第075話 ルイ・コクトー
第二部も、残り4話となりました。
つきましては、後書きに重要な告知がありますので、ご一読していただけると助かります。
出血で意識が薄れてゆく。
「――だめだ。拡大して見ると断面の組織が押し切られて潰れてる。これじゃ綺麗に縫えない」
「どうするの?」
「超振動糸で少しだけ足を輪切りにして、綺麗な断面を出す。ちょっとだけ足が短くなるけど、仕方ない」
やめてほしいな。と思った。
「両足ともでよかったな。長さが揃う」
そういう問題じゃない。
意識が薄れてゆく……。
◇ ◇ ◇
「――ルシェ、血圧が下がってきた」
「輸液する」
「なんで自分の目に入れるの?」
「塩かげんを確認してる。人間の浸透圧より高かったり低かったりすれば、目が痛くなるはずだから」
「そんなの、本当に血管に入れちゃっていいの? 空気から取り出した水だよ? ゴミ入ってるよ」
やめて……そんなの入れないで。
「ゴミなんて遠心分離にかければ取り除ける。終わったら、まだ手を付けてない左足の一番太い静脈から流し込んで。断面は少しくらい傷んでもいい。どうせ短かくする部分だ」
気が遠くなってきた――。
「血じゃなくて本当にいいの?」
「血液は煮沸消毒できない。殺菌しない生のママの血液を入れたら、どんな影響が出るかわからない。今は多分、生理食塩水のほうが安全だ。血液が機能を果たさ――――出血したら検討する。今の段階では―――――リスクが―――」
だめだ―――意識が――――。
◇ ◇ ◇
「これ――――くっつくのかな?」
「分からない。断面が癒合―――――――、―――――――炎症を起こしたら、繋が―――――ない」
「でも、神経―――――、足が――――――」
「――――――――謝―――」
「――――死ぬって―――――――」
「分からな―――、感染――熱―――――、死―――」
やめて………。
死にたくない……。
◇ ◇ ◇
私は、死にたいと思っていたんじゃないの?
でも、死に瀕した今、私はたしかに死にたくないと思っている。
生命に刻み込まれた生存本能が、呪いのように死を拒む。
責任を自らに課し、ヴァラデウムにいるのは、楽しかった。
義務感とともに、引き締まるような張りのある生活をするのが、私には向いていた。
怠惰は嫌いだった。怠惰を愛し、堕落した生活を送る人ほど、先に死んでいったから……。
定命の人々が死を厭うように、私は怠惰を厭っていた。
歩くことが好きだった。いつまでも老いない姿を不審がられると、私はヴァラデウムを出て旅をした。
他の研究拠点を巡ったり、巡らなかったりしながら、世界中をぶらぶらと歩いた。
この街道の先には、どんな美しい景色があるのだろう。この山の稜線の向こうには、どんな光景が広がっているのだろう。
そんなことを想像しながら、毎日新しい風景を見るのが好きだった。私は旅を愛していた。
だけど、それも次第に上手くいかなくなった。
見たことのない風景が、どこにもなくなってきたから。
どんな素晴らしい景色も、二度、三度と足を運ぶたび、感動が色褪せていった。
既視感という退屈が、真綿で首を絞めるように、私を殺そうとする。
何十回も、この世界を巡った。年月とともに少しずつ変わってゆく風景、街の有様。新しい建物。訪れる度に起こる些細な変化を、間違い探しのように楽しんだ。それは、努力が必要な幸せ探しのようで――。
私が死んだら、お母さんは悲しむだろうか……。
あの少年、ルシェくんの技、お母さんに教えてあげたい。きっと、びっくりするだろう。
お母さんの退屈も、少しは紛れるかもしれない。私たちにとっては、それがなによりの贈り物なのだ。
あぁ……それにしても。
歩けなくなるのは、嫌だな。
◇ ◇ ◇
ぱちり、と目を覚ました。
見慣れない天井。
みじろぎすると、
「あ、起きた」
と、女性の声がした。
「あなたは、ベレッタさん?」
初対面だったが、ルシェ・ネルの身辺調査の過程で、彼女のことは何度も見た。
「そう。ここは私の家。借家だけどね」
「それは……なんというか、ご迷惑をおかけしました」
「いいのいいの。それより、足の調子はどう?」
意識を向けると、足は包帯に石膏を染み込ませた固定具で固められており、動かないようだった。
「指先は動く?」
動かしてみると、ぴくぴくと動いた。足首も動くし、ふくらはぎの筋肉にも力が入る。
「はい」
「ならよかった。神経は特別な接着法でくっつけたから、最初にそれを聞いてって言われてたんだ」
「そうですか」
「あなたの両脚が取れてから、今日で四日経つよ。血行は良好で、壊死している筋肉もないって。安心して」
「良かった……」
私は自分の足を撫でた。
自分でも驚くほど、安心感があった。
「ルシェさんは?」
「朝まで、あなたの体に異常がないか診てた。今は禁書の閲覧に出かけてる」
「そうなんですか」
禁書の閲覧……ルシェ・ネルが求めているセプリグス・サイゼンタの研究内容は、私も知らなかった。
五十年間の研究旅行に出ている間に完成されてしまい、帰ってきたときには、研究は既に書庫に収められてしまっていたのだ。
私は、長い間ヴァラデウムの研究を監視し、危険だと判断した研究を破壊してきた。
彼らはそのたびに対策を練り、現在では視覚障がい者を用いた、私でもおいそれと手を出せない強固な防衛システムを構築している。
現在に至るまで十三個あった禁書研究のうち、私が知っているのは九個までだった。
「それで……あなたは、ルシェのなんなのかな?」
ベレッタという魔族の少女は、うすく笑みを浮かべながら言った。
「えっと……どういう意味でしょう?」
彼は、なにがあったか説明していないのだろうか。
「あなたが浮気相手?」
う、うわき?
なにを疑われているのだ。
「いいえ、違います。私はルシェさんとそういう関係になったことはありません」
「あっ、そう」
ベレッタはなおも疑いのまなざしを向けている。
「私たちに、そういう感覚はありませんから」
「ああ、神族なんだもんね」
それは聞いているのか。
「ええ。長い年月の間に、様々な感覚が摩滅してしまいました。恋愛感情もその一つです」
「そうなんだ。それじゃ……ちょっと、つまらないね」
ベレッタを見た。疑いは晴れたのか、清々したような顔をしている。
その表情を見た瞬間、この女の子のことが、心底羨ましくなった。
この子は、きっとルシェ・ネルに恋をしているのだろう。恋する感情に振り回され、嫉妬をし、一挙一動にやきもきさせられる。
きっと、私の一年に値する感動を、彼女は一日で感じているのだろう。
まるで花畑の中にいるような、華やかで色とりどりの色彩のなかで、毎日を生きているのだろう。
それに比べれば、私の日々は、退屈な灰色一色の絵画のようなものだ。
「ええ、本当に……」
「まー、せっかく苦労して繋げたんだから、長生きしてよね。手術に二十時間もかかったんだから」
二十時間……。
「それにしても、ばかだよねぇ。くっつけるつもりなら、どうして切っちゃったの?って聞いたらさ。真顔で、また生えてくると思ってた、だってさ。生えてくるわけないじゃんねぇ」
「ふふっ」
「あははっ、思わず手術中に、馬鹿なんじゃないの!? ってツッコんじゃったよ」
「そうですね。一体、なんで彼は信じたのか……」
そんなことあり得るわけがないのに、彼はあっさりと信じた上、それだけは最後までまるで疑っていないようだった。
なぜなのだろう。時折いる無教養者のように、神族を不老なだけでなく、不死な存在だと思い込んでいたのだろうか。
いや……彼ほどの者がそんな勘違いをしているわけがない。そもそも不滅の意味での不老不死だと思いこんでいたのであれば、戦いを受けたりはしなかっただろう。文字通り、死なないのだから勝ち目もない。
「あ、足なんだけどさ、1センチくらい短くなったって」
「……そうなんですか。まあ、仕方ありませんね」
1センチか……もともと身長が低いのがコンプレックスだったから、ちょっとだけ嫌な気分だ。
「それにしても、私も神族の武器一つ持ってるんだけどさぁ」
ベレッタは、腰のポーチから白い陶器のような棒を取り出した。
古いタイプの一式防盾展開棒だ。戦争で空中機雷が多用されるようになってから、機雷を空気圧でなく力場で跳ね除けながら戦うために作られた。これは、それに加えて光を曲げる機能が付け加えられた最初のタイプだ。かつての戦場では、大勢の兵士や傭兵が、これをお守りのように片手に持って戦った。
「キェルのその服、すごいね。心拍が弱まったら勝手にマッサージ始めるし。びっくりしちゃった」
そんな機能があったのか。
心停止しても安心だ。
「ええ、母が……作ってくれたんです。外でなにがあっても無事でいられるように」
「ふーん。愛されてるんだね」
「本当に。死んでも構わなかったんですが、やはりルシェくんの言う通り、私が死んだら母は悲しみますね……」
「うん。母親は大事にしたほうがいいよ。私が言えたことじゃないけど」
そういえば、この魔族の少女は、なぜこんな場所にいるのだろう。現在は魔王期にあたるはずだから、普通の魔族は魔王に臣従しているはず……。
魔力の目で彼女をつぶさに観察すると、案の定だった。
死者を操る呪われた種族だ。兄が産んだ呪いは、未だにこの世界に息づいている……。
彼女は、一体どんな人生を送ってきたのだろう。生い立ちを少し想像しただけで、悲しく、暗い気持ちに包まれた。
それ以前に、だとすると、彼女はルシェくんを……。
ああ、なんということだろう……。
「……すみません」
思わず、口をついて謝罪の言葉が出ていた。
「なんで謝るの?」
彼女は、不思議そうに聞き返してきた。
「いえ……なんとなく、謝らないといけない気がして」
私がそう言葉を濁すと、彼女は怪訝そうに私を見ていたが、やがて気にしても仕方がないと思ったのか、目線を別のところに向けた。
「それよりさ、そろそろ着替えたくない?」
「着替え? あっ、そういえば」
戦闘服を着たままだ。
えっと……さっき、四日経ったって言ってたはずだ。
その間ずっと着っぱなし……やだ、臭いが気になる。
「ルシェが、容態が急変しても自動でなんとかしてくれるかもしれないって、着させたままでいたんだけど……四日も経って病態も安定したし、さすがにもう着替えていいんじゃないかな。私の寝間着でいいなら持ってこようか?」
「はい。それじゃ、すみませんが、お願いしてもいいですか」
「いいよ。それじゃ――」
カンカンッ、と玄関のドアノッカーが叩かれる音がした。
「お願いしてた宅配だ。じゃ、ついでに体拭くのも持ってくるね」
「はい」
ベレッタは椅子から立ち上がると、部屋を出ていった。
部屋に静寂が満ち、私はやることもなく外を眺めた。
そして、数分も経たないうちに戻ってきた彼女は、一人の男性を伴っていた。
「コクトー」
知った顔だった。
「なんとか無事なようだな」
「うん。大丈夫」
「本当に知り合いだったんだ」
後ろからベレッタが入ってくる。
隠し武器でも潜ませているのか、腰に手を添えて油断なくコクトーのことを警戒している。不審者の一人くらい、部屋に上げても簡単に制圧できる自信があるのだろう。
「世話になったな。彼女は、おれが連れてゆく」
「――んん?」
ベレッタは不愉快そうに口端を歪めた。
「なーに言ってるのかな? 見舞いに来たんじゃないの?」
「身内を連れて帰るのに、なにか問題があるのか?」
今度はコクトーが険しい顔になった。
「あるに決まってるでしょ。彼女、両脚を切断されたのをくっつけたばかりなんだよ」
「両脚を――切断だと?」
コクトーは私の足を見た。
いけない。ここは弁明しておいたほうがいいだろう。
「そうなの。でも、安心して。神経も筋肉も血管も、きちんとくっついてるみたいだから」
私は努めて元気そうな笑顔を作り、そう言った。
「そんな手術、今の世界で一体誰ができると――」
「私の彼氏」
ベレッタが言った。やはり二人は交際していたようだ。
でなかったら、両脚を切断された女を突然家に担ぎ込んだりはしないか。
「わかった? 今の彼女の両脚は、糸と骨でくっついてるだけなの。少なくとも一ヶ月は絶対安静。移動なんてさせられない」
「問題ない。固定具も持ってきた」
「あのねえ、そういう話じゃないの。固定したところで、腿の筋肉が動いたり体重がかかっただけで剥がれちゃうんだから」
「安心してくれ。俺には専門知識がある。門外漢が無茶を言っているわけじゃない」
コクトーがいうからには、そうなのだろう。
彼は医者ではないが、軍医というか……こういった外傷については、正しい対処法を知っているはずだ。
「させられない。勝手なことをしないで。せめて主治医が来るのを待って、彼と相談してから決めなさい」
「……その主治医は、一時間以内に来るのか?」
「一時間……は難しいと思うけど、夕方には帰ってくるよ」
待ちに待った禁書を閲覧しているのだ。
まだ昼前。帰ってくるはずがない。
「悪いが――レイチェルが気が気でない様子でな。半日も待っていたら死を選ぶかもしれん。待っていられない」
……相変わらずの心配性だ。
「我々の拠点には、治癒促進槽がある。そちらに移したほうが圧倒的に回復も早いのだ。納得してくれないか」
「だめ。彼女の主治医は私じゃないから。私に決める資格はないし、判断できる知識もない。大人しく、夕方まで待ちなさい」
「……どうしても納得してもらえないようだな。仕方ない」
コクトーはいきなり、ベレッタの胸ぐらを掴んだ。
乱暴を制止する声を出す暇もなく、ベレッタは即座に反応し、掴んできた右腕を右手で押さえようとした。
しかしその時には、胸ぐらを掴んでいた手は既に離れていた。
ベレッタは、胸ぐらを掴んだ腕を押さえて引き込み、それと同時に左手でベルトに隠していたナイフを抜き、伸びた腕の脇の下を撫でるように切り裂こうとしたようだ。
しかし押さえようとした手は空振り、脇の下を切り裂こうと伸びたナイフを右手で押さえられると、そのまま手首の関節を極められて床に倒されてしまった。
間髪入れずに、コクトーは腰から柔らかいワイヤーロープを繰り出した。すると、ベレッタのことをあっという間に縛り回して動けなくしてしまった。
「魔王軍に伝わるシス派の近接格闘術だな。よい身のこなしだ」
「………」
両腕両足を縛り上げられたベレッタは、コクトーを睨みあげながら、何も言わなかった。
「……コクトー。私が世話になった人に、暴力を振るうなんて」
「先に刃物を出させた方が安全なんだ」
コクトーはベレッタの立ち振舞いや武装から、習った流派を類推し、教練によって体に染み付いた癖を利用したのだろう。
こうすればこう動く、と最初から分かっていて胸ぐらを掴み、そこからの動作を誘導したのだ。
「ほら、措置をするぞ」
コクトーは、包帯に石膏を染み込ませた固定具を手早く剥がすと、荷物から樹脂袋で包装された分厚い布のようなものを取り出した。
それを縫ったばかりの傷口に一周巻く。
次に、長細い針の束を取り出し、布の上端と下端に、私のふとももを貫き通すように、ぷすぷすと刺して貫通させていった。特殊な処理を施された魔力物質なのか、痛みはまったくなかった。
最後に魔力を通じさせると、それらは一瞬で硬化し一体となった。
両脚にその処理を施すと、腿の裏側に突き出ている針を払うように折り、コクトーは私の体を抱え上げた。
新しく装着された固定具の部分には、まったく感覚がない。股関節を屈折させても、突っ張るのは撒いた布の上端の部分までで、切断された部分は完全に固定され、上下の筋肉の影響も受けず、まったく動かなくなっているようだった。
「世話になったな。これはせめてもの礼だ。売れば大金になる」
コクトーは、腰帯に差していた剣を鞘ごと引き抜くと、しゃがみこんでベレッタの近くの床に置いた。
すると、ベレッタは目の色を変えてコクトーを見上げ、睨みつけた。
「あんたっ――剣神なの!?」
ベレッタは、コクトーの巷での呼び名を知っていたようだ。
彼は、神族の中でも人界での知名度が最も高い一人である。
「ああ。その名を名乗ったことはないが、どうやらそう呼ばれているらしい」
「待ちなさいよ! この剣は持って帰って! 迷惑なのっ!」
迷惑?
私が頭の中で疑問に思うと、コクトーも同じ感想を抱いたのか、怪訝そうな顔をした。
「巷では、聖剣と呼ばれているものだぞ。必要ないなら高値で売ればいい」
「そういう問題じゃない。お礼なら、別のことでして。ゲオルグ・オーウェインにあげた剣のことを忘れて、彼の弟子とも戦わないで」
試製三式竜刀のことか。
あの若さにしては素晴らしい身のこなしだと思ったが、コクトーが認めるほどの剣士に習ったものらしい。
「懐かしい名だな。彼には弟子ができたのか? まあ、回収しないことは約束しよう。自然に剣名が立つようなら会いに行くが」
「それをやめろっていってんの。会いに行かないで」
「それは約束できない。だが、安心しろ。俺の決闘はすべて同意の下で行われる。当人が拒むようなら、無理に斬り掛かったりはしない。ずっとそれでやっている」
「だから、それじゃ駄目だって言ってるのっ! 彼は拒まないからっ!」
「なら、本人の意に反して、おまえが決闘を拒否せよと言っているのか。なおさら受け容れられんな。決闘とは、剣士二人の間で行うものだ。間に何者かが差し挟まる余地はない。それが親だろうと子だろうと、妻だろうとな」
コクトーは頑なだった。
剣士の一人くらい放っておいてもよさそうなものだが……そこは譲れないのだろう。
今の時代まで生きている神族はみな頑なだ。頑なに拘るものがなければ、現世に生を繋ぎ止めるしがらみにはならない。
……私も同じか。
「なにやら心配をしているようだが、安心しろ。ゲオルグ・オーウェインもそうだったが、俺は敬意に値する相手は殺さないようにしている。もし戦うことがあったとしても、その男が殺されることはない。もし仮に敬意に値しない相手であったとしても、特別に配慮して殺さないでおこう。だから心配をする必要はない」
「そんなの、あんたに手加減する余裕があるからでしょ」
「今まで数えきれないほどの決闘してきたが、俺が手加減できないほどの名手は、二人しかいなかった。心配のし過ぎだ――さあ、悪いが、もう行くぞ。確認するが、この剣は持っていったほうがいいんだな」
「……そうして」
コクトーは剣を拾い、改めて腰に差した。
「ベレッタさん。ごめんなさい。お世話になりました。私の荷物は差し上げます」
ベレッタは私にどのような感情を向けたらいいのか分からないようで、複雑な目で見上げてきた。
「ルシェくんとの約束は果たします。私の人脈の中で、一番詳しい人に話を聞いておくとお伝えください」
「なんのことか分からないけれど、伝えておくわ」
「それでは、失礼します」
私はコクトーに抱えられながら、その場を去った。
Ci-enの先行連載Verでは「竜亡き星のルシェ・ネル」の第二部が完結しました(第79話)
つきましては、来月からもう一つの作品である「亡びの国の征服者」の先行連載を開始します。
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執筆のはげみになります。
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