのだ。
でも、本当の虹音は、「金髪碧眼真性百合っ娘美少女」なのを知らない千春は、幸か不幸か。
でも、決まってしまったのなら、もう晴蘭達にはどうすることもできない。
虹音だって、晴蘭達の助けになるために、一緒にムトンランティアへ来てくれるのだろうから。
そして、話し合いも終わり、ムトンランティアへ転移する時は、全員とも晴蘭の家から転移する事に決まった。
万が一何か起きたときに、コッチ(日本)で離れ離れだと何かと都合が悪いからだ。
いつでも助けに行けるようにとの配慮だ。
幸い、晴蘭の家は結構デカい。
空いた部屋もいくつかあるので、海音、虹音、千春、良子も皆、日本に居る時は晴蘭の家で暮らす事になった。
ええええ~~~マジか?!
俺のプライベートタイムがあ!!
そうも言ってられないのは解ってる。
でも、みんなは、どうなんだろう?
俺達のせいで、白鳥家にみんなで住むことになってしまったのに、海音は良いとして、虹音姉ちゃんは、どう思っているのだろう。
晴蘭は、ごっ機嫌で鼻歌を歌いながら荷物を整理している虹音に聞いてみた。
「ねえ、虹音姉ちゃん」
「なぁに? セーラちゃん♡」
「あの、えっと・・・ホンマにこの家に寝泊まりしても、だいじょぶなん? オッチャンや、オバチャンは、何も言わへんの?」
「私の、お父ちゃんとお母ちゃん? だいじょぶ!だいじょぶ! もう、なんもかんも解ってくれてるからぁ!」
「そ、そーなんや」
「うん! だ・か・ら、安心してニャンニャンしよーね♡」
「しません(汗)」
「えええ~~~ん」
相変わらずの虹音姉ちゃんだ。
今度は、千春に聞いてみた。
「チャル!」
「な~に~セーラちゃん♡」
「んんっ・・・えーと、あんな? ご両親は、納得してくれてんの?」
「う~~ん! ちゃんと良子さんが話してくれてるよ!」
「そ、そうか・・・えらい手際がええな」
「ホンマにねー!」
「そうか・・・そうか・・・・・・」
千春の家でも、ご両親は納得済みらしい。
それはそれで良いのだが・・・・
そして、良子さんに聞いてみた。
「良子さん、家は空けてても、だいじょぶなんですか?」
「ああ、お前が気にする事じゃないわい それより、今のうちに必要な物を揃えておけ!」
「え? 必要なもの?」
「ほら、サクラが残してくれたもんが有るじゃろ?」
「サクラ婆ちゃんが残した・・・ああっ! ボラえもんの秘密道具みたいな、アレ?!」
「そうじゃ!」
サクラ婆ちゃんが残したと言うものは、俺が小さい頃から、サクラ婆ちゃんがよく使ってくれた、手品アイテム!
実はアレらは、サクラ婆ちゃんが開発した魔導具だったのだ。
ボラえもんの秘密道具と呼んでいたのは、俺が困ったとや時、遊んでくれた時に、サクラ婆ちゃんがエプロンのポッケから出してくれた魔導具だったのだ。
そんな魔導具が、俺は手品のアイテムだと信じていた。
アレならきっと、何らかの役に立つ!
早速俺は、サクラ婆ちゃんが使っていたエプロンのポッケから、全ての魔導具を取り出し、自分のマジック・バッグに入れ替えた。
正直、何に使う物なのか解らないものもあるが、きっと何かに役立つはずだから、残さず持って行こう。
「そう言えば、良子さん ムトンランティアでは、何をする予定なんですか?」
「うむ それについては、飯を食ってからにするかえ みんなにも話さなきゃいかんもんじゃからな!」
「なるほど・・・はい」
そして俺は1人、蔵へと向かった。
何か、ムトンランティアへ持って行ける物は他に無いか、と思ったからだ。
一応、俺が蔵の管理責任者なので、定期的にチェックする事を義務付けられている。
面倒だけど、仕方がない。
サクラ婆ちゃんからの遺言でもある。
海音も例の事件から、蔵には近付こうともしないのは幸いか、見付けてはいけない物を付けてしまったのだ。
それこそが、大量の「女装剤」だった。
「・・・なんで? なんで、まだある?!」
まったくの偶然だったのだが、床に置かれていた子供の力では動かせないような、どデカい箱の下に、地下収納の扉のような縁が見えた。
晴蘭は、浮遊魔法で箱を少し浮かせて動かしてみると、思った通り、床収納と思われる、扉と言うより、蓋があったのだ。
そして、その蓋をは外してみたら、なんと地下への降りる階段があるではないか?
「マジかよ・・・こんなの絶対に管理者しか知られたらマズイ物があるに決まってるやん!」
そして地下室で見付けたのが、大量の女装剤の小瓶の入った木箱だったのだ。
木箱には、例の金色の五老星の描かれた黒い風呂敷に包まれていた。
「サクラ婆ちゃん、なんちゅーもんを隠してたんじゃ?」
その木箱は、縦横高さが1mくらいの大きさで、ズッシリと重い!
蓋をバールでこじ開けてみると、仕切り板で仕切られ、25本の女装剤が入っており、内10本が空になっていた。
誰のために何のために使われたのかは不明だが、明らかに使用された感があった。
しかも! その下にも3層になって、75本もの未使用の女装剤が出てきた!
んで、全部で90本のもの女装剤を手に入れた事になる。
「やっばいなこれ! どないすんのよこの数!」
見付けてしまったのは、仕方ない。
このまま蔵に隠しておけない。
俺でも見付けてしまったのだから、今後他の誰かにも見付けられても不思議ではない。
だったら、俺が責任をもって人目に付かないように徹底的に管理しなきゃな!
こんな物さえ無ければ、俺は・・・
いやいや、過ぎてしまった事はもう考えまい。
そこで考えた!
「異空間収納って、作れやんのかな?」
何となく、ボソッと呟いたのだが、なぜかできる!と思えた。
早速、魔法スキルの開発儀式魔法を行った。
床に、円の中に五芒星を描いた魔法陣を設置し、その中心に立ち、東を向く。
「エコ・エコ・アザラク・・・・・・」
そして、10分後。
できてしまった!
簡単に、できてしまったあ!
異空間収納魔法スキル!
「ストレージ・オープン」の合言葉で異空間に繋がる穴が開口し、大きさ、重さに関係なく、なんでも幾らでも入る!
理論上では、地球さえスッポリ入るので、容量は無限と言っていいだろう。
そして、「ストレージ・クローズ」の合言葉で、異空間へ繋がる穴が塞がるって感じだ。
俺は、ストレージに女装剤を収納した。
俺達に、今後何が起きるか解らない。
エリクサー以上の回復効果のある女装剤が、いつ必要になるかも知れない。
持っていて損は無いだろう。
そしていつかまた、時間がある時に、地下室をじっくり調べて見よう。
そして、夕食の時間となった。
••✼••白鳥自宅庭••✼••
父親は、何処へ行ったのかと思っていたら、買い物へ行っていたらしい。
肉やら野菜やらジュースやビールやらと、大量に買って来ていた。
どうやら、BBQをするらしい。
半分にぶった切ったドラム缶をひっくり返し、底をくり抜いた自家製コンロに網を乗せて、炭火で肉や野菜を焼く。
みんなで焼肉を囲みながら、久しぶりに楽しくワイワイと騒いだ。
めっちゃ楽しかったし、美味しかった!
家族で、こんなに楽しかったのは久しぶりだった。
いや、初めてなんじゃないか?
海音に、虹音姉ちゃんに、海音の両親に、チャルに、良子さんも居て、いつもと違う雰囲気で、本当に楽しかった。
母親と父親は、ビールに酔っばらって、人前でキスとかしてるし、アホちゃう? 見てる方が恥ずかしいわ!
あの母親が元男だったとはねぇ・・・男より女として生きる方が長いとはいえ、まったく信じられん!
とはいえ、見る目が変わった訳じゃない。
母親は母親だ。
まあ、たまには羽目を外すのもいいか。
散々ドンチャン騒ぎをしたあと、酔いつぶれた父親を母親が介抱し、その間に俺と海音と虹音姉ちゃんと千春とで片付けをし、海音の両親には帰ってもらい、良子さんにはお風呂に入ってもらった。
そして、片付けもようやく終わり、台所での洗い物を済ませた時に、風呂場から良子さんの俺を呼ぶ声がしたので行ってみた。
「セーラ! セーラよ~~~!」
「あ、良子さんが呼んでる! はーい! はいはい!」
ペタペタペタペタッ!
土間を歩く足音。
「はあーい! どうしたん・・・んがっ!」
ポン!
「にゃあ?!」
晴蘭は、良子があまりの目のやり場に困るような、刺激的!衝撃的!インパクトぅ!な格好だったので、ケモ耳に変身してしまった!
「すまん! 着替えを持って来るのを忘れたわい! ちょっと取って来てくれんか? って、なんで猫耳に変身しとるんじゃ?」
「あわわわわわっ なっ、なんちゅー格好してるんですにゃかぁ!!」
「はあ?」
なんと! 良子は、風呂場前の脱衣所で、真っ裸でザコ立ちをしていた!
「ザコ立ち」とは、「希望戦士ダンガム」に登場する、「ザコ」という名の敵の緑色の一つ目の量産型のロボットで、そいつの良く見かける立ち姿を言う。
肩を後ろへ寄せて、胸を張り出すようにし、顎を引き、両腕を内側に向けて肘と握り拳を内側に曲げ、腰を前に突き出すようにし、また尻を後ろへ突き出すようにし、足は肩幅に広げて、つま先は外へ広げ立つ姿である。
晴蘭は、慌てて両手で目を隠した!
胸も・・・も隠さず、ザコ立ちの良子は、恥じらいも無く晴蘭に言う。
「なーんじゃ? 女の裸がそんなに珍しいもんじゃなかろう?」
「そ、そりゃあそーですけどにゃあ? 俺は男ですにゃよ!」
「はあ? また、なぁーにを言っとるんじゃ? セーラお前は女じゃろが!」
「ん?! あ、ああ、そーでしたにゃ! って、ちがーう! そーゆー事を言ってるんじゃにゃくってですにゃあ!!」
「わかったから、はよう持って来ておくれ!」
「んにゃっ! にゃ、わ、わかりましたにゃよ~~~!!」
タッタッタッタッタッ!
セーラは、慌てて良子の着替えを取りに行った。
しかし、なんであんなに恥じらいもなくできるかな?
良子は、見た目は、黒目黒髪ロングヘアの、ルックスはキャリアウーマンっぽくて、なかなかの美人であり、胸も結構大きめで、ウエストはキュッと締まり、俗に言うコーラ瓶体型の、ボン!キュッ!ボン!ジャパニーズ・ビューティーである。(晴蘭評価目線)
その時、ニヤけた虹音が陰から覗いていたのを、晴蘭は知らない。
そして、次に虹音姉ちゃんがお風呂に入ったのだが、しばらく経って、虹音姉ちゃんの俺を呼ぶ声が。。。
なんとなく嫌な予感がしたのだが、呼ぶので仕方なく行ってみると・・・
「セーラちゃあ~ん! 可愛い可愛いせ~え~ら~ちゃ~ん♡」
「はいはい! 虹音姉ちゃん どーしたん・・・んにゃあ!?」
ポン!
「はにゃあ?!」
晴蘭は、せっかく元の姿に戻ったのに、虹音が、刺激的!衝撃的!インパクトぅ!な格好をしていたので、またケモ耳に変身してしまったのだった!
「あっ! セーラちゃん! 私も着替え忘れてしもたから・・・・」
「ふぎゃあぁあぁあぁ━━━!!」
ポン!
晴蘭は、更にケモ鼻に変身した!
「やっ?! な、なに?! セーラちゃん!!?? きゃあー! 可愛い~♡」
案の定、虹音は真っ裸だった!
それも、スリーザ立ち!
某人気アニメの敵キャラのスリーザが、顎を引き、肩を上げて、両腕を斜め下へ広げ、手の平も広げて前に向けて、左足を前に出し、右足を後ろへ出す姿勢で立つ姿だ!
そんな虹音は、真っ裸で上目遣いで不敵な笑みで晴蘭を見るものだから、晴蘭は堪らず悲鳴を上げて脱兎のごとく逃げ出したのだった!
だがその時! 晴蘭は虹音の裸を直視してしまった背徳感から、猫耳に変身してしまったのだった!
更に、虹音がフリーザ立ちで器用に、いや奇妙に迫って来るので、更にケモ鼻に変身してしまったのだ!
ケモ鼻とは、鼻と口までもが獣になってる状態である。
そんな騒ぎを聞いた他の奴らも、なんだなんだと慌てて風呂場へ向かう!
「なんや!なんや!」
「晴蘭?! どないした!!」
「セーラよ! なにがあった?!」
「どないしたん?!」
バタバタバタバタバタ!
ドタドタドタドタドタ!
ドカドカドカドカドカ!
ドタバタドタバタドタ!
「「「「んなっ?!」」」」
バテバテバタバタバタ!
「んにゃあぁあぁあぁ~~~!!」
突然、風呂場から飛び出すように、転びかけながら駆けてくる猫耳の晴蘭!
「うおわ!「うわ!「なんな!「どした!」
バタバタバタバタバタ!
「猫耳セーラちゃ~~~ん可愛い~~~ん♡」
「うをわ「わっこら!「何やってんの姉ちゃん!「バカお前なにしとる!」
なんと! 逃げる猫耳晴蘭を追い掛ける虹音!
狂喜乱舞に笑っているのに妖怪うわんの様な強面で真っ裸の虹音が晴蘭を追い掛けるという、なんとも滑稽で奇妙で、濡れた髪がまた、おぞましくも見えるこの絵面?!
ってか、何この状況?!
晴蘭を獲物の如く、飢えた猛獣のような形相の虹音は、まさに「妖怪うわん」の様で、流石の妹の海音も引いてしまった。
と言うより、縮こまった!
その後、虹音は楓と良子に、こっ酷く叱られたとか。
「女の子としての自覚を持て!」
と、なぜか晴蘭まで一緒に叱られたのだった。
「まったく、これが今時のJKかね?」
「なんで俺まで怒られにゃきゃいけにゃいのぉ~~~」
「てへへ 怒られちゃった」
全然懲りてないテヘペロ虹音。
「脳みそ湧いてんとちゃうか姉ちゃん! 真っ裸で晴蘭を追い掛ける姿は、流石に引いたぞ! サブイボ立ったわ! 妖怪かよ!」
「妖怪って、失礼やな!!」
「妖怪かぁ・・・私、虹音さんみたいに、出来るかなぁ?」
虹音に憧れる千春も困惑。
「「「「せんでいい!!」」」」
「ですよねぇ~~~(汗)」
まったく、晴蘭にとって、虹音は初恋の人であり、憧れの存在。
金髪碧眼真性百合っ娘コーラ瓶体型ボン!キュッ!ボン!超ナイスバディー美少女なのに、「妖怪うわん」だなんて台無しじゃあ!
これからは、日本でもムトンランティアでも、虹音と同じ屋根の下で暮らすのかと思うと、先が思いやられる晴蘭だった・・・・・・
助っ人とは、金髪碧眼真性百合っ娘コーラ瓶体型ボン!キュッ!ボン!超ナイスバディー美少女なのに、「妖怪うわん」の虹音姉ちゃんだった?!
果たして、虹音は晴蘭の助け人となるのだろうか?
そして、実家の蔵で見付けてしまった多数の女装剤!
どうしたものか・・・・・・