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自殺しようとしたら同級生に助けられた  作者: ゆめ
自殺しようとしようとしていたら、同級生に助けられ、助けた。
64/66

共犯

「ひーくん、最近元気ない?」


 深夜のコンビニ、陽菜は俺に体を預けて尋ねた。


「別に、そうでもないけれど?」


 俺はさも当然のように答えた。


「嘘だね。元気ないよ。ひーくんは」


 自分が嘘がうまい自覚はあった。けれども陽菜にはそれは通じない。そう思った。

 というよりも俺がそう思っていなくても、陽菜がそういうのならそうなのだろう。


 俺が陽菜の事を陽菜以上に知っているように、陽菜もまた、俺以上に俺の事を知っているのだから。


「なんだかなーって気分」


 俺は素直に不満を漏らした。

 随分と抽象的でぼんやりとした言葉だったけれども、今の気持ちから素直に出た言葉だった。


「そっか。そうなんだね……」


 陽菜は俺の気持ちがわかっているのか、分かっていないのか。

 共感するつもりや慰める気があるのか、それとも、同じ痛覚を共有したいのか。


「なんだか、よくわかんなくなってるんだ」


 それは、おやじの虐待から逃れることが出来たかと思いきや、母が精神病で別の地獄が待っていて、つい昨日だって一緒に死のうと誘われたこと、寝ている間に殺されそうになったこと、今朝母が自殺しようとしていた事。俺の何もかもを、失いそうになっている事。


 そのすべてが俺の心を蝕んで、どうしようもできなくて答えが無くて、ただ苦しむだけの時間が辛い。


「そっか……ねぇ、ひーくん。私と悪いことしない?」


 そう言い陽菜はポケットから何かを取り出した。


 掌に収まる程度の、四角い箱。

 未成年の俺たちが手にすることが出来ないはずのたばこだった。


 陽菜は香水をたまに付けていた。陽菜は香水が嫌いなくせに。


「あ、私は吸ったこと無いよ!親が吸ってるってだけ。これも親のを持ってきたんだ」


 陽菜は俺の心を読んだのか慌てて誤解を解こうとする。

 別に、陽菜がたばこを吸っていたところで嫌いになったりなんてしないのに。


 香水の匂いに紛れて、ときたまに香るたばこの匂い。その正体が分かった。

 陽菜の親は、陽菜のいる場所で当たり前にたばこを吸っているんだ。


「ねぇ、悪い事、しよ?」


 陽菜は俺を誘った。


 俺たちは悪い事をするスリルが癖になっていた。


 あぁ、このドキドキ。


 やっちゃうんだ。


 俺は陽菜からたばことライターを受け取り、口にくわえ、火を付けた。

 短く息を吸って、最初はふかし、そのあともうひとすい。今度は肺まで煙を入れた。


 痛っ!


「ごぼっ!ごほっ!………うーん……びみょー」


 味なんてどうでも良かった。


 今、十四歳の自分がたばこを吸っている、その時間を陽菜と共有して、共犯している。

 それが大事だった。


 俺に続いて陽菜もたばこを口にくわえる。

 俺はライターで陽菜のたばこに火を付けてあげようとしたが、陽菜はそれを拒んだ。


「最初は、こうして付けたいの」


 陽菜は自分の加えたたばこの先端を俺のたばこのホタルの光に付け、吸い込んだ。

 線香花火の合体みたいに光は大きくなって、灰がボロボロ落ちた。

 陽菜は苦しそうにむせながらも、まるで苦い精液を飲むときみたいな顔をしながら俺の火を貰おうとしている。

 陽菜の香りと、臭い煙、キスみたいな温かさは感じないけれどさっきまでのドキドキとはまた違う安心感が俺を包んで、気が付けば俺も息を吸い、陽菜のたばこに火を付けるのを手助けしていた。


「はぁはぁ………また初めて。共有しちゃったね」


 陽菜はたばこが良く似合っていた。



 一週間もしないうちに俺たちはたばこを吸っている優越感や、ドキドキなんて一切感じなくなった。むしろたばこ吸うべきじゃないって思っている。

 でも、煙草を辞める事は無かった。


未成年の喫煙はだめーーーー!!!!


お久しぶりです。4ヶ月ぶりです……

ごめんなさい。さぼっていました。

かくかくしかじかありまして、ただやる気が出たかっただけです。うぅ……

あと2話くらい?は書きだめがあるので、明日明後日はそれを投稿しますね!!

そしたらまた休載……かも。ごめんなさい!!!


やる気出せー!と思ってくださるのでしたら、是非★★★★★と感想、ブックマークをお願いします!

お願いいたします……

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