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同一世界観で書いた話

ギルドの受付嬢

作者: 瓶覗

 どうも皆様、初めまして。

 私は、ガルダという国でギルドの受付嬢をしております、アスターと申します。


 ギルドの受付嬢と聞いて、一体何を思い浮かべるでございましょうか。

 多くの人は、私のやっている受付ではなく、冒険者がクエストを受注する方の受付を思い浮かべるでしょう。


 事実、そちらの受付嬢の方が人数もおります。

 私がやっている受付は、クエストの発注です。

 クエストというのは、当然誰かが発注しているわけでして。


 受注する人数の方が多いからそちらの受付嬢の方が人数がおりますが、発注の方が経験を積んだ者を配属するのです。

 なんせ、無理難題を仰る方は多いものでして。


 クエスト受注の受付は、断る理由がマニュアル化出来ております。

 ランクが足りない、許可が降りていない、等々。

 それでも無理を仰る方には、少々強面の職員に対応を任せて若い受付嬢は撤退させる体制も整っております。


 ですが、クエスト発注口は別です。

 なぜこれでは駄目なのか、説明しても理解して下さらない方はいるものです。

 特に、発注許可を持っていないから発注出来ない、という点においてはそんなこと知らない、いいから発注させろ、と無理を仰る方がおりまして。


 ギルドとしては、キチンと報酬を払うことが出来る保証が出来なければクエストを発注出来ないのです。

 ですので、許可証を申請して頂きそれを見せて頂くか、許可を持っている店などの制服を着ておいで頂かないと発注は出来ません。


 当たり前ですよね。

 ギルドとは世界共通の機関。どれか一つでも例外、反則があっては信用に関わるのですから。

 頭が硬い?どうとでも。緊急時以外に揺れ動く体制など、脆すぎるでしょう。


 どうしても無理を通したがる方には、追体験などと呼ばれる方法を使って報酬が支払えなかった場合のギルドの対応を体験して頂いたりも致しますが、基本的には口頭でその説明をした時に理解いただけるものです。


 今日も今日とてそんな方の相手をしていた私の元へ、癒しが訪れました。

 「エキナセア」という薬屋の方です。

 このお店は正式に許可を取っておりますし、冒険者の方も受けたいと思うような割のいいクエストを発注して下さるお店です。


 さらに、ギルド内の売店にもポーション類を出品している薬屋としても最上級のお店。

 時折難易度の高いクエストを発注しますが、報酬も納得の金額ですのでギルドとしては文句の付けようがございません。


 エキナセアには現在店主であるヒエン・ウィーリア・ハーブさんしか居らず、クエストの発注にもハーブさんがおいでになります。

 少し前までお弟子さんである、アオイさんというとっても可愛らしい、天使のような癒しを振りまく方がいらっしゃったのですが、今は独立してお店を出しており、ガルダに住んでいないのです。


 アオイさんに会えなくなったのはとてもとても寂しいですが、ハーブさんがいらっしゃるのでどうにか心の傷を癒して私はクエスト発注口に座っております。


 ハーブさんは今日も割のいい薬草採取のクエストを発注し、帰っていかれました。

 私は書類にまとめられたクエスト内容を口頭確認の後ももう一度確認し、発注手続きを終わらせます。


 書類を後ろの箱に入れると、逆側から回収されて受注ボードに張り出されるのです。

 それは私の仕事ではないので、書類の不備がない限り私は発注口に座り続けております。


 ギルドにお越しの際は、クエスト発注口と受注口をお間違えないように。

 受付の上に看板がありますから、それをキチンと確認して頂きますようお願い致します。

エキナセアにちょこちょこ出てきていたアスターさんのお話でした。

これだけ読んだ人にはなんのこっちゃですね。

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