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219話 『神』とはナニか?

 この世界には『神』と呼ばれている者がいた。

 ……いた。過去形だ。


 その『神』は、アイたちを『神器』に選んだ。

 居なくなった『神』に代わる『神』になる可能性のある者が『神器』。

 と、俺は認識していた。

 でも鬼王が言うには、『神器』は『神』に利用された者の成れの果てだと言う。


「じゃあさ、俺の元いた世界に『神』がいるんだとしたら、何してんの? 俺と同じように死んで転生でもしたの?」


 今までの話を聞いて余計にわからなくなった『神』について、3人の『神器』から聞き出すチャンスが今だ。

 少しでも情報が欲しいので聞いてみた。


「知らん」


「それがわかれば苦労しないって」


「帰ってきたら殺す」


 『神器』の3人は即答した。

 タツコだけ、俺の質問の意図が伝わってなかったのはわかった。


 殺すって、相当恨んでるな。

 まあそうか。

 ハイエースの中に入れてるアレを仮死状態にしたのって、『真力』の仕組みを作った本人だろうしな。


 ひょっとしてアレは、竜騎士にして初代教皇ツァルクっていうのは、元『神器』だったのかもしれないな。

 『神』に利用された者の成れの果てか。


「『神』は帰ってくるの?」


「わからん」


「さっぱり」


 殺す言ってたタツコは無言で、アイと鬼王は帰ってくるかどうかすらわかってなかった。


「……ん? 帰ってくること前提じゃないの? だって『神器』が『神』になる時とかにその『神』が決めたりしないの?」


 わけわからなくなってきたぞ。


「さあ」


 『神器』たちは『神』について知らないことが多い?

 そんなことってある?


「……なんだそれ」


 そうつぶやく俺を見て、鬼王がフッと笑う。


「おい、イセちゃんが混乱してるぞ」


「そりゃするだろう。『神』について考え始めたんだからな。あの存在は本当に厄介だ」


 俺の混乱が想定内であるかのように語るアイ。

 そりゃそうだという風に苦笑そのままな鬼王。


「イセちゃんは戦車の操縦に集中してくれ。アレはあんまし深く考えない方がいいぞ。気分悪くなるからな」


 そんなことを言われて余計に混乱しそうだ。


「はっきり言って何を考えてんのかわからん。わかってるヤツはいないんじゃないか? 一番身近だった天使の連中も『天界』と『真力』を管理してるだけだろうしなぁ」


「あいつらは『神』の使いっぱしりで、『神』よりはマシな連中だ」


 『神』の評価が急降下中だ。


「だが『神』は『神』だ。どんなにゲスでも『神』には違いない。無視はできない」


「さっき、電話切ってたよ?」


「……ソロンの用事が済んだら、師匠と腹を割って話す。サミュエル卿にもそう伝えておこう」


 そう言って、アイはあの短い言葉を伝える魔法を飛ばした。

 魔法の小鳥は、サミュエル自治領へ向かって飛んでいく。


「繋がりは作っておこう。イセのためにもな」


 俺の? と質問しようとしたら、アイは続ける。


「『神』のやつがイセのいた世界に行った方法がわかれば、イセは元の世界に戻れるかもしれない」


 それは……いいのか? 悪いのか?

 てか、そっちからその発想が出てくるとは思わなかった。

 どうなんだ……俺。


「また死んだ時にあっちに転生できるかもしれない」


 また死ぬとか嫌すぎる。


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