表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
殺人は罪になりますか。・・・いいえ、なりません。  作者: 君待@ぼくは死に損ないです。
1/1

Dead or Alive

・・・・・・皆さんは生きることに価値があると思いますか。

何のために生きるのか、生きて死にその先は。

貴方には生きたいと強く願うほどの理由はありますか。

在るならば何故貴方は、その理由の為に生きようと思うのですか。

再度問います、生きることに価値はありますか。


ぼくは生きていることに価値を見出せない。

生きていて何になるのか。意味も無い、見返りもない。

なら何のために生きるのか。

大人は怖い、怖い。

大人は力があるから、あの拳で殴られたらひとたまりも無い。痛い。

痛い。痛い。痛い。痛みは体を蝕みやがて殺意へと。


『貴方々に問います、生きることに意味はあるのでしょうか。』

ぼくは即答する、そんなモノは無いと。

『ならば、意味の無い時間を有効に使いましょう。』

有効にとは?でも、ぼくから声が出ることはない。

『生きる意味を見いだすためには、それくらい死に近づかなければいけません。』

死に近づく?生きる意味とは?

『さあ、デスゲームDead or Aliveの開始です。』


________数日前________


「はぁ、これでもない。」

(今日のコレは良いと思ったんだけどな。)

少年の足元に転がる肉塊、目だけがくりぬかれ真っ暗な闇を作り出している

「ああ、でも色は綺麗なんだよなぁ。」

少年の持っている球体状のモノ、コバルトブルーの瞳

「きらきらしてて綺麗だ。」

愛おしそうに生気の感じられない暗い瞳を見つめる

ニタリと顔を歪めると瞳を袋にしまい立ち上がる

そうしてゆっくりと夜の闇の中へと溶けていった


「また目のない死体か。」

少し肉のついた警部がやつれた顔で言う

「これで28件目ですね。」

警部の隣にいたやせ型の刑事がこれまた酷く顔を歪めて言った

「何故目だけを持っていくのでしょうか。」

「そんなこと決まっているだろうが、愛でるんだよ。」

「ええ!なんだか気持ち悪いですね。目だけを持っていって愛でるなんて」

「コイツをやったのは相当頭のいかれてる快楽殺人鬼だからな。気持ち悪いと思うのは正常な証だ。」

警部と刑事が顔を顰めて話し合う

「とにかく、容疑者を当たるぞ!」

「はい!」


「朱乃、もう起きたほうがいい。」

少年の体を揺らすのは、大人びた印象をもつ青年だ

「ん~、もうちょっとだけ・・・」

「だめだ、もう起きろ」

「うわぁ、なにすんだよ」

無理矢理布団と奪い取られふてくされた顔で青年を睨む

「すぐに起きないお前が悪い。」

ほら、早く立て。と言って少年の腕を掴み立ち上がらせる。

「あーもう、分かったから離せよ・・・」

「ならいい。」

そう言ってあっさりと少年の腕を離す

「着替えるからでてって。」

「女じゃないんだし、別にいてもいいだろ」

「良い分けないだろ」

青年の背中を押し部屋から追い出す


「おい、着替えたぞ」

「ん、じゃあ行くか」

二人は学ランに身を包み、学校へと向かう

向かっている途中で少年は猫の死骸を見つける

「ちょっとどかしてくる。あのままじゃ子猫まで引かれる」

「あ、おい!・・・はぁ、先行ってるからな。」

「うん。」

少年は猫の死骸を腕に抱き抱え道の外れまで持っていってやる

少年は学ランが血で汚れようともとくに気にした様子はない

じゃあな、と子猫に一言つげその場を後にしようと道路へ一歩踏み出した

その時、右側からトラックが凄い勢いで走ってくる

そのまま少年を引いて血飛沫を撒き散らす

ああ、死ぬのか。と少年は他人事のように思っていた

どうせどうでも良いことだ。と・・・少年は生に執着していなかった

だから、どうして自分が選ばれたのか分からなかった

ただひとつ思い当たるモノとして・・・


『ぁ・・・は・・・です・・・・・・そ・・・あな・・・・・・は・・・・・・・よう・・・す・・・・・・・・・・・・・おめでとうございます。』

_________ブツッ____神経の切れる嫌な音、脳の焼ける嫌な臭い、目眩がするくらい一面の赤。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ