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月夜譚 【No.1~No.100】

献上の舞 【月夜譚No.15】

作者: 夏月七葉

 あの姉妹は、どちらが姉でどちらが妹なのか、判らなくなる時がある。姉が物臭な妹の世話を甲斐甲斐しく焼いていることもあれば、何かとそそっかしい姉を妹が注意することもある。

 いくら姉妹とはいえそれぞれ一人の人間なのだから、一長一短があって当然だ。性格も正反対とまではいかないものの、違う部分の方が多い。

 だがしかし、ぴたりと呼吸が揃う瞬間もまたあるものだ。

 厳かな音色に合わせて姉が扇で空を切ると、妹の太刀が後を追うように、しかし扇とは違う軌道を描いてゆっくりと宙に泳がせる。二人の動きは簡単そうに見えるが、その実互いの息が合わなければ成し得ない難易度の高い神楽である。

 神楽殿で悠然と舞う彼女達を見る者は皆思うだろう。二人がこの神社に姉妹として産み落とされたのは、神の御業に他ならないと。


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― 新着の感想 ―
[一言]  切り取られたその一幕は、あまりに美しく、その余韻に、溺れてしまいそうだった……。
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