第11話 「魔女魔法使い管理保護法務省」
魔女魔法使い管理保護法務省
(あったら嫌だなーと思う架空の機関です。)
この世界で、魔法使いとして生きるためには、なかなか厳しいようです。
晴蘭は、保護下に入るか、それとも自由を手にするか。
文章力が無いので、もしかしたら読み辛い部分もあるかも知れません。また「紀州弁」を意識して書いたので見苦しい所もあるとは思いますがご了承ください。あえて主観「紀州弁」を設定しました。
始業式が終わり、教室へともどった。夏休み前に見た顔ぶれではあるが、妙に自分がお客様的な感覚になる。なんて言うか、他所から来たみたいな。
ってか、「他所から来た」という設定なのだが。
••✼••教室••✼••
ワイワイザワザワ・・・・・・
「はぁーい! 静かにして!」
「「「「!!・・・・・・」」」」
「今日は~みんなのぉ~新しい~お友達を~しょーかいしまぁ~す!」
「「「「わあああ━━!」」」」
「「「「いえーーい!!」」」」
「いよっ! 待ってました!」
「はやくはやくぅ!」
「はいはい、待って待って!」
「なに? このノリ・・・・」
なんだか、クラス全体の雰囲気が、あまりにもフランクで、ざっくばらん過ぎて、緊張感がスパッ!と消え去った。
「先ずは私から、担任の古谷 真奈美です! みんなからは、真奈美ちゃんって呼ばれてるわ」
「真奈美ちゃーん!」
「真奈美ちゃん先生よなー!」
「マナミンは?」
「なんか変!」
「流石に私も『マナミン』は嫌かなあ? なんかビタミン剤みたいで」
「「「「あははははは!」」」」
「確かにー!」
「マナミンせんせー!」
「もぉ~嫌やってぇ~」
「「「「あははははは!」」」」
「・・・・・・」
そう言えば、クラスのみんなも、「真奈美ちゃん」って呼んでたっけ?
「はいはい 真奈美ね?」
ジト目で真奈美を横目で睨み言う晴蘭。
「ふふふ 私を呼び捨てにするんは、好湾さんが初めてやね?」
「そーなん? ま、呼び捨てでええんちゃう?『ちゃん付け』するような年ちゃうやし? 若ぶって、どないすんの?」
クシャミを我慢した様な顔を言う晴蘭。
「ひどっ!!」
銃で撃たれた様に胸に手を当て言う真奈美。
「「「「あははははは!」」」」
「ここは、小学校かぁ?」
肩をガックリと項垂れ首を振り言う晴蘭。
担任の古谷 真奈美が、晴蘭を紹介すると、まるで小学校の教室のような雰囲気で話す。
真奈美は、元々 楽観主義者で、どこか、ほわんほわん している。
生徒達から、「真奈美ちゃん」と呼ばれる由縁である。
確かに一見すると、ルックスといい、身体全体的なビジュアルといい、物腰といい、「テレビの歌のお姉さん」みたいな雰囲気だ。
年齢不詳だが、見た目年齢は25~6歳に見える。
しかし、担任の先生を「ちゃん付け」で呼ぶのもどうよ? 教育に悪くね? 他の先生の前では、「真奈美先生」と呼べとか言ってたな確か・・・
でも俺は、「真奈美」って夏休み前から呼び捨てだったけどな。
なんて、考えていたら、急に振られたので、焦って緊張してしまった。
「はい! 好湾さん、自己紹介~」
「ふぉっ?!・・・」
「「「「ふぉ?」」」」
「「「クスクスクス・・・・」」」
「・・・・・・」
何なよ~~~!
ちょっと急に振られて驚いて、変な声出てしまっただけじゃー!
なんか、また急に緊張してきた。
「ああ、はい ん゛ん゛っ! ええ~と、俺・・・わたぅ、私の、名前は、し・・・好湾 晴蘭といいます よろしくお願いんす・・・ます・・・ああー」
「「「「あははははは!」」」」
「噛んだ噛んだー!」
「「可愛い~~~」」
「・・・・・・」
んがぁ~~~!!
緊張のあまりに噛んでしもた!
はい!ダメー! はい!ダメー!
第一印象最悪ぅ! やっべぇ~! やっべぇ~! 顔が熱い~~ しぬぅ~~~ くっ殺せぇ!!
ちきしょー! ちくしょー! こんちくしょー!
みんなで笑いやがって!
なんの理由で、俺が公開処刑にされにゃならんのだ?!
段々頭に来た!
だが真奈美が、晴蘭がそろそろ限界だと見て、席に座らせる。
なかなかの良き判断だ。
真奈美は、晴蘭が元このクラスの男子生徒の白鳥 大晴だと知っているのだ。
実は、晴蘭の母親とは魔法使い仲間だったりする。
だがこの時はまだ、晴蘭はそんな事など知らなかった。
「はいはいーい! みんなー静かに! 好湾さん、一番後ろの空いている席に座りなさい」
「・・・ん、はい」
あれ? 席変わった? ま、いっか。
一番後ろなら、目立つ事もあるまい。
「「「「・・・・・・」」」」
この時、他の生徒達も、晴蘭が限界だと悟った。
顔を見れば判る。真っ赤どころか、恥ずかしさで赤黒くなっていたから。
しかも目には涙いっぱいで、ウルウルになっていた。
そんな晴蘭は、小っちゃくてテコテコ歩く姿がみんかから可愛く見られていた。
千春は、晴蘭のすぐ前の席で、晴蘭を心配して声をかけてくれる。
なぜか夏休み前と千春との席の位置が前後変わってはいるが、これもきっも真奈美の配慮だろう。
「ふぅ・・・ふぅ・・・ふぅ・・・・・・」
心臓がバクバクでなんとか落ち着かせようと必至な晴蘭。
「だいじょぶ?」
後ろを向いて、晴蘭を気遣う千春。
「ああん?・・・ああ、うん だいじょぶ」
「とにかく、私は晴蘭の味方やから!」
「!・・・おお サンキュ」
何なコイツ?
案外良い奴じゃないか?
こんな可愛いところもあったんだな?
晴蘭の事情を知る1人として、今後は助っ人になってくれれば良いが。
晴蘭が男子だった頃りも、何だか雰囲気と言うか、対応が違うのに戸惑うが、ここはあまり反発せずに、素直に受け入れた方が吉だと思った。
とにかく、あれこれ根掘り葉掘り聞かれなくて良かった!
ホッと胸を撫で下ろす晴蘭だった。
出席を取り終えると、真奈美は生徒達から夏休みの宿題を受け取り、宿題を今日の日直の男女2人の生徒に分けて持たせて、職員室へ持って行くように言う。
だが、結構な量だ。
2人では持てない。
すると真奈美は、俺と千春にも宿題を持って来るように言う。
「あ、飯田さんと、好湾さんも一緒に、宿題を分けて持って職員室へ行ってくれる?」
「あ、はーい!」
「え? 何で俺らなんや?」
「まあ、ええやん! ほら、行こっ!」
「あ、うん・・・」
ううむ・・・真奈美の奴、何か企んでるな?
そう思った。
しかも真奈美は、千春が俺の正体に気付いているのも知っているようだ。
真奈美の奴もなかなか食えん奴だ。
侮れん。
などと考えていた。
••✼••職員室••✼••
職員室にて。
「「「失礼しまーす!」」」
「でぃーっす」
「ご苦労さま! んじゃ、そこに置いといて?」
「「「はーい」」」
「・・・・・・」
「じゃあ、飯田さんと、好湾さんだけ残ってくれる? あとの2人は教室に戻っていいから」
「「はーい! 失礼しましたー」」
「・・・・・・」
ニヤ・・・
「?!・・・・」
真奈美は、日直の2人が職員室を出て行ったのを確認しすると、何か企んでいるような嫌らしい目付きで俺を見る。
何だか気味が悪い。
「ねぇ、アンタら以前から仲が良かったみたいやけど、飯田さんは、好湾さんの事を・・・」
「ふぇっ?!」
真奈美と千春を交互にキョロキョロ見る晴蘭。
「あ、はい 知ってますよ」
さも当たり前かのように答える千春。
「やっぱし?」
ウインクして人差し指を立てる真奈美。
「ちょっ、ちょっと待って! それは、どう言う・・・」
「ふふぅーん 楓から聞いてるで~」
「ぬわぁにぃ~~~」
やっぱりかぁ!!
何か怪しいと思っていたら、真奈美は最初っから俺の正体を知っていたのか!!
うんむんむんむ・・・ムカつく!
おかん! 先に言っとけ!!
いつバレるかと、ドキドキヒヤヒヤしている身にもなれよ!!
真奈美は、続けて話す。
「私と楓とはねぇ~・・・」
「楓って?」
「好湾さんお母さんよ!」
「へぇ~そーなんやー」
「ちょっ!」
「好湾さん・・・ああ、私らの間だは、『セーラちゃん』って呼ばせてもらうわな!」
「んなん?!・・・ああ、もう、はい ほな俺は、『チャル』って呼ばせてもらうわよ!」
「チャル? うん! 分かったあセーラちゃん!」
ああもぉ、もうどう呼んでくれてもいいよ。
どうせ反発したって拒否ったって意味なさげだし。
それより、どうやら俺を名前呼びするくらいに、真奈美と母親とは付き合いが深いようだ。コイツ、いったい何者だ?!
「楓とはねぇ、二十歳からの付き合いなんよ! 私の方がちょっと上かな?」
「へぇ~」
「?!・・・ふぅむ、それで?」
もう驚かないぞと腰を据える晴蘭。
「まぁねぇ、事情が事情だけに、ここでは話せないもんやから、帰りのホームルームの後、談話室でまた話しましょ!」
「はぁーい!」
「ああ、うん、分かった・・・って、コイツもか?!」
「ええー?! 何なん? 私は仲間はずれ?」
「あはははっ! 飯田さんも一緒にね! 後、愛羅さんも!」
「ふぁい?! 海音の事も知ってんのか?」
「オフコース! うふふ」
「・・・・・・」
ますます怪しい・・・・・・もしかして、真奈美も魔法使いなんじゃ?と言う気がしてきた。
母親の知り合いと聞くだけで、魔法使いの匂いがプンプンするわ!
今日は、始業式の後は授業も午前中で終わる。
帰りのホームルームで俺達は談話室へ集まる事になった。
んで、休憩時間、海音と会った。
••✼••教室前の廊下••✼••
「なぁ、帰りのホーム―ルームで、談話室に集まれって聞いたか?
「おお なんか下和田先生も来る言うとったな」
「うん コッチは、真奈美とチャルも来るって」
「チャル? ああ、千春か 何で?」
千春が以前女子達から、『チャル』と呼ばれていたのを知っていた海音。
「さあ?」
この時、俺達は、なぜ千春が来るのか分からなかった。
千春について分かる事は、過去、俺が小学生の頃、ほんとチビだったから、よく女子よりも背が低い事をからかっていた仲間の1人だった。
だから正直、千春に対しては、あんまに良い印象は無かった。
でも今は、少し違う。
どちらかと言うと、今の俺の方が以前よりも背が低くなっているのに、千春はそんな今の俺の事など何も言わないし、小馬鹿にしたりしない。
逆に「可愛い」なんて言うくらいだ。
だが、そんな千春がなぜ、俺達と一緒に呼ばれたのか。
始業式の日に、たまたま俺と2人で居たからか?
いや、違う。
そんな事など何の理由にもならない。
そう言えば、海音のクラスからは、海音以外に誰も呼ばれなかったのか?
「海音のクラスからは、お前以外に誰か呼ばれたりせんかったんか?」
「ないな 俺1人やな」
「そうか」
「どした?」
「うぅん 別になんもないよ」
「そうか・・・」
そして、また授業が始まる前に、俺はトイレに行こうと思った。
・・・が、あれ?と思った。
俺は、男子トイレに一歩踏み込んでいたのだが、なんとも言いようの無い雰囲気と言うか、感覚と言うか、なんせ身体が自然に止まった。
すると、男子トイレの中で、既に放水中の男子の2人が、只今絶賛作業中の姿勢で俺の視線に気付いて、慌てて象さんを便器に押し込むように身体全体で隠していた。
一瞬、「はて?」と思ったが、後ろから千春に声をかけられて、やっと気付いた。
いや、思い出した。今の俺は、女の子だということに。
「好湾!」
「え?」
「・・・何してんの? そこ、男子トイレ」
「ええ? うん・・・え? はぃやっ!!」
パタパタパタパタッ!
「「・・・・・・」」
慌てて廊下へ飛び出した。
そこへ千春が、耳打ちするように話しかけてくる。
「もしかして、自分が女の子ってこと、忘れてたん?
「あははっ!・・・すまん」
「いやいや、私に謝れても・・・」
「ですよねぇ~」
いかんいかん!
俺はまだまだ、女の子だと自覚が足りないようだ。
そして、女子トイレの個室に入り、用を足し終えると、ナプキンを交換した。
この時、せっかく忘れていたのに、生理中だと思い出し、また痛みと重みと下っ腹の熱湯が溜まってる感に襲われた。
母親によると、俺はまだ始まったばかりで安定していないらしく、今後はもっと辛くなるかも知れないと言う。
嫌だな・・・
「はぁ・・・これが無かったらなぁ」
そう1人呟いた。
そして、今日の授業も終わり、談話室に呼ばれている事をクラスメイトに伝える。
するとクラスメイト達は、なぜか気の毒そうな顔をして、「行ってこい」と俺を送り出してくれた。
あれこれと聞かれる事もなく送り出してくれるのは有難いが、俺は何も悪さなんてしてないぞ?
だからみんな、どうか勘違いしないでくれ!
俺は指導のために、呼ばれたのではないのだ~~~
そして、千春と一緒に談話室の前まで来ると、海音も来ていて、海音のクラスの担任の「下和田先生」に連れられて来た様子だった。
んむ? 何だか海音の様子が・・・
••✼••談話室前••✼••
「お! 海音?」
「晴蘭~~~」
泣きそうな顔して晴蘭に迫る海音。
「はぇ?! どないしたん?! そんな泣きそうな顔して・・・」
「やっ! 可愛い! 金髪碧眼!!」
そんな海音を見て、そう言う千春。
実は海音は、クラスでその見た目から、もみくちゃにされたようだ。
まあそりゃあねえ?
その容姿だもん。モテるよねえ?
「ねえねえ、ご両親はアメリカの人?」
「は? 何ゆってんのチャル? 今それどころと・・・」
「あ、みんな集まってるね! さ、入って!」
いつの間にか後ろに立っていた真奈美。コイツ何者だ?!
「・・・・・・」
いろいろツッコミたいとろこだが、真奈美に急かされて、俺達は談話室へ入った。
そして指示された席に座る。
何だろうな?
談話室のこの暖かみの無い、無機質な感じ。何か嫌だ。
これから尋問とか取り調べを受けるような心境になる。
まさか、「カツ丼」とか出てこないわな?
••✼••談話室内••✼••
パン!
「では、先ずは自己紹介から」
手を叩き、そう言う真奈美。
「は? 何で今更・・・」
「いいから、まあ聞け」
腕を組み睨み付ける様に言う男性教員。
「え?・・・・はい」
海音の担任の下和田先生が言う。
何かその威圧的な感じが嫌だ。
そう言えば、以前海音が女の子になる前、夏休みに入る前だな。
義斗から聞いたことがある。
何でも下和田先生は、今どき珍しく生徒達に恐れられる存在で、あだ名も、「鬼和田」と呼ばれていそうだ。
体育の先生で、生徒指導も兼ねているとか?
見た目も、見事なほどの角刈りで、鉢巻き巻けば「寿司屋の大将」みたいな雰囲気だ。一歩間違えば、ヤクザの幹部の「ヤっさん」みたいなイメージにも見える。(だれ?)
腕を組み、足を広げてふてぶてしく座る。
かつて痛い目に遭わされた事のあるのが、この鬼和田だ。
ココは、大人しく聞いた方が無難か。
「では私から・・・私の名は、古谷 真奈美、セーラちゃんと千春ちゃんの担任です 数学担当やね」
『名前呼びかよ? 何のつもりじゃ?』
「では・・・俺の名は、下和田 浩介、愛羅の担任だ 体育と生徒指導だな」
座った姿勢で後ろへ仰け反る。
嫌か?
俺らと居るのが嫌なのか?
どないかせーよ、その態度!
なんかムカつく。
女装剤あったら、飲ませて女にしてやるのに!
『はい 知ってます』
わざと、そう答える晴蘭。
「えっと、んじゃ私から 飯田 千春です 1年B組です」
「・・・・・・ん? ああ、ほな俺ね、好湾 晴蘭 1年B組」
「1年A組み 愛羅 海音です」
「はい! 自己紹介も終わったし、本題に入ろうかな!」
「・・・・・・」
本題?・・・か。
さて、何を言い出すか、何となく想像はつく。
「実は、私と下和田先生は、魔法使いです」
「「ええ━━━?!」」
驚く海音と千春。
「やっぱしね」
後頭部に手を組み言う晴蘭。
「あれ? セーラちゃんには、分かった?」
なーだか嬉しそうな真奈美。
「まあね! 俺の母親と二十歳からの付き合いやなんてゆーてたら、そりゃあ可能性としては゛大゛やろ」
ほなね。俺の勘は当たった。
だいたい、俺の母親を名前呼びする時点で、もう深い付き合いがあると分かるし、なら母親が魔法使いだと、知っていても不思議では無い。
となると、真奈美も魔法使いだと勘ぐるのは必然だろう。
それに、真奈美が自分は魔法使いだと話すこの場に、鬼和田が居るってこたぁ、そりゃーアンタも魔法使いでしょーねぇー?
でなきゃ、魔法使いが人前で「魔法使いです」と公言しませんもんねぇ?!
「はあっ! なんすかそれ?!」
真奈美が魔法使いだと知らなかった海音。
「へえ~ やっぱし真奈美ちゃんも魔法使いやったんやあ?」
そう言う千春。
「「んんっ?!」」
千春の発言に驚く晴蘭と海音。
「ふっ・・・」
声なく頷く鬼和田。
何だとぉ━━━?!
真奈美が魔法使いだというのは察しが付いた。
でも、千春ぅ━━━! お前が、真奈美が魔法使いだと分かってたのは、どーゆー事やー?!
まさか、注意お前も魔法使いなのでは?
この予想は当たることになる。
千春のステータス
⚫===========⚫
o,+:。☆.*・+。o,+:。☆.*・+。o
・⋯━☞STATUS☜━⋯・
o,+:。☆.*・+。o,+:。☆.*・+。o
名前 飯田 千春
性別 女
年齢 13
種族 女性魔法使い
職業 魔法少女
・⋯━━☆★☆━━⋯・
HP 118
MP 35
STR 3
ATK 4
DEF 3
INT 8
SPD 4
EXP 689
・⋯━━☆★☆━━⋯・
称号
【紀州真性百合っ娘】
・⋯━━☆★☆━━⋯・
資格
【セーラちゃんファンクラブNO.1】
o,+:。☆.*・+。o,+:。☆.*・+。o
⚫===========⚫
それに、鬼和田ぁー!!
横で、まるで人を小馬鹿にしたように目を瞑って、「ふっ」って何じゃ?! 「ふっ」ってー?! あ゛あ゛ーん?
ってゆーか、まさかアンタみたいな寿司屋の大将みたいなのが、魔法使いとはなぁ?!
悪徳マルチ商法幹部の間違いちゃうんかえ?
んで、海音! お前も知ってたんなら言えや!
鬼和田のステータス
⚫===========⚫
□■□■□■□■□■□■□
・⋯━☞STATUS☜━⋯・
□■□■□■□■□■□■□
名前 下和田 浩介
性別 男
年齢 186
種族 男性魔法使い
職業 体力バカ魔術師
・⋯━━☆★☆━━⋯・
HP 2009
MP 22
STR 48
ATK 39
DEF 35
INT 13
SPD 19
EXP 1687094
・⋯━━☆★☆━━⋯・
称号
【慢性厨二病】
【ガキ大将】
【鬼瓦面相】
・⋯━━☆★☆━━⋯・
資格
【男性教員普通免許】
【普通自動車】
【普通自動二輪】
【原付】
【飛行魔道具】
□■□■□■□■□■□■□
⚫===========⚫
真奈美のステータス
⚫===========⚫
꙳✧˖°⌖꙳✧˖°⌖꙳✧˖°⌖꙳✧˖°⌖꙳✧˖
・⋯━☞STATUS☜━⋯・
꙳✧˖°⌖꙳✧˖°⌖꙳✧˖°⌖꙳✧˖°⌖꙳✧˖
名前 古谷 真奈美
性別 女
年齢 388
種族 女性魔法使い
職業 回復系魔術師
・⋯━━☆★☆━━⋯・
HP 989
MP 27
STR 19
ATK 14
DEF 15
INT 24
SPD 13
EXP 3598448
・⋯━━☆★☆━━⋯・
称号
【ゆるキャラ系女子】
・⋯━━☆★☆━━⋯・
資格
【女性教員普通免許】
【普通自動車ATM限定】
【原付】
【飛行魔道具】
꙳✧˖°⌖꙳✧˖°⌖꙳✧˖°⌖꙳✧˖°⌖꙳✧
⚫===========⚫
「へっ、へぇ~真奈美はともかく、鬼和田も魔法使いとはねぇ?」
「ん? 何や? 俺が魔法使いなのがそんなに変か? ってーか、俺に面と向かって゛鬼和田゛って呼ぶ奴はお前が初めてやな! うわっはっはっはっは!」
「「?!」」
「あ゛あ゛ーもぉーうるさいっ!!」
耳を押えて制する晴蘭。
「そーですよ! 下和田センセ!」
晴蘭に乗っかり、鬼和田を注意する千春。
「おっ?! すまんすまん」
苦笑しながらも謝る鬼和田。
「人に聞かれてはマズいんでしょ? もう少し、声を抑えてください」
更に乗っかる真奈美。
「ふはは すみません」
意外にも縮こまる鬼和田。
「「「・・・?」」」
鬼和田の意外な一面を見た晴蘭と海音と千春。
あれれ? 鬼和田、アンタらしくないな?
真奈美に制するよう言われただけで、両手を足の間に挟んで、縮こまっちゃってからに。
ふふん! アンタらデキてるな? うん?
まあ、ココでは触れないでおこう。
何時か鬼和田とやり合う事があれば、その時に切り札として使わせてもらおう。
俺と海音と千春は目を合わせて、クスッとほくそ笑んだ。
なにせ、俺は鬼和田には少々恨みがあるのだよ。
まあ、本気で恨んではいないが。
夏休み前、授業が始まってるのに、校庭でサッサーやってたら、鬼和田に捕まって、ハードルの板で思い切り尻を叩かれたからな!
『だが、この世界の男子だった頃の大晴には、そんな事象など無かった。つまり、鬼和田にやられたという記憶は、別の世界パラレルワールドから来た大晴の記憶だったのだ。』
「あ、そうそう! 私も魔法使いやから!」
唐突に告る千春。
「「ええ━━━?!」」
驚く晴蘭と海音。
「チャルも? 晴蘭、知ってた?」
「んやあ? し、知らんかった」
「ふふん!」
得意げな千春。
「「ほぉ~~~」」
なるほど~という表情の真奈美と鬼和田。
ビックリ!! まさか、千春も魔法使いだったとは?!
ってか、今ココに居るって事は、そりゃあそーでしょーよぉー!
魔法使いでなきゃ、出来ない話をしてるんですから~
やっぱし俺の予想は当たってたんね!
我ながら、気付くの、おっそ!!
「はい! そこでですねぇ、先ずは確認ですが、私達は魔管保省に加盟していない、野良の魔法使い、いわゆる通称゛ノマ゛です。ね?」
「ん?」
初耳の晴蘭。
「「はい」」
知ってた海音と千春。
「そうですね」
当然!って顔の鬼和田。
「ん? んん? ねって? なに?」
何のことか訳ワカメな晴蘭。
はい?! 何の事?
思わず、バカみたいにキョロキョロしてしまった。
野良の魔法使いで、通称「ノマ」?! 「々」じゃなくて?
それ、初耳なんですけどぉ!!
でもみんな知ってたみたいな反応?
あれれ?
これはいったい、どーゆーこと?
オラ知らねーよ?
『また一つ、晴蘭の知らない事象が明らかに。この世界と、晴蘭がやって来たパラレルワールドとは、まだまだ違う何かがありそうだ。もちろん晴蘭は、自分がパラレルワールドから来たなどとは知る由もない。』
「・・・なので、私達ノラ同士、できる限り協力し合わなければ、生き残る事は難しいです」
「「「はい」」」
「ふんっ?!」
おいおいおいっ!!
何だか穏やかじゃないな?!
エラい物騒な事言い出したぞ?
生き残れない? 生きて行けない?
はあい?! 何それヤダ怖い!
魔管保省ってば、いったいどんな機関なの?!
何も悪い事なんかしていないのに、捕まっちゃう~みたいに怖くなってきた!
「魔女魔法使い管理保護法務省」
魔女魔法使い管理保護法務省、通称「魔管保省」とは、魔女、魔法使い、そして魔法に携わる人達を管理、監視、取り締まる代わりに、問題や事故が起きた場合には、行政とは一切を隔離され、事の事後処理を行い保護するという機関。
だが、魔管保省の保護下に入りたいのなら、それなりの税を収める事になるらしい。
しかも、かなりの額とか?
そればかりか、魔管保省に加盟する魔法使い達が作った魔法薬や魔導具は皆、魔管保省が接収し、またそれらは全てが魔管保省に著作権があり、作者の魔法使いには、自由に使う事も売る事も所持する事すらも出来ない、また自分で使う権利すら無いときた。そして作者には、利益のたった1割しか与えないんだとか。
無理無理無理! 絶対に無理!
何その「お前の物は俺の物少年」みたいなの!?
あまつさえ、税金まで取るぅ?!
横暴にも程があるやろ!
アホちゃう? 誰が入るか!!
そりゃあ、軽トラック1台分の収納機能のある空間拡張魔法鞄1個売れりゃあ、「土地付き一戸建て」が買えるくらい儲かるんだから、魔管保省は笑いが止まらないでしょ。
絶対、むーりーきょひー!
ってゆーか、俺にはキャパ超えたお話だわ。とにかく加盟すると損をすると理解した!
「・・・と言う訳で、私達は、ノマとして協力し合う事を前提に話を進めさせて頂きます!」
「「「はい」」」
「うぃ~~~??? 何か難い! マコンポショーとか、なんちゃらかんちゃらって、ワケワカメ???」
「まかんぽしょう ね!」
人差し指立ててウインクの千春。
「うう~~~む・・・」
キュキュ キュキュー・・・・
ホワイトボードに漢字とふりがなを書く真奈美。
「魔女魔法使い管理保護法務省ね! 略して、魔管保省!」
「まじょまほーつかいかんぽまこん保護のホーム?」
指差しながら読むが、漢字が苦手なので、たとえ読める漢字でも、ふりがなを読む癖がついている晴蘭。
「漢字読め! 漢字!!」
呆れた顔して言う海音。
「ぷっ」
横を向き吹き出す千春。
「くくくく」
腕と足を組み、横目で不敵な笑みで笑う鬼和田。
「うん! まだ解ってないみたいやね! 早い話が、魔管保省に加盟しない代わりに、私らノマ同士仲良く助け合いましょう!って事よ!」
「ああ~は~ん! なら、そうならそーと、ゆってよ!」
「「「ぷぷぷっ・・・」」」
「・・・何なんお前ら? あ゛あ゛ん? 今、俺の事、脳みそタランチュラって、思ったやろ?」
「「「「ふふふふ・・・・・・」」」」
「いやぁ~~~! もぉ~~~!! 仮に肯定するにしても、何かゆってぇ!!」
「「「きゃはははははは!」」」
「うわっはっはっはっ!!」
「ホンマに、小っちゃくておバカなセーラちゃん可愛い♡」
「・・・・・・くっ殺せ!」
なんか、前途多難ですわ。
もし、魔法使いになっても、魔管省みたいなのに縛られて、不自由で奴隷みたいな暮らしは嫌ですね。
自分で設定していて、嫌になりました。




