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雲行き(その2)

 


『●●●●●●』

 コンビニの前で携帯に耳を押し付ける私。そんな私の横を様々な人間が通り過ぎていく。

 私の心臓が早く脈打っていることを、誰も知らない。

「別に、どうってことないよ」

『●●●●●?』

「そんなことを言われても、私から何か言うことは無いよ」

 以降だんまりの私。

『●●●●●●●●●』

 ならさっき言った。「別に」。

『●●●●』

「そんなことないよ」

 大体どうして今電話してきたんだ。

『●●●●●●』

 その言葉が耳に入ったとき歯ぎしりをしたのは無意識のせいだった。

『●●●●●●●●?』

 ああ、それでいいんじゃないか?


 ○ ○ ○


 それ以上話をしたくなくて、早く切りたかったが、

『……変わったわね、ゆうきちゃん』

 相手の口が動く方が早かった。

『昔はそんなんじゃなかったわよ』


『昔見たいに、笑ってみせてよ』


「……………………」

『……じゃあ、ね』

 それで、通話は終了した。

 相手から始まって、相手が切った。

 通話の作法では正しいのかもしれない。

 しかし、私の心はズタズタになっていた。



 携帯を仕舞っても暫く棒立ちを続けていた。

 頭の中で様々な重いが渦巻く。何を考えていたのかは言わない。言いたくない。

 知られたくない。

 誰にも。

 暫くそのまま行動をボイコットしていた。








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