次元の話(2)アイテムボックスって何さ?
今回のお代は、
極東西遊記~古代日本に転生したぽいので建国してみた
https://ncode.syosetu.com/n2239ek/
を書かれている、星 武臣さんから頂きました。
どうもありがとうございます。m(_ _)m
やあ。樋口諭吉だ。
みんなは、『アイテムボックス』って単語を目にしたことがあるかな? 異世界ファンタジーが好きな人なら目にしたことがあるかも知れないね?
アイテムポーチ、道具袋、アイテムバック、インベントリなどなど、呼び方は、君の好きでいいけれど、本作中では『アイテムボックス』と統一して呼称するぞ。
そう、これらは、見た目よりいっぱい入っちゃう類のチートアイテムだ。
転生時に神様からもらえたりするアレだな。あるいは、未来から来た、たぬき型ロボットのお腹についている、「どこでも○ア」とか出てくる感じのアレだ。
えっ? 無限格納なら知ってる? ありがとうございます! ありがとうございます!
今日は、この、『アイテムボックス』について『それっぽい説明』を考えてみたい。大した内容じゃなかったらゴメン。ただ、読み物としては面白くなるように頑張るぜ!
決意表明したところで、始めようか……。
『アイテムボックス』にはいくつか種類がある。内部で時間が経過するもの、しないもの、などだ。それらを分けて考えてみるぞ。
まずはじめは、これだ!
ででーん。
・アイテムボックス、すなわち、俺だけが観測した宇宙!(ジャンル:SF)
まず前提だけど、宇宙とは、すでに観測された部分についてだけを言う。だから、宇宙の外側については諸説あるんだ。
えっ? なんで、「諸説ある」のかって? おいおい、話を聞いてたかい? 宇宙の外は観測されていないんだ。言い換えると調査されていない。だから諸説ある。
その諸説の中に、超ひも理論(超弦理論)を発展させた、膜世界って考え方があって、今回はこれを利用する。なんだって? 「超ひも理論とかどうでもいいから、ひもになりてー」だと? 俺、もう帰るぞ? 簡単に言うと、膜世界ってのは、『宇宙の外は多次元になっていて、3次元の膜宇宙が、連なる、あるいは、重なり合うように存在している』という説だ。不正確だったら、詳しい人、コメントでフォローをお願いします。m(_ _)m
つまり、俺らがいる宇宙と隣り合う、俺だけが観測できる宇宙(すなわち俺宇宙)を『アイテムボックス』代わりにして、物を置くわけだ。この場合、だいぶケアしてあげないと生き物はおけないね。生き物が棲息できる星を探すのは大変だし、宇宙空間にいきなり生き物を放り出すわけにもいかない。ココらへんは何らかの理由付けが必要になってくるね。ただ、「業務用冷凍庫なんて目じゃないレベルの極低温で保存されているから、食材が超傷みにくい」みたいなメリットもあるかもしれん。
なろうのタイトルにするならこうかな?
「俺だけが観測できる俺宇宙で無双する」。スケールがでかすぎて、どんな敵を用意したらいいのかわからないな。
「俺だけが観測できる俺宇宙にハーレムを築く」。一気にスケールが小さくなった。そして、そこはかとなく犯罪臭い。こっちのほうが受けるかな?
次行くぞ!
べべんっ!
・アイテムボックスは、3次元を数学的4次元方向に領域拡張したものだった!(ジャンル:ファンタジー)
『世界は、基本三次元なんだぜ』を前提に話を発展させていく。
このタイプに分類されるのは、アイテムボックスの内部でも時間は普通に経過するタイプの『アイテムボックス』だ。ジョ○ョを見てる人は、5部の『亀』といえば通じるかも知れないね? 見た目よりいっぱい入るタイプの、アイテムバック、アイテムポーチ、道具袋らへんが該当するかな。
貴族が持ってるアイテムボックスの容量が20kgぐらいなのに、『なろう主様』のは、20tも入るだと! さすがなろう主様! ふっ、バレちまったか。誰にも言うなよ? 有名になっちゃうからな?(有名になりたくないとは言ってない)みたいな、なろう小説ではおなじみのパターン。なんで容量の単位がトンなのかって? 様式美だ様式美。
この場合、3次元空間が、4次元軸方向に拡張されている(この場合、4番目の次元軸は時間軸ではない)と考えれば説明はつく。中のものは、『普通に時間経過する』し、「中に人間がいても大丈夫」という設定もそんなに突飛じゃない。なぜなら、もともとある3次元空間が拡張されているからだ。ただ、4次元の軸方向に拡張された空間にあるものは、3次元側からは認識されないので、アクセス方法を用意してやる必要がある。バッグだったり、鍵だったり、扉だったり。象徴的なものがいいかな。想像しやすい分、説得力は高いだろう。異世界ものとかじゃなくて、ホラーなんかでも使える設定かもしれない。
空間は、バッグ等に付随するので、相対座標付きでも、座標なしでもどっちでも説明できそう。私ならコレを推したい。拙作は別のものを使ってるけどね。
なろうのタイトルならこうだな。
「弱小スキル『アイテムボックス』を持った僕が最強だった件」。マジでありそうだから困る。
次はこれだ!
どどーん!
・アイテムボックスは、4次元(時間軸)を有効活用したものだった!(ジャンル:ファンタジー)
これも、世界観としては、基本3次元前提だな。そこに、アイテムボックスの中は時間が経過しないって設定が加わったやつ。これはあれだ。一番やっちゃいけないやつだ。設定の説明をする気がない作者がやるやつだ。4次元の軸が、一般に時間軸だってことをなんとなく知っている作者が、たぬきえもんのポケット(4次元のポケット)から、連想した結果なんだろうけど、それっぽくするためには、とんでもない量の説明がいるぞ。
魔法でやるにしても、矛盾を消すには、すごい数の魔法を用意してやらなきゃならない。しかもだ。よく考えてみな? 結局、物は、過去か未来に置くことになるから、世界観がひどいことになる。過去か未来かあるいは両方に自由にアクセスできる世界を考えてやらにゃならん。世界の時間の流れを自由に操作する魔法とか、矛盾の塊みたいなものを用意しないといけない。俺にはお手上げだ。
なろうのタイトル?
無理だろ。「ぼくがかんがえたさいきょーのせってい」。このぐらい吹っ切れたやつじゃないと俺には書けない。
次にいこう。次は拙作で使っているやつだ。
その前に、以下は、拙作いたもんのネタバレを含む。もちろんぼかして書くが、見たくない人は今すぐブラバだ。
もう一回言うぞ? 以下は、拙作いたもんのネタバレを含む。もちろんぼかして書くが。見たくない人は今すぐブラバだ。
さあ書くか。
・アイテムボックス(無限格納)? 多次元テンソルですがなにか?(ジャンル:VRMMO)
簡単に説明すると、一次元がスカラー。二次元がベクトル。三次元以上をテンソルという。スカラーやベクトルは、授業で習うよね? それの次元の多いバージョンだ。座標とかを考えなくていいし、プログラミングとの親和性も高いので、VRMMOで使う場合は、説明が楽ちんだ。拙作いたもんで使われてるのがこれ。
以上。……で説明を終わるのも味気なさすぎるから、以下ネタバレ。
作中に出てくるヒロインの必殺技、重力ジェットは、アイテムボックス(無限格納)を利用している。
まず、無限格納内部の次元を、宇宙の次元(9~11次元)ぐらいに合わせて、宇宙と連結する。そうすると、本来宇宙の中にあるはずの無限格納の中に宇宙が存在するというバグが発生する。無限格納の中身を取り出す際のプロトコルを一部流用して、無限格納内部にあるブラックホールにマイクロクエーサーを転移させると、無限格納の中で、宇宙ジェットが発生。重力球で放射線等をフィルタリングして無限格納から物を取り出す要領で発射。こんな感じ。ちなみにクエーサーを使うと、イデオ○ガンクラスの威力になるぞ。すでに発生している宇宙ジェットを使えば、もっとお気軽に発射できる。
また、マニアックだけど、「宇宙が無限格納の内部に入るときに、世界が宇宙の存在判定に失敗して、真っ暗になる」みたいな設定もあったりする。
なんでこんな説明をしてるかって言うと、実は、拙作いたもんは異世界転生・異世界転移ともとれるし、VRMMOとも取れるように書いている。
最初の方でレベルの概念が出てくるのにも、ちゃんと意味があるんだ。
ヒロインが初めて日本に来たときに、主人公が死んでから2週間しか経っていないのは、いたもんのいる星と地球では、時間の流れる速度が違うからだし、地球でのヒロインが4歳児なのもそのせいだ。これは、インナーシェルが地球よりずっと小さいと考えることもできるし、単に、ゲームの中では24時間が8時間で経過すると考えることもできる。
途中で出てくるSF的なあれも、別に唐突に出したわけじゃなくて、はじめから世界観に組み込まれているんだ。かれらは、VRMMO版いたもんの主人公チームだしね。いたもんが終わったら彼らの話を書くかもしれん。
ちなみに感想欄で時間経過の矛盾を指摘されたことはない……orz
誰か、いたもんを読んでくれ。
軽く凹んだところで、今回は以上。
えっ? なろうでのタイトルをつけるなら?
「いたもん(異端審問官)になるには ~チート勇者をぶっ倒せ!~」だよ。
言わせんなよ、恥ずかしい。