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自殺しようとしたら同級生に助けられた  作者: ゆめ
自殺しようとしたら、また同級生に助けられた
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君の家

片瀬ちゃん視点最終回?

文化祭最終日の夜、私は市川君の家に行った。


 インターホンを押すと、最初は一宮君のお父さんが出てきてくれた。


 優しそうな雰囲気の人だ。


 その人は申し訳なさそうにこういった。


「今、あいつは家にいないんだ」


 でも、私の目にはドアの向こうの廊下の奥で、こちらを見ている、傷まみれの市川君が見えていた。


 市川君は、市川君の父にバレないよう、声は出さず、口だけで私にこう伝えた。


『ご め ん ね』


 その眼は、とても暗くて、私は心臓が止まったかのような気持になる。


 市川君のお父さんは笑顔を崩さずに、「気を付けて帰ってね」と言ってくれて、玄関の扉を閉じた。


 扉が閉まる瞬間、私はその場に立ち尽くして、何も言えなかった。


 振り返り、帰路に帰ろうとした瞬間、その声が、その音が、扉の向こうから漏れてくる。


 先ほどまでの優しい雰囲気は嘘だったかのような、悪魔のような市川君のお父さんの怒鳴り声と、殴る音。


 市川君の声は聞こえない。


 その声は、静かな住宅街にはよく響いて、私はやっと気が付いた。


 自傷行為の傷、以前の額の大怪我、時折見せる暗い顔、突然の遅刻や欠席、親にかかわる事をやたらと拒絶すること、体を壊してもやめないバイト、人のご飯を食べず、いつも購買、人を見る時のまぶしそうな、諦めたような顔、嘘の上手い市川くんですら隠せていない、彼に潜む闇。


 すべてが繋がったようだった。


 市川家は壊れている。


 市川君のお父さんの怒鳴り声と、市川君を殴る音は、私の耳にこびりついて離れなかった。


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