第10章 人を癒すということは
ロッシュは真っ白な空間にいた、この空間は音も臭いも何もない場所だった。
そしてロッシュは何も感じることができなかった。
しかし、しばらくすると先ほどまで音がなかった空間にだんだんと声らしきものが聞こえてきた。
その声はどうやらロッシュを呼んでいるようだった。
それに気がついた彼は、辺りを見渡すと彼の父であるロックがいた。
「どうして、ここに……いるはずがない、だって親父は……」
ロックは彼の言葉を無視して、ある空間を指差して語り出した。
「ロッシュ、あの空間の先に行け。そこで母さんとお前のこと、そして僕のことを知るのだ、僕たち家族のことを」
「それはどういうことだよ、親父」
しかしロッシュの声に答えることもなくロックは消えた。
彼は先ほどのショックもあったが、こうしているだけでは変わらないと考え、先に進んだ。
ロックに指差された空間の先ににあったのは彼の自宅だった。
しかし、今の自宅よりも明らかに新しい家だった。
「俺んちだよなここ、どうしてこんなに新しいんだ?」
不思議に思いながら、彼は家の中に恐る恐る入ってみる。
そしてそこにいたのは若い頃のロックと写真でしか見たことなかった母、レイチェルの姿だった。
「なるほど、ここは過去の世界を映した空間なんだな」
試練のことはセレスに少しだけ聞いていたので、幾分か落ちつきを取り戻した。
ロッシュは二人を見つめていた。
ロックはレイチェルの寝ているベッドの傍に寄り彼女の体を揺すった。
「早く起きてよ、今日からお城で医者として勤めるんでしょ」
「わかったから、揺らさないで、二日酔いで吐きそ」
口元を押さえて、今にも吐きそうな彼女を見て、ロックが憐みの目を向けながら呟いた。
「医者が飲みすぎて、二日酔いでダウンとか笑えないよ」
「いやぁ、ハメを外した」
ロッシュは母がおとなしそうな外見に似合わず、かなり大雑把な性格だったことに驚いた。
それと同時に自分は母のことをよく知らなかったのだと知った。
「まったく、あの人に会いにくいから二日酔いになるまでお酒を飲んだんでしょう?」
「……それもあるけど、緊張しちゃって、だってあの事件からもう一年経っているし、それに私はあの事件のことを後悔している。あの人の大切なあの子を助けられなかったことを、だから今度こそ、あの人の大切な人を助けられるようにしたいと思っているの、だから緊張しているのかも」
「何回も言っているけど、姉さんのせいじゃないんだから、気にすることなんかないんだよ?」
ロックの寂しそうな横顔にロッシュはうつむきながら心の中で呟いた。
――姉さん? どういうことだ?
――母さんと親父は姉弟なのか? いや、惑わされているだけなのかもしれない。
そして場面が変わり、そこはリアンゲール城だった。
そこでは働いているレイチェルの姿があった。
それに安堵しつつ彼女が時々、王の方を見て、ため息をついていたことが気になった。
そして彼女の後ろにはロックもいた、そして彼は彼女に話しかけた。
「姉さん、言われた通りの薬を持ってきたよ」
彼女は話しかけられてロックが後ろにいたことを思い出し、後ろを振り返った。
「ああ、ごめん。少し考えごとをしていたの」
「また、あの人のこと?」
ロックはため息をつきながら、少し手荒に薬を渡す。
「危ないから薬を乱暴に扱わないで、ロック」
「はいはい。で、今度は何?」
その返答に彼女は呆れて、ため息をついた。
「寝れないんだって、あの子とあの子の弟がいつも自分を責める夢を見るそうよ……」
「それで姉さんはどうする気なの?」
「……どうにかして助けたい」
その言葉にロックは歯を食い縛った。
「どうしてそこまでするのさ、姉さんは、自分の睡眠も削ってるし、この薬だって自費でまかなっているじゃないか。そんなにあの人のことが好きなのかよ」
彼には自分の姉がそこまで、まるで命を削るように一人の人間に執着していることに理解が出来なかった。
「好きではある、だけどそれなしでも私は医者、人を助けるのが仕事で義務なの」
「医者にだって限界がある、だって俺たちの両親は医者に診せたけど死んだじゃないか」
ロックは声を荒げる、ロッシュはそんな父を見るのは初めてで、驚きながら彼を見つめた。
「限界があるのは認める、でも諦めたらそこで終わり」
レイチェルの目は力強く、それに気圧されるようにロックは後ろに下がった。
「わかったよ、好きにしなよ」
それだけ言うと彼は走って去ってしまった。
ロッシュは父を追いかけたい衝動に駆られたがその場ではこらえた。
母のことが気になったからであった。そして彼は母の後を追った。
そしてレイチェルはある部屋に向かっていた。
その向かった部屋には目に生気のない皇帝がいた。
「あの人って、皇帝陛下だったのか……」
彼はその光景を信じられず、力なく言葉を呟くだけだった。
「陛下、本日の薬です。お飲みください」
彼女は彼の震える手を取り、 薬を渡した。
彼は弱々しく薬を受け取った。
「……ありがとう、ルーシア」
その言葉にロッシュは絶句した、母を違う名前で呼んだからである。
しかしレイチェルはそれを訂正せずに微笑みながら、ただ、皇帝の近くにいた。
「この人は狂いかけているんだ、大切な人を失って」
彼は先ほどの会話と直感でそう感じて理解をした。
だが頭で理解していても、憤りは隠せなかった。
そして彼にとって一番理解できないのはレイチェルが笑顔だったことだった。
――どうして、どうしてだ、間違われたのに代わりにされてんのに、どうして笑ってんだ?
彼は見ていられなくてうつむいてしまった。
そして目の前の光景はまた変わる。
「ねえ、ロック聞いて。いいことがあったの、あの人の容態がよくなったの」
「エオス王妃が病気で死んだのに、そのことよりもあの人なのかよ、どうしたんだよ、姉さん」
「……私たち医者にとっては死んだ人より今を生きる人の方が大事なのよ」
正論にも思える言葉だったが、その冷たい声にその冷たい表情に恐怖を感じてロックは力なく立ち上がった。
「姉さんは変わったよ。どんなことよりもあの人を優先するようになった。前は一刻を争う患者さんを先に診ていたのに、今じゃどんな人が来ても、あの人を優先して、前は人が亡くなったら悲しんだのに、今は死んだ人はどうでもいいみたいにあの人を優先している」
それだけ言ってその場から離れた。
「……それでもいいじゃない、私は彼を救いたいだけなのよ、あの時救えなかった分も含めて」
この呟きは誰もいないこの部屋に吸収されてしまった。
ここでまた、場面が変わった。
今度は自宅でレイチェルが洗面所で吐いていたのだ。
「姉さん、もしかして……」
ロックは嫌な確信と不安を姉に向けていた。
ロッシュは医者であるので理由はわかっていた。
「……つわりね」
ロックの表情が凍りついた。
「あの人との子なの? 姉さん」
彼女は答えない、しかし彼はそれだけでわかった。
「なんて奴なんだ、第二王妃のセレネ様がセレス様を産んで亡くなったばかりなのに、姉さんに手を出すなんて、あいつはおかしいよ」
「違う違うの、ロック、あの人は私をそのセレネ様と間違えたの」
「どっちだっていいよ、もう人として狂っている」
彼は珍しく語気を荒げていた。
その表情にロッシュはただ恐怖しかなかった。
「うん、あの人は狂っている。だからこそ私だけでも最後まで彼の傍にいるの」
「……狂っている!狂っているよ。姉さん」
「でも、私はある意味で幸せよ!」
その悲痛とも喜びとも受け取れる表情にロッシュはロックと同じように凍りついていた。
――あいつのせいで母さんも狂い始めた。
――なぁ、これは真実なのか? なぁ親父……。
彼がそう思案していると、遠くから声が聞こえた。
「真実ですよ、あの人……陛下が貴方の父なのです」
彼は遠くから現われたロックを見た途端に小さな声で親父と呟いた。
その言葉にロックは気がつかなかったのか表情を変えずに話し続けた。
「私たちの関係は家族ではあったが親子ではなかったのです」
「……それがどうした」
「信じていた人に本当のことを隠されていた、腹立たしくはないか?」
「腹立たしいより悲しさ、だけどそれで何が変わる? 今までの思い出は何にも変わんないさ」
「強い子だ、じゃあ次で嫌な過去は最後だ」
そう言いながら彼はロッシュの頭をがしがしと勢いよく撫でた。
どことなく懐かしい思いを感じながらも、辺りに目を向けると場面はやはり変わっていた。
もう夜も遅く、日が変わる頃だった。
「姉さん、大変だ、王子様が重傷で運ばれてきたよ!」
「わかった、今行く」
――ここは姫様のあの事件の場面か。
そう見当づけたロッシュはこれから起きることに身構えてからレイチェルの方を向いた。
その時、彼女は運ばれてきたラグナの身体を診察していたが、彼の出血は止まることなく流れ続けており、危ないと感じる出血量だった。
「これは出血量が多い、早く止血をしないと……」
彼女は手早く衛生手袋をはめてから、ガーゼを取出し、出血している腹部を圧迫して止血を始めた。
しばらくすると一応血は止まったが、まだ顔色が悪く、彼女は彼に輸血をするために血液型を連れてきた人物に問うためにその人物を見た。
その人物はあのヴァンだった。
ロッシュは彼が王子を連れてきたことに驚いた。
レイチェルも少しだけ驚いた表情を浮かべたが、すぐにいつもの表情に戻ると彼に王子の血液型を聞いた。
「王子の血液型は確かAB型です。血のストックはありますか?」
「ABね、確かストックはあったはず」
彼はその言葉に安心した表情を浮かべたが、レイチェルの表情は逆に曇っていた。
血を輸血して顔色の良くなった王子の傍にいるヴァンの傍に彼女は近寄り、優しい言葉をかけてから少しだけ質問をした。
「聞きにくいことを聞くけど、貴方、もしかしてルーシアの弟さんかしら?」
その単語に身体を震わせてから、ゆっくりと頷いた。
「貴女は姉さんを知っているのですね」
「ええ、友人よ。あの時は大変だったわね」
その言葉に顔を伏せて彼は呟いた。
「あいつのせいで姉さんが死んだも同然ですからね、あいつとさえ、会っていなければ姉さんは……」
その声は憎しみに満ちていた。その声を聞いて彼女は、彼が陛下を脅かす存在になるかもしれないと感じて、近くにあったメスを掴んでいた。
そしてそれを空高く上げて、彼めがけて振り落とした。
その行動にロッシュは叫ぶが彼の叫びは当然ながら届かなかった。
しかし、彼女がヴァンをさすことはなかった。ロックがメスを持っていた彼女の手を叩きメスが床に落ちる金属音だけがむなしく響いた。
「姉さん、今、何をしようとしたかわかっているの?」
彼の目には鬼気迫るものがあった。
その目を見てようやく彼女は何をしようとしていたか理解してしまった。
「わ、私、私……」
彼女は悲痛な声を上げながら床に崩れ落ちたが、彼女は泣いていなかった。
そしてしばらく無言だったヴァンは口を開いた。
「この人はもしかしてあの陛下の事を好いている人か?」
「そのとおりだ、姉さんにとっては愛しい人だそうだ」
彼は小さく、そうかと呟くとそれきり話さず黙った。
そうして、ただ時間が経っていった。
そして空が明るくなった頃、ロックが届いた新聞の記事を見て、驚きを隠せなかった。
その記事の内容はこうだった。
――ラグナ王子がアルド隊長に刺され死亡!
彼は新聞を握り締め、病室にいるラグナ王子のところに走った。
「大変だ、この記事を見てくれ!」
ヴァンに新聞を手渡したが特に驚いた表情はなく、ただ納得したような顔つきになった。
「別に驚く必要はないです」
「どうして、そんな冷静なんだ」
「……あの人はラグナ様を見ていない、見ているのはセレス姫だけだ」
答えとは少し違うような気がしたが彼はヴァンの言葉の続きを待った。
「……」
「そんな、大事な大事な姫さんに大変危険な剣術を教えた彼を許せなかったんだろうな、だからこれ幸いと処刑をすることにしたんだろうな、しかも邪魔なラグナ様の居場所も奪うという、一挙両得な仕様だ。あいつにとってラグナ様の生死なんてどうでもいいんだろうな」
「どうして、そこまでラグナ王子を嫌っているんだ?」
「嫌っているんじゃない、ただ無関心で、セレス姫に王位を継がせることにしか興味がないんだろう」
「セレス姫に王位を継承させたいからって、どうして実の息子であるラグナ王子を死んだことにしたいんだ。彼が一言セレス様に王位をつがせると言えばいいだけの事だろう」
「それじゃあダメなんだ、結束した権力者はどんなものでも使って、気に入らないものを蹴落とし、地獄に導くもんだ、だから反論が出ないようにしないといけない、そのためにラグナ王子が邪魔だったんだ」
「そんなことが許されるわけない」
「そうだね、許されるわけはないと思うよ、でもあいつはそれをやった。しかも濡れ衣を親友であるアルド隊長に被せて」
「……もしかして、あの陛下は自らの手でラグナ王子を殺そうとしていたんじゃ、そしてその罪を……」
ロックは声が震えていた、それほどまでに信じられなかったのだろう。
しかし返ってきた答えの方が彼にとって衝撃的だった。
「いや、王子の傷は姫様が俺を刺そうとしたせいだよ」
その言葉は嘲笑っているようにも聞こえたが、表情だけは真面目でそれが真実だと感じた。
「どうしてそんなことになったんだ」
「俺が王子を殺そうとしたように見えたからだろうな、それでラグナ様を助けるために彼女は俺を刺し殺そうとしたんだよ、そして王子をそんな俺をかばったんだ」
「それは本当なのか?」
「お前さんにはどう見える?」
「……真実なんだろうな、それがだからあんたはここに王子を運んできた。でもどうしてここに運んできたんだ? 城の救護室でもよかっただろう」
「……王子がそれを拒んだんだ、たぶん城で治療をしたら誰にやられたんだって話になるからな」
「セレス様を守るためにか」
「そうだろうね、この子はとても優しい、自分の怪我の原因がセレス姫だと知られたら、ますます彼女の居場所がなくなる。だからそれを守るためにこの場所に来ることにしたんだ。結果的に王子自身の居場所がなくなってしまったが」
「……」
彼はその言葉に何も言えなかった。誰かを守るために自分の居場所をなくすはめになった王子になんて言えばいいのか言葉が見つからなかった。
そして彼はまた別のことに気がつく、レイチェルがいないのだ。
それに不安を覚え、彼はヴァンに問いかけた。しかし彼はどうでもよさそうに答えた。
「なぁ、姉さんは?」
「さあ、知らないよ、さっきまで何か書いていたけど」
その言葉にロックは妙な胸騒ぎを覚えて机の上にある、先ほどまで書いていただろうと思える紙をひったくって内容を読んだ。
ロックへ
ロッシュを頼みます。
とだけ書かれていた。
それだけでわかったのか彼は奥のレイチェルの部屋に急いで向かった。
そしてそこにいた姿にロッシュもロックも絶句した。
部屋は血の匂いでむせ返っていた、その理由はすぐにわかった。
レイチェルが部屋の中心で心臓にメスを突き立てて死んでいたのだから。
当然ロックは悲鳴を上げて、座り込んでしまった。
ロッシュは彼女の身体を触ったが彼女の身体はもう冷たくなり始めていた。
そのことに悲しみを感じたがどうすることもできなかった。
そこで場面は白くなり最初の場所に戻された。
その最初の場所にいたのは苦しんでいるのは、リグレトの侵攻の際に亡くなった、あの王だった。
それを見た彼は治療をしようと彼に駆け寄ったが若いロックに腕を捕まれ止められた。
彼の表情は理解できないというような顔だった。
「あの人のせいで姉さんは狂った。それなのに助ける?」
「助けるさ」
そう言って彼は捕まれていた腕を振りほどき、ロックの方をしっかりと見て力強く言葉を発した。
「俺は医者だ、だから相手がどんな非道な野郎だろうが関係ねぇ、まずは治すよ。それからのことは治療が終わってから考えるさ」
「あいつのせいで姉さんは狂い、死を選んだかもしれない、それでも許せるのか?」
「その可能性はある。でも、俺は母さんが自殺した理由は医者としての誇りを捨ててしまったという思いが原因だと思っている」
その言葉にロックがぴくりと動いた。
「それはどういうことだ」
「母さんは命を救う立場にいながら、命を奪おうとしてしまったことで死を選んだんだよ」
その言葉はとても悲しそうだった。しかし彼の表情はわからなかった。
「そんな行動を起こさせるような原因の人だ、なおさら許せないと思うが?」
「だからこそあの過去を見せたんだろ? 自分のように医者の誇りを俺がなくすか、なくさないかを知るためにさ」
彼のこの言葉は確信を持っているように感じた。そして彼はこの言葉を目の前の人物に言った。
「だからさ、ちゃんと姿を見せてくれよ、母さん。いや死んだ母さんの残留思念かな?」
その言葉にロックの動きが止まり、 何かを諦めたように呟いた。
「どうして、わかった?」
その声はロックではなく女性の声色になっており、容姿もレイチェルの姿に変わっていた。
「一番は話し方、親父は言葉を途中で止めずにやわらかい語尾をつけることだな、次は動作が微妙に違う」
「なるほど、長年の絆というわけか、それで私だと知ったら今の決意は変わるか?」
何かを試すような、しかし、どこか優しい声でロッシュに語りかける。
その問いに彼は頭を振った。
「私があの人に復讐をしてくれといってもか?」
「変わらないさ、だって俺は世界を、いや、人を救うために今まで勉強をしてきた、いくら母親の頼みだからって人を傷つけることしかしない復讐なんてしない」
「……強いわ、貴方なら、私ができなかったこと、大切な人を治すことを託せる」
彼女は橙色の一冊の本を取出し、彼に手渡した。
「これは古代の医学書、この玉の知恵、これがあれば今よりたくさんの人が救えるし、あの人のところへ行ける鍵でもある」
「母さん、ありがとう、俺、大切にするよ」
彼の表情はさわやかだった、それを見て彼女は涙を流した。
「ロッシュ、こんな母親でごめんなさい、自身の弱さに負けて、死を選んだ私を許してとは言わないけど謝らせて」
そう言うと彼女はロッシュのことを抱き締めた。
彼はそんな彼女に母さんと小さく呟くと、彼も母親を抱き締めた。
「気にしてないと、言ったら嘘になるけど俺は親父のおかげでちゃんと育ったから大丈夫だ、だから母さんは遠くでこれからも見守っていて」
その言葉に彼女は頷いた、それに安心したロッシュは抱き締めていた手を離し、彼女から離れた。
「名残惜しいけど俺は帰るよ、待っていてくれる人がいるからさ。それに治したい人も助けたい人もいるし」
彼女は目に涙を浮かべていたが、笑ってロッシュを見ていた。
そして数秒後、彼はこの空間から消えていた。
読んでいただきありがとうございました。




