第13話 喋る!!大福クン
今日、この日ほど前世が日本人で良かったと心の底から
感謝した日はない。
そりゃ、謎がミステリーのサスペンスでファンタジーや
危険はデンジャラスワールドなナ〇トライダーも真っ青
な世界に生まれたのだ。
魔法がある、そうなのか。
ドワーフが存在する、ファンタジーな世界だね。
猿が喋る、そういうことも有るんだろ。
大福餅が喋る、日本人の想像力を舐めるなよ?
こちとら、たい焼きが店のおじさんと喧嘩して海で泳ぎ
最後に食べられる世界にいたんだぞ?
拾い食いしてんじゃねぇよ!
お母さんに落ちてる物は食べちゃダメ!って
教わらなかったのかよ?
喋る大福餅?お前が其所に居るって事は。
「店のおじさんと喧嘩したのか?」
「何を言っているのだ?少年?」
とりあえず、危険なお猿は木に巻き付いていたツタで
ゲームセンターで嵐な少年のポーズで縛り上げる
ついでにお口に猿轡もオマケに付けといた。
結論、喋る大福餅はこのファンタジーな世界にも居ませ
んでした。
声の主は『白い亀さん』でした。
亀甲紋がまだ刻まれていないツルツルの白い甲羅に
手足も白く、黒くクリクリした目が可愛らしい亀さん
でした。
「お前マーシャのペットになれよ」
「少年、何を言っているのだ?」
黒いクリクリした目が純粋に『僕、判りません』と
俺を見上げてコテンと首を傾げていた。
やだ!この子可愛スギル!!
だって、大福餅と同じ大きさナンだもん!!
「先ずは、思い留まってくれた事に感謝する」
俺より少しだけ年上の少年らしい凛とした声である。
「彼のような者でも私には大切な友人なのだ」
友達は選ぼうよ?あれはあんまりだ。
「後に私から沙汰を下す故、その怒りは治めてくれまい
か?」
う〜ん、マーシャの安全の為其所は譲れない。
「アレは危険だ見過ごせない」
俺は妥協するつもりは微塵もない、俺が今此処で甘い
判断を下し、後日マーシャに何か遇ったら俺は自分を赦せない。
「少年の怒りも懸念も十分承知の上で重ねてお願いする
彼の者の赦しを、然る後に充分な礼も致す」
「お前から『沙汰を下す』と言っていたがどうする
積りだったんだ?」
(僕から厳重注意しておきます)何てフザケた事を抜かす
ならその時点でお猿は終わる。
「禁断魔法エスクレイグで彼の者は少年に隷属させる」
禁断魔法?えっ?何それ?かなり恐いですけども!
「少年、驚くのも無理はないが彼の者が赦されるなら
容易いモノだ」
いやいや、魔法ってすげぇな何でも出来んな。
「俺は魔法の事は何も知らないがその魔法は破られる事
は無いのか?」
実は裏技的な方法で簡単に解除出来ます。は困るよ?
「仮にもこの私、四聖序列四位の私『玄武ターブラン』
が掛けるのだ、間違っても解けまいよ」
はぁ?この亀ちゃん今、恐ろしい事抜かさなかった?
四聖?玄武?その単語が導くさきは・・・『ラスボス』
「お前がラスボスかぁぁぁ!!」
俺、絶叫しても良いよね?って言うかもうしてるけど。
「少年、御主は時に解らんことを言うな?」
世にも可愛いラスボスはコテンと首を傾げて俺を見上げ
ていた。