謎の部屋
初めまして、虫島光雄と申します。前々から小説を書いてみたい、と思っていましたので、今回この{小説家になろう}にて執筆活動をしてみたいと思い、小説を投稿しました。とはいえ、文章はおろか読書感想文すらもろくなものが書けない身でして、誤字脱字や文章も所々おかしい部分が多々あると思います。気軽に読んでいただければ幸いです。それと、あまり体調も良くはないので今後の小説の投稿もばらつきがあるかと思いますので、何卒よろしくお願いします。
「……う」
あれからどれ程経ったのだろう。えらく長い時間気を失っていたような気がする。吉季はようやく意識が戻り、強い光で周りが見えなかった視界が、少しずつ開けていく。
「ここは…一体?」
周りを見渡すと、そこには見たこともない光景が広がっていた。どこかの建物の中の様だが、まるで古代ローマ時代の柱が何本もあり天井を支えていて。その天井には、アンティークなシャンディアが部屋の明かりを灯している。部屋の奥の方には祭壇があるが誰もおらず、人1人通れそうな入口のような所があるが、そこにはカーテンがかかっており、向こう側は見えない。
「…何なの、ここは何処なの?」
「おい、どうなってんだよ!」
「夢…じゃないのか?」
ふと声のする方へ目を向けると、教室にいたクラスメイト達が床に倒れていた。何人かは既に目を覚ましており、あたりを見て動揺していたり、倒れているクラスメイト達を起こそうと呼びかけたりと様々な行動をとっていた。
(…俺も、皆を起こした方がいいか?)
小林吉季という人物は、普段は他のクラスメイト達とはあまり喋らず、行動を共にすることもかなり少ない。そのため、吉季は周りの倒れているクラスメイト達に話しかけるか思わず迷ってしまう。
(…いや、今は迷っている場合じゃない)
吉季はそう決断すると、とりあえず隣で倒れているクラスの女子を起こそうと声をかける。
「だっ大丈夫ですか?」
「う…ううん」
吉季の呼びかけに答え、倒れていた女子がゆっくりと目を開けた。
「…よ、吉季くん?」
「あ、あぁそうだ」
名前を呼んだクラスメイトの女子、船橋椿はゆっくりと体を起こし、周りを見渡す。
「…ここ、どこ?…一体、何が?」
「…さあ、俺も分からない。急に強い光に包まれて意識が無くなっていって、気が付いたらここに…」
「…他の皆も、ここに?」
「…うん、多分あの教室にいたクラスメイト全員ここにいるかと思うけど」
「そう…取り敢えず皆を起こそう、吉季くん、手伝ってくれる?」
「…ああ、分かった」
クラスのサブリーダーであり、生徒会役員も務めている椿は対応も早く、立ち上がるとすぐに、まだ倒れている他のクラスメイト達を起こしにかかった。吉季もその行動に応えるように、近くに倒れていた男子に声をかける。
「…大丈夫ですか?」
「…んあぁ」
呼びかけた男子は目を開けると、すぐさま起き上がった。
「うぅ、一体どうなってんだよ。何なんだよここは!」
「…さあ、俺も全く分からない」
「…お前、小林か?」
「え?」
吉季の顔を見るなり、男子はいきなり名前を呼んだ。
「お前、クラスでいつも速く来て窓際で寝ている出席番号13番の小林吉季だろ?」
「…あぁ、そうだけど」
「やっぱり!俺は康介、斎藤康介だ!よろしく」
「よろしく…よく覚えていたな、俺の名前」
クラスメイト達とほとんど話さない吉季は、自分の名前なんてクラスメイトからはほとんど覚えられていないものだとてっきり思っていたが、フルネームでしかも出席番号まで言い当てられ吉季は驚きを隠せなかった。
「へへ、俺は他人の顔や名前を記憶するのは得意なんでな、クラスメイト全員の顔と名前と番号くらい余裕で覚えられる」
「す…すごい」
「それで小林、ここは一体何処なんだ?」
「ッ!」
ふと我に返ったふと我に返った二人は、再び周りを見返して状況を確認する。
「さぁ…何処だか分からない。建物も見たことないし、まるで外国にでもいるような…」
「これ夢じゃないよな?」
そう言うと、康介は自分の頬を思い切り抓った。痛っと康介が叫んだ。どうやら夢ではないらしい。
「…教室で先生が入ってくる時までは覚えているけど、それ以降はさっぱり…」
「先生いえば、なんか変な事してたよな?ほら、黒板に変なの書いてて」
「⁉そうだ、たしか先生がいきなり黒板に何か模様のようなものを描いていた。それから揺れが起きて強い光が!」
「そういえば先生はどこに―」
康介がいそう言いかけた時、部屋の奥の方から声が響いてきた。
「ようこそ!生徒御一考」
「ッ‼なんだ⁉」
クラスメイト達は声のする方へ目を向ける。そこには、60歳ほどの立派な髭を蓄えた老人が、白いローブのような着物を身につけ、カーテンのかかった入口の前に立っていた。
「我々はあなた方を心から歓迎致します!さあ、どうぞこちらへ!生徒御一考」
突然の出来事にクラスメイト達は動揺していた。
「誰だ、アンタは!」
「ここは一体何処なんだ!」
「何がどうなんてるんです⁉説明してください!」
クラスメイト達が騒ぎ始めると、老人の奥からもう一人誰かが出てきた。
「おい君達、落ち着け!事情は後で話す」
その声には聴き覚えがあった。
「…先生⁉」
奥から出てきたのは、老人と同じく白いローブのようなものを身に着け、大きな杖を携えている、クラス担任の朝霧美津子先生だった。
私の小説作品を読んでいただき誠にありがとうございます。恥ずかしい話、執筆活動はど素人でして、思っていた設定やストーリーが頭の中にあっても、それを文章にするというのは、なかなか難しいものだと感じております。よろしければ感想やレビューなどもしていただけるととてもありがたいです。辛口評価でも全く構いません。今後の執筆活動の参考にさせていただきます。よろしくお願いします。