表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
女装剤  作者: 嬉々ゆう
16/91

第15話 「妖精と異世界」

魔法、精霊、妖精、ときたら、次は異世界です!

妖精の卵を探す旅に出よう!



文章力が無いので、もしかしたら読み辛い部分もあるかも知れません。また「紀州弁」を意識して書いたので見苦しい所もあるとは思いますがご了承ください。あえて主観「紀州弁」を設定しました。

 


 俺達は片桐先生から、妖精の生み出し方と育て方について聞いた。



「妖精を卵から(かえ)すには、常に肌に離さず居ることじゃ」


「「「肌に離さず?!」」」


「そうじゃ! 魔法使いとは妖精にとって、契約者であり、主であり、母親じゃ!」


「「「母親ぁ?!」」」


「うむ だからな、余程気を遣わなアカンのじゃぞ?」


「「へぇ~~~」」


「あれ?」


「なんじゃ?」


「ああ、いえ・・・」



 確か、鬼和田にも妖精が居るって聞いたけど・・・

 じゃあ、鬼和田も妖精の母親? いやいや、鬼和田は男だから父親では?

 なんて思ったが、なぜか聞けなかった。



「続けるぞ? 妖精はな、卵の内から、親となる魔法使いの魔力を少しづつ吸って発育するんじゃ」


「「「なるほど・・・」」」


「じゃから、孵化したときには、魔法使いにソックリな容姿になる また性格もな」


「「「ほぉおぉぉ~~~」」」



 なるほどなるほど!

 妖精が親となる魔法使いに似るのは、先ずはそこからなのか!

 魔法使いのまり良くには、魔法使いの知識、記憶、意識が含まれている。

 だからこそ、親となる魔法使いの魔力を吸った妖精は、親に似るんだ!



「とにかく、妖精を育てる事は、本当に難しい事はなんじゃ お前達も母親になれば解ることじゃがな」


「はっ・・・母親・・・・・・」


「「母親・・・」」



 俺は、「母親になれば」と言われて、身体中に電気が走った感覚になった。

 まっっっったく想像ができない!

 しかし、千春はともかく、海音が普通に鳴っとくしているかの様子に驚いた。

 もしかして海音の奴は、もう女としての自分を完全に受け入れられているのかも?

 いやいやいや! そんなはずは・・・

 だって、俺達女になってから、まだほんの一月ほどだ。

 片桐先生は、俺達3人に対して当たり前かの様に言うが、千春はともかく、俺と海音は元は男だ。

 普通に生きてきたなら、「父親」として将来を考えるところなのに、今は「母親」としての将来を考える事になるのか?

 それはそうなのだろうが、どうしても想像が付かないもんだから、妖精を育てるのにも、母親としてだなんて考えられない。

 なんだろう? 父親? 兄?

 いかんいかん! ぜっぜん片桐先生の話が頭に入ってこない。



「おい、聞いているのか?」


「ふぇ?」


「何をさっきから、ボォーっとしている?」


「あ、すみません」


「「・・・?」」


「いいか? だからな、魔晶石の調達には、サクラの蔵の管理を引き継いだ、晴蘭、お前さんに頼みたい」


「・・・・・・ん?」


「おい! 晴蘭、聞いたか?」


「ふぇ? な、なにを?」


「お前ねぇ・・・」


「片桐先生はね、セーラちゃんのお婆さんのサクラさんが管理してた蔵、今はセーラちゃんか管理を引き継いでんのやろ?」


「ん? ああ、そーやな?」


「うん だからね、セーラちゃんのお婆さんが残してくれた魔晶石を譲ってやって欲しいんやって!」


「・・・・・・え?」


「だって、今はセーラちゃんが、蔵の管理をしてるんやから、蔵の中の魔晶石も、今はセーラちゃんの物やろ?」


「あ、ああ、そうなんのかな?」


「うん だから、私らにも1つずつ分けてくれへんかな?って・・・」


「ええか? 晴蘭・・・頼むわ 妖精になる魔晶石って、たった1つで、家が建つくらいの金が要るらしいやんか? そんなん俺らには無理やから・・・」


「えっと・・・別にええんちゃう?」


「ええんちゃうってお前、えらい人事やな?」


「え? え?」



 ヤバい・・・・・・

 話を聞いていなかったから、何を言ってるのか分からない。

 蔵の管理? 魔晶石? 確かに、蔵の中で魔晶石らしい物は海音と2人で見付けた。

 でも、それが何だというのか?



「解ってないようじゃな?」


「え?」


「じゃからな? 私の親友であるサクラの物じゃった蔵の中の物は、今は晴蘭お前の物なんじゃぞ? それをこの2人に分けてやってくれんか?って聞いておるんじゃ」


「あ、はい」


「魔晶石とはとても貴重な物であり、とても高価な物じゃ! この私にだって、おいそれと人に譲れる物じゃない そこで、晴蘭お前さんの財産でもある魔晶石を、2人に分けてあげて欲しいんじゃ」


「え? あ、はい、良いですよ?」


「「ええっ?!」」


「ほんまに?! ほんまにええのセーラちゃん?!」


「ええんか?! あれ、1個数千万するんやぞ?!」


「え? お、おお、ええんとちゃう?」


「「はぁ━━━⋯」」


「え? なになに?」



 なんだ? 何がいけなかった?

 なんで皆、そんなに呆れてる?

 俺の蔵に保管している魔晶石を、海音と千春に分けてあげろって事でしょ?

 うん べつにいいーじゃね?

 片桐先生は、サクラ婆ちゃんの心友って聞いたけど・・・・・・



「ぬわぁにぃいぃいぃ~~~?!」


「わっ「きゃあ?!」


「なんじゃいきなり?!」


「いやいやいや、先生がサクラ婆ちゃんの、しんゆ━━━?!」


「なんじゃ、そんな事か そうじゃ! 私は、サクラとは親友じゃった」


「ええええ━━━━━━!!」


「どないしたんよ? さっきは、全然驚きもせんと聞いてたのに」


「え? ああ、すまんすまん! ちと、考え事してて」


「で、どうなんじゃ? 2人に魔晶石を分けてやってくれんか?」


「あ、はい! いいですよ? これば2人にも絶対に必要ですなものですから」


「そうか! 助かる! もし無ければ、自分で探さにゃならんのでな」


「「「自分で探す?」」」


「そうじゃ 当たり前じゃろう?」


「探すってどこを?」


「山で採掘するんじゃ!」


「「「ヤマで採掘ぅ?!」」」


「天然石じゃ! 当たり前じゃ」


「「「・・・・・・」」」



 何この人?

 そりゃあ貴女は、凄い魔法使いだろうから出来るだろうけど、俺達は駆け出しの魔法使いだぞ。

 それにまだ中学生だ。

 山で採掘なんて、ここ2本では大人だって難しいだろうに、俺達のような子供だと、もう不可能と言ってもいい。

 どうも、俺達とは感覚がズレでる気がする。


 ところが、そんな次元ではなかった。



「もし、自分で採掘となれば、ムトランティアへ行って、先ずは冒険者として・・・」


「「はあい?!」」

 冒険者というワードに驚く晴蘭と海音。


「冒険者?」

 冒険者というワードに聞きなれない千春。


「む? なんじゃ? サクラの間後なら聞いたことくらいあるじゃろう?」


「いえいえいえ! 初めて聞きますよ」


「え? どゆこと? ムトランティアってどこ?」


「異世界じゃ!」


「「「異世界ぃ~~~?!」」」



 なんと?! 学校の先生から異世界の話が飛び出すなんて思いもしなかった。

 片桐先生(以後=良子と呼ぶ)良子の話す内容は、まるでゲームの世界のようだった。



 ムトランティア


 この世界、太陽系のある宇宙とは違う異世界の宇宙の、地球とほぼ同じ大きさの、太陽系第3惑星。月が月2つある。

 大きな月と小さな月の、月が2つあるように見えるが、小さな月は大きな月の衛生である。だが、ムトランティアの人々には、「2つの月」に見えるのだろう。


 冒険者の街トスタ(始まりの地)

 かつては鉱山で栄えた街。

 希に魔石や魔晶石も採掘されたが、今ではモンスターからのドロップ頼りだ。

 今現在では、冒険者達の魔物の討伐により採取した素材の流通により栄えている。

 良子は、ムトランティアへ転移して、俺達に魔晶石を採掘させようと考えていたと言う。


 そして、この異世界へ行くには、良子が開発したという「異世界ゴーグル」を着ける事で、簡単に行けちゃうらしい。

 

 先ず、初めてゴーグルを着けると、ほんの数秒で「変性意識状態(トランス)」に入り、亜空間へと突入。そして、キャラ(アバター)設定が行われる。

 ゲームでのキャラクター初期設定のようなものである。

 ただ、職種は魔法使いしか選べないのが、魔法使いが作った魔導具なので仕方がない。

 それに今回は、魔晶石を探すために異世界へ行くのだから、魔法職以外の魔晶石を感知できない職種では意味が無い。

 本当は聖騎士とかしたかったのだが、それは諦めるしかなさそうだ。

 もし、この夢のような魔導具を研究させてくれたら、他の職種も選択できるようにしたい!


 それが終わると、いよいよ「始まりの地」にて、冒険の開始だ!


 すっげぇー! ワクワクすっぞ!


 しかも! 異世界での活動時間は、こちらの世界での24分の1!

 つまり、異世界で1日過ごしても、こちらでは1時間しか経っていないという。

 そして異世界でたとえ命を落としても、異世界での魔力で生成されたアバターが活動停止状態になるだけで、こちらの肉体が死亡するわけではないので安心だ。

 だが、活動停止判定を受けると、一旦強制ログアウトされてしまい、ペナルティが科せられ、1時間ログインできなくなる。

 まあ、それは仕方がない。死ぬよりマシだ。

 とはいえ、五感はシッカリあるので、ダメージを受けたなら苦痛は当たり前にあるらしい。

 でも! 死なないのなら、ドンドン行ける!

 まさに! 夢のアイテム!!



「すんげぇ━━━!!」


「うおおお━━━行ってみてー!!」


「ああもぉ・・・女の子になっても、心は男の子なんやね2人とも?」


「「おうよ!!」」


「んで? どーすんの?」


「え? どーするって?」


「ん?」


「行くの? 行かへんの? 私は、2人の選んだ方に従うから」


「「え?」」


「チャルが言いたいのは、お前さん達は、ムトランティアへ行くのか行かないのかと聞いておるんじゃ」


「「いく━━━!!」」


「?!・・・はぁ~~~やっばし?」


「ほおほお、やっばりのお? お前さん達やったら、行くと言うと思ったわ! もう準備は整ってるぞ」


「はっはっはっ! そりゃあ、もし異世界に行けるんやったら、男やったら絶対に行くん決まってるやいしょ!」


「当たり前やいてよ! んなもん行かな男が廃る!」


「ああもぉ! 2人とも女の子やろ━━━!!」


「「?! はい・・・すんません」」


 

 こうして俺達3人は、異世界ムトランティアへ行くことになった。





とうとう異世界へ行く事になってしまいました。

私がいつも構想していた異世界へ行く方法です。

いつかこんなアイテムが実現できたら、いいなと思います。

次回は、剣と魔法のファンタスティックな異世界ムトンランティアです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ