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思い出5
「あれ?ねえちゃん?」
孝広と2人で話してると香乃が帰ってきた。
「お?香乃じゃん。」
「孝広さん!こんばんは!!ねえちゃんに練習邪魔されてるんすか?」
は?なにいってんの?このバカ弟!!
「ははは、それよりこんな夜遅くまで練習?」
空笑いした?
あれ?え?
「ん?、勉強会。」
にいーっと笑う香乃をみてバシっとなぜか孝広は頭を叩いた。
「え?なに?!」
「奈乃はいいから。香乃、早く帰れ。」
「ちぇっ、なんでだよ。」
香乃はなぜか、スネた顔をして家へ入っていった。
ていうか、私の方がふつう拗ねる方だよね?
「ね?なんで私はいいの?ね?」
ジャージをぐいっとひっぱり聞く。
「まだ、知らなくて良いこと。」
私の手を取って、ジャージから手を離させる。
そして、
「じゃあ、俺もう一周してくるから。」
と言って走っていった。
「なによー。」