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自殺しようとしたら同級生に助けられた  作者: ゆめ
自殺しようとしたら、また同級生に助けられた
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帰宅部あるある


「ひかりってさ、部活には入らないの?」


 放課後、二人並んで帰っていると、佳菜は俺に尋ねてきた。


 高校入学から一カ月が経ち、もうすぐ行われるのは部結成。

 今までは体験入部だった生徒も正式に部員になり、逆に部活に入るのならば、それまでに決めなければならない。


 俺は部活に入る気は全くない。


「入る気はないかな。佳菜は?」


 同じ質問を佳菜に返す。と言っても、こうして一緒に帰っていることから返答は予想できるが。


「私も入る気はないかな。運動苦手だし。文化部も興味ないから」


 そう言えば佳菜は昔からあまり運動が上手では無かった。


 中学は絶対に部活に入らなくてはいけないという謎のルールがあったため、仕方なくバドミントン部に入っていたが、それも得意ではなさそうだった。


「でも帰宅部ってさ、放課後とかちょっと寂しいよね」

「なんで?」

「七限が終わって放課後になった時さ、みんなはこれから部活行こう!って雰囲気なのに、自分だけ何もなしに帰るだけだから、ちょっと空気が違う感じがする」


 部活をしている生徒は、時間が有り余っている帰宅部をうらやましがるものだが、帰宅部にとっては部活動をやっている生徒がうらやましく見える瞬間がある。

 それは部活の話で盛り上がっている瞬間だったり、練習終わりの顧問の悪口大会だったり、帰宅部にとってはどうにもまぶしく見える。


 だからと言って、部活に入るつもりはないけれど。


「それもそうだなぁ。放課後遊びに誘っても部活があるからって断られたり」

「あー。あるある。なんとも言えない寂しさあるよね」


 帰宅部の放課後はさみしいものだったが、こうして佳菜と二人歩いて帰るのはとても楽しい。


 気兼ねしないで話せて、しょうもない事でも笑ってくれるのを見ると、改めて幼馴染に戻れてよかったと思う。


「ひかりってさ、放課後は何してるの?」


 佳菜の何気ない質問に、俺は少し動揺する。

 ほんの僅か、気づかれない程度の硬直の後、何気ない笑顔を作って、俺は答える。


「まぁ、家でようつべ見るかエロ動画見るかな」

「ねぇ、二つ目の方言う必要あった?」

「男子高校生には重要な事なんだよ」


次回タイトル回収です


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