水着
「アイス、美味しいねぇ」
お泊りの日、俺と佳菜は佳菜の家でくつろいでいた。
プールに遊びにいくだとかなんだとか言っていたが、よくよく考えれば俺と佳菜はアウトドア派では無いし、二人きりの時はあまりはしゃいだりはしない。
それに恋人でもない高校生二人がプールに行ったところであまり楽しめる気がしないので、こうして家でゴロゴロしようという話になった。
「いつか海行きたいねぇ」
テレビをぼんやりと見ながら、佳菜はそう言う。
「今から行く?」
「暑いし遠いし日焼けするし海って意外と楽しくないからいいや」
「じゃあなんで言った」
「なんとなーくだよ、海気分を味わってみたいだけ」
何言ってんだかこいつ、と思っていると、佳菜は突然ひらめいたように立ち上がる。
「そうだ!部屋の中を海にしよう!」
十分後。
佳菜は突然、水着に着替えると言い出した。
その訳は家の中でも海やプールの気分を味わいたいかららしい。そんな事をするのなら、諦めて今からでもプールに行けばいいのに、と思いつつも、俺も付き合う事に。
「ねえ、家の中で水着ってなんかすごい恥ずかしいんだけど」
「大丈夫、見る俺もまぁまぁ恥ずかしい」
一旦部屋の外へ出て、水着に着替えてきた佳菜は、部屋のドアに体を隠しながらそう言う。
先ほどから肩に紐がかかっているのを見る限り、スクール水着というオチではないのだろう。
「恥ずかしがってると、余計に出てこれなくなるぞ」
「なんか今になって凄く後悔してるんだもん!てか私だけ不公平だよね!陽も脱いでよ!」
「俺最近太ったから恥ずかしい。・・・・・・お前ほどじゃないけど」
「っ!太ってないもん!」
佳菜は一向にドアに隠れて出てこようとしない。
「大丈夫笑ったりしないから。優しく褒めてあげるから」
「うぅ……ホントに?」
「本当」
「………じゃあ。いくね」
俺の説得に、佳菜は恥ずかしそうにしつつも、ドアの陰から出て、自分の姿を見せてくれた。
「おぉ…」
思わず声が漏れる。
真っ白の肌に、あまりにも目を引きすぎる大きな胸とお尻……じゃなくて、ピンク色の少し子供っぽいビキニは、佳菜の若干大人びている所と好対照でとても似合っている。
正直、面白リアクションを忘れてしまうくらいに佳菜の水着姿は可愛かった。
「ど、どう…?」
沈黙に耐えれなかったのか、もじもじと顔を真っ赤にして恥ずかしそうに俺に尋ねる佳菜。
見入ってしまっていた意識を取り戻し、どこを見て話せばいいのかも分からずに感想を言う。
「うん、すげぇ似合ってる。可愛い」
ありきたりな言葉だけれど、素直な感想だ。
そう伝えると、佳菜は可愛らしく照れる。
………なんだよこの空間。
「でも」
カオスな雰囲気の中、俺の言葉が続く。
「それで海とかプールに行くのはダメ。絶対にナンパされる」
こんな幼馴染が欲しかった
この作品が少しでもいいなと思ったら★★★★★と感想ブックマークをよろしくお願いします




