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思い出4
「私、ちょっと見てくるね?」
中学なんて坂下ればすぐだし
そう思ってスマホを片手に外に出た。
きをつけるのよー?
お母さんおお皿を洗いながらそう言った気がする。
「…うわぁ。星きれい。」
一歩外に出ると夜空の星が光り輝いていた。
「奈乃。大丈夫だったか?」
「うわっ、びっくりしたぁ!孝広か。」
だぶん、ジョギングの帰りかな?
ジャージだし。
「で、聞いてんの?」
孝広の長い腕が私の後頭部をなでる。
ちょっ、なに?!
え?
「転んだんじゃねぇの?学校から帰ってきて着替えてたらすごい音してたんだけど。」
…あ!それね!!
「大丈夫!もう痛くないし。」
えへへっと笑うと孝広はため息をついた。
「たんこぶできてるけど。」
さらっと髪へうつりそのまま私から離れた孝広の手。
少し、寂しく感じたのは気のせいかな。
「…。」
「ばーか。気をつけろよな。」
少し微笑んだ、日に焼けた孝広の顔はかっこよく感じた。
「うん、気をつける。」
さっきまで撫でられたところを手でさすりながら頷いた。