a_ウォーズ・ドラゴン
【ウォーズ・ドラゴン】
今では伝説の人となってしまった……
その昔、人口三十人ばかりの小さな村があり、そのとき盗賊に襲われていた。盗賊は十人ほどだったが、ナイフ、斧、やり、刀で武装しており、女子供農民の村人では、すでに負けは明らかだった。
そういうときに、道ばたで寝ていた男がいた。がりがりにやせ細った仙人のような風貌だった。それが、若き日のウォーズ・ドラゴンだった。ドラゴンは寝ていたわけだが、他から見ると、飢えて倒れたように見えた。
ドラゴンは、起きたとき、村の女子供が襲われているのを見て、大体状況が分かった。ドラゴンはまた、死んだように寝そべり、じっとしていた。そして、盗賊が馬に乗って通るたびに、馬ごと蹴り飛ばした。蹴る方向もちゃんと考えていて、盗賊の頭が石にぶつかるように蹴り飛ばした。この方法で十人中、三人を倒した。
それから、草むらの中でじっくり様子を見ていた。残りの盗賊が四人と三人に分かれたとき、ドラゴンは三人の盗賊に向かって、一気に飛び出した。自前のヌンチャクで後頭部を打ちつけ、一人気絶した。側にいた二人が斧と刀を持ち、構えた。刀を持った盗賊が先に襲い掛かった。ドラゴンはヌンチャクを刀に絡ませて、それと同時に相手の顔面を蹴り上げた。相手の手の力が弱まったとき、すかさず、刀を奪い取り、遠くへ投げ捨てた。そのとき、斧を持ったもう一人が襲い掛かった。ドラゴンはそれをかわす。斧はドラゴンの後ろにあった丸太に食い込み、相手は食い込んだ斧を引っ張っている。ドラゴンは相手の後ろに回りこみ、首をねじるように右腕で絞めた。相手は気絶し、倒れた。先ほどの刀で襲い掛かったほうには、まだ意識があったので、後頭部を打ちつけ、気絶させたのち、三人を縄で縛り上げた。近くに木の棒があったので、それを頂いた。
四人いるほうへ静かに近寄る。声と臭いから酒を飲んでいることが分かった。四人の位置を確認したのち、ドラゴンは飛び出した。盗賊は驚き、一瞬動きが止まった。その瞬間にドラゴンは、一人の眉間を棒で突き倒し、別な一人のみぞおちを右に蹴り飛ばした。右にはテーブルがあり、その角に激突した。残り二人がナイフを取り出し、二人同時に襲い掛かった。だが、二人がナイフを取り出すとき、ドラゴンは棒を横に振り飛ばした。両方の手が弾かれ、ナイフが地面に落ちた。二人が襲ったとき、ドラゴンは身をかがめ、二人が間近に来たとき、瞬時に二人の足をすくい、起き上がった。それと同時に二人を後ろへ倒した。二人は地面に顔面を打ちつけた。さらに目に土が入り、満足に目が開けられなくなった。ドラゴンは二人の頭を激しくぶつけ、気絶させた。このとき、みぞおちを蹴り飛ばされた盗賊が起き上がっていた。ドラゴンはその盗賊に向かって走り出した。盗賊は棒を拾って構えた。ドラゴンは勢いをつけたまま、強烈な蹴りの一撃を盗賊に食らわせた。途中、棒に阻まれたが、棒は簡単に折れた。盗賊は三メートル飛ばされ、その後、二メートル後ずさりしたのち、気絶し、倒れた。
村人三十人のうち、十三人が逃げ、二人が殺され、十五人が牢に囚われていた。
ドラゴンはその後、牢を壊したのち、すぐいなくなった。
にも関わらず、ドラゴンが闘い、盗賊を倒したという話が噂となってすぐ広まった。村人の大半はドラゴンに感謝しているが、殺された村人二人の親戚は、ドラゴンを憎んでいる。その親戚が一度、ドラゴンを襲ったときがあった。ドラゴンは闘い、追い返した。それでますます、その親戚から憎まれることになった。だがその後は特に事件もない。
ウォーズ・ドラゴンに闘いを挑んでくるものが絶えなかった。始めのうちは全員と闘ったが、きりがなく、闘わなくなった。ドラゴンに付きまとう者が多くなり始めたころ、ドラゴンは行方をくらました。その後、三十年経った現在も行方不明。
これ以外にもウォーズ・ドラゴンに関する話は多い。




