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自殺しようとしたら同級生に助けられた  作者: ゆめ
自殺しようとしたら、また同級生に助けられた
26/66

片瀬さんは天使です


 くらくら、ぐわんぐわん。

 そんな擬音がよく似合うような感覚。


 照りつける太陽が、体力をどんどんと奪っていって、終いにはその場に座り込んでしまう。


 ここは街中、炎天下の下、少年がその場に座り込めば、誰もが熱中症だと思うだろう。


 俺に声をかけてきてくれた人もどうやらそのようで、俺の名前を呼ぶ。


「ひーくん」


 そう呼ばれた気がして、俺は目線を上げた。


 しかしそこにいたのは、俺が思っていた人物ではなく、何度も何度も俺を救ってくれた唯一の人。


「市川君⁉大丈夫⁉救急車呼ぶ⁉」

「片瀬さん……あんたマジ天使だよ……」


 そう言って、俺はその場に倒れた。




「市川君、ホントに大丈夫?」


 夏休み、何度か働いている喫茶店に来店してきてくれたので、片瀬さんに会うのは久しぶりではない。


 しかし今は状況が違う。


 なんとなんと、俺が今いるのは片瀬さんの家だ。


 ことの説明をすると、街中で熱中症で倒れた俺は、たまたま片瀬さんに見つけてもらえた。


 片瀬さんは救急車を呼ぼうとしたが、俺はそれを断固拒否。


 せめてという事で、片瀬さんの親に車で迎えに来てもらい、今は片瀬さんの家で休んでいる。


 片瀬さんの家に来るのは初めてではない。

 自殺しようとした時、片瀬さんを家に送った時以来だ。


 でもその時は玄関までだったので、家の中にあげてもらうのは初めてだ。


「片瀬さんの家って凄く良い匂いするね」

「恥ずかしいから辞めて」


 むすっとした表情で片瀬さんは返すが、相変わらず曽於の目は俺を心配している。


「市川君、大丈夫?」


 すると、リビングの方からスポーツドリンクをもって片瀬さんの母がやってくる。


「はい、もうすっかり元気です。ホントにご迷惑をかけて申し訳ございません。すぐに出ていくので。本当にご迷惑をおかけして、ごめんなさい…」

「大丈夫よ。子供がそんなこと気にしちゃダメ。それに熱中症の子が無理しちゃダメ。親御さんに連絡するから、迎えに来てもらって…」

「それだけは!」


 すこし大きな声で片瀬の母の言葉を遮った。


「それだけは、許してください。自分で返るので、大丈夫です……」


 俺があまりにも食い気味に言うものだから、片瀬さんの母はきょとんとしている。


 そして何となく気まずい空気が流れたところで、片瀬さんが口を開いた。


「ねぇ、市川君、痩せた?」


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