第2章(2) ネットワークビジネスへの勧誘
あっちゃんとの合コンに刺激を受けて、もっと積極的にならないといけないといけないなぁと感じていた。
せっかくだし、まなみを食事にでも誘ってみようか。
たまにLINEはしてたけど、ゆっくり話すのは久しぶりだしね。
緊張するけど、仲は良い方だから予定があえば一緒に食事してくれるはず。
とりあえず、こんな感じの文章でいいかな。
”仕事は順調かな?久しぶりにご飯でも食べながら話さない?”
デートになるのかな。
いた、ただ食事に誘うだけだ。
気にするな!
『送信』
・・・。
・・・。
断られたらどうしよ〜〜〜〜!!!
布団の上で毛布を抱きしめながら転げ回る。
でも、送ったものは仕方ない!
あとは、まなみの返信を待つだけだ。
ピロン。
返信きた!
「久しぶりに話したいね〜♪今度の水曜日にでも一緒にご飯行こう(*^^*)」
きた〜〜〜!!!
OKもらいました!
毎週水曜日は、定時退社日で仕事の少ない新入社員はほとんど定時に仕事を終える。
週末じゃないところが、まなみらしいな。
”うん、楽しみにしてるな!”
送信っと!
今度の水曜日が楽しみだなぁ。
仕事のことも話したいけど、まなみとの距離を縮めれたら嬉しいな。
相変わらず仕事は雑務ばかりだければ、手を抜くことなく真剣に取り組む。
しかし、こうも雑務ばかりだとさすがにやる気が出なくなるな。
周りの人も特に忙しそうにしていない、というか仕事してる感じがしないし、どうしてもモチベーションが下がってしまう。
そんなことを考えながら、ようやく水曜日の仕事を終えて帰宅することができた。
まなみとの食事は、会社から二駅離れた和風のレストランにすることにした。
古風というか日本料理が好きなところがあるから、気に入ってもらえると思う。
「りゅうくん、お待たせ〜♪」
まなみが手を振りながら小走りで来た。
やっぱり可愛いなぁ。
「お疲れ!」
まなみと二人きりでの食事だ。
どうしてもテンションが上ってしまう。
お互い席に着いて、定食を頼む。
週の中日なので、お酒は無しだ。
「まなみは仕事どう?楽しい?」
「それが、すっっっっごく大変なの!」
両目をぐっと瞑って、大変さを全力で表現する。
「お、おう。何があったん?」
「先輩から、もう一人前だろって言われて、いくつかのクライアントを1人で対応することになったの。最終チェックは部長がやってくれるけど、失敗ばかりで毎日謝ってばかりなんだぁ」
「でも、すごいじゃん!もう、1人で仕事を回せるようになったってことじゃん」
「毎日、失敗しないかビクビクだよ〜」
そう言って、小さくうずくまる。
てか、頭をなでてあげたくなる!!!
「大丈夫!まなみなら出来るよ。困ったら先輩も協力してくれるんだよね。そんなに気にすることないよ」
「え〜、でも、怒られるのは嫌だよ〜」
「怒るのも期待してる証拠だと思うよ。どうしても辛いときは、僕が慰めるからさ」
「そう?えへへ〜。ありがと♪」
満面の笑みでそう言うまなみの顔が眩しい!
「う、うん!任せな」
やばい、可愛い過ぎて抱きしめたいなぁ。
「りゅうくんは、仕事どうなの?」
「ん〜、僕は雑用ばっかりやってる感じ。言われたことは一生懸命やってるけど、正直あんまり成長できてる気がしないんだよな。だから、家で自分で開発の勉強したりしてるよ」
「え!?すご〜い!」
「そんなことないよ。ちょっとした玩具を作ってるだけだよ」
「でも、私だったら絶対無理だもん。りゅうくんも頑張ってるんだね」
何か影で努力してたのが報われた気がして嬉しくなる。
やっぱ、まなみのことが好きだなぁ。
「ありがと。まだまだ、わからないことだらけだから、僕も頑張って早く一人前にならなきゃね。じゃなきゃ、まなみに置いてかれてっちゃうし」
「あれ?りゅうくんのこと追い抜いちゃった?やった〜♪」
「調子乗るな(笑)」
まなみと一緒にいる時間は、すごく癒やされるな。
楽しくてあっという間に時間が過ぎてしまう。
その後も、冗談を言い合いながら話しをして、その日は解散した。
「うん!エネルギー充填完了。明日からも頑張ろう」