兄と妹の日常会話(んをわ作文)
前作(?)短編
「先輩と後輩の日常会話」
↓
「兄と妹の日常会話」
『朝』
「ん……暑いぃ……右腕が重……ぃ?」
「……をはよぉ?」
「わあ可愛い、なんて言うと思ったか! どうして兄のベッドにいる!」
「ロリコン兄へのプレゼントなのです」
「劣情煽って喰われたいのか!」
「ルパンダイブ見てみたいな」
「り、リクエスト……だと⁉︎ この状況で⁉︎」
「ラッキースケベなら、よゆーで健全……!」
「余裕な訳あるか! アウトだ!」
「許すよ。私が許してあげる。だから、やれ」
「やれ⁉︎ 兄貴が命令されて妹に手ぇ出すの⁉︎」
「モテない兄へのプレゼントなのです」
「めんどくさいな、お前……」
「む、その言葉は聞き捨てならない」
「見ての通り、にぃちゃんは眠いんだ。はよ帰れ」
「まだまだ夜は明けたばかり……ご奉仕するよ?」
「奉仕はいらん」
「……変な兄、いつもだったら即ぎゅーするのに」
「普通の兄が変な兄だよ! そして変な兄が普通だ!」
「ひどい……初めてを兄に捧げたのに……」
「初めてのキスな! 正確に言えば、初めての相手は母さんだけど! あくまでも俺は異性の初めてだ!」
▽
「……のぅ、妹さんや。そろそろ兄も疲れてきた」
「ねぇ、かまって。妹は寂しいのです」
「抜かせ。昨日散々遊んでやっただろ」
「にぃちゃん……激しかったね」
「なんでお前はすぐにそっち方向へ持っていく!」
「父さんも母さんもいないんだから。兄妹水入らずで、ね?」
「照れ顔が可愛いのは知ってるから、はよ帰れ」
「冷たい……後輩さんは部屋に連れ込んで食べたくせに」
「違う! どうしてそんな勘違いしてるんだ!」
「確かに聞いたもん。後輩さんの喘ぎ声」
「そうだったーー! あいつ壁に向かって喘いでたなぁ!」
「説明はいらない。兄、有罪」
「すんませんでしたぁ! ……って、有罪確定⁉︎」
「司法取引……妹の頭を撫で、ろ」
「寂しがり屋め、まったく……」
「これこそが、ドア イン ザ フェイスなり」
「結局は頭撫でて欲しかっただけなんだろ」
「くっくっく、そしてここからフット イン ザ ドア法に派生する……っ!」
「機密情報は口に出すなよー」
「隠し事をも共有する。それが兄妹」
「おっと、もうこんな時間か」
「エスタークよ、眠りから覚めるのだ……」
「うるさい。解説する時間すらないんだからやめとけ。あとエスタークは起こすな。ああ、お前は起きろ。寝るな寝るな」
「いつものやつ、ちょーだい」
「愛してるのチューならリビングでな」
▽▽▽
『放課後、帰り道』
「ん……野生の兄とエンカウント」
「……をかしな妹とエンカウント」
「わわ、兄が可愛いって言ってくれた。今夜はお赤飯」
「ロジカルが成り立たないレベルか。凄いなお前」
「劣化する前に食べるのがオススメ」
「ルート妹は攻略しないから。あと劣化言うな」
「倫理を捨てよ、妹の前ぞ!」
「乱暴な理論のくせにカッケェ!」
「喜べ、兄。妹は食べ頃なのだ」
「許せ、妹。兄は法に勝てん」
「優しさも時に、残酷なのです……」
「もうちょっと兄離れできたらなー」
「目指すはどのような兄妹なのです?」
「難しいな……仲良しな普通の兄妹、としか」
「右手を差し出せば右手を繋いでくれるような?」
「マイリトルシスター。それただの握手な」
「放課後は、ロリ後輩と、遊ぶ兄」
「変な五七五を作るな。事実だけども!」
「不埒なむかつく!」
「ひでぇ! そのクオリティの低さもさながら、文に意味がねぇ!」
「はぁ……昔の兄はもっと妹に優しかったです」
「ノスタルジーか。いや違うけど」
「年中無給で妹のお世話してたです」
「抜かれた給料はどこに行った!」
「にぃちゃんの妹のスカートの中」
「なぜそんな具体的な場所⁉︎」
「等価交換。兄の愛を妹のパンツに錬成した」
「天才でもできねぇよ! 等価交換の法則成り立ってねぇ!」
「繋がるよ。兄の労働=お金=妹のパンツ」
「違う意味での等価交換⁉︎」
「単純な買い物……当たり前、だよ?」
「そんなバカな……俺が、妹に……負け、た……?」
「せめてもの情け……罰ゲーム、選ばせてあげる」
「すげぇ嫌な予感しかしないんだが。なぁ、妹よ。にぃちゃんだとこの程度で罰ゲーム発生すんの?」
「静かに。妹の裁きの前であるぞ」
「さ、さいですか……」
「候補1、『シスコン・キング』に改名。候補2、『ロリコン・キング』に改名。候補3、今日中は妹の奴隷。さぁ、奴隷がいい?」
「計略とか最早考えてないな。選ばせる気ないだろ」
「繰り返そうか?」
「今日中は妹の奴隷で」
「完璧な勝利……!」
「おい、これはなんだ」
「えっと……お姫様抱っこ?」
「うん、それは知ってる。まさかとは思うが……」
「家まで、れっつごー」
「ああ……分かったよ。マイシスター」
▽▽▽
『夜』
「んみゅ……兄、体を拭け」
「をことわりだ。濡れたままリビングに来んな」
「わわ、奴隷の分際で断るなんて……母に報告」
「ロリコンなのはバレている。今更だ」
「レッテル確定なのですか……」
「『校則違反者』として有名だからな、俺。不良とロリコンの混合物質だ」
「倫理規定をも破っていくと。今夜は兄と愛し合うです」
「らめぇ! 妹に手ェ出したら、にぃちゃんポリスのお世話になるから!」
「余計なお世話なのです……警察ファッキン」
「許しがたい存在なの⁉︎ そんなに警察が嫌いか⁉︎」
「やや、兄ったら、そんなに激しく突っ込まないで。赤ちゃんできちゃう」
「妄想が凄い⁉︎」
「メルヘン妹、ここに見参……!」
「無理があるだろ! メルヘンというかメンヘラだ!」
「みんなが知るのは乙女修道女、兄の前ではトリックスター。そしてこのボケは無理シスぎター」
「マジでそうだよ! 無理し過ぎだっ!」
「……本当に体拭いてくれないの?」
「変態の謗りは受けたくない。それがたとえ妹だとしても」
「拭いてくれなかったら兄じゃない。変態の兄から変態にグレードアップするです」
「酷過ぎるだろっ、色々と! ええい、タオル貸せ!」
「はぁい。……兄好き」
▽
「望みが叶って満足か?」
「願いは兄のお嫁になること」
「ぬいぐるみとでも結婚してろ」
「……にぃは……妹、嫌い……?」
「なぜ極端な話になる。好きだよ。だけど、兄妹としてな」
「と、兄はこのように供述しており……」
「テレビのニュースか、照れ隠しか?」
「つい最近では、性欲の捌け口としてロリ後輩に手を出している模様」
「違う! お前のそれは誤解だ!」
「楽しそうだった……ずるい」
「そんな顔してもダメだ。ていうか、今度一緒に遊ぶか?」
「セッチするのです?」
「……すまん。それ初耳だが、どういう意味?」
「知らないならエックスでも可。行為X。エッチとの複合語なのです」
「察せねぇよ! 察したくもねぇ! 変な言葉を作るな!」
「こ、こんなこと言うの兄だけなんだからねっ」
「けっ、ツンデレになれば許してもらえると思うなよ」
「くすん。兄がいじめる。罰として添い寝し、ろ」
「……今日は奴隷だから渋々従うが、その命令口調どうにかならねぇの?」
「考えておくです」
「おやすみだ、妹よ」
「えへへ、おやすみなのです」
「うん、早よ寝てくれ」
「嫌なのです。頭撫で撫でするまでは」
「甘えん坊め、このやろー」