手を変えたら勝率があがるだとぉッ!(モンティ・ホール問題の簡単な解法)
やあ、樋口諭吉だ。今日は、博士号を持つ数学者さえ悩ませた、有名な問題(モンティ・ホール問題)の簡単な解法について考えてみたい。
難しそう? いやいや簡単に聞こえるように頑張るのでしばしお付き合いをお願いしたい。
普通の解法はググればいくらでも出てくるので、俺はそれ以外のアプローチで解こうと思う。一見、不可思議な事柄について、みんなが納得できるような解法を考えてみたぞ。
ただし、例のごとく俺は数学者じゃないし、IQも人並なので間違いがあったらコメントでご指摘いただきたい。すぐに修正しますので。
それじゃあ、いってみよう!
まずは、モンティ・ホール問題について、ご説明しよう。といっても面倒なのでwikipediaから引用する。以下引用。
「プレーヤーの前に閉まった3つのドアがあって、1つのドアの後ろには景品の新車が、2つのドアの後ろには、はずれを意味するヤギがいる。プレーヤーは新車のドアを当てると新車がもらえる。プレーヤーが1つのドアを選択した後、司会のモンティが残りのドアのうちヤギがいるドアを開けてヤギを見せる。
ここでプレーヤーは、最初に選んだドアを、残っている開けられていないドアに変更してもよいと言われる。プレーヤーはドアを変更すべきだろうか?」
引用ここまで。
この問題に対し、ギネス認定の世界で最も『IQの高い』女性、マリリン・ボス・サヴァントさんはこう答えたんだ。
――正解は『ドアを変更する』である。なぜなら、ドアを変更した場合には景品を当てる確率が2倍になるからだ。と
この答えを受け、世間は動揺した。
いーや、手を変更しようが変更しまいが当たる確率は2分の1で変わらないね!
とか、
あほか、手を変更しようが変更しまいが、当たる確率は3分の1だろうが!
とか、大勢の人を巻き込んで大論争になったんだ。
答えはサヴァントさんの言う通り、『手を変更しなかった場合の当たる確率は3分の1、手を変更した場合の当たる確率は3分の2で、手を変えると当たる確率が2倍になる』だ。
直感と違ってて、なんとなく気持ち悪くないかな?
今日は、その気持ち悪さを解消してみよう。
まず最初に、手を『変更する前』の時点で、選択が『はずれる』確率を考えてみるぞ。
3つのうち1つだけが当たり(新車)なので、3つのうち2つがはずれ(ヤギ)だ、つまり、選択がはずれる確率は3分の2だ。
ここで、確率が全体で1になることを思い出して欲しい。何が言いたいかと言うと、『当たる』と『はずれる』しかない場合、1から『当たる』確率を引けば『はずれる』確率が出るというわけだ。
この場合、1(全体)-3分の1(当たる確率)=3分の2(はずれる確率)だ。
ちなみに『手を変更しない』場合は、ここで事象が確定する。当たる確率は3分の1。以降の話は関係ない。
それでは、本題。『手を変更する』場合について考えてみよう。
まず、『手の変更』が行われる前に、何が起こるかを考える。すなわち、司会のモンティによって『はずれ』が一つ(3分の1)取り除かれるよね。
元々のはずれる確率は3分の2だから、
この時点ではずれる確率は、3分の2-3分の1=3分の1。
じゃあ、『手を変更』した後、当たる確率は?
1-3分の1=3分の2
証明完了。ね、簡単でしょ?
以下余談。
モンティ・ホール問題は、はずれる確率から考えると簡単なのだけど、当たる確率を直接考えるのはなかなか難しい。問題そのものは簡単なんだ。でも答えが直感と異なるから多くの人が納得できない。
サヴァントさんの答えに対し博士号を持っている1000人近い数学者などが『間違っている』と批判しまくった。『よりにもよって世界最高IQの人が、数学を貶めた』と人格攻撃まで行われた。サヴァントさんも反論したけれど、それでも納得できない人がいたようだ。
今では、コンピューターでシュミレーションをおこない、3分の2が正しかったことが証明されている。ちなみに、前の話で取り上げたベイズ確率を知っている人は、ベイズの定理を使って普通に解ける。ベイズ確率を知らない人も条件付き確率を知っていれば、場合わけして解ける。
今回はそんなお話。




