佳菜ちゃんは処女なはず……
陽がでかけてしばらく、陽菜が陽のベッドでごろごろしていると、家のインターホンが鳴った。
「ん?ひーくん。エッチなお姉さんでも呼んだのかなぁ?」
陽菜はとてとてと玄関へと向かい、誰が訪れたのかも確認せず、玄関の扉を開けた。
「陽!あの子誰って……なんでここにいるの?」
すると、そこにいたのは、激おこの佳菜が居た。
エッチなお姉さんなのは正解である。
「なんでって……今日からここに住むから?」
「え?そんなの聞いてないんだけど」
「ひーくんが言ってないからねぇ」
陽菜はあまりにも当然のようにそう言う。
佳菜にとってそれは、自分がとても望んでいることで、そして却下されてしまった事。それをいとも簡単に言っている陽菜に佳菜はムカッとしていた。
「わ、私もここに住んでるんだけど⁉」
※住んでません
「え?そうなのー?じゃあ三人暮らし?」
「いや、あなたはここに住んじゃだめ!」
「えー、なんで?」
「ひ、陽はあたしの物だから!」
「え、ひーくんはあたしのだよ?」
※陽君は陽君のものです。
佳菜は敵意むき出しと言った感じだが、陽菜には余裕がある。
そしてついに、陽菜は佳菜に痛恨の一撃をくらわせる。
「だって私、ひーくんと結婚するんだよ?」
「………え?」
玄関で話しては近所迷惑なので、佳菜を家に招き入れ、二人向き合って話しあう。
「け、結婚するって、どういう事……?」
佳菜は待ちきれないと言った様子で、陽菜に尋ねる。
すると、陽菜は嬉しそうにお腹をさすって言う。
「だってここに……」
「い、いるの⁉」
「ざんねーん、嘘でーす。あなた、反応かわいくておもしろいね」
「っ!からかわないで!」
佳菜はとりあえず一安心。したかに思えた。
「まぁ、でも」
陽菜のその言葉が、佳菜の心を一気に崩壊させる。
「何度も何度もここに注がれちゃったけどねぇ。赤ちゃんができなかったのだってたまたまかもね?」
満足げに、一人過去を思い出しそれに浸るように陽菜は言う。
その言葉を聞いたとたん、佳菜の思考は真っ白になって、切望の奈落に突き落とされる。
さらに追い打ちをかけるように、陽菜は佳菜に言う。
「ひーくんとエッチしてないでしょ?」
佳菜ちゃんは処女なはず……そうあってくれ……
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