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騎士魔法剣(ナイトマジックソード) 第1話「英雄」

どうも古河 大河です。今回は騎士系の小説を作ろうと思い作らせていただきました

これからずっと書いていこうと思います


何卒宜しくお願い致します

 2200年、アビシルト王国の都市、フルアベの街に敵の集団が襲撃してきた。襲撃してきた敵の集団はアビシルト王国の敵対国であるギリキア帝国。アビシルト王国の王ファーマー・アビシルトは騎士団の派遣を命じた


 建物が破壊され、空は暗雲に包まれて敵国の兵士たちがどんどんアビシルト王国を攻め込んでくる。道の大通りの真ん中に座っている男の子の元に敵国の集団の一人の男が近づいた

「どうしたの?ここで」

 その男は子供に手を差し伸べる。しかしその手は真っ赤に染まり顔は怪しい笑顔を浮かべていた。子供は恐怖と不安で何もしゃべらずその人物から逃げ出した

「おや…どこにいくんだい?」

 男は腰から両刃の剣を取り出す

身体(しんたい)魔法:(そく)

 男が魔法を唱えると男の両足が緑色のオーラを纏った。そして子供に一瞬で近づき子供の手を掴んだ

「どうして逃げるんだい?」

 子供はまったく何もしゃべらない。何もしゃべらない子供に少し腹を立てたのか剣を握り直す

「しょうがないからお父さんたちと同じところに行かせてあげるよ」

 男は両刃の剣を上にあげた

「じゃあね♪」

 男は剣を振り下ろす。子供が目をつむって迫りくる死から目をそらそうとする。しかし剣は無情にも子供の体を切り刻む…前に何者かが振るった剣に弾かれた

「ピュー。とんだ人数だな」

 子供を守った男は白い服を着て背中は青いマントがたなびいていた

「何者だ?」

「俺はクリムゾン・アベル。アビシルト王国第3騎士団副団長さ」

「騎士団…副団長」

 クリムゾン・アベルと名乗る男の位を聞くと敵国の男は冷や汗を流した

「ははっ…こいつを殺れば…」

 敵国の男はボソッと何かをつぶやく。クリムゾンは耳に手を当て男を見る

「もう少し大きな声で話してくれないか?」

「お前を殺れば…俺の階級がもっと上がるって言ったんだよ!身体魔法:(ざん)

 敵国の男が魔法を唱えると持っていた剣に紫色のオーラが纏われる

「習得魔法。その中の身体魔法か。そっちが魔法でドーピングするなら…こちらはすっぴんで相手しよう」

 クリムゾンは剣を持ち直し敵国の男に向ける

「は!バカか。身体魔法を使った相手に素で戦おうなんて」

「いや…お前の力なら魔法を使わずともお前を倒せるから使わないんだよ」

 クリムゾンは大きく剣を振る。その風圧で周りの瓦礫が飛ぶ

(嘘だろ。身体魔法を使わずに、あの風圧!)

 敵国の男はクリムゾンに一瞬で近づく

斬塁(ざんるい)卿制(きょうせい)!」

 敵国の男はクリムゾンに向けて斬りかかる。身体魔法によってクリムゾンと同等の風圧を放ち土煙が周りを包む

()った)

 敵国の男は手ごたえを感じて笑みを浮かべる。剣を鞘に納めようとするとある違和感に気づく

「剣に血が…ついていない?」

 違和感に気づいた瞬間、クリムゾンが土煙から現れた

「いやー速いね。だが…」

 クリムゾンは剣を男を斬りながら上に振りかざされる。敵国の男の腹から肩にかけて大きな切り傷ができて血があふれる

「だが、速さだけだ。力は全く強くない」

 敵国の男は血を流しながら前に倒れうつ伏せになり動かなくなった。すでに息はない

「ふぅ…」

 クリムゾンは一度深呼吸をしつつ剣についた血を払った。剣を鞘に納めずっとそばで見ていた子供の方を見る。両足をかがみ、子供と目線を合わせる

「大丈夫か?」

「………」

 子供は先程の男と違いクリムゾン副団長から恐怖を感じなかった

「まあ怖いよな。大丈夫、俺は味方だ。さっきも言ったが第3騎士団さ」

 クリムゾンがつけていた手袋を外し手を差し伸べる。子供はじっとクリムゾンの手を見る

(ボロボロな手…ずっと戦ってたの?)

 子供はクリムゾンの手に怯えながらそっと触れる

「!ハハッ。かわいいな、お前」

 クリムゾンは子供の手を握り、とびきりの笑顔を見せた。するとクリムゾンの部下である第3騎士団の騎士たちがやってきた

「副団長!」

「こいつを頼む」

 クリムゾンは子供を騎士団に預ける

「この子は?」

「知らん子だ。この子を安全なところへ」

「はい。しかしこれからどこに行きましょう?」

「俺は…敵国に行ってくる」

 クリムゾンは笑顔で騎士たちにそう伝えすぐに消えた

「…え?」

 騎士たちも困惑してしばらく固まっていた


 あれから10年後、青い空と浮かぶ白い雲。空が快晴の中、全騎士団が王宮に集められた

「よくぞ参った。全騎士団よ」

「「「「「ハッ!」」」」」

 騎士団の団長、副団長たちが王の前に出て片膝をつき右手を左胸につけて王に目を向ける。第1騎士団の団長が笑顔で王に挨拶をする

「本日もお元気で何よりでございます。アビシルト王」

「ああ。第1騎士団よ。そなたたちは街の平和をよく守っていると聞くぞ。小さな小競り合いから大きな犯罪行為の対処もやってくれているそうだな。感謝する」

「もったいないお言葉」

 第1騎士団の団長は目を閉じ笑顔で答える。アビシルト王は第2騎士団の方を見る

「第2騎士団よ。そなたたちは敵国の調査に貢献していると聞くぞ」

「はい。我々の騎士団では隠密魔法を使えるものが多いためです」

「その魔法をとことん活用するとよい」

「ハッ!」

 第2騎士団の団長は真剣な眼差しで王に誓う。王は第3騎士団に目を向ける

「第3騎士団よ。そなたたちは我々に仇名すギリキア帝国と停戦の契りを結んだ功績が今も生きておるぞ」

 現第3騎士団団長であるクリムゾン団長は笑顔でアビシルト王に頭を下げる

「現在もその契りは両国守っています。このまま平和を保っていきます」

「おお、そのいきだ。この国の平和はそなたたちにかかっておるぞ」

「胸に刻んでおきます」

 クリムゾン団長は頭を下げる

「そして第4騎士団。そなたたちはどうしているんだ?他4騎士団に比べ功績を聞いておらんが?」

「あなた様の耳に入らなくても致し方ありません。なぜなら我々は後世の教育に励んでおりますので」

「おお、そうか。これからの時代、団長らの後継者も強くないといけないからな。よくやった」

「ありがたき幸せ」

 王は第5騎士団に目を向ける

「して第5騎士団。そなたたちの王宮の警備は完璧だ。我も安心して生活できるぞ」

「あなた様が安心してくださったのならよかったです」

 王は全騎士団に目を向ける

「これらの功績を称え全騎士団団長、副団長に『高貴者』の階級を!他全騎士に『栄光者』の称号を与える!これにて授与式を閉式する。下がってよいぞ」

「「「「「ハッ!」」」」」


 騎士団は王宮から退室し、それぞれの宿舎に戻った。騎士団はそれぞれに宿舎が与えられておりそこで生活している

 第3騎士団宿舎にて騎士団団長であるクリムゾン・アベルは副団長であるアビレット・ソウルを呼び出した

「失礼します」

 アビレットはドアを3回ノックし、団長室に入る。クリムゾン団長は椅子に座り腕を組みながら窓から街を見下ろしていた

「よく来てくれた。アビレット」

「はい。僕はどうしてここに呼ばれたのでしょうか?」

「いやなんでもない。昔話とこれからの話をしたかっただけさ。忙しかったか?」

「いえ、大丈夫です」

 アビレットは団長の机の前にあるソファに座る

「いやー…あれから10年か。お前を拾ったときから」

 クリムゾンは10年前のことを思い出していた

「あの時は他の騎士の人も困惑していましたよ。()()()()

 アビレットは笑顔でクリムゾン団長の方を見る

「まあいいじゃないか。あれのおかげでギリキア帝国と停戦の契りを結べたんだ」

「それならいいか、とはなりませんよ。もしそれであなたが死んでいたら…」

 アビレットは心配そうにクリムゾン団長を見る。しかしクリムゾン団長は常に笑顔だった

「まさか。お前は俺の戦闘を間近で見ていただろう。どうして心配になる?」

「うっ…」

 アビレットは黙り込む

「まあ実際あの時は危なかったがな。本当に殺されかけた」

「びっくりしましたよ。血まみれで帰ってきたときは」

「俺としてもびっくりだけどな。あの時ずっとびくびくしていた子供がこんな立派に成長するとは」

 アビレットはそう聞くと照れくさくなり髪を触る

「生得魔法を持っているし、剣技の才能もあると来た。そのセンスを活かせているようでよかったよ。そのセンスで21歳という若さで副団長にまでなるとは…」

「ありがとうございます」

 アビレットは照れくささを持ちつつ目をクリムゾン団長に向ける。クリムゾン団長は真剣な顔で腕を組んでいた。アビレットもその顔を見てすぐに真剣な顔に戻る

「本題に入ろうか」

「はい」

 2人は静かな部屋で顔を見合わせた

「これから始まる…戦争について」

「………」

騎士魔法剣 第1話END

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