第17話 「駆け出し冒険者」
やっと、3人揃っての、ムトンランティアへ!
良子(片桐先生)も一緒に、宿屋にチェックインするが、いろいろと制約がありそうです。
文章力が無いので、もしかしたら読み辛い部分もあるかも知れません。また「紀州弁」を意識して書いたので見苦しい所もあるとは思いますがご了承ください。あえて主観「紀州弁」を設定しました。
••✼••開かずの間••✼••
「いいか? 今回も私も付いて行くが、最長でも2日間じゃ! それ以外はダメじゃ! 目標は先ず、宿屋にチェックインをし、冒険者ギルドで冒険者登録までとする。余裕があれば、街を散策するくらいなら良いが。じゃが、2日間だけじゃ! ログアウトの場所は宿屋の食堂の階段下じゃ。どんな理由があろうとも、時間が来れば、宿まで無理にでも連れてって、私が強制ログアウトさせるからな!」
「「「はい!」」」
晴蘭、海音、千春は、異世界ゴーグルを着けた!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・
••✼••ムトンランティア••✼••
【トスターの街の噴水広場】
「お?!」
「あ、今日は3人一緒みたいやね!」
「うん みたいやな!」
「よし! 行くか!!」
「「おお━━━!!」」
こうして晴蘭達は、いよいよ本格的にムトンランティアにて活動開始だ!
晴蘭達は、宿屋へ向かった。
••✼••宿屋••✼••
「ほれ、この世界の金じゃ 1人に10万ティアをやる」
「「「おおお━━━!!」」」
この世界の通過は「ティア」だ。
1ティア=日本円の1円に相当し、表記は、「Tia」である。
日本円で10万円!? うわおぅ! 良子さん太っ腹!
宿屋での1泊は、5000Tia。
それぞれに、95000Tiaの手持ちが残るわけだ。
そして、基本言語は日本語だが、文字は違う。
「カタカナ」一色である。
なので、漢字、ひらがな、カタカナと分けて表記されていないので、非常に読みにくいものがあるが、慣れるしかない。仕方がない・・・。
でも、理解できない文字ではないので、漢字の苦手な晴蘭には幸いだった。
部屋は、良子が個室、晴蘭と海音と千春は、大部屋を借りることにした。
良子は個室なので、若干部屋代が高いようだ。
俺、個室でも良かったのにな・・・
などと思ったが、ここは逆らわないのが吉とみた。
それに、少しでも手持ちが多い方が良いだろうしな。
一先ずは、寝床を確保できて安心した。
冒険者登録に、10000Tiaが必要らしいから、残り85000Tiaは自由に使えるって訳だ。
とはいえ、1日目で全部使い切ってしまうと、次の日の宿屋代に困る。
考えなしに無闇に使えないな。
そうとはいえ、今夜一泊すると、一旦日本へ戻らなきゃいけない。
日本で次の日の同じ時間にログインしたとしても、ムトンランティアでは1時間しか過ぎていない。
宿屋代は、次の日の分のだけでも良いが、果たして更に次の日には、お金を稼げるかは分からない。
お金は慎重に使わなきゃいけないな。
でも、初期装備の街娘の服装を、どうにかしたい。
とても可愛らしい服なのだ。
うん。とても可愛らしい。
でも、ノルウェー女性の民族衣装に似ているのだが、とても、魔法を使ってモンスターと戦う~みたいな装備ではない。
「良子さん、この服どうにかならへんの?」
「はぁ?」
「ほら、良子さんみたいな、魔法使いの装備ってないん?」
そうなのだ。良子の装備は、魔法使い一色!
魔法使いの服、魔法使いのエナン帽、魔法使いの靴、魔法使いのマント、魔法使いの杖、魔法使いの指輪、そして空間拡張魔法鞄だ。
「あ、そうそう 俺ら皆魔法使いやろ? せやったら、魔法使いの装備せんとあかんのとちゃうん?」
「へぇ~そうなんや? 魔法使いの服か~わぁ~なんか楽しみ!」
「ふむ そうじゃな しかし、この装備はかなり高価なもんじゃぞ?」
「「「へぇ~~~」」」
良子の装備する魔法使いの装備には皆、魔法やスキルが付与されている、「ユニーク・アイテム」である。
魔法使いの服(L25、魔法耐性+50%)、魔法使いのエナン帽(L25、INT+10)、魔法使いの靴(L25、移動速度+10%)、魔法使いのマント(L25、物理耐性+25%)、魔法使いの杖(L25、魔法攻撃力+8%、攻撃速度+5%)、魔法使いの指輪(L30、MP+20、HP+50、自動MP回復(1/3秒))
「L」表記は、装備可能レベルだ。
そして、魔法使いの杖、魔法使いの指輪は、上級ユニーク・アイテムだ。
特に、魔法使いの指輪は、トリプル・ユニーク・アイテムなので、2億Tiaもするらしい。
「「うおおおお━━━欲しい!!」」
「え? なになに? そんなに凄いん?」
「すげぇーよ! めっちゃすんげぇ!」
「おぅよ! 特に魔法使いの指輪なんか、3つも付与されてるぅ!!」
「へぇ~凄いんやあ!」
「「おうよ!!」」
「良子さん、俺もそれ欲しい!」
「俺も俺も!!」
「愚か者め! こんな高価な装備なんぞ買えもせんし、今のお前達に装備できる訳がなかろう! そもそもレベルが足らんわ!」
「「「えええ~~~ん!」」」
「俺も欲しいなぁ?」
「俺も~~~」
「えっと、私も欲しいな」
「先ずは、装備可能レベル5の、『魔法使い見習いの服』を買え!」
「ええー? レベルが5? 装備できへんやん」
「当たり前じゃ! 先ずはレベルを上げぃ!」
「んじゃ、私はどうすれば?」
「じゃから、冒険者登録して、初心者クエストから始めて、ぼちぼち稼げ!」
「ほな、冒険者に登録やね!」
「そうじゃな」
「あ、レベル1でも装備できるもんはあるん?」
「うむ あるには、あるが、各職業用の『駆け出し冒険者の装備』ってのが、確かフル装備で50000Tiaじゃったかの・・・」
「「「それ欲しい!」」」
「ホンマにお前達はバカじゃな! そのための小遣いじゃろがえ?」
「「「 !!・・・ごもっともです 」」」
ですよねぇ~~~
良子は、3人にそれぞれ10万Tiaもくれたんだから、有難く思わなきゃね。
日本だろうと、ムトンランティアだろうと、お金は良子のもの。
何もしないで、10万Tiaも貰えたのだから、文句は言えまい。
「そう言えば、なんでログアウトする場所が宿屋の食堂の階段下なん?」
「あ、確かに」
「部屋で良くない?」
「なんじゃお前達、毎日ログインするつもりかえ?」
「「えっ?・・・」」
「え? アカンの?」
「いや、それは構わんが、毎日必ず3人揃って同じ時間にログインできるとは限らんじゃろ?」
「「「!・・・・ふぅん」」」
「じゃから万が一、お前達が3人揃わずログインできない事も考えて、人の来ない目立たない場所を選んだんじゃ 今は3人揃って活動する方が良いからな」
「「「なるほど!」」」
ふむふむ、理解した!
俺達は、いつも3人揃って活動できると考えていたが、実際はそうはいかないかも知れない。
3人の内、誰かが来れないとなると、1人だけオイテケボリにされてしまう。
そうなると、各々の時間軸にズレが生じて、なんだか変な事になりそうだ。
初めてログインした時だって、どれだけの時間のズレがあったのかは分からないが、ムトンランティアでは、晴蘭だけが1時間近くものズレが生じてしまった。
今後は、こんな事のないようにとの、良子の配慮だろう。
「では早速、冒険者ギルドへ、冒険者登録をしに行くぞ!」
「「「はい!」」」
「あ、それと、ログイン、ログアウトを繰り返しての時差ボケには気を付けろ?」
「「「・・・・・・はい」」」
なるほど。確かに時差ボケしそうだ。
もし仮に、日本で夜8時過ぎににログインしたらムトンランティアでは朝として、4日目の朝の同じ時刻にログアウトしたなら、日本では日付が変わって夜中の0時を過ぎている事になる。
さっきまで朝だったのに、もう夜中?!
早く寝なきゃ!!
みたいな事になる。
ムトンランティアでの活動日数が増えるほどに、時差ボケの症状は酷くなりそうだ。
これは、ゲームではないのだ。
時間の管理把握は、慎重にならなきゃいけないな。
そして、いよいよ冒険者になるために冒険者ギルドへ行くのだが、良子さえも困惑する事になっていたのだった。
流石に、装備1式までは、めんどう見切れない良子でした。
当たり前です。
みんな、頑張ろう!
次回は、冒険者登録です。




