次はアタシを
「おはよーって、どうしたのそれ⁉」
いつも通りに朝、俺を迎えに来てくれた佳菜は、既に制服に着替え、学校に行く準備をしていた俺を見るなり驚いた顔を浮かべる。
それもそのはず、俺の額には、とても大きな傷ができているから。
もう傷口は塞がりかけていているが、生々しく、少しでも擦ればまた血が流れてきそうだ。
学校で高熱が出てから、夕方に親父に学校まで迎えに来てもらった。
その後数日間熱は下がることなく、俺は寝たきりで学校を休んでいた。
なので佳菜と会うのも久しぶりだ。
「どうしたのその傷⁉」
「いやぁ、熱が出た時に転んじゃってさ、ゴツンしちゃった」
「もー、何やってるの。陽って昔から怪我とか熱が絶えないよねぇ。ほら、絆創膏貼ってあげる」
そう言って、俺を椅子に座らせ、自分で貼ろうと思っていた絆創膏を手に取る。
「これきっと後に残るよ……」
「気にしないよ、男の顔なんてどうでもいいだろ」
「そうは言っても……心配するじゃん。熱の時だって、凄く心配したんだから……辛いなら言ってほしかったよ」
ふと、絆創膏を貼りながら、センチメンタルに佳菜は言う。
佳菜は俺が熱を出したと聞いてから、何度もお見舞いに来てくれようとしていたし、それを断っても、何度もメールをくれた。
少し申し訳ない気持ちになり、思わず言葉が漏れた。
「……ごめん」
「ん、許す。今度は何かあったらちゃんとあたしを頼ってね」
「うん、そうするよ」
それだけ会話を交わして、俺たちは学校へと向かう。
「わぁ、暑いねえ」
家に引きこもっていたこの数日間の間にも、もうだいぶ日本は夏に近づいているみたいで、玄関を出ただけで熱気が押し寄せてきた。
「長袖だからじゃない?着替える?」
俺の格好は長袖のシャツ、この気温なら、半袖シャツでないと暑いだろう。
「いや、面倒だからいいや」
俺はそう言って、学校へと向かい始めた。
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