思い出2
ぼーっとしてる間に入学式が終わり
あっという間にもう部活を決めなくてはならない時期が来た。
「奈乃?部活決まった?」
「あ、夏希。うーん、孝大もいるし野球部のマネしようかなって…」
部活希望表とにらめっこしてるときに
中学から親友の青井夏希が聞いてきた。
「野球部マネって日焼けするじゃん!!絶対だめ!!!奈乃の真っ白いこの肌を黒くするなんてダメ!!!許されない!!外部なんて許さないからね!!」
夏希は早口で私が野球部マネになることを
全否定してきた。
怖いです。
「じゃあ、なにがいいかな。」
頬づえをつき悩む。
「私と一緒のにする?弓道部♡」
…むりです。集中力も運動能力もない私が弓道部とかむりですよ?夏希さん。
「明日また考えようかな。」
ぎーっと椅子を下げ立ち上がり鞄を肩に掛ける。
それを見た夏希も鞄をリュックのようにして背負った。
外に出ると金属バットの音がした。
いやー、青春の音がするねぇー。
なんて、夏希さん。
学校の坂をおりるとすぐ駅が見える。
私は電車、夏希はバス。
駅前のバス停に止まっているバスに乗り込む夏希を見送る。
「また明日ね!」
「うん!またねー。」
ぶーんっとバスは発車して電車まで時間のある私をおいていった。
「さて、なにしよーかな。」
駅のホームの椅子に座り。
スマホを取り出し、LINOを開く。
それと同時に夏希からのメッセージ。
それを返してまた来てそれを返してなんて繰り返していたら電車がきた。
スマホを片手に電車に乗り。
空いている席に座る。
流れる風景を見ながら
今ごろ孝大は頑張っているんだろうな
なんて考えていた。