好きにならないで
俺と陽菜はお互いに依存していた。
お互いのこと以外が全部どうでもよくて、自分のことですら、お互いのためならどうでもよかった。
ある日、母が自殺をした。
母の葬式、俺は出席しなかった。
母の葬式が行われているとき、俺は陽菜を愛することで必死だった。
俺の汚いところも、ひどいところも、陽菜はなんでも受け入れてくれて、包み込んでくれる。
でも、高校に進学するタイミング、というよりも、俺の親権が母から父に移行したことで、俺の引っ越しが決まった。
俺はそのことを陽菜に黙っていた。
中学の卒業式の後、俺と陽菜はいつも通りにお互いを求めあう。
でもその日いつもと違って、陽菜は泣いていた。
「なんで?なんで!?」
陽菜は俺を抱きしめ、泣きながら問う。
「なんで優しくしてくれないの!?やめてって言ってるじゃん!ひーくん!やめてっ!やめてってばぁ!!!!」
その日のセックスは、いつもと違った。
何が違うということはないけれど、明確に何かが違って、何もかもが違った。
嫌がって、泣いて、怖がっている陽菜を無理やり犯して、傷つけて、何度も注ぎ込んで、そして、別れた。
完全に、俺と陽菜の関係は崩壊した。
と、思っていた。
なんの因果なのか、陽菜はまたこうして俺の前に現れた。
佳菜と片瀬さんが帰った、二人の部屋で、陽菜は俺の首に手をまわし、何度も、何度も聞いたその言葉をささやく。
「ひーくん、好きだよ」
この作品が少しでもいいなと思ったら★★★★★と感想ブックマークをよろしくお願いします




