表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/9

7-金


「アル」

「なんだ」

「お金ください」

「……仕組みについて説明しておくぞ」

銭貨10枚で銅貨1枚、

銅貨10枚で銀貨1枚、

銀貨10枚で金貨1枚、

金貨10枚で1ファーブ紙幣だ。

「若干価値が分かりづらいな」

「昨日お前が食べた夕食が2ファーブと3金貨だ」


……微妙に分からん。


「習うより慣れろだ、いくらかやるから外に行ってみろ」


気分は初めてのおつかい。




門に触れると音もなく開く。


その事実で感動に打ち震えていると後ろを通りかかったメイドに声をかけられた。


「大丈夫でしょうか」

「大丈夫です」


改めて外に一歩踏み出す。

大きく深呼吸すると肺に前の世界よりかはキレイな空気が溜まっていく。


暖かく、春の陽気を感じさせた。


とりあえずは目の前の100段以上はある階段をどうにかして楽に降りれないかと考えてみる。


しばらくしてどうにか楽して数えながら降りたところ全部で400段。アホか。


とりあえずアーテム第二階層まで無事到着。


この城への直通の階段に接している道がメインストリートらしい。

……でかいな。

メインストリート幅50mはあるだろ。

石畳というのは初めて見たが意外と凹凸が多くない。


近くにあった看板を見てみる。


ここでは主に家具やベッドなどの大きな物から食器や陶器、ガラス製品など日常生活で使用する物、はたまた八百屋や精肉店等食品の類も売っている。

アーテム住民の為の階層ということだろう。


文字は読めた。

概念様万歳。

ただ書く事はできないと思う。


ということは屋台や旅に必要なものはもう一つ下の階層にあるというわけだ。

行きたくね。


ここから更に4、5km歩かなきゃならんのだ。一般住民はどうしているのだろう。バスみたいのがあるのだろうか。


面倒くさいのでメインストリート沿いにあるカフェに入る。

昼間、おそらく平日なのだろう、だからかあまり人はいない。


「いらっしゃいませーご注文お決まりになりましたらお呼び下さいー」


空いている席に座り、メニューを見る。


おお、全然知らない。

どのメニューも見たことない。

味が予想出来ない物しかない。


なんだろう、とりあえず安くもなく高くもない物を選ぶ。


「すいませーん」

「はーい」

「テラレッソ一つ」

「はーい、以上で?」

「はい」


恐らくコーヒー系なのだろうとは思う。


「テラレッソでーす」


あ、違うわこれミルクティーだわ。


とりあえず飲んでみる


うん……普通に美味いわこれ。

紅茶強めのミルクティーだわ。


どういう風に作ってるんだろう、あと茶葉ってあるのか。

そもそも牛がいるのか。


「お会計おねがいしまーす」

「はーい」

「お会計5銀8銅になりまーす」


1銀が百円くらいか。

そんで金貨1枚で千円と、なるほどなるほど。


「はい」


アルからもらった革袋から銀貨5枚と銅貨8枚を出す。


「丁度お預かりしまーす、ありがとうございましたー」


カフェを出て、またメインストリートへ。


どうするかな。

まあ、しばらくの間は異世界観光と行きますか。



その日の晩、各色都の統括者達へ届けられた手紙は紆余曲折を経て、正式に、そして秘密裏に承認された。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ